今日の日経記事[^1]によれば、2017年の実質賃金は0・2%の減少となりました。エネルギー価格の上昇が物価高につながる「悪いインフレ」が日本で起きた反面、賃金があまり上がらなかったのが原因です。エネルギーを自給できない日本の弱点が露呈しています。法律を変えて手切れ金による解雇を許し、そのかわり定年などの年齢(生年月日)による差別を処罰する法律が必要です。終身雇用や年功序列を止めることで賃金を増やし、人口減少を上回る需要増加を実現するのが目的です。雇用を生み出す責任は国にあり、企業にはありません。戦時中に兵隊に取られた労働者には、戦後に元の仕事に戻れるという終身雇用制度が必要でした。でも平時の日本では終身雇用という判例は誰の役にも立っていません。企業には人材の固定化と人件費の高止まりをもたらし、労働者には非正規労働の増加と賃金の低下を押しつけています。儲からない仕事はすぐやめて、もうかる仕事に人を投入できる制度が必要です。変わり身の早い企業でなければ21世紀は生き残れません。国内需要だけで生きていける時代はもう終わったのです。
^1: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26621980X00C18A2MM0000/
I talk about interesting differences between US and Japan in Japanese from Silicon Valley and Tokyo.
2018年2月6日火曜日
2018年1月27日土曜日
現金大国日本
2018年4月からイオンのお店で、デビット・カードを使うと銀行口座からレジで現金を下ろせる[^1]という報道がありました。1986年に筆者がアメリカで働き始めた時、アメリカの銀行口座からお金を下ろすにはATMに行くか、スーパーのレジで下ろすという手段がありました。その頃のアメリカで当たり前だったデビット・カードを使う方法がやっと日本でも始まったという事です。その後アメリカは現金離れが進み、今やスーパーでもクレジット・カードかデビット・カードを主に使います。小切手を使う場面も少なくなり、かわりにApple Payのようなスマホで払う人が出てきました。スーパーとしては現金を銀行に持って行く頻度が減るので、レジで現金を下ろせるのはスーパーとお客の両方に利点があります。日本はクレジット・カードがあまり普及していないので、現金を使う場面はまだたくさんあります。ATMの維持費や現金配送のコストは銀行にとってなるべく減らしたいコストなので、レジで現金を下ろす際には1回あたり上限を1万円までとして、手数料は無料にするのが良いでしょう。
^1: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24737860W7A211C1MM8000/
^1: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24737860W7A211C1MM8000/
2018年1月13日土曜日
AI時代の人間
人工知能(AI)が人間を置き換える未来という予測があります。その未来では普通の人間には仕事がありません。AIを搭載したロボットが必要な仕事をすべてやってしまうので、週に40時間しか働けない人間はお払い箱なのです。そうしたロボットには税金をかけるので、仕事のない人間はベーシック・インカムという生活保護的なお金をロボットからもらいます。さてこれで飢える心配はないとして、やる事のない人間は暇で仕方ありません。働かなくても食べられるという楽園のような生活が実現したとして、暇な人間は何をしたらいいでしょうか。ゲームですか。芸術活動ですか。それとも人助け?人間の基本的な承認要求を満たすにはどうしたらいいでしょう。人から「ありがとう」と言われるには何が必要でしょう。頭を使わなくなった人間は猿に戻ります。AIを使う一部の人間だけが頭を使い、他の人間が朝から晩までゲーム漬けという未来は歓迎できません。
2018年1月7日日曜日
ペルーの様子
年末年始の休みを利用してペルーに家族旅行してきました。ペルーはスペイン語の国なので、英語はあまり通じません。首都リマの国内線のカウンターで、荷物を預ける時に英語が使えなかったのにはびっくりしました。挨拶とか数詞とかの初歩的なスペイン語を少し知っていると便利です。旅行には英語が話せる現地のガイドを雇いました。貧富の差が大きく人口も増え続ける、いわば発展途上の国がペルーです。「センデロ・ルミノソ」によるテロの危険がなくなった今、旅行で訪れる南米の国としてはペルーはお勧めです。トイレで紙を流せないので、日本からウォシュレットを富裕層に売り込むと良いでしょう。自動車はすべて輸入品です。リマの交通渋滞はひどく、公共交通機関が人口の増加に追いついていません。リマにはバスの専用道路と駅があって、地下鉄のかわりを勤めています。
2017年12月17日日曜日
国会と喫煙
日本の国会は喫煙自由だそうで、どうりで日本で公共の場での禁煙が進まないワケだと納得しました。国会議員自身がタバコ好きである以上、禁煙の議論が進まないのも分かります。まず国会を禁煙にする所から始めないとダメです。タバコが煙害を他人に及ぼす公害である以上、法律で規制すべきですし日本はその点でアメリカに遅れています。州によって多少違うものの、公共の場での禁煙はアメリカだと普通になりつつあります。それは喫煙者が少数派になったからで、タバコの税金を思い切って上げた結果です。タバコは健康を害し火事の元にもなり、税収以上の損失を日本に与えています。タバコが原因で病気になり健康保険が圧迫されるなら、高い税金でタバコの消費を減らし健康保険の赤字を防げば一石二鳥でしょう。タバコ農家には転作奨励金を3年出して、人の健康に役立つ作物に切り替えてもらえば良いかと思います。
2017年12月1日金曜日
少子高齢化は不可避
「少子高齢化を克服する」ためには何々が必要という意見をよく聞きます。でも少子高齢化は止まりません。高齢化は人が長生きする事と同じですから、時間が経てば経つほど高齢者の数が増えます。また子供を産む女性の数が減っているうえ、ひとりの女性が生む子供の数が平均1・2人ですから、時間と共に子供の数も減ります。このさき人口の半分が高齢者となる日本で、一体誰が働いて税金を納めてくれるのか、年金を稼いでくれるのかという問題です。「少子高齢化を克服する」という命題は立派です。でも現実には「少子高齢化」は克服できません。あたかも「少子高齢化」を防げるような議論は時間の無駄です。
2017年11月18日土曜日
日本がなくなる
林修先生おすすめの「未来の年表」という本を読んだ事がありますか。副題にあるように「人口減少日本でこれから起きること」が年表の形で書いてあります。人口の推移は移民に門戸を開かない限りほぼ予測できるので、この本にある事はまず間違いなく起きるでしょう。筆者にとって衝撃的だったのは、日本の人口減少はもはや阻止できないという事実です。これは子供を産む女性の減少が原因です。ひとりの女性が生む子供の数が平均で1・2人と少ない上、女性の数そのものが減っています。この結果指数関数的に日本の人口が減っていくのです。東京でオリンピックが行われる2020年ですでに女性の過半数が50歳以上になります。2025年には東京都の人口も減り始めます。いずれ日本人がみな死に絶えて日本人がゼロになるまでの時間すら分かっています。もちろんその前に日本は外国に乗っ取られるでしょうけど、今の若者はこうした現状をどれだけ分かっているでしょうか。人口の減少は労働者と消費者の減少につながり、国力を減らします。いくら自衛隊があっても、入隊する若者がいなければ日本は守れません。残り少ない老人ではなく、未来がある若者が考えなければいけない問題です。
2017年11月10日金曜日
博物館にもっと英語を
日本滞在中に上野の科学博物館に行ってきました。特別展のアンデス文明展は及第点、常設展は落第でした。いえ展示内容ではなく説明に英語があるかどうかという話です。上野の博物館なら外国人が来るのが当たり前、それなのに展示の説明が日本語のみで、あれでは外国人はがっかりです。今の科学博物館は旧館で日本の地質や動物を、新館でそれ以外の展示をしています。日本の地質や動物について知りたい外国人が旧館に来ても、説明が日本語だけだと何の助けにもなりません。展示の説明を英語でも表示すると海外からのお客が増えるだけでなく、日本人にとって英語の勉強にもなります。上野の博物館は日本を代表する知識の館です。ぜひ英語の説明を完備して下さい。
2017年11月6日月曜日
9月の実質賃金0.1%減
日経によると日本の実質賃金は4カ月連続でマイナス[^1]だそうです。巷では景気が良いような話も聞く一方で、労働者の実質賃金は下がる傾向があります。これには非正規労働者の増加という面と格差の拡大という面があります。非正規労働者の増加が源で、格差の拡大がその結果です。日銀が大量にお札を刷って国債を買ったため、政府の思惑通り円安になりました。円安は輸出額の増加と輸入物価の上昇をもたらし、一時的に「景気が良い」ような錯覚を日本国民に与える事に成功しています。しかし実質賃金が上がらなければ労働者の生活は楽になりません。日本で株高の恩恵を受けているのは一部の投資家のみで、大部分の国民には大量の国債がツケとして残されています。日本のような急激に人口が減少する国では「いかに上手に縮む」かが問われるのに、既存の経済学にはその答えがありません。それは「人口が時間と共に増える」というのが経済学の前提になっているからです。もし日本人が経済学でノーベル賞を取りたければ、世にも稀な人口減少下の経済をきっちり研究すると良いでしょう。
^1: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23178360X01C17A1EAF000/
^1: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23178360X01C17A1EAF000/
2017年10月21日土曜日
日食と天気
皆既日食の時には気温が摂氏で10度ぐらい下がります。1時間ぐらいかけて太陽が月に隠れていくと、肉眼では分からないものの肌に受ける太陽のエネルギーは着実に減っていきます。つまり太陽の光を浴びても暖かく感じなくなっていくのです。これは他にはない体験です。夏の日差しが冬の日差しになるような、明るいのに暖かくない光に変わる現象です。半袖では寒くて仕方ないので、長袖の上着を着ました。それとともに風が吹きます。気温が下がるという事は気圧が下がるという事ですから、周りの暖かい場所から空気が入ってきます。皆既日食ではもちろんそこが一時的に夜になり、真っ黒な太陽が見えるという事は知っていました。でもこれほど気温が下がって太陽の有り難みを感じるとは思いませんでした。何も知らない昔の人はさぞかし日食が怖かったろうと思います。
2017年10月14日土曜日
2大政党制?
アメリカには共和党と民主党という2大政党があり、一般には2大政党制の国となっています。なぜふたつの大政党があるかと言えば、そこには国を2分する課題があるからです。共和党は「小さな政府」と「自助努力」を目標とし、その反対に民主党は「大きな政府」と「社会福祉」を目標としています。「小さな政府」とは税金が少ないし社会福祉も少ない、いわば「究極の資本主義」を表しています。一方「大きな政府」では税金が多いけど社会福祉も多いという「社会主義的資本主義」を狙っています。アメリカはこの「小さな政府」と「大きな政府」の間を常に揺れ動いています。ひるがえって日本の現状はどうでしょう。日本には国を2分する課題があるでしょうか。国民全員が「少ない税金」と「手厚い福祉」を求めていませんか。サウジアラビアのようなオイル・マネーのある国ならいざしらず、日本には無理な相談です。その結果日本の選挙では憲法改正とか原発問題が取り上げられています。でもそれは国を2分するような課題ではありません。憲法改正しなくたって自衛隊は存在するし、原発だってこれから何年も稼働し続けます。すべての政党が「歯止めのない財政赤字」という大問題に背を向ける限り、将来の日本は一部のお金持ちと貧乏人だらけになってしまいます。
2017年10月7日土曜日
医者のシステム
アメリカの医者は予約制がほとんどで、急患の場合は平日の昼間ならクリニックの救急外来に行き、夜間や休日だと病院の緊急室に行きます。子供の発熱程度だとまず担当の看護師に電話で相談して、医者に診せた方が良いとなると急ぎの予約を入れるケースもあります。予約はすぐには取れない場合があり、そのかわり処方箋なしで買える薬は種類も多く安いので、医療費の高いアメリカで安易に医者にかかる人はいません。病院は看護師とボランティアが中心で、医者は必要に応じて病院にやってきます。病院は主に手術する所であり入院する所です。クリニックは検査をしたり診断する所で、病院とは棲み分けができています。個人で開業している医者は、近くの病院やクリニックと契約を結んで、自分のオフィスでは不可能な検査を外注します。X線CTやMRIなどの高価な検査機器は病院やクリニックにあるので、開業医が所有する必要はありません。
2017年10月5日木曜日
また過労死?
