I talk about interesting differences between US and Japan in Japanese from Silicon Valley and Tokyo.
2016年12月23日金曜日
自動運転と高速道路
グーグルの地元マウンテン・ビュー市ではグーグルの自動運転の車をよく見かけます。町中を走っているこの車には必ず実験を担当する人間が乗っていて、いろいろなデータを集めているそうです。面白いことに、この自動運転の車が近くの高速道路を走っているのは見たことがありません。つまりグーグルの自動運転車はまだ高速道路は走れないようです。先頃グーグルが自動運転のタクシーを始めると発表しました。これは町中を走るタクシーという事でしょうか。混雑した高速道路を走るのは確かに自動運転にとって相当難しいと思います。日本では日産が高速道路を走る半自動運転を始めるということなので、日本とアメリカの違いとして面白いと思います。高速道路を走れない自動運転車だとタクシーとしてあまり役立たないのではと気になります。グーグルは完全自動運転を目指しているので、日産とは目指す方向が違うのでしょう。
2016年12月17日土曜日
AIに何を教えるのか
AIは学習する事で知識を増やします。では何をAIに教えるのでしょう。先ごろあったマイクロソフトの事件を覚えていますか。チャットするAIのテイは利用者との会話から知識を増やします。ところが悪意をもった利用者がテイに人種差別的な意見を大量に教えたため、テイはそれを学習して人種差別的なツイートを始めるようになりました。これに気がついたマイクロソフトはすぐテイをインターネットから切り離したので、その後このAIがどうなったかは知りません。でもこの事件から得られる教訓は、AIは素直な子供のように良いことも悪いこともすべて同じように学習するという点です。するとAIに何を教えるのかというのが大切な問いになってきます。たとえば宗教はどうでしょう。AIに宗教を教えるべきですか。教えるとしたらどの宗教ですか。戦争はいけない事ですか。それなら今なぜ中東に戦争があるのでしょう。こうした疑問には答えが複数あり、唯一の正解はありません。学習型AIには何を教えたらいいでしょうか。
2016年12月13日火曜日
人工知能についての誤解その3
話題の機械学習には報酬が必要です。囲碁やチェスならゲームの勝ち負けが簡単に判断できるので、勝てば報酬がもらえる(勝った方のプレーヤーの経験値が増える)という形で機械学習を行います。この場合機械に何を報酬として与えるかは学習結果に大きく影響するので、人間に役立つ人工知能を作るには報酬の条件を適切に決める必要があります。その際には善悪の判断も必要で、報酬の条件を間違えると人間に有害な人工知能ができてしまいます。人工知能が進むと人間の仕事がなくなるというのは誤解で、むしろ人工知能を使って何をするかを考える仕事や、人工知能に適切な条件を与えて学習させる教師のような仕事が生まれます。かつてパソコンがソロバンに取って代わったように、仕事に使う道具は常に変化しています。人工知能はあくまでも道具なので、その使い方を学べば人間の仕事がなくなる事はありません。
2016年12月10日土曜日
人工知能についての誤解その2
囲碁の世界で人工知能が人間に勝ったというニュースがありました。チェスの世界ではもっと前から人工知能が人間に勝っています。こうしたゲームは勝敗に関わる情報がプレーヤーに完全に見えているので、機械学習を駆使して、人間より経験豊富な人工知能プレーヤーを養成することができます。デジタル化されたすべての定石を覚え、さらに人工知能プレーヤー同士を高速度で対戦させれば、人間の数千倍の経験をもつ人工知能プレーヤーを作る事は今でも可能です。つまりこうしたゲームで人工知能に人間が勝つ見込みは今後ありません。でもそれはゲームという特殊な状況だけに限定されます。「勝敗に関わる情報がプレーヤーに完全に見えている」という状況は実社会の状況とは違います。例えば車の自動運転をする人工知能があるとします。この人工知能は安全で便利な運転に必要なすべての情報を持っているでしょうか。住宅地では子供が車の影から飛び出すかもしれません。高速道路では逆行する車があるかもしれません。不完全な情報のもとで決断を下す以上、常に最上の決断を下すことは人工知能にも不可能です。人工知能にできる事は、住宅地ではゆっくり走るとか、高速道路で逆行する車を見つけたらすぐ路肩に止まるぐらいです。実社会のすべての状況変化に適応できる人工知能はありません。
2016年12月6日火曜日
人工知能についての誤解その1
レイ・カーツワイルという未来学者がその著書「シンギュラリティは近い」という本で紹介した「シンギュラリティ」という言葉は、ひとつのコンピュータが持つ計算能力がひとりの人間の脳をシミュレーションするのに十分なレベルに達する状況を表します。ここにはまず脳をコンピュータがシミュレーションできるという仮定があり、次にその方法を人間が知っているという仮定があります。もしこのふたつの仮定が成立する場合、2045年にコンピュータ技術がシンギュラリティに到達するというのがカーツワイルの予測です。これに対してよくある誤解は、2045年には人工知能が進歩して人間の知能を超えるというものです。今の人工知能は脳のシミュレーションではありませんし、そもそも脳を100%シミュレーションする方法は分かっていません。たとえ分かったとしても、空っぽの脳を作れるだけです。計算能力だけでは人間を超える知能はできません。
2016年12月1日木曜日
国債は将来世代からの借金
世の中にはおめでたい人がいます。国債は将来世代からの借金だという事を忘れて、日銀が国債を全部買い取れば良いという人がいます。日銀がお札を大量に刷って日本の国債を全部買い取ると、どんな事が起きるでしょうか。日本の国債残高は既に1000兆円を超えています。これは今のお札の発行残高とほぼ同じです。つまり日銀が日本の国債を全部買うためには、世の中に出回っているお札の量を倍にしないといけません。これはつまり短期間に円の価値を半分にするという事ですから、1ドルが200円を超える円安を招きます。輸入物価が跳ね上がり、とんでもないインフレを引き起こします。お金の価値が半減するので、タンス預金もその価値が半減します。輸出企業は売り上げをドルで受け取るので、日本円に換算すると売り上げは倍になります。でも円の価値が半減しているので、日本でそのお金を使う限りプラス・マイナス・ゼロです。もともと国債は将来世代からの借金なので、いくら増やしても今を生きている人に不便はありません。将来世代が北海道夕張市のような緊縮財政を強いられるという意味で、国債は世代間の争いとなっています。
2016年11月13日日曜日
毎月勤労統計調査
