これについては以前にも書いたように、日本におけるソフトウェア軽視が原因です。この記事[^1]が指摘する点はどれも正しいと思います。それに付け加えるなら、教育も不十分だったと思います。筆者がUSCのコンピュータ・サイエンス学部で修士号を取った1989年に、日本でコンピュータ・サイエンス学部を持っていた大学は慶応ぐらいなものです。当時の産業界はソフトウェアをハードウェアの付属物と考えており、電気工学部の一部として細々とプログラミングを教えていました。アルゴリズムとデータ構造とか、コンパイラの技法といった定番の科目は教える先生がおらず、英語の教科書で自習する以外に学ぶ方法がなかった時代です。その後も「素人がプログラムする」傾向は現在まで続いています。日本発のOSとかプログラミング言語が少ないのも、やはりこの業界の裾野が狭いからです。ただし、ゲーム業界は例外的に日本の得意分野となっており、ここに人的資源を集中するのもアリだと思います。
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