アメリカで働いていて良かったと思えるものは、ここには過労死がないという事です。日本のような悲壮感を持って働いている人はいません。人を雇うのもクビにするのも簡単にできるアメリカでは、労働者から見ればクビになってもすぐまた次の仕事が見つかるという話です。過労死が起きるほどの長時間労働をさせると、たいていのアメリカ人労働者は他の会社に移ってしまいます。もちろん若者は暇なので、朝昼晩の食事をタダで提供すれば毎日12時間ぐらい働いてくれます。でも家族持ちはそうはいきません。子供の送り迎えや育児などで夜は誰も会社で働きません。家からインターネットで働く人もせいぜい夜の8時でいなくなります。それに長時間労働だと仕事も現状維持がせいぜいで、画期的なアイデアは浮かびません。日本の生産性が上がらないのは、経営者の頭が硬くて長時間労働の欠点が見えていないからだと筆者は思います。
2017年9月20日水曜日
さらに国債を増やす日本
日銀が2%の物価上昇を諦める中で、今度は政府が2020年度のプライマリー・バランスという目標を引っ込めました。つまり国債を増やせるだけ増やして子供や孫への借金を増やしたあげく、消費税増税によって増える税収を国債を減らす事に使うのではなく、選挙で反対の少ない「教育費の無料化」に使うという話です。今まで日本はどちらかと言うと「アリとキリギリス」のアリの生き方をする国だと思っていたのに、こうなるとキリギリスの生き方をする国になったかとガッカリです。人口が増えるアメリカと同じ事をやっても、人口が減る日本はアメリカのような経済成長はできません。増税と支出削減を同時にやって累積赤字を減らさないと、日本の将来に希望を持てない若者が増えるだけです。借金まみれの日本を子孫に残すのは、今の大人が無責任だからです。
2017年9月9日土曜日
第一世代の移民
アメリカの強みは移民のハングリーさにあります。アメリカに来てすぐの移民は第一世代の移民と呼ばれ、なんらかの理由があって祖国からアメリカに来た人たちです。戦争、迫害、弾圧、貧困など命の危険を感じて祖国を去る人は昔も今も変わりません。こうした人たちは言葉に不自由しながらも、アメリカで自立するために死ぬ気でがんばります。第一世代の移民に独特のこのやる気は貴重です。彼らが経済的に成功して子供を大学にやると、このやる気はそこで失われます。第二世代はもう言葉にも不自由せず自己認識も十分にアメリカ人なので、移民特有のハングリーさはもうありません。つまり移民による経済の活性化は一世代しか続かないので、アメリカは常にある程度の移民を必要としています。
2017年9月1日金曜日
日食の混雑から学んだ事
オレゴンの日食旅行には実はおまけが付きました。帰りの高速道路がめちゃくちゃ混んだため、なんと予定の飛行機に乗り遅れてしまったのです。そのためポートランドにさらに一泊して、ロス経由で6時間かけて帰る始末。これだけ道が混むとグーグル、アップルやウェイズの地図アプリはまったく役に立ちません。高速道路で2時間かかるとアプリは言うのに、渋滞のため6時間かけてもまだ飛行場には着きませんでした。明らかに過去のデータに頼るAIの限界です。またオレゴン州にとっても史上始めての混雑だったと思います。ただいつも我々が信用して使っている地図アプリなので、人間の方が自分の頭で判断する事を止めていました。ラジオで言っている混雑状況とアプリが言っている予想到着時刻が矛盾した場合、ラジオで言っている事を信じるべきなのです。いつもAIに頼るのではなく、いつAIを使うのを止めるかを考えるのも人間の責任です。今回は自分の判断力がアプリのせいでかなり衰退している事に気が付いた旅行でした。こうした地図アプリは普段は便利でも、天変地異や皆既日食のような大きな事件が起きると頼りにならないという事がよく分かりました。
2017年8月23日水曜日
皆既日食2017
カリフォルニアのすぐ北にあるオレゴン州で皆既日食が観られるとあって、一年前から宿を予約して週末にオレゴンに行ってきました。筆者にとって生まれて始めての皆既日食は本当に素晴らしい体験となりました。ただ残念なことにカメラではそのすべてをお伝えすることができません。プロの撮った写真は確かに肉眼で観た太陽に近いけれど、やっぱり違います。黒い太陽の周りに広がる白い糸のようなコロナを写真では表現できません。以下の短いビデオは筆者が携帯で撮ったものです。太陽は露出過多になり、実物よりも明るく写ってます。目の感度が昼間のまま周りだけ夜になるので、実際にはもっと暗い空に太陽が浮かんで見えます。双眼鏡で赤いプロミネンスもしっかり見えました。人間の目は見える明るさの範囲がカメラより広いという事ですね。1分以内に昼から夜に変わります。全方向に夕焼けが出現する不思議な景色です。
https://youtu.be/_PMEviqGOqA
https://youtu.be/_PMEviqGOqA
2017年8月15日火曜日
アメリカの宅配事情
アメリカの場合、宅配業者は届け先が不在ならどんどん玄関先に配達した箱を置いていきます。よほど高価なものでないかぎり受け取りのサインは要らないので、再配達は要りません。また郵便の場合は、不在だと箱のかわりにピンクの紙を置いて受取人に郵便局まで取りに来させるので、やはり再配達は要りません。このため郵便局は土曜日も開いています。さらにアパートやマンションだと宅配ボックスがあるので、ある程度の大きさなら宅配ボックスに入ります。自分の勤め先の会社のサービスとして、会社に配達してもらって会社で受け取るという事もできます。再配達が必要になるのはパソコンなど高価な物を注文した時で、この場合はFedexに電話して受け取りの日時を調整します。ふだんの通販で再配達が必要になる場合はありません。
2017年8月12日土曜日
日銀の時間稼ぎ
日銀が2%物価目標の達成時期をまた1年遅らせ、2019年度ごろと発表しました。オオカミ少年の物語を思い出すまでもなく、もう世間の関心は日銀の物価目標から離れています。基本的に日銀のやっている事は時間稼ぎです。お札を刷って銀行から国債を買う事で日本に出回る円の量を増やし、インフレ期待を煽りました。その一方で昨年からは国債の10年物の利率をゼロパーセントに誘導するという方法で、国債の利払いを抑制しています。国債発行残高は着実に増えているので、政府の赤字財政を日銀が間接的に支えている構図です。国債の利率がゼロだと銀行の預金利率もほぼゼロとなり、それにつられて物価も上がりません。つまり日銀はあえて矛盾した施策をやっているわけで、それは政府に時間を与えるためです。この間に消費税を上げて社会保障費を減らす事ができれば日本の成長期待が上向きます。ところが2年ごとに選挙がある日本では、落選が怖くて不人気な政策を実行できません。高齢化による人手不足を補うため賃金の上昇が続く一方、コストの増大に耐えられない企業はAIやロボットを使って雇う人の数を減らそうとします。こうして神風が吹くのを待っている間にも、日本の基礎体力は確実に落ちていきます。
2017年8月5日土曜日
やる気は最低の日本社員
読売新聞の記事[^1]にあるように、日本の会社員のやる気は世界の最低レベルです。それでも日本のGNPはそれなりに高いので、やる気とGNPに直接の関係はなさそうです。筆者はむしろこのやる気の低さが生産性の低さにつながり、それが日本の労働時間の長さを生んでいるのかなと思います。日本はご存じのように就職ではなく就社なので、本人の希望と実際の仕事が一致する事は稀です。つまりほとんどの会社員はお金のために働いているので、仕事へのやる気が低いのは当然とも言えます。アメリカの真似をしていれば食べられた時代が終わり、お手本がない時代にやる気の低い社員ばかりでは会社は傾きます。過去の成功体験を単に模倣するだけでは売り上げは伸びません。日本の雇用慣習はもはや賞味期限切れなのです。時代の変化に対応するには、終身雇用を止めて人が転職しやすい雇用体系にする必要があります。手切れ金による解雇の容認と、年齢(生年月日)や性別、家族構成など本人の仕事の能力以外での差別を禁止する法律が求められています。
^1: http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20170714-OYT8T50014.html?page_no=1
^1: http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20170714-OYT8T50014.html?page_no=1
2017年7月31日月曜日
富裕層のお金
九州をめぐる列車の旅が100万円とか、腕時計ひとつで200万円とかいう話を聞くと、ホントに日本にはお金が余っている富裕層がいるんだなと感じます。そうした富裕層がお金を使うのは日本の経済には良いことなので、高額列車の旅や実用を超えた値段の腕時計があってもかまいません。ただもしあなたがそうした富裕層のひとりで、使い道のないお金を持て余しているのなら、ぜひあなたのお名前で社会貢献にお金を使ってみてはいかがでしょう。お金が使えるのは生きている間だけです。お金に生き金と死に金があると言ったのは龍馬伝の坂本龍馬です。同じ100万円や200万円でも、人に自慢するために使うのではなく社会に役立つために使えば生き金になります。自分へのご褒美というなら何も言いません。でもそのお金の使い方、生き金になっていますか。
2017年7月22日土曜日
若手の提言
中長期的な日本の社会の在り方に関する次官・若手プロジェクトの提言「不安な個人、立ちすくむ国家」という報告[^1]が経済産業省のサイトにあります。少子高齢化の荒波をもろに受ける世代の提言として、これはとても興味深いものです。政治から中立であろうと努力した若手の苦労も忍ばれます。若者に活躍の場がないというなら、若者の投票率の低さにも言及して欲しかったのですが、それはともかく報告の6ページにある『かつて、人生には目指すべきモデルがあり、 自然と人生設計ができていた。今は、何をやったら「合格」「100点」か分からない中で、 人生100年、自分の生き方を自分で決断しなければならない。』という指摘には苦笑してしまいました。いかにも日本人らしい発想です。一体どんなモデルが目指すべき人生だったのでしょう。60年近く生きてきた筆者は今までそうしたモデルを見たことがありません。もちろんこの報告の骨子はこの部分ではないので、ツッコミはここまでにします。彼らの提言は「年金の支給は75歳にからにして、老人にかかるお金を減らそう」という事であり、少子化を止められない以上、「前期高齢者には働いてもっと税金を納めてもらい、現役世代にもっとお金を回そう」という事です。筆者はこれに異論はありません。そしてその実現には大きな政治力が必要な事も確かです。問題の指摘と解決策の半分はこの報告にあります。残りの半分はその解決策を実現するために必要な政治力をどう手に入れるかです。そうした政治力を少数派の若者に持たせるには、1歳以上のすべての国民に選挙権を与え、その保護者に代理で選挙権を行使させるのが良いと筆者は考えます。ツケを支払う世代にも選挙権を持たせるのは、今のシルバー民主主義を是正する良い方法だと思います。
^1: http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf
^1: http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf
2017年7月15日土曜日
年金は誰が稼ぐのか
日本の会社では新卒を面接して誰を選ぶかを決める一つの基準として、「この人は自分の厚生年金を稼いでくれるのか?」という見方をします。これはなにも厚生年金に限りません。世代間の仕送り制度に基づく国民年金でも同じです。日本のように子持ちに不利な社会では少子化が進み、将来の年金の払い手がいなくなります。保育士の給料を低いままに抑えたり、子供のいる女性を職場から排除するという事を続けた結果が日本の少子化です。そこで世のオジサンたちに質問します。あなたが年老いた時、誰があなたの年金を稼いでくれるのでしょう?