今年の2月から対前年同月比で日本の実質賃金がわずかに上昇しており、これ自体は良いニュースです。ところがその内容を詳しく見ると、二つの問題点が見えてきます。まず第一に実質賃金の経年変化です。日本政府が出す毎月勤労統計調査というエクセルをみると、2010年平均を100とする実質賃金指数は2016年8月において95・4となっています。2015年8月が94・7でしたから、8月は確かに0・7ポイント上昇しています。でも2010年に較べるとずっと下のままです。2011年だけ100を超えたものの、その次の年から実質賃金指数はずっと100を下回っています。また今年の2月からの対前年同月比での上昇分は、大部分が物価下落のおかげという事実です。例えば2016年9月の実質賃金は前年同月比で0・9%伸びました。これは消費者物価指数が0・6%下落した分を含むので、この一年で労働者の賃金は0・3%しか上がっておらず、主に物価が下がった分だけ実質賃金が上がったという事が分かります。人口が減る日本で経済成長するのがいかに難しいかは、こうした数字を見るとよく分かります。
2016年11月6日日曜日
残業月100時間とは
かつて日本のIT企業で働いたことのある筆者には分かります。残業が月に100時間というのは日本のこの業界では普通です。これがどのくらい惨めな生活かと言うと、ひと月が4週間として毎週25時間の残業なので、平日は毎日11時間働いて平日の残業が計15時間になり、それに週末10時間の出社が加わります。残りの一日も疲れているので、昼まで寝てから洗濯と掃除を済ませて、夕方に本でも読めれば良い方です。馬車馬のように働かされてお金をもらっても、自分に投資する時間的余裕がないので、もし体を壊して働けなくなれば人生の終わりです。こうした働き方をしているサラリーマンは、東京では珍しくありません。将来に希望も持てず、会社と自宅の往復だけで職業人生が終わってしまいます。この悪循環から抜け出すには、サラリーマンを辞めるしか手がありません。独身ならいざ知らず、結婚して子供もいればまず無理でしょう。過労死として労災が出る月80時間超の残業をなるべくしない、これがあなたの身を守ります。大人なら誰にでも自分に素直に生きる権利があります。せっかく大学まで出たのに社畜として一生を終えたいですか。
2016年10月22日土曜日
敗者復活
日本とアメリカの最大の違いは何でしょう。筆者の意見では、日本では就職のチャンスが一生に一度しかなく、人生が一本道だという点です。終身雇用と年功序列という制度の下では、敗者復活は容易ではありません。たまたま入った会社が自分に合わなかったり、ブラック企業だったりしても、その会社をやめて新しい会社に入るには壁があります。日本では新卒が優遇される反面、中途採用には即戦力が求められるため、前職で十分なトレーニングや経験を積んでいない人には不利です。つまり敗者復活が難しいのが日本です。これとは対象的に、アメリカの新卒は就職において最も不利な立場にあります。アメリカには終身雇用もなければ年功序列もないので、基本的にすべてが中途採用です。このため働いた経験のない新卒は最も価値が低い求職者となります。ただし、日本と違って前職で十分なトレーニングや経験を積んでいない人でも、大学に再度入って仕事の知識を学んだりインターンを通じて経験を積むことで、比較的容易に敗者復活を遂げることができます。また同じ仕事の分野でより待遇の良い会社に移ることは当然と見なされるので、たまたま入った会社が自分に合わなかったり、ブラック企業だったりしても、その会社をやめて新しい会社に入るのは普通の事とされます。このように敗者復活が容易であれば、その道の経験者がスタートアップ企業に就職するケースも多くなり、新しい会社が成功する確率が高まります。アメリカには過労死や社畜もありません。どちらが働く人にとって生きやすい社会でしょうか。
2016年10月13日木曜日
長時間労働の欠点
日本の長時間労働は国際的に有名になりつつあります。日本で働く外国人が増えたためでしょう。ユーチューブにも毎日の残業で疲れたサラリーマンを描写した作品[^1]があります。アメリカのIT企業でエンジニアをしている筆者は、午後6時には誰もいなくなるオフィスにすっかり慣れてしまったので、日本の長時間労働の欠点を思い出すのに苦労しました。まず長い時間働くと疲れが溜まって頭が回らなくなります。新しいアイデアが浮かばず、目の前の問題をとりあえず解消する仕事ばかりになります。英語でいうfirefightingばかりです。次に家族との関係が悪化して離婚の危機にさらされます。子育てに回す時間がないので、少子化を招きます。健康を害して仕事ができなくなる危険もあります。これだけの欠点がありながら長時間労働が減らない理由はふたつあり、残業をすればするほど月給が増えるという賃金の仕組みと、人に仕事を割り当てるという日本の労働形態が大きな原因です。前者は年収ベースの賃金に変えて、どれだけ残業しても賃金は増えないという労働契約を結べば変えられます。ところが後者は日本の年功序列や団体主義と結びついているので、そう簡単に変えることができません。人の仕事の範囲が決まっていないので、時間のある人は他の人の仕事までやらなければなりません。効率良く自分の仕事を終わらせても、その分早く帰宅できるのでなければ、かえってたくさんの仕事を押しつけられてしまうので、効率良く仕事を終わらせようという気持ちになりません。アメリカのように仕事に人を割り当てる動労形態なら仕事の縄張りがきっちり決まっているので、自分の仕事さえ効率良く終わらせれば大手を振って帰宅できます。それでもアメリカの方が日本より生産性が倍も高いので、日本の長時間労働が何の役に立つのか筆者には不思議で仕方ありません。
^1: https://www.youtube.com/watch?v=po8IPh64rVM
^1: https://www.youtube.com/watch?v=po8IPh64rVM
2016年10月8日土曜日
二重国籍
国により国籍についての考え方が違います。でも二重国籍を法律上許すかどうかで世界の国々はふたつのグループに分かれます。アメリカ、カナダ、フランス、韓国などは二重国籍を認め、外国籍を維持したままその国の国籍を取る事が可能です。いっぽう日本や中国その他の国は二重国籍を認めず、国籍はひとつしか選べません。日本は人口減少に悩み、海外からの高度な人材を必要としています。それに日本が好きで日本に一生住み続けるつもりの人でも、母国の国籍を失いたくない人は大勢います。国籍を一つに限ることで日本にどんな国益があるのでしょうか。日本で働き税金を納めていても、日本の国籍がなければ政治に参加できません。もし同じ能力の人が日本とアメリカを較べたら、二重国籍を認めているアメリカは日本より魅力があります。日本よりアメリカの方が給料が良いし、労働時間も少なくて済みます。日本はなぜ二重国籍を認めないのか不思議で仕方ありません。法律が現状にそぐわないなら変えるのが議員の仕事です。移民を語る上で二重国籍は避けて通れない問題です。