2017年7月8日土曜日
歯科医療の違い
アメリカの歯科医療は予防に力点を置いています。歯周病予防のため半年に一度のクリーニング(歯垢除去)には保険が使えます。加入しているデンタル保険の種類によっては、無料でクリーニングできる事もあります。虫歯を治療する場合、かぶせる物(クラウン)は歯と同じ色のセラミックを使います。日本でよく目にする銀歯はニッケルを含むので、金属アレルギーを避けるため使いません。クラウンの内側は柔らかい金を使い、歯の土台になじむように作ります。歯科治療が日本より高度で高価なため、アメリカ人は子供のころから虫歯にならないよう気を付けていて、毎食後にフロスしたり歯を磨く人は珍しくありません。子供の歯にフッ素を塗るのも保険が使えますし、歯並びが悪いと虫歯になりやすいので、歯の矯正にも年間千ドルまで保険が使えます。
2017年7月1日土曜日
格差拡大のもうひとつの理由
同じぐらいの年収の人の結婚がアメリカで増えています。女性の教育レベルが上がり、収入の高い仕事につく人が増えると、教育レベルや収入が同じ人同士が結婚する事には明らかに利点があります。まずどちらかが仕事を失っても、経済的にはすぐに困る事はありません。健康保険も勤め先を通じてお互いに配偶者として加入しているので、アメリカで失業した時に一番問題になる「健康保険がない」という事は避けられます。また教育レベルが同じなら話も合うし、お互いの知り合いが集まっても話題に困るという事がありません。つまり離婚の可能性がぐっと減るという事です。ところがこの結果カップルの格差が拡大するという新たな問題が起きています。大卒と高卒という組み合わせが減り、大卒と大卒、高卒と高卒というカップルが増えるからです。高卒のカップルの子供が大学に行くのは経済的にとても難しいのがアメリカの現実です。
2017年6月25日日曜日
日本問題の解決策
前回は、増大する累積財政赤字、制度的に維持できない年金、止まらない少子化の三つが日本問題だと定義しました。今回はその解決策を考えます。政策的に可能かどうかはひとまず置いて、まず選挙制度を変えます。1歳以上18歳未満の子供にも選挙権を与え、その保護者に代理で投票してもらいます。財政赤字や税による年金補填問題は子供や孫のお金を横取りする行為なので、子供や孫にも意見表明をしてもらうためです。次に年間10兆円もの税金を国民年金に回す事をやめ、そのお金を子育てと教育に使います。国民年金の支払い額がこれで今の半分になるので、それで足りない人は生活保護で救います。増大する生活保護費用は、防衛費を削ることで捻出します。財政赤字を減らすには支出を減らし、収入を増やすしか手がありません。毎年5%ずつ国家予算を減らし、すべての支出項目を均等に5%ずつ減らします。これを10年続けて予算額をほぼ半減します。一方累積赤字を減らすため消費税を段階的に増やして25%まで上げます。保育費用と高校までの教育費を無料化するのと引き換えに、国民に消費税増税を受け入れてもらいます。所得と資産合計の少ない家庭の優秀な子供には、税金を財源とする給付型奨学金を出して大学費用を払います。さらに老人の定義を75歳以上とし、年金の支出開始年齢も75歳に引き上げます。人手不足の日本では60歳以上の人にも広く働いてもらう必要があります。人生の経験者で知恵も体力もあるシニアには、新しい仕事を生み出すという大事な仕事が待っています。未来に希望がもてる国にするには、こうした施策が必要です。この結果財政赤字がなくなり、年金を支払い不能から守り、少子化を解消できれば日本問題は解決です。
2017年6月17日土曜日
日本問題とは
世界で最も速く高齢化と少子化が進む日本の問題は、日本に特有の問題なので他国の事例はあまり参考にならず、日本人自身が頭を使って解決しなければなりません。この日本問題とは、増大する累積財政赤字、制度的に維持できない年金、止まらない少子化の三つからできています。この問題が日本の若者に及ぼす影響は大きく、未来に希望を持てない日本人を増やしています。税収が足りず、国債を買ってくれる人もなく、行政は予算不足で停止し、「昔は良かった」とつぶやく老人だけの国になります。日本問題は世代間の問題でもあります。1000兆円を超える公的債務を作りだしたのは今の老人です。国民年金を通じて年間10兆円もの税金を食べているのも今の老人です。年金は保険であり、その保険料を納めているのは今の若者です。年金保険は積み立て預金とは違い、現役の労働者が今の老人に仕送りするという割賦方式を採っています。このため老人の寿命が延びて労働人口が少子化により減ると、こうした仕送りはできなくなります。年間10兆円もの税金で年金を補填するのは世代間の搾取に当たり、財政赤字と合わせて子供や孫の世代が使うはずのお金を横取りしています。「今さえ良ければいい、自分さえ良ければいい」という近視眼的な政策の結果がこれです。そうした政策を支持してきた今の老人と、投票しなかった若者に大きな責任があります。
2017年6月11日日曜日
二つの働き方
世の中には、アメリカ式の「仕事に人をつける」ジョブ型と日本式の「人に仕事をつける」メンバーシップ型の二つの働き方があります。その両方を経験した筆者は、ジョブ型の方が労使双方に有利だと考えます。以下その説明です。アメリカ式の「仕事に人をつける」ジョブ型は、プロ野球の世界と似ています。投手として採用されれば、まず投手として働きます。働く人はみな専門職についており、仕事の内容は就職する前に明らかになっています。投手なのに捕手として働くという事はありません。これに対して日本式の「人に仕事をつける」メンバーシップ型では、就職というより就社という形を取ります。働く人は一般職として採用され、辞令ひとつで仕事や働く場所が本人の意思とは無関係に変わります。ジョブ型では経験者に価値があり、メンバーシップ型では新人に価値があります。ジョブ型では担当する仕事がなくなれば手切れ金付き解雇です。メンバーシップ型では担当する仕事がなくなれば配置転換か追い出し部屋です。社会の変化に対応するには「仕事に人をつける」ジョブ型が有利です。日本のメンバーシップ型では解雇が事実上不可能なので、会社は常に余剰人員をかかえています。このため新しい仕事に経験者が必要でも、外から簡単に人を雇えません。一方その余剰人員も専門性が不十分なので身動きできず、会社の人件費だけが高止まりしています。この人件費削減のため正社員を減らしたのが日本の現状です。人材に流動性がなく社会の変化に対応できないのがメンバーシップ型の欠点です。その一方ジョブ型では専門性が問われるので、働く人は自分の専門性を磨くため常に自分への投資が必要です。
2017年6月1日木曜日
ブラック・ホール・レインボー
映画「インターステラー」には見事なブラック・ホールの映像が出てきます。2014年に映画館でこの映画を観た筆者は、ブラック・ホールの映像をとても美しいと思いつつもある種の違和感を感じていました。それから3年たってようやくこの違和感の正体が分かりました。それはブラック・ホールの周りに「虹」が見えないという点です。ブラック・ホールの周りに物が集まってぶつかり、熱と光を発生するのは理解できます。その発生した光は強い重力に逆らって飛ぶので、エネルギーを失うはずです。つまり事象の地平線近くから発した光は赤方偏位するばずで、その結果生じるはずのブラック・ホールを取り囲む虹が映画には出てきません。可視光が事象の地平線の近くから外に向けて飛ぶと、赤外線や電波の領域まで波長が伸びます。ちょうど事象の地平線上で発生する光は、その波長が無限大になる(エネルギーがゼロになる)ので検知できなくなります。これがブラック・ホールがブラックと呼ばれる理由です。あそこまで科学的な考証を重ねて美しい映像を作ったのに、円い虹を省略したのは演出のせいでしょうか。
2017年5月27日土曜日
限界集落とゴーストタウン
日本の限界集落のその次にある物がアメリカのゴースト・タウンです。アメリカの西部にあるゴースト・タウンは、金や銀を産出する鉱山の周りにできた町が鉱山の閉山にともなって廃れてしまい、最後には住民が他に引っ越してできる廃墟です。人がある場所に住むには理由があり、その理由がなくなるとゴースト・タウンができます。日本には居住の自由があるので、人は自分の住みたい所に住みます。その結果人が住みたがらない場所はゴースト・タウンとなります。人口が減る日本では今後ゴースト・タウンの発生を避けられません。でもゴースト・タウンは未来の観光資源にもなるので、限界集落は悪い事ばかりではありません。若者にとって魅力ある場所でなければ、限界集落は必ずゴースト・タウン化します。それは町のライフ・サイクルの一部であり、ごく自然な現象です。
2025年01月25日追記
企業城下町でその企業がいなくなれば、高い確率でそこはゴーストタウン化します。
2017年5月20日土曜日
税金の考え方
教育国債とか子供国債などの議論から分かるのは、そもそも税金はなぜ払うのかという根本が不明だという問題です。教育を投資とみなして国債で払えば、その分を税金から払わなくなるので政治家は喜びます。投資なら利益が入るはずで、それは教育の結果増えるであろう企業や個人の収入となるはずです。教育に1億円費やして、その結果いくら税金が増えるかは分かりません。それは税金の増加には他の要因もあるからです。ではそもそもなぜ公立教育があるかと言えば、まさにこの投資効果が計測できないからです。税金は投資でなかったり、あるいは投資効果が計れないものに使います。前者は警察や自衛隊、議会、そして行政の人件費に相当します。警察や自衛隊は利益を生みません。行政の人件費は利益どころか損失です。でも国民生活に必要な出費として税金で払います。後者の投資効果が計れないものは教育、地震対策、医療、生活保護などです。かけたお金に対していくら儲かったのか分からないけど、絶対にプラスになると思うから税金で払います。国債という債券でお金を集めるなら、リターンを得る手段とその金額を確定する必要があり、このため教育は国債には向きません。儲かる話なら民間にやらせるべきで、わざわざ新しい国債を作って国の借金を増やすのは愚かな行為です。赤字国債もリターンを得る手段とその金額が不明なので、政治家が苦し紛れに生み出した「禁じ手」にすぎません。日本の行政サービスは段階的に減らさざるを得ないのです。
2017年5月13日土曜日
シリコン・バレー・コミック・コン
サンノゼで第2回シリコン・バレー・コミック・コンを観てきました。これはまさにお祭りですね。観客もコスプレしている人の方が多いし、SF好きとかコミック好きという共通点があるので、見知らぬ人どうしでも仲良くやってます。むかしテレビや映画に出ていた俳優が写真撮影とかサインに応じているのが特徴で、スタートレックでデータ役をやってたBrent Spinerとか、ウーラ役のNichelle Nicholsなどを見かけました。場所柄NASAとSETIのブースもあり、火星に関するパネル・ディスカッションにはNASAの人に加えてAndy Weirも登場しました。彼はマット・デイモン主演で映画にもなったThe Martianという小説の作者です。秋葉原のラジオ会館にあるようなフィギュアを売っている店や、映画のワン・シーンを手書きで描いた絵などを売っています。これは著作権料をちゃんと払っているのかな。一日券で$50と安くはないものの、筆者はその独特な雰囲気を堪能してきました。
2017年5月1日月曜日
人工知能と仮説
今の人工知能が得意なのは帰納法です。つまり数多くの過去の事例を覚えて、目の前の問題に合う最良の事例を探しだし、それを目下の問題に適用します。有名なビッグ・データとディープ・ラーニングの組み合わせは、帰納法に最適の手法です。ところが人間は帰納法だけではなく演繹法も使います。事例からある種の法則を見いだしたら、その法則から仮の事例を組み立てます。言い換えると人間は仮説を立ててこれを検証します。でも今の人工知能は仮説を立てる事ができないので、例えばゲームをする人工知能は仮説を立てるかわりに無作為にありとあらゆる手を試します。ゲームという閉じた世界なら手当たり次第に可能な手を試しても害はないでしょう。でも人間の世界でこの方法を行うのは膨大なコストがかかるのでまず無理です。仮説を立てられない人工知能は過去の知識を超える事ができず、新しい問題の解決には役立ちません。仮説を立てられる人間はこの点で(今のところ)人工知能より優れています。
2017年4月22日土曜日
人手不足
少子高齢化の結果日本では人手不足が進行しています。これから労働人口は減る一方なので、まず労働条件の悪い3K仕事から人がいなくなります。それは老人介護やトラックによる物流といった仕事です。飲食店のアルバイトも人が足りなくて賃金を上げています。同じ事はアメリカでも起きており、シリコン・バレーでは多くの飲食店でNow Hiringという張り紙を見かけます。ただしここの場合その原因は人口減少ではなく、収入格差が広がりすぎたというものです。シリコン・バレーの生活費は高いので、飲食店のアルバイトで食べていける人は多くありません。先日マクドナルドで「14歳からアルバイトできます」という張り紙を見かけた時はびっくりしました。普通は高校生を雇うのに、それを中学生にまで広げるなんて驚きです。日本でも人手不足を外国人労働者で補おうとする動きは止まりません。3K仕事に安価な外国人労働者をあてるとアメリカのような超格差社会になり、日本はより大きな問題を抱え込むことになります。
2017年4月11日火曜日
東芝とテレビ
2015年12月26日に「テレビよりロボット」という記事の中で、筆者は「日本ではテレビよりも介護ロボットに投資先を変えた方が良い」という指摘をしました。テレビは汎用部品を買って組み立てるだけで他社と遜色ない製品ができてしまうので、製造コストの高い日本のメーカーには勝ち目がないからです。それより他社に真似できない製品としてロボットに力を入れるべきで、少子高齢化の進む日本では労働力としてのロボットが有望です。特に介護の分野は労働条件が悪いので、もっと機械化が必要です。原発投資で失敗した東芝が今年になってようやくテレビ事業を手放す[^1]ことに決めました。筆者の過去の記事を見るまでもなく、テレビが儲からない事業となったことは数年前から明らかだったのに、ダメになる企業には特徴的な「意思決定の遅さ」があります。
^1: http://www.asahi.com/articles/ASK4961B8K49ULFA002.html
^1: http://www.asahi.com/articles/ASK4961B8K49ULFA002.html
2017年4月8日土曜日
テレワーク
日本でもよく耳にするテレワーク、つまり会社に出勤せずにインターネットなどを使って家から働く方法が今回のお題です。マサもHP社に勤めた1990年ごろから必要に応じて家から働いていました。ソフトウェア・エンジニアだったので、電話線にモデムをつないで2400bpsでメールのチェックとかしてました。まだワークステーションが無かったので、会社のコンピュータにつながないと仕事ができないという時代でした。今の会社でも事情は似たようなものです。モデムの代わりにインターネットとVPNになったので、回線スピードが桁違いに速くなっただけです。ターミナル・プログラムを使ってコマンドを打ち込むという作業に変わりはありません。家から働くと通勤と子育てには楽です。でも顔を突き合わせての話しができないので、テレワークは週に一度でいいと思いました。米Yahooではテレワークが禁止されたこともあります。アメリカの場合、従業員が遠くに住んでいて会社に通勤できない場合もあるので、そうした人はほぼ毎日テレワークです。アメリカは広いので毎日テレワークで働く人は珍しくありません。それでも月に一度くらいは会社に来て直に話しをするという作業が必要です。同じ部屋で白板に絵を描いて議論するというのはテレワークでは実現できません。
2017年4月1日土曜日
ふるさと納税の愚
日本の「ふるさと納税」という仕組みが壁にぶつかっています。自分の住む自治体以外に納税する時、いくら納税したかを納税先の自治体から自分の住む自治体に通知するきまりがあります。それはこの納税額を住民税から控除できるからです。このとき納税額から、お礼の品の地元での値段を差し引いた額を通知する法律にすれば良かったのにと筆者は思います。いかにも日本らしい「返礼品」の値段を巡って、くだらない駆け引きが続いています。合理的な法律を作らないから、返礼品の値段をめぐって自治体が争うようなアホな事をやっています。いっそ返礼品を法律で禁止したらどうですか。
2017年3月24日金曜日
就活生へ
先日日本の大学生と話したとき、どの会社に入るのが良いかという質問をもらいました。その時は時間がなくて答えられなかったので、ここに筆者の答えを書きます。これはあくまでも個人的意見なので、読者は自己責任で読んでください。会社が株式公開していれば毎年の売り上げを公表しているので、その売り上げのグラフを見て指数関数的に上がっている会社は狙い目です。もちろんこの場合毎年の売り上げを会社が誤魔化さずに公表しているという条件があります。こうした売り上げはほぼS字カーブを描くので、その前半にいる会社ということですね。また企業の寿命はおおむね30年です。30年たつと創業当時の元気な人がいなくなるので、会社が保守的になって売り上げが伸びなくなります。なので創業30年ぐらいの会社は避けた方がいいでしょう。今がピークの会社に入ると、そうした会社は有名なので親は喜ぶかもしれないけど、後が大変です。今がピークかどうかは毎年の売り上げをみれば分かります。売り上げのグラフでS字カーブのどこにいるのかを判断します。伸びている会社では自分から新しい仕事を提案して実行できます。逆にピークを過ぎた会社だと、旧態依然の仕事をより少ない人数でやるという後ろ向きの仕事になりがちです。株式公開していない会社は会社四季報で売り上げを調べるとか、目星を付けておいて面接時に過去5年間の売り上げの推移を訊いてみるという方法があります。売り上げは企業秘密だから教えられないという会社は入らない方がいいでしょう。公開していなくても業界の人なら競合する会社の売り上げぐらい知っています。売り上げは公然の秘密なので面接する人に隠していても無意味です。スタートアップのようにまだ売り上げがない会社もあります。筆者は社会経験の少ない新卒にスタートアップは勧めません。会社はお金をもらいながら仕事のトレーニングを受ける場所でもあるので、新卒は創業10年ぐらいの会社でまず働きながら仕事のトレーニングを受けるのがベストです。一方30年以上続いている会社は安定しているので、仕事の面白さより安定性を求めるならそうした会社が良いでしょう。そこはお好みで。
2017年3月18日土曜日
ポットラック・パーティー
よく引っ越しするアメリカ人は、人付き合いの方法が日本人とは違います。誰とでもすぐ打ち解けようとするし、逆に人とべったり仲良くなる事は避けようとします。キリスト教信者なら自分の宗派の教会を探して、そこに顔を出すことで知人を増やします。学齢の子供がいれば、子供の親を自宅に招いてパーティーをする事で友人を増やします。自宅でパーティーを開くときは、ポットラック・パーティーと呼ぶ料理持ち寄り方法を使います。パーティーの場所を提供する人がテーブルや椅子、食器や飲み物を用意します。参加者はパーティーの人数を聞いて、その人数で食べられる分量の料理を一品作るか、あるいは買って持っていきます。今はメールで事前に料理の調整ができるので、サラダ、肉、デザートなど参加者どうしで持参する料理を決めます。この方法だとパーティーの主催者に負担が集中しないので、安価で気楽にパーティーを開けます。このパーティーの目的は情報交換なので、「おもてなし」や「ごちそう」は必要ありません。自宅がある程度広ければ、英語でいうpotluck partyは日本でも可能です。
2017年3月9日木曜日
貴方はインターン?
スタンフォード大学病院は近いせいもあって時々お世話になります。でもここは大学病院なので最初に会う先生はインターンの場合がほとんどです。やけに若い先生だなと思いつつ英語で一生懸命自分の病状を説明しても、その先生がいったん引っ込むと、10分ぐらいして今度はもっと経験のありそうな指導教授っぽい先生と一緒に戻ってくるので、今度はこの指導教授にさっきの病状の説明を繰り返さなければなりません。最近はこちらも最初に会う先生にはあまり期待しなくなったので、最初の説明はこっちも英語の練習だくらいに思って、次の先生にしっかり病状を伝えるようにしています。手術も普通は見習いの先生(レジデント)がやって、指導教授は隣にいて見習いが失敗しそうになったら手を出します。手術の説明の時に誰が手術するのかと訊けば、「自分が指導する誰々」がやるとちゃんと教えてくれます。もし診断や手術の練習台になるのがいやなら大学病院に行ってはいけません。
2017年3月1日水曜日
子育ては残業月300時間
子育ては毎日休みなしで16時間以上続くので、単純計算でも16時間かける30日で月480時間の労働です。サラリーマンの仕事が8時間かける20日とすると月160時間なので、毎月300時間以上残業している計算になります。もちろん子育てはサラリーマンの仕事とは違います。でも時には親にも休みが必要です。特に一人親の場合は子育てと生活費のための労働が重なるので、親は簡単に追い詰められてしまいます。子育てが重労働だという事を知らない男性議員が国を仕切っている以上、日本の人口減少は止まりません。
2017年2月15日水曜日
高騰する廃炉処理費
福島原発の廃炉処理費が当初の見積もりの4倍の8兆円になったという報道[^1]がありました。これに損害賠償と除染費用を加えると総額は20兆円を超えています。廃炉処理には数多くの未経験の問題があり、その費用の見積もりはそもそも不可能です。今出ている数字は最低これ位かかるというもので、実際にはもっともっとかかります。これらはすべて原子力発電のコストに含めるべきで、そうすると原子力発電のコストは今の日本で最も高いもの[^2]になります。日本の原子力発電のコストが安いという主張にはもはや根拠がありません。廃炉処理費を東電が支払うといっても、それは電気代に加算されて利用者が負担することになります。損害賠償も送電費用に上乗せされて国民の負担になります。送電事業は今のところ競争ができない仕組み[^3]になっているので、地域ごとの独占事業です。発電会社は選べても送電会社は選べません。福島原発事故が起きるまで国民は全体として原発を容認していたので、その結果生じた事故の責任は最終的に国民全員が負うという理屈です。実質債務超過となった東電をJALのように法的処理したとしても、税金で救うことになるのでやはり国民負担になります。
^1: http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201612/CK2016120902000265.html
^2: http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201612/CK2016121102000125.html
^3: http://www.nikkei.com/article/DGXMZO09340430Z01C16A1000000/
^1: http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201612/CK2016120902000265.html
^2: http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201612/CK2016121102000125.html
^3: http://www.nikkei.com/article/DGXMZO09340430Z01C16A1000000/
2017年2月8日水曜日
予防注射
日本では必ず医者が打つ予防注射が今回のお題です。秋になるとインフルエンザの注射とか打ちますよね。アメリカだとこうした予防注射は看護師が打ちます。問診書に自分の健康状態を書いて申し込むので、この自己申告で問題なければ相手は健康な人ということで、看護師が予防注射を打ってもかまいません。会社にも毎年契約する看護師と事務手続きの人がペアで来て、希望する社員にインフルエンザの予防注射を打ってくれます。またおおむね健康保険が効くので予防注射は無料です。アメリカの看護師にはいくつかランクがあって、一番上の看護師になると簡単な薬を処方することもできます。日本のように予防注射まで医者の仕事にしてしまうと、なかなか医療のコストは下がりません。日本の看護師が予防注射を打てない理由は何でしょうね。
2017年2月1日水曜日
物価下落
2016年の日本の消費者物価が前年比で0・3%下落したというニュース[^1]がありました。これは日本の消費者にとって朗報であるにもかかわらず、デフレ脱却ができなかったということで問題視している新聞が多いのにはがっかりです。消費が増えない以上インフレにはなりません。そして消費を増やすには人口を増やすのが一番です。老人が増えて子供が減れば税金を払う人がいなくなり、年金どころか国家予算が不足します。公務員の給料は遅配となり役所が閉鎖されます。国中がスラム化するのを防ぐには、年金に流用している年間10兆円の税金を若者と子供に使わなければなりません。お金のない老人には生活保護があります。増加する生活保護費用は防衛費を削ってまかないます。
^1: http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012700156
^1: http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012700156
2017年1月28日土曜日
天然酵母の誤解
最近日本でよく目にする「天然酵母パン」の天然酵母ってヘンですね。イーストは全部天然酵母です。酵母は生物で人工のものはありません。そこで天然酵母の定義を調べてみました。パンに適した酵母を純粋培養した物がイーストです。これに対して一部の業者は、ブドウやリンゴの表面に自生する酵母や乳酸菌の混合物を培養して、これを天然酵母と呼んでいるようです。培養に使ったブドウやリンゴの果汁も含むので、酵母だけでなくいろいろな細菌と有機物を含みます。サン・フランシスコ名物のサワードウというパンにも酵母より多くの乳酸菌が使われているので、独特の酸味があります。今のことろ天然酵母にはパン業界の定義も法律上の定義もないので、乾燥イーストで作ったパン生地に干しぶどうを一個入れただけでも天然酵母入りと言えます。つまり「天然酵母パン」にはピンからキリまであるという事です。繰り返すとイーストは全部天然酵母なので、独特の味がない「天然酵母パン」には意味がありません。
2017年1月21日土曜日
両足運転
高齢者の運転でアクセルとブレーキを踏み間違えるという報道が最近増えてます。オートマチックの自動車なら足もとのペダルは二つだけなので、アクセルを右足で踏み、ブレーキを左足で踏むという運転方法を最初から教えてはどうでしょう。右足だけにアクセルとブレーキを担当させると、アクセルからブレーキに足を動かすという動作が不十分な場合、ブレーキのつもりでアクセルを踏んでしまいます。クラッチがなければ左足でブレーキを踏むのが自然な動作です。そのためにオートマチック車ではブレーキペダルが左右に大きくなっています。始めて左足でブレーキを踏むと減速が強すぎるので、今まで右足でブレーキを踏んでいた人は最初に安全な場所での練習が必要です。両足を使えば運転中に使わない左足がだるくなる事も防げます。特にオートマ限定の免許なら両足運転をしない理由がありません。とっさの場合にアクセルからブレーキに正しく足を動かすという動作は、誰にでもできる事ではありません。右足で加速し左足で減速するという単純な運転方法が高齢者の事故を減らします。
2017年1月14日土曜日
成人式不要論
日本の成人式という自治体の行事は不要です。そんなお金があるのなら、給付型の奨学金として地元の学生に使ってください。そもそも何のために成人式があるのでしょう。毎年成人式になると酒を飲んで騒動を起こすアホな若者の話が新聞に載ります。これから財政赤字がもっと悪化する日本に無駄な公金を使う余裕はないので、自治体の成人式は真っ先に廃止すべき支出です。同窓会なら自分のお金でやってください。ちなみに筆者は日本の自治体で自分の成人式に出た事はありません。比較のために言うとアメリカには成人式はありません。
2017年1月7日土曜日
人工知能とお金
人工知能は道具です。ではこの道具でお金を得るにはどうしたらいいでしょうか。ひとつの方法は、法人が人工知能を使って有料サービスを提供し、その結果に責任を持つというビジネスです。例えば医療診断というサービスを考えましょう。医療診断は人の命に責任を持つビジネスなので、法人がその結果に責任を持つには保険をかける必要があります。誤診断の結果患者が被る不利益をカバーする保険があれば、法人がこうしたサービスを提供しても十分ビジネスになります。アメリカだと営利企業が病院を運営しても良いので、人件費の高い人間の医者の代わりに人工知能を使って24時間医療診断する病院を作れば大きな利益が見込めます。診断サービスを提供する法人が医師のかわりに結果責任を持つので、多くの利用者を集めればリスクを分散でき十分ビジネスになります。人工知能を使って有料サービスを提供する法人が、保険をかけてサービスの結果に責任を持つというビジネス・モデルはいろいろな業種で使えます。人工知能そのものは責任を取れなくても、それを使って有料サービスを提供する法人は責任を取ることができるからです。
2017年1月3日火曜日
大学費用
日本の格差是正には大学教育の無料化という手もあります。北欧のように高負担高福祉の国になるなら日本でも大学の無料化は可能です。でも増税がいやなら教育費用の無料化はできません。そして大学費用を払えない人は大学に行けません。これは国の制度として国民が選んだ結果なので、格差是正をどこまで実現するかは国民にかかっています。この場合どうしても大学に行きたければ、まず働いて大学費用を貯めてからそのお金で大学に行くという手があります。日本の大学進学率は50%ぐらいなのでアメリカとほぼ同じです。大学を出た人が母校に寄付して特待生の数を増やすのが、低負担低福祉の国アメリカのやり方です。
2017年1月2日月曜日
日本の労働形態を変える
経済格差を是正するにはどうしたらいいでしょうか。それにはまず「正社員と非正規労働者」「若者と高齢者」「男性と女性」という三大差別を法律で禁止しなければなりません。具体的には「(仕事や場所が限定されない)正社員制度の禁止」「手切れ金による解雇の容認」「年齢(生年月日)による就職差別の禁止」「(憲法違反である)年功序列制度の禁止」「(同じく憲法違反である)定年制度の禁止」「(過労死を防ぐ)長時間労働の禁止」という法律が必要です。これらはすべて労使双方に利益があります。仕事や場所を限定して手切れ金による解雇を認めれば、仕事がある場合にだけ必要な人を雇うので、無理な仕事や転勤はなくなります。儲からない仕事はすぐ止められるので、経済の環境変化に強い会社になります。年齢(生年月日)による就職差別の禁止は当然として、年功序列制度も憲法14条違反であるうえ、若者と高齢者の差別になるので禁止します。年齢で決まる定年制度もなくなります。長時間労働の禁止は過労死を防ぐだけでなく、長時間労働しにくい女性や仕事のきつい男性にも恩恵があります。仕事に人を付けるという社会になれば、就職という言葉通りに仕事に必要な人を必要な時にだけ雇うという労働形態になります。就社ではないので仕事がなくなれば手切れ金による解雇もある反面、仕事や場所が限定されているので、社畜になる恐れはありません。同じ仕事がある限り他の会社に移るのも簡単になり、ブラック企業は淘汰されます。仕事や場所が限定された限定社員でも、定年がないので仕事がある限りいつまでも働く事ができます。そのかわり定年をなくせば退職金もなくなります。非正規労働者は同じ雇い主のもとで働ける期間を1年未満とします。それ以上は正規社員である限定社員として雇わなければなりません。仕事に対して人を雇うので、同じ仕事ならば男性と女性で賃金に差を付けるのは違法にします。繰り返すと、仕事に人を付けるという社会は労使双方に利益があります。法律で三大差別を禁止すれば経済格差是正への大きな一歩になります。
2017年1月1日日曜日
経済成長の是非
人口が減る日本ではGDPの大幅な増加といった経済成長は期待できません。そこで経済成長が日本の進むべき道なのかという議論があっても良いかと思います。そもそもなぜ経済成長が問われるかというと、国の政策が経済成長に依存しているからです。例えば国債は、将来日本の税収が増えるという見込みの下に行う借金です。経済成長しているかぎり国民は増税に大きな不満は持ちません。年金問題だって経済成長しているかぎり何とでも誤魔化せます。ところが経済がマイナス成長になると、こうした社会の歯車が逆転して大きな問題となります。国債は返すあてもなく増え続け、貯めた年金も2030年には枯渇します。増税したくてもマイナス成長下では不況が怖くてできません。時間と共に経済が成長するという前提が崩れた以上、経済成長に頼らない経済運営をするべき時が来ています。円安を目的とした量的緩和では経済成長は実現しなかったし、低金利だけでは人口減少に対処できません。おまけに強すぎる規制のせいで民泊やウーバーもできません。中間層が少ないと税収が細り国が滅ぶので、経済成長より経済格差の是正が喫緊の課題です。