2016年9月25日日曜日
笛吹けど踊らず
日銀の「総括的な検証」を読むと、物価の年率2%上昇に失敗した理由として「原油安」の他に「国民が日銀の言う未来を信じなかった」という意味の事が書かれています。つまり「笛吹けど踊らず」です。人口が減り、国債という国民の借金は増え、消費税という税金も増えるという状況で、これから(なぜか)景気が良くなると信じて支出を増やす人がいなかった、という当たり前の結果です。原因と結果を逆に考えるからこうなります。需要が増えて供給が追いつかないから物価が上がるのであって、円安を起こして(輸入)物価を上げても需要は増えません。賃金が上がらなければ消費は増えないし、人口が増えなければ需要は増えません。円安のため海外からの観光客が増えたのは良いとしても、人口を増やす抜本的な政策がなければ、もう日銀にできる事はありません。少子高齢化は国の根本に関わる大問題です。税金を払う人が減り、税金をもらう人が増える日本で、国債にいつまで頼るのか、日本政府にその答えはありません。
2016年9月2日金曜日
アメリカの雇用問題
先日読んだ本 [^1]によると、アメリカの被雇用者数は2000年から2010年の10年間でちっとも増えなかったそうです。その原因はふたつ指摘されていて、この10年間に海外へ仕事のアウトソーシングが進んだためと、今まで人間がやっていた仕事をコンピュータなど機械がやるようになったためです。当時もシリコン・バレーでエンジニアをしていた筆者には納得できる話です。今と違いソフトウェア・エンジニアの仕事はどんどん中国とインドにアウトソースされていました。2005年のある日、勤めていた会社のCTOが「design on shore, implement off shore」と言うのを壁越しに偶然聞いてしまい、驚いた事もありました。コストカットが厳しく、アメリカで一人雇うお金があればインドで三人雇えるとも言ってました。インターネットのおかげで海外との通信費がほぼタダになり、アメリカのIT会社がこぞってインドに拠点を作っていた時代です。AT&Tのカスタマー・サポートの電話もインドに転送され、インドなまりの英語を話すオペレーターと戦わなくてはなりませんでした。数年後そうした電話は機械が回答するようになり、人減らしが進んだ事がうかがえました。
^1: ロボットの脅威 https://www.amazon.co.jp/dp/B01B2Q2BWK
^1: ロボットの脅威 https://www.amazon.co.jp/dp/B01B2Q2BWK
2016年8月15日月曜日
脳死判断
日本だと医者が子供の脳死判定をするには保護者の承諾が必要です。つまり家族に脳死判定を始める権利があります。でもアメリカの保護者にはこの権利がありません。医者に脳死判定を始める権利があり、その結果を受け入れるかどうかは保護者が決めます。まだ子供の体が生きていて心臓も動くのに、脳死判定を始めろと保護者が言うのは感情的に無理です。これが日本で子供の臓器移植が進まない理由です。何億円もの大金を使ってアメリカで臓器移植を受ける日本の子供は珍しくありません。アメリカの子供の臓器は決して余っているわけではなく、それだけの大金を払える患者が少ないだけです。アメリカからみると、日本はお金に物を言わせて命を買いに来ているように見えます。日本も法律を変えて、医者に脳死判定を始める権利を持たせるべきでしょう。たとえ脳死と判定されても、それに同意するかどうかは保護者が決めます。移植が必要な子供が何億円もの大金を用意しなくても、日本で臓器移植が受けられる時代になってほしいと思います。
2016年8月9日火曜日
訪問者中心
日本の観光名所には訪問者中心、英語でいう visitor center がありません。これはもったいない話です。アメリカだと国立公園には必ず visitor center があって、無料地図を配ったり、トイレがあったり、ボランティアによるガイド付きツアーの集合場所になったりしています。海外からの観光客は観光名所にこうした visitor center があると期待するので、これがないとガッカリします。博物館やギフト・ショップを兼ねている所もあります。日本の観光名所にもアメリカのようなビジター・センターがあるといいなと筆者は思います。国立公園だけでなく、お城や都市などの観光名所にも欲しいところです。観光客がまず最初に立ち寄る場所なので、観光名所の入り口や最寄りの駅付近に作ると便利です。
2016年8月1日月曜日
商品に英語の説明書を
7月に上野の国立博物館を訪れました。ここの本館には大きなギフト・ショップがあり、多数の外国人がお土産を物色していました。ところが肝心の商品には日本語の説明書しか付属していません。これは一体どうしたことでしょうか。例として挙げるなら、「根付」はキー・ホルダーなど手軽なギフトとして外国でも人気があります。でも付属の説明は日本語だけです。英語の説明も付ければギフトとしてもっと喜ばれること間違いありません。国立博物館には多数の外国人旅行者が訪れるため、すべての商品に日本語と英語の説明書を付けて欲しいと思います。
2016年7月23日土曜日
日本の弱点
日本の弱点とは総論として合理的な決断ができない事です。各論賛成でも総論反対となって解決できない問題が日本には多すぎます。例えばこの暑いのに、長袖のシャツを着て長袖の上着を持って歩く営業職の服装です。日本の夏はハワイ並みに暑いので、アロハシャツを正装にすればいいのに、夏でも涼しいイギリスの真似をして長袖の上着を着てます。同じイギリス系を真似するなら、暑いオーストラリアの半袖半ズボンの正装を真似してもいいのでは? これだけ暑いのに何で長袖の上着に固執するのでしょう。沖縄並みに暑い東京では、かりゆしを夏の正装にしてもいいくらいです。それぞれの人は簡素な服装に賛成なのに、ひとりでも反対だと合理的な決断ができません。それが日本の弱点です。
2016年7月16日土曜日
家の買い方
アメリカの家は中古を買うのが普通で、新築はほとんどありません。その中古の家の買い方がアメリカと日本とでは大きく違うので、今回はこの家の買い方を取り上げます。まず日本の中古の家は、仲介する不動産会社が査定した値段を付けて売り出します。家の年数、駅からの距離、土地の広さや家の面積などでほぼ決まる値段です。これを見た買い手が不動産会社に連絡し、物件を見て気に入れば手付け金を入れます。ここでは時間的に早いもの順に買う権利があります。これに対してアメリカだと、買い手は査定した値段を参考に入札します。売り手は複数の買い手の中から一番条件の良い買い手を選び、契約を結びます。つまり早いもの順ではなく、より高い値段を出した買い手の順です。このほか買い手がローンを組むのか、それとも全額現金で払うのかという差も順番に影響します。アメリカの家は投資物件というのが常識なので、売り手は自分の家を改装してより高く売ろうとします。人口が増えている場所では家の値段も必ず上がるので、家が自宅ならば節税しながら投資ができます。
2016年7月8日金曜日
移民の問題
移民は基本的に本国で食えない人たちなので、経済的に貧しい国から経済的に豊かな国へと人が動きます。また移民は言葉が喋れなかったり教育がないなどの理由で、最初は安い賃金の仕事に就きます。新天地を求めて来ているので、大半の移民はよく働きます。すると今までそうした賃金の仕事をしてきた人たちから仕事を奪うようになります。つまり移民は格差を広げる働きがあるので、その格差を縮める仕組みがないと社会不安が高まります。貧富の差が激しい国では犯罪率も高く、住みよい国とはなりません。一定期間に社会が受け入れる事のできる移民の数は割と少ないので、日本では結婚できる人の数を増やしたり、夫婦がもつ子供の数を増やす政策で日本人を増やす必要があります。つまり老人ではなく若者にもっと税金を使えという事です。
2016年7月3日日曜日
ATMカードと現地通貨
アメリカのATMカードにはPLUSとかCirrusのようなロゴが裏に印刷してあって、アメリカ以外の国でも現地の銀行が持つATMで自分の口座から現地通貨を引き出すことができます。たとえば筆者もギリシャに旅行したとき、現地で自分のドル口座からユーロを引き出す事ができました。もちろん引き出し手数料は取られるし、業者が決めたその日のレートでドルを現地通貨に換算するので、民間の両替商よりコストが安いとは限りません。それでも必要な時にすぐATMから現地通貨を得られるのは便利です。筆者の口座は一日につき引き出せる現金の限度額が300ドルなので、これを超える額を引き出そうとすると失敗します。日本の銀行でもこうしたサービスをやっているところがあるので、カードによっては海外で現地通貨を引き出すことができるでしょう。逆に外国人が日本で外国のカードを使って円を引き出す場合は、郵貯銀行やコンビニのATMが良いそうです。
2016年6月26日日曜日
将来が楽しみなハッカー少年
こちらのニュース[^1]によると、日本にも高い能力をもった若いハッカーがいるようです。まだ高校生ということで、ぜひ周りの大人が正しく世の中のためになる方向にこの少年を導いてほしいものです。この分野でメシを食う筆者に言わせれば、「佐賀県が運営する教育情報システム『SEI―Net』」のセキュリティが弱すぎるのであって、この少年に悪意は認められません。抜いた情報を売って不当な利益を得た形跡もないし、むしろ既存システムの脆弱性を教えてくれたと考えるべきです。
^1: http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20160627-OYS1T50000.html
^1: http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20160627-OYS1T50000.html
2016年6月19日日曜日
正社員の矛盾
日本の正社員という制度は日本独特のものです。仕事に制限がなく、働く場所にもきまりがありません。つまり正社員とは社畜の事です。上司の命じるままに、時には体を壊すほど働くのが社畜です。日本では正社員の解雇が判例上ほぼ不可能なので、多くの会社で余剰人員を抱えています。(日本のホワイトカラーの生産性がアメリカの半分というのは事実です。)このため中途採用の数が少なく、正社員となった人が退社して別の会社に正社員として働くのは容易ではありません。すると待遇が悪くてもなかなか今の会社を辞められません。本来働く人を守るための判例が、正社員の社畜化を強いるという矛盾が起きています。その上こうした制度では、会社間での適材適所ができません。もはや正社員という制度は時代遅れであり、日本の足かせとなっています。無制限に働く社畜ではなく、仕事に必要な人を必要な場所で雇うため無期限の限定社員を中心にした法律を作り、不要になった人の手切れ金付き解雇を法律で認めて、採用にあたっての年齢(生年月日)や性別、家族構成など仕事と関係のない事実による差別を法律で禁止するのが労使双方にとって有利です。正社員の社畜化を防ぐには、正社員を廃止して無期限の限定社員が中心の雇用にすればいいのです。簡単に会社を移れるようにすれば社畜は消えます。会社間での適材適所も簡単です。ブラック企業や儲からない会社はすぐ淘汰され、儲かる会社に人が移動します。すると収入が増えるので人口増加も期待できます。法人税や所得税が増えるので日本の国債を減らすことができます。
2016年6月11日土曜日
ゴミ箱
日本の街角からゴミ箱が消えて久しいと思います。それとは逆にアメリカの街角には今でもゴミ箱がデンと置かれています。この違いは何だろうと考えて先日思いついたのが、アメリカのゴミ箱は頑丈だという点です。もともと歩道が広いので、厚さ1cmぐらいの鉄の板を曲げて直径50cmぐらいの円筒形のゴミ箱を作り、歩道に置いてあります。ここに爆弾を仕掛けても上に爆風が抜けるだけで、周りに被害はなさそうです。だとすれば日本も頑丈なゴミ箱を作れば良さそうです。ゴミを減らすには包装を簡素化すればいいのであって、ゴミ箱を街角からなくしても不便なだけです。海外からの旅行客の三大不満は、英語が通じない事、無料で登録不要なWifiがお店にない事、それにゴミ箱が街角にない事です。どれも解決可能な問題なのに、この10年で少しも良くなっていません。
2016年6月3日金曜日
自動運転は難しい
グーグルの地元に住んでいるので、家の周りをたくさんの自動運転車がテストのため毎日走り回っています。一日に最低1台はグーグルの自動運転車を見かけるので、自分の経験を元にして言うと自動運転はそう簡単じゃないと言えます。ある交差点で自動運転車が一時停止のあと右折しようとしました。ところがその交差点の右の歩道わきの庭に、穴を掘って水道管の取り替えをやっている人がいました。するとこの自動運転車は右に曲がる方向指示を出したまま、いっこうに動きません。1分ぐらいそのままなので、後ろの車が業を煮やしてクラクションを鳴らしました。テストですから運転者が乗っているので、やっとその車は手動で右に曲がりました。水道工事をしている人を歩行者と間違えて、自動運転車は歩行者が交差点を渡るのをじっと待っていたわけです。グーグルの自動運転車は、歩道にいる人が歩行者なのかどうかが分かりません。安全のため歩行者だと判断すれば、このような状況では車は動けません。人間ならその人が何をしているのか経験からすぐ分かるので、歩行者ではないと判断できます。高速道路とちがって住宅街にはこうした高度な判断が必要です。自動運転の実用化にはまだまだ時間がかかります。
2016年5月27日金曜日
日本は超不景気?