2016年12月23日金曜日
自動運転と高速道路
グーグルの地元マウンテン・ビュー市ではグーグルの自動運転の車をよく見かけます。町中を走っているこの車には必ず実験を担当する人間が乗っていて、いろいろなデータを集めているそうです。面白いことに、この自動運転の車が近くの高速道路を走っているのは見たことがありません。つまりグーグルの自動運転車はまだ高速道路は走れないようです。先頃グーグルが自動運転のタクシーを始めると発表しました。これは町中を走るタクシーという事でしょうか。混雑した高速道路を走るのは確かに自動運転にとって相当難しいと思います。日本では日産が高速道路を走る半自動運転を始めるということなので、日本とアメリカの違いとして面白いと思います。高速道路を走れない自動運転車だとタクシーとしてあまり役立たないのではと気になります。グーグルは完全自動運転を目指しているので、日産とは目指す方向が違うのでしょう。
2016年12月17日土曜日
AIに何を教えるのか
AIは学習する事で知識を増やします。では何をAIに教えるのでしょう。先ごろあったマイクロソフトの事件を覚えていますか。チャットするAIのテイは利用者との会話から知識を増やします。ところが悪意をもった利用者がテイに人種差別的な意見を大量に教えたため、テイはそれを学習して人種差別的なツイートを始めるようになりました。これに気がついたマイクロソフトはすぐテイをインターネットから切り離したので、その後このAIがどうなったかは知りません。でもこの事件から得られる教訓は、AIは素直な子供のように良いことも悪いこともすべて同じように学習するという点です。するとAIに何を教えるのかというのが大切な問いになってきます。たとえば宗教はどうでしょう。AIに宗教を教えるべきですか。教えるとしたらどの宗教ですか。戦争はいけない事ですか。それなら今なぜ中東に戦争があるのでしょう。こうした疑問には答えが複数あり、唯一の正解はありません。学習型AIには何を教えたらいいでしょうか。
2016年12月13日火曜日
人工知能についての誤解その3
話題の機械学習には報酬が必要です。囲碁やチェスならゲームの勝ち負けが簡単に判断できるので、勝てば報酬がもらえる(勝った方のプレーヤーの経験値が増える)という形で機械学習を行います。この場合機械に何を報酬として与えるかは学習結果に大きく影響するので、人間に役立つ人工知能を作るには報酬の条件を適切に決める必要があります。その際には善悪の判断も必要で、報酬の条件を間違えると人間に有害な人工知能ができてしまいます。人工知能が進むと人間の仕事がなくなるというのは誤解で、むしろ人工知能を使って何をするかを考える仕事や、人工知能に適切な条件を与えて学習させる教師のような仕事が生まれます。かつてパソコンがソロバンに取って代わったように、仕事に使う道具は常に変化しています。人工知能はあくまでも道具なので、その使い方を学べば人間の仕事がなくなる事はありません。
2016年12月10日土曜日
人工知能についての誤解その2
囲碁の世界で人工知能が人間に勝ったというニュースがありました。チェスの世界ではもっと前から人工知能が人間に勝っています。こうしたゲームは勝敗に関わる情報がプレーヤーに完全に見えているので、機械学習を駆使して、人間より経験豊富な人工知能プレーヤーを養成することができます。デジタル化されたすべての定石を覚え、さらに人工知能プレーヤー同士を高速度で対戦させれば、人間の数千倍の経験をもつ人工知能プレーヤーを作る事は今でも可能です。つまりこうしたゲームで人工知能に人間が勝つ見込みは今後ありません。でもそれはゲームという特殊な状況だけに限定されます。「勝敗に関わる情報がプレーヤーに完全に見えている」という状況は実社会の状況とは違います。例えば車の自動運転をする人工知能があるとします。この人工知能は安全で便利な運転に必要なすべての情報を持っているでしょうか。住宅地では子供が車の影から飛び出すかもしれません。高速道路では逆行する車があるかもしれません。不完全な情報のもとで決断を下す以上、常に最上の決断を下すことは人工知能にも不可能です。人工知能にできる事は、住宅地ではゆっくり走るとか、高速道路で逆行する車を見つけたらすぐ路肩に止まるぐらいです。実社会のすべての状況変化に適応できる人工知能はありません。
2016年12月6日火曜日
人工知能についての誤解その1
レイ・カーツワイルという未来学者がその著書「シンギュラリティは近い」という本で紹介した「シンギュラリティ」という言葉は、ひとつのコンピュータが持つ計算能力がひとりの人間の脳をシミュレーションするのに十分なレベルに達する状況を表します。ここにはまず脳をコンピュータがシミュレーションできるという仮定があり、次にその方法を人間が知っているという仮定があります。もしこのふたつの仮定が成立する場合、2045年にコンピュータ技術がシンギュラリティに到達するというのがカーツワイルの予測です。これに対してよくある誤解は、2045年には人工知能が進歩して人間の知能を超えるというものです。今の人工知能は脳のシミュレーションではありませんし、そもそも脳を100%シミュレーションする方法は分かっていません。たとえ分かったとしても、空っぽの脳を作れるだけです。計算能力だけでは人間を超える知能はできません。
2016年12月1日木曜日
国債は将来世代からの借金
世の中にはおめでたい人がいます。国債は将来世代からの借金だという事を忘れて、日銀が国債を全部買い取れば良いという人がいます。日銀がお札を大量に刷って日本の国債を全部買い取ると、どんな事が起きるでしょうか。日本の国債残高は既に1000兆円を超えています。これは今のお札の発行残高とほぼ同じです。つまり日銀が日本の国債を全部買うためには、世の中に出回っているお札の量を倍にしないといけません。これはつまり短期間に円の価値を半分にするという事ですから、1ドルが200円を超える円安を招きます。輸入物価が跳ね上がり、とんでもないインフレを引き起こします。お金の価値が半減するので、タンス預金もその価値が半減します。輸出企業は売り上げをドルで受け取るので、日本円に換算すると売り上げは倍になります。でも円の価値が半減しているので、日本でそのお金を使う限りプラス・マイナス・ゼロです。もともと国債は将来世代からの借金なので、いくら増やしても今を生きている人に不便はありません。将来世代が北海道夕張市のような緊縮財政を強いられるという意味で、国債は世代間の争いとなっています。
2016年11月13日日曜日
毎月勤労統計調査
今年の2月から対前年同月比で日本の実質賃金がわずかに上昇しており、これ自体は良いニュースです。ところがその内容を詳しく見ると、二つの問題点が見えてきます。まず第一に実質賃金の経年変化です。日本政府が出す毎月勤労統計調査というエクセルをみると、2010年平均を100とする実質賃金指数は2016年8月において95・4となっています。2015年8月が94・7でしたから、8月は確かに0・7ポイント上昇しています。でも2010年に較べるとずっと下のままです。2011年だけ100を超えたものの、その次の年から実質賃金指数はずっと100を下回っています。また今年の2月からの対前年同月比での上昇分は、大部分が物価下落のおかげという事実です。例えば2016年9月の実質賃金は前年同月比で0・9%伸びました。これは消費者物価指数が0・6%下落した分を含むので、この一年で労働者の賃金は0・3%しか上がっておらず、主に物価が下がった分だけ実質賃金が上がったという事が分かります。人口が減る日本で経済成長するのがいかに難しいかは、こうした数字を見るとよく分かります。
2016年11月6日日曜日
残業月100時間とは
かつて日本のIT企業で働いたことのある筆者には分かります。残業が月に100時間というのは日本のこの業界では普通です。これがどのくらい惨めな生活かと言うと、ひと月が4週間として毎週25時間の残業なので、平日は毎日11時間働いて平日の残業が計15時間になり、それに週末10時間の出社が加わります。残りの一日も疲れているので、昼まで寝てから洗濯と掃除を済ませて、夕方に本でも読めれば良い方です。馬車馬のように働かされてお金をもらっても、自分に投資する時間的余裕がないので、もし体を壊して働けなくなれば人生の終わりです。こうした働き方をしているサラリーマンは、東京では珍しくありません。将来に希望も持てず、会社と自宅の往復だけで職業人生が終わってしまいます。この悪循環から抜け出すには、サラリーマンを辞めるしか手がありません。独身ならいざ知らず、結婚して子供もいればまず無理でしょう。過労死として労災が出る月80時間超の残業をなるべくしない、これがあなたの身を守ります。大人なら誰にでも自分に素直に生きる権利があります。せっかく大学まで出たのに社畜として一生を終えたいですか。
2016年10月22日土曜日
敗者復活
日本とアメリカの最大の違いは何でしょう。筆者の意見では、日本では就職のチャンスが一生に一度しかなく、人生が一本道だという点です。終身雇用と年功序列という制度の下では、敗者復活は容易ではありません。たまたま入った会社が自分に合わなかったり、ブラック企業だったりしても、その会社をやめて新しい会社に入るには壁があります。日本では新卒が優遇される反面、中途採用には即戦力が求められるため、前職で十分なトレーニングや経験を積んでいない人には不利です。つまり敗者復活が難しいのが日本です。これとは対象的に、アメリカの新卒は就職において最も不利な立場にあります。アメリカには終身雇用もなければ年功序列もないので、基本的にすべてが中途採用です。このため働いた経験のない新卒は最も価値が低い求職者となります。ただし、日本と違って前職で十分なトレーニングや経験を積んでいない人でも、大学に再度入って仕事の知識を学んだりインターンを通じて経験を積むことで、比較的容易に敗者復活を遂げることができます。また同じ仕事の分野でより待遇の良い会社に移ることは当然と見なされるので、たまたま入った会社が自分に合わなかったり、ブラック企業だったりしても、その会社をやめて新しい会社に入るのは普通の事とされます。このように敗者復活が容易であれば、その道の経験者がスタートアップ企業に就職するケースも多くなり、新しい会社が成功する確率が高まります。アメリカには過労死や社畜もありません。どちらが働く人にとって生きやすい社会でしょうか。
2016年10月13日木曜日
長時間労働の欠点
日本の長時間労働は国際的に有名になりつつあります。日本で働く外国人が増えたためでしょう。ユーチューブにも毎日の残業で疲れたサラリーマンを描写した作品[^1]があります。アメリカのIT企業でエンジニアをしている筆者は、午後6時には誰もいなくなるオフィスにすっかり慣れてしまったので、日本の長時間労働の欠点を思い出すのに苦労しました。まず長い時間働くと疲れが溜まって頭が回らなくなります。新しいアイデアが浮かばず、目の前の問題をとりあえず解消する仕事ばかりになります。英語でいうfirefightingばかりです。次に家族との関係が悪化して離婚の危機にさらされます。子育てに回す時間がないので、少子化を招きます。健康を害して仕事ができなくなる危険もあります。これだけの欠点がありながら長時間労働が減らない理由はふたつあり、残業をすればするほど月給が増えるという賃金の仕組みと、人に仕事を割り当てるという日本の労働形態が大きな原因です。前者は年収ベースの賃金に変えて、どれだけ残業しても賃金は増えないという労働契約を結べば変えられます。ところが後者は日本の年功序列や団体主義と結びついているので、そう簡単に変えることができません。人の仕事の範囲が決まっていないので、時間のある人は他の人の仕事までやらなければなりません。効率良く自分の仕事を終わらせても、その分早く帰宅できるのでなければ、かえってたくさんの仕事を押しつけられてしまうので、効率良く仕事を終わらせようという気持ちになりません。アメリカのように仕事に人を割り当てる動労形態なら仕事の縄張りがきっちり決まっているので、自分の仕事さえ効率良く終わらせれば大手を振って帰宅できます。それでもアメリカの方が日本より生産性が倍も高いので、日本の長時間労働が何の役に立つのか筆者には不思議で仕方ありません。
^1: https://www.youtube.com/watch?v=po8IPh64rVM
^1: https://www.youtube.com/watch?v=po8IPh64rVM
2016年10月8日土曜日
二重国籍
国により国籍についての考え方が違います。でも二重国籍を法律上許すかどうかで世界の国々はふたつのグループに分かれます。アメリカ、カナダ、フランス、韓国などは二重国籍を認め、外国籍を維持したままその国の国籍を取る事が可能です。いっぽう日本や中国その他の国は二重国籍を認めず、国籍はひとつしか選べません。日本は人口減少に悩み、海外からの高度な人材を必要としています。それに日本が好きで日本に一生住み続けるつもりの人でも、母国の国籍を失いたくない人は大勢います。国籍を一つに限ることで日本にどんな国益があるのでしょうか。日本で働き税金を納めていても、日本の国籍がなければ政治に参加できません。もし同じ能力の人が日本とアメリカを較べたら、二重国籍を認めているアメリカは日本より魅力があります。日本よりアメリカの方が給料が良いし、労働時間も少なくて済みます。日本はなぜ二重国籍を認めないのか不思議で仕方ありません。法律が現状にそぐわないなら変えるのが議員の仕事です。移民を語る上で二重国籍は避けて通れない問題です。