銀座のネオンは消えてますか。通勤電車はガラガラですか。街にホームレスがあふれていますか。そうでなけでば、日本は超不景気ではありません。リーマンショック並み?どこが?日本の株価は日経平均で1万6千円を上回っています。リーマンショックの時は8千円を下回っていました。今やその最安値の2倍以上です。アベノミクスが失敗した事を認めないのは潔くありませんね。ウーバーが走れない国は先進国で日本ぐらいなものです。AirBnBも日本だけ実質不可能です。規制撤廃すれば負ける企業も出るし、一時的に失業者もでます。でもそうしないと、日本の構造改革はできません。もうかる仕事に人を移さないと、日本はじり貧です。
2016年5月13日金曜日
日本人を増やすには
当たり前ですが人口が減る国は滅びます。国の力が落ちれば周りの国に侵略されます。第二次世界大戦末期にソビエトが日本を侵略した事実を思い出してください。人口のデフレという根本原因を放置したまま、経済のインフレだけ起こしても何の解決にもなりません。積極財政や公共支出が不景気に効くのは人口が増えている時だけです。人口が減っている時は、逆に財政を切り詰めて公共支出を減らし、将来の負担を軽くしなければなりません。国民は人口減少と将来への不安からお金を貯めています。老後が心配だから、あるいは2020年の後の日本経済が不安だから貯金しています。しかも今やその利率はほぼゼロです。日本の経済学者にできる事はもうありません。日本人を増やすには移民を受け入れるか出生率を上げるかです。でも移民にはそれなりの社会コストが付随するので、日本の取るべき道は出生率を上げる事です。それには国民年金に流用している年間10兆円の国家予算を、教育の無料化や子供手当の形で子育てに使うべきです。先のない老人ではなく、日本の将来を背負う若者と子供に必要なお金を回してください。今が最後のチャンスです。
2016年5月8日日曜日
タカタ問題
自動車のエアバッグの破裂事故でアメリカでは10人の死亡が確認されました。エアバッグを製造した日本の会社の名前を取って「タカタ問題」と呼ばれています。アメリカは製造者責任に厳しい国です。会社の製品が原因で事故が起きた場合、素早く責任を認めて事故の拡大を防止すれば、その会社はむしろ消費者に信用されます。この好例として取り上げられるのが頭痛解熱薬の「タイレノール事件」です。ところが社長が逃げ回って記者会見に出てこなかったり、責任を認めずに時間稼ぎをするようだと鉄槌が下ります。人間は神様じゃないからミスは許す、でもミスした事を認めない不誠実な人は絶対に許さないという社会風土がアメリカにあります。タカタはどうやらこの社会風土を理解していないようです。こうした下手な危機管理のせいで日本人全体が不誠実だと思われるのは日本の損です。
2016年5月1日日曜日
プログラミングとは
コンピュータのプログラミングとは何でしょう。よく聞く「人間の意図した処理を行うようにコンピュータに指示を与える行為」という定義では不十分です。「処理」という言葉が定義されていないので、これでは本質が分かりません。コンピュータのプログラミングとは、「現実をモデル化し、そのモデルを数式で表して、コンピュータの中に実現する行為」です。平たく言えば、プログラミングとはシミュレーションです。コンピュータは数値計算と論理演算が得意なので、モデルを数式と論理式で表します。つまりプログラミングとは、「現実をモデル化する」と「そのモデルを数式で表す」と「その数式をコンピュータの中に実現する」という3段階の行為からできています。プログラミングの入門書は一般に「その数式をコンピュータの中に実現する」という行為だけ教えるので、「現実をモデル化する」方法と「そのモデルを数式で表す」方法を知りたければ、別の本で学ぶ必要があります。小学生に簡単なプログラミングを教える事はできても、「現実をモデル化する」方法と「そのモデルを数式で表す」方法を小学生に教えるのは難しいと思います。
2016年4月23日土曜日
コンピュータを使う人、使われる人
小学生からプログラミングを教えるという今度の政府の方針[^1]、これを別の角度から捉えてみましょう。すでに中間層の仕事はコンピュータに奪われ始めており、人工知能がこれだけ有名になる前から、これからの労働者はコンピュータを使う人と使われる人に分かれると予想されていました。コンピュータに使われる人とは主に手足を使う仕事をする人です。コンピュータが指示した通りに経路を回り配送業務を行う人、コンピュータが指示した通りに倉庫を移動し商品を集める人、コンピュータが指示した場所でお客を拾うタクシーの運転手などはただちに機械で置き換えられないので、人がやっています。でも賃金が高いのはコンピュータを使う人の方です。政府は税収増加のため働き手を増やすと同時に、賃金の高い仕事に就く人の割合も増やしたいので、コンピュータを使う人を増やしたいと願っています。こう考えると、小学生からプログラミングを教えるというのもアリかと思います。プログラミングといっても「読み・書き・パソコン」の延長上にあり、コンピュータを使う練習のひとつです。
^1: http://www.asahi.com/articles/ASJ4M5D4GJ4MUTIL044.html
^1: http://www.asahi.com/articles/ASJ4M5D4GJ4MUTIL044.html
2016年4月12日火曜日
不景気の原因
日本の不景気は人口減少が原因です。国内の需要が減るため、国内企業が売り上げをなんとか維持しようと値下げした結果、デフレになりました。デフレは不景気の原因ではなくて結果です。この当たり前の因果関係がなぜか日本経済の専門家には見えていません。経済のモデルには人口増加率が入っているべきで、それがマイナスになるとデフレになるというモデルが日本の現実を表しています。でもそんなモデルは見たことがありません。それは経済の専門家が人口増加率を軽視しているからです。輸出競争力はほぼ円レートで決まります。それに対して国内需要は人口を増やさないと増えません。アベノミクスで円レートをいじった結果、見かけ上インフレが進んでいるように見えます。ではなぜ日本は今だに不景気なのでしょうか。それは国民の実質所得が上がらないからです。より儲かる仕事をする以外に実質所得を上げる方法はありません。産業構造や労働形態の変更を先送りしている間は実質所得は上がらず、不景気が続きます。日本に必要なのは小手先の金融対策ではなく、より儲かる仕事に簡単に人が移れる社会にする構造改革です。儲からない仕事から抜け出せない家電業界は、まさに不景気から抜け出せない日本の象徴です。人口と共に減少する国内市場に頼っていてはダメです。
2016年4月9日土曜日
暖炉と煙突
アメリカの家には必ず暖炉と煙突があります。暖炉で薪を燃やして暖を取る人などまずいない都市部でも、ほとんどの家に暖炉と煙突があります。新しい家だと暖炉に薪ではなくガスを燃やす設備があって、いわば炎を眺める設備となっています。だいたい暖房はガスで室内の空気を暖めて、それを家中のダクトから吹き出すのが普通です。つまりセントラル・ヒーティングです。それなのに新築の家でも暖炉と煙突を設けるのは、合理的かどうかを超えたアメリカの伝統のようです。暖炉がなければ家じゃないという固定観念でしょうか。
2016年3月26日土曜日
日本の個の力
日本の男子サッカーが国際試合で点を取れないとき、よく「個の力」が足りないという話になります。いくらチームワークを良くしても、同じくチームワークの良い相手からは点を取れません。でもそこにドリブルで3人抜いてシュートできる選手がいれば、点を取れます。イザという時にゴールの隅にシュートできる選手は、チームワーク練習からは生まれません。日本はどれだけ周りの人と協力したかが大事な社会なので、個人技を磨く選手は嫌われます。日本人のストライカーが少ない理由は、日本の社会がそうした人を嫌うからです。例えば日本の会社で新卒を募集する場合、人事は回りの人と協調して仕事ができる人を採用します。飛び抜けた能力を持つ人はスタンドプレーをする人として嫌われ、日本では育たないのです。「出る杭は打たれる」という諺が日本の価値観をよく表しています。
2016年3月13日日曜日
日本の投資先
日銀の量的緩和で余ったお金は今のところ主に日銀の当座預金と国内の不動産に回りました。国債と引き換えに銀行にお金を渡しても、誰もが納得する有利な「投資先」はこのふたつしか見当たらないからです。短期的にみればその通りでも、長期的にみれば教育に加えて国産エネルギーに投資するのが一番国民のためになります。原子力が危険なエネルギーであると分かった以上、エネルギーの自給率100%を目指して原子力以外の国産エネルギーに投資するのがベストです。幸い日本は島国で海に囲まれています。という事は海上風力発電をする場所がたくさんあるという事です。海流や潮流を使って発電する事もできます。さらに海底にはメタンガスがメタンハイドレートの形で眠っています。外国から石油や天然ガスを輸入しなくても自国のメタンガスを使える可能性があります。陸上の地熱もまだ開発の余地があります。どうせ国債という借金を増やすなら、今の老人ではなく次世代の日本人に役立つ投資にお金を使ってほしいとマサは思います。今は石油が安くてもいずれ高くなる時が来るので、日本は今こそエネルギーの自給自足に向けて投資しましょう。
2016年3月5日土曜日
雇用の責任
日本ではまだ会社に雇用を守る責任があります。終身雇用という建前のもと、会社は景気が悪くても簡単に正社員をクビにすることは判例上できません。これに対してアメリカの会社にはそうした責任はありません。終身雇用という制度がないので、景気が悪くなれば赤字を減らすため簡単に従業員をレイオフします。つまり手切れ金つき解雇です。このためアメリカでは政府に雇用を守る責任があり、会社にはありません。日本の会社が利益を内部に貯め込むのは、リーマンショックのような不景気に備えて雇用を維持するためだと言われています。不景気になると銀行もお金を貸してくれないので、内部留保をため込んで正社員の雇用責任に備えています。そのかわり日本の会社は非正規労働者を増やしました。日本の労働者の四割が非正規なので、その人たちの雇用は自分で守るしかありません。本来雇用を創り守るのは政府の仕事です。だからハローワークは税金で運営しています。日本の労働形態では会社に雇用を守る責任を押しつけたため、会社の利益が働き手に分配されないという矛盾が起きています。
2016年2月28日日曜日
消費税とアベノミクス
2017年4月に予定されている消費税率アップが話題になっています。アベノミクスがうまく行けば消費税を上げるという事だったので、もし来年の消費税率アップを諦めるならアベノミクスが失敗した事を認めなければなりません。ジレンマですね。景気が上向いていないから消費税率アップを先送りするなら、前回の2015年10月の時と同じ理由による先送りなので、この一年半で何も良くなってないという事になります。アベノミクスが成功しているというなら、来年の消費税率アップを先送りする理由はありません。さてマスコミ各社はこのジレンマを突いてきますかね。経済政策より安保政策を優先した結果です。
3月16日追記
東京新聞が17日付けの社説でこのジレンマを突いてきました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016031702000144.html
3月16日追記
東京新聞が17日付けの社説でこのジレンマを突いてきました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016031702000144.html
2016年2月20日土曜日
公立保育所
日本にあってアメリカにないものが公立保育所です。日本の公立保育所とは地方自治体が税金を使って運営する保育園のことで、空きがあればゼロ歳児から五歳児まで面倒を見てくれます。これに対してアメリカの五歳児は普通キンダーという公立小学校に併設された幼稚園に通います。でもこれは半日で終わるので保育所とは違います。ではアメリカの親はどこに子供を預けて働くかというど、私立の保育園またはベビーシッターを使います。アメリカには低賃金で働くヒスパニック等の移民が多いので、そうした人たちが自宅を使って保育園を運営したり、顧客の家に行ってベビーシッターとして働きます。払う方は全部私費なので、子供を預けるためのお金と働いて得るお金に大差ない事もあります。それでも働くのは仕事の経験を絶やさないためです。経歴にブランクがあると次の就職に差し支えるのはアメリカも同じ。アメリカの共働きを支えているのは、主に移民のベビーシッターです。
2016年2月8日月曜日
実質賃金4年連続マイナス
東京新聞の2月8日の記事[^1]によると、日本の2015年の働く人一人当たりの実質賃金は0・9%減で、4年連続のマイナスだそうです。つまりアベノミクスとは、国民からお金をかき集めて輸出企業に配っただけ、という事実が政府の数字で裏付けられたわけです。円安が株高と旅行収支の黒字を生み出した事はプラスでも、実質賃金が増えなければ消費は増えません。円安で物価が上がっても、それを上回る賃金の上昇がなければ全体として国民は貧しくなるだけです。経済のデフレは原因ではなく結果であって、量的緩和だろうがマイナス金利だろうが、無理矢理インフレを起こしても今の日本で消費は増えません。人口のデフレという根本原因に切り込まなければ何も解決しないという事です。経済がデフレでも実質賃金が増えれば暮らしは楽になるので、儲からない仕事をやめて儲かる仕事をやるにはどうしたらいいかとか、拡大する海外の市場に日本製品を売り込むにはどうすればいいかなどを、人任せにしないで国民それぞれが真剣に考える時だと思います。
^1: http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016020890140309.html
^1: http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016020890140309.html
2016年2月6日土曜日