2016年9月25日日曜日
笛吹けど踊らず
日銀の「総括的な検証」を読むと、物価の年率2%上昇に失敗した理由として「原油安」の他に「国民が日銀の言う未来を信じなかった」という意味の事が書かれています。つまり「笛吹けど踊らず」です。人口が減り、国債という国民の借金は増え、消費税という税金も増えるという状況で、これから(なぜか)景気が良くなると信じて支出を増やす人がいなかった、という当たり前の結果です。原因と結果を逆に考えるからこうなります。需要が増えて供給が追いつかないから物価が上がるのであって、円安を起こして(輸入)物価を上げても需要は増えません。賃金が上がらなければ消費は増えないし、人口が増えなければ需要は増えません。円安のため海外からの観光客が増えたのは良いとしても、人口を増やす抜本的な政策がなければ、もう日銀にできる事はありません。少子高齢化は国の根本に関わる大問題です。税金を払う人が減り、税金をもらう人が増える日本で、国債にいつまで頼るのか、日本政府にその答えはありません。
2016年9月2日金曜日
アメリカの雇用問題
先日読んだ本 [^1]によると、アメリカの被雇用者数は2000年から2010年の10年間でちっとも増えなかったそうです。その原因はふたつ指摘されていて、この10年間に海外へ仕事のアウトソーシングが進んだためと、今まで人間がやっていた仕事をコンピュータなど機械がやるようになったためです。当時もシリコン・バレーでエンジニアをしていた筆者には納得できる話です。今と違いソフトウェア・エンジニアの仕事はどんどん中国とインドにアウトソースされていました。2005年のある日、勤めていた会社のCTOが「design on shore, implement off shore」と言うのを壁越しに偶然聞いてしまい、驚いた事もありました。コストカットが厳しく、アメリカで一人雇うお金があればインドで三人雇えるとも言ってました。インターネットのおかげで海外との通信費がほぼタダになり、アメリカのIT会社がこぞってインドに拠点を作っていた時代です。AT&Tのカスタマー・サポートの電話もインドに転送され、インドなまりの英語を話すオペレーターと戦わなくてはなりませんでした。数年後そうした電話は機械が回答するようになり、人減らしが進んだ事がうかがえました。
^1: ロボットの脅威 https://www.amazon.co.jp/dp/B01B2Q2BWK
^1: ロボットの脅威 https://www.amazon.co.jp/dp/B01B2Q2BWK
2016年8月15日月曜日
脳死判断
日本だと医者が子供の脳死判定をするには保護者の承諾が必要です。つまり家族に脳死判定を始める権利があります。でもアメリカの保護者にはこの権利がありません。医者に脳死判定を始める権利があり、その結果を受け入れるかどうかは保護者が決めます。まだ子供の体が生きていて心臓も動くのに、脳死判定を始めろと保護者が言うのは感情的に無理です。これが日本で子供の臓器移植が進まない理由です。何億円もの大金を使ってアメリカで臓器移植を受ける日本の子供は珍しくありません。アメリカの子供の臓器は決して余っているわけではなく、それだけの大金を払える患者が少ないだけです。アメリカからみると、日本はお金に物を言わせて命を買いに来ているように見えます。日本も法律を変えて、医者に脳死判定を始める権利を持たせるべきでしょう。たとえ脳死と判定されても、それに同意するかどうかは保護者が決めます。移植が必要な子供が何億円もの大金を用意しなくても、日本で臓器移植が受けられる時代になってほしいと思います。
2016年8月9日火曜日
訪問者中心
日本の観光名所には訪問者中心、英語でいう visitor center がありません。これはもったいない話です。アメリカだと国立公園には必ず visitor center があって、無料地図を配ったり、トイレがあったり、ボランティアによるガイド付きツアーの集合場所になったりしています。海外からの観光客は観光名所にこうした visitor center があると期待するので、これがないとガッカリします。博物館やギフト・ショップを兼ねている所もあります。日本の観光名所にもアメリカのようなビジター・センターがあるといいなと筆者は思います。国立公園だけでなく、お城や都市などの観光名所にも欲しいところです。観光客がまず最初に立ち寄る場所なので、観光名所の入り口や最寄りの駅付近に作ると便利です。
2016年8月1日月曜日
商品に英語の説明書を
7月に上野の国立博物館を訪れました。ここの本館には大きなギフト・ショップがあり、多数の外国人がお土産を物色していました。ところが肝心の商品には日本語の説明書しか付属していません。これは一体どうしたことでしょうか。例として挙げるなら、「根付」はキー・ホルダーなど手軽なギフトとして外国でも人気があります。でも付属の説明は日本語だけです。英語の説明も付ければギフトとしてもっと喜ばれること間違いありません。国立博物館には多数の外国人旅行者が訪れるため、すべての商品に日本語と英語の説明書を付けて欲しいと思います。
2016年7月23日土曜日
日本の弱点
日本の弱点とは総論として合理的な決断ができない事です。各論賛成でも総論反対となって解決できない問題が日本には多すぎます。例えばこの暑いのに、長袖のシャツを着て長袖の上着を持って歩く営業職の服装です。日本の夏はハワイ並みに暑いので、アロハシャツを正装にすればいいのに、夏でも涼しいイギリスの真似をして長袖の上着を着てます。同じイギリス系を真似するなら、暑いオーストラリアの半袖半ズボンの正装を真似してもいいのでは? これだけ暑いのに何で長袖の上着に固執するのでしょう。沖縄並みに暑い東京では、かりゆしを夏の正装にしてもいいくらいです。それぞれの人は簡素な服装に賛成なのに、ひとりでも反対だと合理的な決断ができません。それが日本の弱点です。
2016年7月16日土曜日
家の買い方
アメリカの家は中古を買うのが普通で、新築はほとんどありません。その中古の家の買い方がアメリカと日本とでは大きく違うので、今回はこの家の買い方を取り上げます。まず日本の中古の家は、仲介する不動産会社が査定した値段を付けて売り出します。家の年数、駅からの距離、土地の広さや家の面積などでほぼ決まる値段です。これを見た買い手が不動産会社に連絡し、物件を見て気に入れば手付け金を入れます。ここでは時間的に早いもの順に買う権利があります。これに対してアメリカだと、買い手は査定した値段を参考に入札します。売り手は複数の買い手の中から一番条件の良い買い手を選び、契約を結びます。つまり早いもの順ではなく、より高い値段を出した買い手の順です。このほか買い手がローンを組むのか、それとも全額現金で払うのかという差も順番に影響します。アメリカの家は投資物件というのが常識なので、売り手は自分の家を改装してより高く売ろうとします。人口が増えている場所では家の値段も必ず上がるので、家が自宅ならば節税しながら投資ができます。
2016年7月8日金曜日
移民の問題
移民は基本的に本国で食えない人たちなので、経済的に貧しい国から経済的に豊かな国へと人が動きます。また移民は言葉が喋れなかったり教育がないなどの理由で、最初は安い賃金の仕事に就きます。新天地を求めて来ているので、大半の移民はよく働きます。すると今までそうした賃金の仕事をしてきた人たちから仕事を奪うようになります。つまり移民は格差を広げる働きがあるので、その格差を縮める仕組みがないと社会不安が高まります。貧富の差が激しい国では犯罪率も高く、住みよい国とはなりません。一定期間に社会が受け入れる事のできる移民の数は割と少ないので、日本では結婚できる人の数を増やしたり、夫婦がもつ子供の数を増やす政策で日本人を増やす必要があります。つまり老人ではなく若者にもっと税金を使えという事です。
2016年7月3日日曜日
ATMカードと現地通貨
アメリカのATMカードにはPLUSとかCirrusのようなロゴが裏に印刷してあって、アメリカ以外の国でも現地の銀行が持つATMで自分の口座から現地通貨を引き出すことができます。たとえば筆者もギリシャに旅行したとき、現地で自分のドル口座からユーロを引き出す事ができました。もちろん引き出し手数料は取られるし、業者が決めたその日のレートでドルを現地通貨に換算するので、民間の両替商よりコストが安いとは限りません。それでも必要な時にすぐATMから現地通貨を得られるのは便利です。筆者の口座は一日につき引き出せる現金の限度額が300ドルなので、これを超える額を引き出そうとすると失敗します。日本の銀行でもこうしたサービスをやっているところがあるので、カードによっては海外で現地通貨を引き出すことができるでしょう。逆に外国人が日本で外国のカードを使って円を引き出す場合は、郵貯銀行やコンビニのATMが良いそうです。
2016年6月26日日曜日
将来が楽しみなハッカー少年
こちらのニュース[^1]によると、日本にも高い能力をもった若いハッカーがいるようです。まだ高校生ということで、ぜひ周りの大人が正しく世の中のためになる方向にこの少年を導いてほしいものです。この分野でメシを食う筆者に言わせれば、「佐賀県が運営する教育情報システム『SEI―Net』」のセキュリティが弱すぎるのであって、この少年に悪意は認められません。抜いた情報を売って不当な利益を得た形跡もないし、むしろ既存システムの脆弱性を教えてくれたと考えるべきです。
^1: http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20160627-OYS1T50000.html
^1: http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20160627-OYS1T50000.html
2016年6月19日日曜日
正社員の矛盾
日本の正社員という制度は日本独特のものです。仕事に制限がなく、働く場所にもきまりがありません。つまり正社員とは社畜の事です。上司の命じるままに、時には体を壊すほど働くのが社畜です。日本では正社員の解雇が判例上ほぼ不可能なので、多くの会社で余剰人員を抱えています。(日本のホワイトカラーの生産性がアメリカの半分というのは事実です。)このため中途採用の数が少なく、正社員となった人が退社して別の会社に正社員として働くのは容易ではありません。すると待遇が悪くてもなかなか今の会社を辞められません。本来働く人を守るための判例が、正社員の社畜化を強いるという矛盾が起きています。その上こうした制度では、会社間での適材適所ができません。もはや正社員という制度は時代遅れであり、日本の足かせとなっています。無制限に働く社畜ではなく、仕事に必要な人を必要な場所で雇うため無期限の限定社員を中心にした法律を作り、不要になった人の手切れ金付き解雇を法律で認めて、採用にあたっての年齢(生年月日)や性別、家族構成など仕事と関係のない事実による差別を法律で禁止するのが労使双方にとって有利です。正社員の社畜化を防ぐには、正社員を廃止して無期限の限定社員が中心の雇用にすればいいのです。簡単に会社を移れるようにすれば社畜は消えます。会社間での適材適所も簡単です。ブラック企業や儲からない会社はすぐ淘汰され、儲かる会社に人が移動します。すると収入が増えるので人口増加も期待できます。法人税や所得税が増えるので日本の国債を減らすことができます。
2016年6月11日土曜日
ゴミ箱
日本の街角からゴミ箱が消えて久しいと思います。それとは逆にアメリカの街角には今でもゴミ箱がデンと置かれています。この違いは何だろうと考えて先日思いついたのが、アメリカのゴミ箱は頑丈だという点です。もともと歩道が広いので、厚さ1cmぐらいの鉄の板を曲げて直径50cmぐらいの円筒形のゴミ箱を作り、歩道に置いてあります。ここに爆弾を仕掛けても上に爆風が抜けるだけで、周りに被害はなさそうです。だとすれば日本も頑丈なゴミ箱を作れば良さそうです。ゴミを減らすには包装を簡素化すればいいのであって、ゴミ箱を街角からなくしても不便なだけです。海外からの旅行客の三大不満は、英語が通じない事、無料で登録不要なWifiがお店にない事、それにゴミ箱が街角にない事です。どれも解決可能な問題なのに、この10年で少しも良くなっていません。
2016年6月3日金曜日
自動運転は難しい
グーグルの地元に住んでいるので、家の周りをたくさんの自動運転車がテストのため毎日走り回っています。一日に最低1台はグーグルの自動運転車を見かけるので、自分の経験を元にして言うと自動運転はそう簡単じゃないと言えます。ある交差点で自動運転車が一時停止のあと右折しようとしました。ところがその交差点の右の歩道わきの庭に、穴を掘って水道管の取り替えをやっている人がいました。するとこの自動運転車は右に曲がる方向指示を出したまま、いっこうに動きません。1分ぐらいそのままなので、後ろの車が業を煮やしてクラクションを鳴らしました。テストですから運転者が乗っているので、やっとその車は手動で右に曲がりました。水道工事をしている人を歩行者と間違えて、自動運転車は歩行者が交差点を渡るのをじっと待っていたわけです。グーグルの自動運転車は、歩道にいる人が歩行者なのかどうかが分かりません。安全のため歩行者だと判断すれば、このような状況では車は動けません。人間ならその人が何をしているのか経験からすぐ分かるので、歩行者ではないと判断できます。高速道路とちがって住宅街にはこうした高度な判断が必要です。自動運転の実用化にはまだまだ時間がかかります。
2016年5月27日金曜日
日本は超不景気?