老人天国
今の日本のことです。これだけ世の中の変化が激しい時代に、国や会社のトップが老人ばかりだと時代に取り残されてしまいます。60歳を過ぎたら、よほど特別な能力がないかぎり普通の仕事では体力的に若い人に負けるので、無理せず後進に道を譲るべきです。日本でリタイアというと仕事をせず暇を持て余している人のイメージがあるため、なかなか老人がリタイアしません。アメリカ人にとってリタイアとは、お金を目的とせず自分のやりたい事をする時期を意味します。第二の人生を楽しむのがリタイアなので、隠居とは違います。例えはヒューレット・パッカード社(HP社)でCEOを務めたジョン・ヤング氏は、1992年にHP社の社長を辞めたあとナパのワイナリーのCEOとなりました。彼は長年ワイン造りという仕事がしたかったそうで、リタイアによって長年の夢を実現したそうです。もちろん彼の給料は大幅ダウンです。それでもリタイアによってやりたい仕事を選んだ彼は幸せ者です。日本のトップの老人は会社の外にやりたい事がないため、いつまでも会社にしがみつこうとします。その上こうした老人が若者のアイデアを潰すので日本は変われません。まさに老人天国です。
2016年1月16日土曜日
日本のGDPが20位
円安の結果予想されていた事とはいえ、2014年の日本国民一人あたりの名目国内総生産GDP(ドルベース)が、OECD内部で過去最低の20位になったというニュース[^1]には衝撃を受けました。引用した日経の記事だと棒グラフで比較できるので、日本のGDPがいかに小さいかが分かります。日本より下位にあるのはイタリア、スペイン、韓国の3国だけで、ここには相互にあまり差がないため、日本が最下位に落ちるのは時間の問題です。GDPが減ったという事は、日本で作られた商品の取引やサービスの売り上げが減ったという事です。日本はいまやイタリアやスペインといった欧州の問題児と同じ国になろうとしています。こうした国では若者の失業率と財政赤字が突出していて、働ける人が働いてお互いを支えるという国の仕組みが崩壊しつつあります。日本の若者の失業率はまだイタリアやスペインほど高くありません。そのかわり累積赤字である債務残高の対GDP比では、日本が230%[^2]とトップを走っています。歴史を見るとこうした国の結末はほぼ同じで、格差が大きくなりすぎて革命が起きるか、あるいは国が弱体化した結果として他国に侵略されます。日本は地理的に中国に近いので、経済的に中国に飲み込まれる可能性があります。TPPでそれを防止できるかどうかは、今後の日本の経済次第です。
^1: http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H4Z_V21C15A2EE8000/
^2: https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/007.htm
^1: http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H4Z_V21C15A2EE8000/
^2: https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/007.htm
2016年1月9日土曜日
草刈り機
日本の草刈り機は金属の回転刃を使っているものがあります。これは大変危険な道具で、アメリカでは販売されていません。アメリカの草刈り機は、プラスチックでできた20センチメートルぐらいの紐が回転する円盤に2本ついていて、刃ではなく紐で草の繊維をちぎるようになっています。これだとキックバックが起きないし、人に当たっても軽い打撲で済みます。速く回転する紐が遠心力で伸びて草を切ります。この紐は消耗品なので、ちぎれたら新しい紐に取り替えます。電動丸鋸をカバーなしに振り回すような構造の日本の草刈り機は、危険すぎるので今すぐ法律で禁止するべきです。
2015年12月26日土曜日
テレビよりもロボット
この朝日新聞のニュース[^1]を見て考えました。そこにあるグラフ1には「薄型テレビの国内出荷台数が2011年7月の『地デジ』移行を境に、急速に落ち込んだまま回復していない」との説明が付いています。でもこれは明らかに誤りです。このグラフが2009年以前のデータを表していないので、政府の統計から昔のデータ[^2]を調べました。すると2000年から2008年までのテレビの国内出荷台数は毎年950万台程度で、傾向としては漸減していた事が分かります。つまり2009年から2011年までの3年間が「地デジ」のせいで大幅に増えていたのです。ここ数年は年間600万台程度なので、本来あるべき台数に戻ったという事です。今の日本で必要なテレビの台数はこれだけなので、人口が増えない限り国内出荷台数は増えません。自分の主張に合う都合の良いデータだけ切り出して見せるのがマスコミの常套手段とはいえ、このニュースはいただけません。テレビが以前ほど売れないのは主に若者人口が減ったからで、2009年から2011年が異常だったのです。そこに「回復」する事などあり得ません。今の家電業界は「夢よもう一度」とばかりに4Kテレビに傾斜しています。規格を変えることで新たな需要を生み出すという手法に一定の効果がある事は確かです。でも今ある地デジ対応テレビをあえて買い換える理由にはならないので、4Kテレビは回収できない投資です。テレビでは利益が得られないと早く諦めて、お年寄りの話し相手になる会話ロボットや、身の回りの世話をしてくれる介護ロボットに投資する方が得策です。
^1: http://www.asahi.com/articles/ASHDQ3HS0HDQUEHF004.html
^2: http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h22/h4a1009j1.pdf
^1: http://www.asahi.com/articles/ASHDQ3HS0HDQUEHF004.html
^2: http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h22/h4a1009j1.pdf
2015年12月16日水曜日
年金体系
実はアメリカの年金は日本ほど手厚くありません。例えば労働者全員が加入する社会保障(Social Security)という名前の年金の給付額は、ほぼ日本の国民年金の給付額と同じです。また一部の古い会社を除くと厚生年金に相当するものがないので、他に何もしなければ毎月数万円しかもらえません。そこでほとんどの労働者は個人年金、いわゆる401kプランを利用しています。これは収入の一部を天引きして自分の個人年金口座に移し、自分の指定するファンド(株や国債)で運用するものです。また自分で不動産や株などに投資して老後の資金を作るのも常識です。401kプランの利点は現役のうちに所得税の節税ができることで、老後に資金を引き出す時には利益に税金がかかるものの、その頃には年間の収入額そのものが低いので税率も低くなります。また転職しても自分の個人年金を持ち運べるので、今の会社に縛られることはありません。もしアメリカの老人にお金持ちのイメージがあるとすれば、それはこうした個人年金や不動産への投資の結果です。実際には貧しい老人もいて、たまに70歳を過ぎてもマクドナルドで働く人を見かけます。逆に言うと年齢を理由に人を不採用にはできないので、働ける人はずっと働けるのがアメリカです。日本の国民年金には税金から毎年約10兆円を補填しているので、日本も働ける人はずっと働けるようにしないと労働人口が減ってしまい、逆に老人費用だけが増える事になります。