銀座のネオンは消えてますか。通勤電車はガラガラですか。街にホームレスがあふれていますか。そうでなけでば、日本は超不景気ではありません。リーマンショック並み?どこが?日本の株価は日経平均で1万6千円を上回っています。リーマンショックの時は8千円を下回っていました。今やその最安値の2倍以上です。アベノミクスが失敗した事を認めないのは潔くありませんね。ウーバーが走れない国は先進国で日本ぐらいなものです。AirBnBも日本だけ実質不可能です。規制撤廃すれば負ける企業も出るし、一時的に失業者もでます。でもそうしないと、日本の構造改革はできません。もうかる仕事に人を移さないと、日本はじり貧です。
2016年5月13日金曜日
日本人を増やすには
当たり前ですが人口が減る国は滅びます。国の力が落ちれば周りの国に侵略されます。第二次世界大戦末期にソビエトが日本を侵略した事実を思い出してください。人口のデフレという根本原因を放置したまま、経済のインフレだけ起こしても何の解決にもなりません。積極財政や公共支出が不景気に効くのは人口が増えている時だけです。人口が減っている時は、逆に財政を切り詰めて公共支出を減らし、将来の負担を軽くしなければなりません。国民は人口減少と将来への不安からお金を貯めています。老後が心配だから、あるいは2020年の後の日本経済が不安だから貯金しています。しかも今やその利率はほぼゼロです。日本の経済学者にできる事はもうありません。日本人を増やすには移民を受け入れるか出生率を上げるかです。でも移民にはそれなりの社会コストが付随するので、日本の取るべき道は出生率を上げる事です。それには国民年金に流用している年間10兆円の国家予算を、教育の無料化や子供手当の形で子育てに使うべきです。先のない老人ではなく、日本の将来を背負う若者と子供に必要なお金を回してください。今が最後のチャンスです。
2016年5月8日日曜日
タカタ問題
自動車のエアバッグの破裂事故でアメリカでは10人の死亡が確認されました。エアバッグを製造した日本の会社の名前を取って「タカタ問題」と呼ばれています。アメリカは製造者責任に厳しい国です。会社の製品が原因で事故が起きた場合、素早く責任を認めて事故の拡大を防止すれば、その会社はむしろ消費者に信用されます。この好例として取り上げられるのが頭痛解熱薬の「タイレノール事件」です。ところが社長が逃げ回って記者会見に出てこなかったり、責任を認めずに時間稼ぎをするようだと鉄槌が下ります。人間は神様じゃないからミスは許す、でもミスした事を認めない不誠実な人は絶対に許さないという社会風土がアメリカにあります。タカタはどうやらこの社会風土を理解していないようです。こうした下手な危機管理のせいで日本人全体が不誠実だと思われるのは日本の損です。
2016年5月1日日曜日
プログラミングとは
コンピュータのプログラミングとは何でしょう。よく聞く「人間の意図した処理を行うようにコンピュータに指示を与える行為」という定義では不十分です。「処理」という言葉が定義されていないので、これでは本質が分かりません。コンピュータのプログラミングとは、「現実をモデル化し、そのモデルを数式で表して、コンピュータの中に実現する行為」です。平たく言えば、プログラミングとはシミュレーションです。コンピュータは数値計算と論理演算が得意なので、モデルを数式と論理式で表します。つまりプログラミングとは、「現実をモデル化する」と「そのモデルを数式で表す」と「その数式をコンピュータの中に実現する」という3段階の行為からできています。プログラミングの入門書は一般に「その数式をコンピュータの中に実現する」という行為だけ教えるので、「現実をモデル化する」方法と「そのモデルを数式で表す」方法を知りたければ、別の本で学ぶ必要があります。小学生に簡単なプログラミングを教える事はできても、「現実をモデル化する」方法と「そのモデルを数式で表す」方法を小学生に教えるのは難しいと思います。
2016年4月23日土曜日
コンピュータを使う人、使われる人
小学生からプログラミングを教えるという今度の政府の方針[^1]、これを別の角度から捉えてみましょう。すでに中間層の仕事はコンピュータに奪われ始めており、人工知能がこれだけ有名になる前から、これからの労働者はコンピュータを使う人と使われる人に分かれると予想されていました。コンピュータに使われる人とは主に手足を使う仕事をする人です。コンピュータが指示した通りに経路を回り配送業務を行う人、コンピュータが指示した通りに倉庫を移動し商品を集める人、コンピュータが指示した場所でお客を拾うタクシーの運転手などはただちに機械で置き換えられないので、人がやっています。でも賃金が高いのはコンピュータを使う人の方です。政府は税収増加のため働き手を増やすと同時に、賃金の高い仕事に就く人の割合も増やしたいので、コンピュータを使う人を増やしたいと願っています。こう考えると、小学生からプログラミングを教えるというのもアリかと思います。プログラミングといっても「読み・書き・パソコン」の延長上にあり、コンピュータを使う練習のひとつです。
^1: http://www.asahi.com/articles/ASJ4M5D4GJ4MUTIL044.html
^1: http://www.asahi.com/articles/ASJ4M5D4GJ4MUTIL044.html
2016年4月12日火曜日
不景気の原因
日本の不景気は人口減少が原因です。国内の需要が減るため、国内企業が売り上げをなんとか維持しようと値下げした結果、デフレになりました。デフレは不景気の原因ではなくて結果です。この当たり前の因果関係がなぜか日本経済の専門家には見えていません。経済のモデルには人口増加率が入っているべきで、それがマイナスになるとデフレになるというモデルが日本の現実を表しています。でもそんなモデルは見たことがありません。それは経済の専門家が人口増加率を軽視しているからです。輸出競争力はほぼ円レートで決まります。それに対して国内需要は人口を増やさないと増えません。アベノミクスで円レートをいじった結果、見かけ上インフレが進んでいるように見えます。ではなぜ日本は今だに不景気なのでしょうか。それは国民の実質所得が上がらないからです。より儲かる仕事をする以外に実質所得を上げる方法はありません。産業構造や労働形態の変更を先送りしている間は実質所得は上がらず、不景気が続きます。日本に必要なのは小手先の金融対策ではなく、より儲かる仕事に簡単に人が移れる社会にする構造改革です。儲からない仕事から抜け出せない家電業界は、まさに不景気から抜け出せない日本の象徴です。人口と共に減少する国内市場に頼っていてはダメです。
2016年4月9日土曜日
暖炉と煙突
アメリカの家には必ず暖炉と煙突があります。暖炉で薪を燃やして暖を取る人などまずいない都市部でも、ほとんどの家に暖炉と煙突があります。新しい家だと暖炉に薪ではなくガスを燃やす設備があって、いわば炎を眺める設備となっています。だいたい暖房はガスで室内の空気を暖めて、それを家中のダクトから吹き出すのが普通です。つまりセントラル・ヒーティングです。それなのに新築の家でも暖炉と煙突を設けるのは、合理的かどうかを超えたアメリカの伝統のようです。暖炉がなければ家じゃないという固定観念でしょうか。
2016年3月26日土曜日
日本の個の力
日本の男子サッカーが国際試合で点を取れないとき、よく「個の力」が足りないという話になります。いくらチームワークを良くしても、同じくチームワークの良い相手からは点を取れません。でもそこにドリブルで3人抜いてシュートできる選手がいれば、点を取れます。イザという時にゴールの隅にシュートできる選手は、チームワーク練習からは生まれません。日本はどれだけ周りの人と協力したかが大事な社会なので、個人技を磨く選手は嫌われます。日本人のストライカーが少ない理由は、日本の社会がそうした人を嫌うからです。例えば日本の会社で新卒を募集する場合、人事は回りの人と協調して仕事ができる人を採用します。飛び抜けた能力を持つ人はスタンドプレーをする人として嫌われ、日本では育たないのです。「出る杭は打たれる」という諺が日本の価値観をよく表しています。
2016年3月13日日曜日
日本の投資先
日銀の量的緩和で余ったお金は今のところ主に日銀の当座預金と国内の不動産に回りました。国債と引き換えに銀行にお金を渡しても、誰もが納得する有利な「投資先」はこのふたつしか見当たらないからです。短期的にみればその通りでも、長期的にみれば教育に加えて国産エネルギーに投資するのが一番国民のためになります。原子力が危険なエネルギーであると分かった以上、エネルギーの自給率100%を目指して原子力以外の国産エネルギーに投資するのがベストです。幸い日本は島国で海に囲まれています。という事は海上風力発電をする場所がたくさんあるという事です。海流や潮流を使って発電する事もできます。さらに海底にはメタンガスがメタンハイドレートの形で眠っています。外国から石油や天然ガスを輸入しなくても自国のメタンガスを使える可能性があります。陸上の地熱もまだ開発の余地があります。どうせ国債という借金を増やすなら、今の老人ではなく次世代の日本人に役立つ投資にお金を使ってほしいとマサは思います。今は石油が安くてもいずれ高くなる時が来るので、日本は今こそエネルギーの自給自足に向けて投資しましょう。
2016年3月5日土曜日
雇用の責任
日本ではまだ会社に雇用を守る責任があります。終身雇用という建前のもと、会社は景気が悪くても簡単に正社員をクビにすることは判例上できません。これに対してアメリカの会社にはそうした責任はありません。終身雇用という制度がないので、景気が悪くなれば赤字を減らすため簡単に従業員をレイオフします。つまり手切れ金つき解雇です。このためアメリカでは政府に雇用を守る責任があり、会社にはありません。日本の会社が利益を内部に貯め込むのは、リーマンショックのような不景気に備えて雇用を維持するためだと言われています。不景気になると銀行もお金を貸してくれないので、内部留保をため込んで正社員の雇用責任に備えています。そのかわり日本の会社は非正規労働者を増やしました。日本の労働者の四割が非正規なので、その人たちの雇用は自分で守るしかありません。本来雇用を創り守るのは政府の仕事です。だからハローワークは税金で運営しています。日本の労働形態では会社に雇用を守る責任を押しつけたため、会社の利益が働き手に分配されないという矛盾が起きています。
2016年2月28日日曜日
消費税とアベノミクス
2017年4月に予定されている消費税率アップが話題になっています。アベノミクスがうまく行けば消費税を上げるという事だったので、もし来年の消費税率アップを諦めるならアベノミクスが失敗した事を認めなければなりません。ジレンマですね。景気が上向いていないから消費税率アップを先送りするなら、前回の2015年10月の時と同じ理由による先送りなので、この一年半で何も良くなってないという事になります。アベノミクスが成功しているというなら、来年の消費税率アップを先送りする理由はありません。さてマスコミ各社はこのジレンマを突いてきますかね。経済政策より安保政策を優先した結果です。
3月16日追記
東京新聞が17日付けの社説でこのジレンマを突いてきました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016031702000144.html
3月16日追記
東京新聞が17日付けの社説でこのジレンマを突いてきました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016031702000144.html
2016年2月20日土曜日
公立保育所
日本にあってアメリカにないものが公立保育所です。日本の公立保育所とは地方自治体が税金を使って運営する保育園のことで、空きがあればゼロ歳児から五歳児まで面倒を見てくれます。これに対してアメリカの五歳児は普通キンダーという公立小学校に併設された幼稚園に通います。でもこれは半日で終わるので保育所とは違います。ではアメリカの親はどこに子供を預けて働くかというど、私立の保育園またはベビーシッターを使います。アメリカには低賃金で働くヒスパニック等の移民が多いので、そうした人たちが自宅を使って保育園を運営したり、顧客の家に行ってベビーシッターとして働きます。払う方は全部私費なので、子供を預けるためのお金と働いて得るお金に大差ない事もあります。それでも働くのは仕事の経験を絶やさないためです。経歴にブランクがあると次の就職に差し支えるのはアメリカも同じ。アメリカの共働きを支えているのは、主に移民のベビーシッターです。
2016年2月8日月曜日
実質賃金4年連続マイナス
東京新聞の2月8日の記事[^1]によると、日本の2015年の働く人一人当たりの実質賃金は0・9%減で、4年連続のマイナスだそうです。つまりアベノミクスとは、国民からお金をかき集めて輸出企業に配っただけ、という事実が政府の数字で裏付けられたわけです。円安が株高と旅行収支の黒字を生み出した事はプラスでも、実質賃金が増えなければ消費は増えません。円安で物価が上がっても、それを上回る賃金の上昇がなければ全体として国民は貧しくなるだけです。経済のデフレは原因ではなく結果であって、量的緩和だろうがマイナス金利だろうが、無理矢理インフレを起こしても今の日本で消費は増えません。人口のデフレという根本原因に切り込まなければ何も解決しないという事です。経済がデフレでも実質賃金が増えれば暮らしは楽になるので、儲からない仕事をやめて儲かる仕事をやるにはどうしたらいいかとか、拡大する海外の市場に日本製品を売り込むにはどうすればいいかなどを、人任せにしないで国民それぞれが真剣に考える時だと思います。
^1: http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016020890140309.html
^1: http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016020890140309.html
2016年2月6日土曜日
老人天国
今の日本のことです。これだけ世の中の変化が激しい時代に、国や会社のトップが老人ばかりだと時代に取り残されてしまいます。60歳を過ぎたら、よほど特別な能力がないかぎり普通の仕事では体力的に若い人に負けるので、無理せず後進に道を譲るべきです。日本でリタイアというと仕事をせず暇を持て余している人のイメージがあるため、なかなか老人がリタイアしません。アメリカ人にとってリタイアとは、お金を目的とせず自分のやりたい事をする時期を意味します。第二の人生を楽しむのがリタイアなので、隠居とは違います。例えはヒューレット・パッカード社(HP社)でCEOを務めたジョン・ヤング氏は、1992年にHP社の社長を辞めたあとナパのワイナリーのCEOとなりました。彼は長年ワイン造りという仕事がしたかったそうで、リタイアによって長年の夢を実現したそうです。もちろん彼の給料は大幅ダウンです。それでもリタイアによってやりたい仕事を選んだ彼は幸せ者です。日本のトップの老人は会社の外にやりたい事がないため、いつまでも会社にしがみつこうとします。その上こうした老人が若者のアイデアを潰すので日本は変われません。まさに老人天国です。
2016年1月16日土曜日
日本のGDPが20位
円安の結果予想されていた事とはいえ、2014年の日本国民一人あたりの名目国内総生産GDP(ドルベース)が、OECD内部で過去最低の20位になったというニュース[^1]には衝撃を受けました。引用した日経の記事だと棒グラフで比較できるので、日本のGDPがいかに小さいかが分かります。日本より下位にあるのはイタリア、スペイン、韓国の3国だけで、ここには相互にあまり差がないため、日本が最下位に落ちるのは時間の問題です。GDPが減ったという事は、日本で作られた商品の取引やサービスの売り上げが減ったという事です。日本はいまやイタリアやスペインといった欧州の問題児と同じ国になろうとしています。こうした国では若者の失業率と財政赤字が突出していて、働ける人が働いてお互いを支えるという国の仕組みが崩壊しつつあります。日本の若者の失業率はまだイタリアやスペインほど高くありません。そのかわり累積赤字である債務残高の対GDP比では、日本が230%[^2]とトップを走っています。歴史を見るとこうした国の結末はほぼ同じで、格差が大きくなりすぎて革命が起きるか、あるいは国が弱体化した結果として他国に侵略されます。日本は地理的に中国に近いので、経済的に中国に飲み込まれる可能性があります。TPPでそれを防止できるかどうかは、今後の日本の経済次第です。
^1: http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H4Z_V21C15A2EE8000/
^2: https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/007.htm
^1: http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H4Z_V21C15A2EE8000/
^2: https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/007.htm
2016年1月9日土曜日
草刈り機
日本の草刈り機は金属の回転刃を使っているものがあります。これは大変危険な道具で、アメリカでは販売されていません。アメリカの草刈り機は、プラスチックでできた20センチメートルぐらいの紐が回転する円盤に2本ついていて、刃ではなく紐で草の繊維をちぎるようになっています。これだとキックバックが起きないし、人に当たっても軽い打撲で済みます。速く回転する紐が遠心力で伸びて草を切ります。この紐は消耗品なので、ちぎれたら新しい紐に取り替えます。電動丸鋸をカバーなしに振り回すような構造の日本の草刈り機は、危険すぎるので今すぐ法律で禁止するべきです。
2015年12月26日土曜日
テレビよりもロボット
この朝日新聞のニュース[^1]を見て考えました。そこにあるグラフ1には「薄型テレビの国内出荷台数が2011年7月の『地デジ』移行を境に、急速に落ち込んだまま回復していない」との説明が付いています。でもこれは明らかに誤りです。このグラフが2009年以前のデータを表していないので、政府の統計から昔のデータ[^2]を調べました。すると2000年から2008年までのテレビの国内出荷台数は毎年950万台程度で、傾向としては漸減していた事が分かります。つまり2009年から2011年までの3年間が「地デジ」のせいで大幅に増えていたのです。ここ数年は年間600万台程度なので、本来あるべき台数に戻ったという事です。今の日本で必要なテレビの台数はこれだけなので、人口が増えない限り国内出荷台数は増えません。自分の主張に合う都合の良いデータだけ切り出して見せるのがマスコミの常套手段とはいえ、このニュースはいただけません。テレビが以前ほど売れないのは主に若者人口が減ったからで、2009年から2011年が異常だったのです。そこに「回復」する事などあり得ません。今の家電業界は「夢よもう一度」とばかりに4Kテレビに傾斜しています。規格を変えることで新たな需要を生み出すという手法に一定の効果がある事は確かです。でも今ある地デジ対応テレビをあえて買い換える理由にはならないので、4Kテレビは回収できない投資です。テレビでは利益が得られないと早く諦めて、お年寄りの話し相手になる会話ロボットや、身の回りの世話をしてくれる介護ロボットに投資する方が得策です。
^1: http://www.asahi.com/articles/ASHDQ3HS0HDQUEHF004.html
^2: http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h22/h4a1009j1.pdf
^1: http://www.asahi.com/articles/ASHDQ3HS0HDQUEHF004.html
^2: http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h22/h4a1009j1.pdf
2015年12月16日水曜日
年金体系
実はアメリカの年金は日本ほど手厚くありません。例えば労働者全員が加入する社会保障(Social Security)という名前の年金の給付額は、ほぼ日本の国民年金の給付額と同じです。また一部の古い会社を除くと厚生年金に相当するものがないので、他に何もしなければ毎月数万円しかもらえません。そこでほとんどの労働者は個人年金、いわゆる401kプランを利用しています。これは収入の一部を天引きして自分の個人年金口座に移し、自分の指定するファンド(株や国債)で運用するものです。また自分で不動産や株などに投資して老後の資金を作るのも常識です。401kプランの利点は現役のうちに所得税の節税ができることで、老後に資金を引き出す時には利益に税金がかかるものの、その頃には年間の収入額そのものが低いので税率も低くなります。また転職しても自分の個人年金を持ち運べるので、今の会社に縛られることはありません。もしアメリカの老人にお金持ちのイメージがあるとすれば、それはこうした個人年金や不動産への投資の結果です。実際には貧しい老人もいて、たまに70歳を過ぎてもマクドナルドで働く人を見かけます。逆に言うと年齢を理由に人を不採用にはできないので、働ける人はずっと働けるのがアメリカです。日本の国民年金には税金から毎年約10兆円を補填しているので、日本も働ける人はずっと働けるようにしないと労働人口が減ってしまい、逆に老人費用だけが増える事になります。
2015年12月5日土曜日
和食の菜食
ここシリコン・バレーには菜食主義の人(ベジタリアン)がたくさんいます。一口に菜食主義と言っても、その理由は宗教的なものから健康オタク的なものまで色々です。ところがそういう人たちが日本に旅行に行って困るのが、日本にはベジタリアン向けの食事がないという問題です。魚を含めすべての動物を食べないのが菜食主義の基本なので、タマゴもだめならカツオ出汁の味噌汁も食べられません。お寿司ならカッパ巻きのみ、天ぷらも野菜を塩で食べるだけ、ラーメンは全滅です。知り合いのインド人は、せっかく日本にいったのにインド料理屋で出すベジタリアン向けカレーしか食べられなかったと嘆いていました。海外の人を日本に呼び込むには、もっと菜食主義向けの献立を作る必要があります。和食は出汁が味の決め手なので、板前にとって菜食はイスラム教向けのハラール食より難しい話です。でも頭を使ってぜひ美味しい和食の菜食を実現してほしいと願います。
2015年12月2日水曜日
介護難民
東京はこれから介護難民が増えるというので、老後は地方でという旗を振っている人がいます。その一方で老後は自宅で家族が面倒を見てくれと政府は言っています。すると老人は子供を含めて家族全員で地方に移住しなければなりません。でも子供には仕事や学校があって家族はそう簡単に地方に移住できません。つまり「老後は地方」と「自宅で介護」は同時に成り立ちません。ではアメリカはどうしてるのでしょう。筆者の知る範囲では、自宅で介護という人は少数派です。共働きが多い社会なので、介護付きの老人ホームに親を入れる人が普通です。そのお金は親の家を売って作ります。老人ホームは遠くても車で数時間ぐらいの所に選び、毎週一回は子供の誰かが面会に行きます。子供世代は都市に住んで働き、自分の家を買ったり自分の子供を学校に行かせたりします。子供のいない老人だと思い切って隣の州など物価が安い場所に移る人もいます。もちろん老人が日本ほど長生きしないという点も見逃せません。
2015年11月14日土曜日
外枠文化
島国が生んだ日本文化のひとつが外枠文化です。これはまず外枠、つまり外形的条件を決めると中をどう埋めるかに集中でき、最後には究極の箱物を作るという日本人の性質を表します。例を挙げると盆栽、軽自動車、携帯電話、弁当、100円ショップなどです。盆栽は器の大きさに上限があります。軽自動車には車体とエンジンに大きさの制限があり、携帯電話には携帯する上での制限があります。弁当もほとんどが四角形の入れ物で、持ち運びできる大きさです。100円ショップの制限は値段にあり、商品は100円でなければなりません。こうした制限があると中をどう埋めるかに夢中になるのが日本人です。ところがこうした制限がなく自由に発想していいとなると、おおかたの日本人は困ってしまいます。努力を集中させるポイントが分からないので、どこから始めて良いのかも分かりません。日本には外形的条件のかわりになる宗教や哲学がなく、外枠文化を超えることができません。「周りに合わせて生きる」という日本人の常識そのものが外枠文化と言えるでしょう。良くも悪くも外枠文化は日本にどっしりと根を張っています。
2015年11月1日日曜日
正社員の限界
日本独自の働き方である「正社員」の賞味期限が切れようとしています。戦時体制を源とする正社員制度は、労働者から職業選択の自由を奪い、過度な長時間労働という形で少子化を加速しました。一方、非正規労働者が全体の4割という現状では、結婚に必要な賃金が得られず結婚できない若者が増えています。個々の企業が非正規労働者を使ってコスト削減に励むと、国民の収入が減って国全体の活力が落ちるという「部分最適・全体不適」が起きています。これは日本の法律が悪いのであって、法律を変えて「部分不適・全体最適」を実現しなければなりません。そのためには「就職時の年齢差別と年功序列制度の禁止」および「正社員制度と1年を超える非正規労働の禁止」のふたつが必要です。またこれに付随して「人材の流動化」を加速するために「手切れ金による解雇」を「正社員制度の禁止」と引き替えに認めます。「正社員制度の禁止」とはどういうことかと言うと、すべての社員は仕事や場所が限定された「限定社員」となり、会社の命令なら何でもやるという「正社員」は禁止するという事です。そのかわり会社はいつでも従業員を手切れ金で解雇できるし、従業員はいつでも会社を無条件で辞められます。こうすることで従業員を大切にしない会社は人材を引き留めておく事ができなくなり、ブラック企業は淘汰されます。この根底にあるのは、「人に仕事を付ける」のではなく「仕事に人を付ける」ほうが労働者にとって有利だという考え方で、これは日本以外のほとんどすべての国で行われている働き方です。国民は教育を通じてプロの職業人になり、自分のキャリアは自分で作るという責任を持ちます。会社に人生を預けるのではなく、国が教育や制度を通じて国民の生活を手助けするという当たり前の社会を目指します。人材の流動化は新しい産業を育てるために必要で、これができなければ日本は今の生活水準を維持できません。労働人口の減少を移民で解決しようとすると、治安の低下や社会コストの上昇という問題を起こします。それに労働条件の悪い日本には、海外から一流の人材は入ってきません。今ここで法律を変えて少子化を止めないと、十年以内に巨額の財政赤字が日本経済を潰します。
2015年10月29日木曜日
人生は実験の繰り返し
学生にとって世の中はすべて決まっていて、教科書に書いてない物は存在しないと考えられます。ところが社会人になって3年もすると、この見方の間違いに気付きます。世の中にある物はすべて変える事が可能で、教科書に書いてある物事は世の中のごく一部でしかなく、しかも間違っているものも多いという事実が見えてきます。人生とは実験の繰り返しです。あれをやってみる、これをやってみる、だめならやり方を変えてみる、目標を変えてみる、これはすべて実験です。学生なら勉強しながら色々な事をやってみて、どれが自分に合うか試すことができます。世の中は変えられる、そして世の中をより良いものの変えるのが人の仕事だと教えるのがアメリカです。アメリカの社会そのものがこうした実験の場となっていて、とりあえず何かやってみてダメなら変えれば良いというのが基本の考え方です。
2015年10月22日木曜日
人口減少の壁
アベノミクスが円安をもたらし、輸入物価の上昇と引き替えに輸出企業の利益と株価を押し上げた事は確かです。でも人口が減る国では時間とともに需要が減るので、そのままでは国内の売り上げは増えません。人口減少を放置したままインフレを起こそうとしても、人々はそんなに簡単には騙されません。国債残高は際限なく増えるし、税金も間違いなく増えます。この状況で「この先景気が良くなると思って支出を増やす」人が日本のどこにいますか。肝心の実質賃金が上がらないと支出は増えません。むしろ以前の円高のまま海外企業の買収が進めば良かったのに、その道も閉ざされました。拡大する市場は日本の外にあるので、国内市場に頼っていてはじり貧です。この状況で日本の若者に残された防衛策は、自分を教育して高い収入を得る仕事に就く事です。この先コンピュータが中間層の仕事を奪うので、中途半端な教育レベルだと失職します。天然資源の少ない日本では、勤勉な労働人口こそが本当の資源なのです。
2015年10月2日金曜日
人工知能の限界
筆者もかつて大学では人工知能を卒論のテーマにしたし、仕事では機械学習を使った評価システムの性能テストをしたことがあります。機械学習は昔はニューラル・ネットと言ってました。比較的少ない入力から人間にとって役立つ出力を得る関数を、大量の学習によって生成するのが目的です。今はコンピュータの性能が上がってメモリーも大量に使えるので、学習に使う大量のデータさえ手に入ればかなり役立つ機械学習が可能です。例えばクレジットカードの不正利用を見抜くとか、売れ筋商品の適正在庫を求めるといった「達人の勘」レベルまで来ています。でもこれは使う状況を限定しているから可能なのであって、人間の判断が要らないという意味ではありません。そもそも何が人間の役に立つかどうかは人間が判断しなければなりません。機械学習は今やシリコン・バレーでも一大ブームになっていて、そのエンジニアはどの会社にも引っ張りだこです。でもそんな人工知能にもそれなりの限界はあります。それは状況を限定しないと使えないという問題です。刻々と変わる状況に応じて的確な判断を下す事は今の人工知能にはできません。
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