2015年12月5日土曜日
和食の菜食
ここシリコン・バレーには菜食主義の人(ベジタリアン)がたくさんいます。一口に菜食主義と言っても、その理由は宗教的なものから健康オタク的なものまで色々です。ところがそういう人たちが日本に旅行に行って困るのが、日本にはベジタリアン向けの食事がないという問題です。魚を含めすべての動物を食べないのが菜食主義の基本なので、タマゴもだめならカツオ出汁の味噌汁も食べられません。お寿司ならカッパ巻きのみ、天ぷらも野菜を塩で食べるだけ、ラーメンは全滅です。知り合いのインド人は、せっかく日本にいったのにインド料理屋で出すベジタリアン向けカレーしか食べられなかったと嘆いていました。海外の人を日本に呼び込むには、もっと菜食主義向けの献立を作る必要があります。和食は出汁が味の決め手なので、板前にとって菜食はイスラム教向けのハラール食より難しい話です。でも頭を使ってぜひ美味しい和食の菜食を実現してほしいと願います。
2015年12月2日水曜日
介護難民
東京はこれから介護難民が増えるというので、老後は地方でという旗を振っている人がいます。その一方で老後は自宅で家族が面倒を見てくれと政府は言っています。すると老人は子供を含めて家族全員で地方に移住しなければなりません。でも子供には仕事や学校があって家族はそう簡単に地方に移住できません。つまり「老後は地方」と「自宅で介護」は同時に成り立ちません。ではアメリカはどうしてるのでしょう。筆者の知る範囲では、自宅で介護という人は少数派です。共働きが多い社会なので、介護付きの老人ホームに親を入れる人が普通です。そのお金は親の家を売って作ります。老人ホームは遠くても車で数時間ぐらいの所に選び、毎週一回は子供の誰かが面会に行きます。子供世代は都市に住んで働き、自分の家を買ったり自分の子供を学校に行かせたりします。子供のいない老人だと思い切って隣の州など物価が安い場所に移る人もいます。もちろん老人が日本ほど長生きしないという点も見逃せません。
2015年11月14日土曜日
外枠文化
島国が生んだ日本文化のひとつが外枠文化です。これはまず外枠、つまり外形的条件を決めると中をどう埋めるかに集中でき、最後には究極の箱物を作るという日本人の性質を表します。例を挙げると盆栽、軽自動車、携帯電話、弁当、100円ショップなどです。盆栽は器の大きさに上限があります。軽自動車には車体とエンジンに大きさの制限があり、携帯電話には携帯する上での制限があります。弁当もほとんどが四角形の入れ物で、持ち運びできる大きさです。100円ショップの制限は値段にあり、商品は100円でなければなりません。こうした制限があると中をどう埋めるかに夢中になるのが日本人です。ところがこうした制限がなく自由に発想していいとなると、おおかたの日本人は困ってしまいます。努力を集中させるポイントが分からないので、どこから始めて良いのかも分かりません。日本には外形的条件のかわりになる宗教や哲学がなく、外枠文化を超えることができません。「周りに合わせて生きる」という日本人の常識そのものが外枠文化と言えるでしょう。良くも悪くも外枠文化は日本にどっしりと根を張っています。
2015年11月1日日曜日
正社員の限界
日本独自の働き方である「正社員」の賞味期限が切れようとしています。戦時体制を源とする正社員制度は、労働者から職業選択の自由を奪い、過度な長時間労働という形で少子化を加速しました。一方、非正規労働者が全体の4割という現状では、結婚に必要な賃金が得られず結婚できない若者が増えています。個々の企業が非正規労働者を使ってコスト削減に励むと、国民の収入が減って国全体の活力が落ちるという「部分最適・全体不適」が起きています。これは日本の法律が悪いのであって、法律を変えて「部分不適・全体最適」を実現しなければなりません。そのためには「就職時の年齢差別と年功序列制度の禁止」および「正社員制度と1年を超える非正規労働の禁止」のふたつが必要です。またこれに付随して「人材の流動化」を加速するために「手切れ金による解雇」を「正社員制度の禁止」と引き替えに認めます。「正社員制度の禁止」とはどういうことかと言うと、すべての社員は仕事や場所が限定された「限定社員」となり、会社の命令なら何でもやるという「正社員」は禁止するという事です。そのかわり会社はいつでも従業員を手切れ金で解雇できるし、従業員はいつでも会社を無条件で辞められます。こうすることで従業員を大切にしない会社は人材を引き留めておく事ができなくなり、ブラック企業は淘汰されます。この根底にあるのは、「人に仕事を付ける」のではなく「仕事に人を付ける」ほうが労働者にとって有利だという考え方で、これは日本以外のほとんどすべての国で行われている働き方です。国民は教育を通じてプロの職業人になり、自分のキャリアは自分で作るという責任を持ちます。会社に人生を預けるのではなく、国が教育や制度を通じて国民の生活を手助けするという当たり前の社会を目指します。人材の流動化は新しい産業を育てるために必要で、これができなければ日本は今の生活水準を維持できません。労働人口の減少を移民で解決しようとすると、治安の低下や社会コストの上昇という問題を起こします。それに労働条件の悪い日本には、海外から一流の人材は入ってきません。今ここで法律を変えて少子化を止めないと、十年以内に巨額の財政赤字が日本経済を潰します。
2015年10月29日木曜日
人生は実験の繰り返し
学生にとって世の中はすべて決まっていて、教科書に書いてない物は存在しないと考えられます。ところが社会人になって3年もすると、この見方の間違いに気付きます。世の中にある物はすべて変える事が可能で、教科書に書いてある物事は世の中のごく一部でしかなく、しかも間違っているものも多いという事実が見えてきます。人生とは実験の繰り返しです。あれをやってみる、これをやってみる、だめならやり方を変えてみる、目標を変えてみる、これはすべて実験です。学生なら勉強しながら色々な事をやってみて、どれが自分に合うか試すことができます。世の中は変えられる、そして世の中をより良いものの変えるのが人の仕事だと教えるのがアメリカです。アメリカの社会そのものがこうした実験の場となっていて、とりあえず何かやってみてダメなら変えれば良いというのが基本の考え方です。
2015年10月22日木曜日
人口減少の壁
アベノミクスが円安をもたらし、輸入物価の上昇と引き替えに輸出企業の利益と株価を押し上げた事は確かです。でも人口が減る国では時間とともに需要が減るので、そのままでは国内の売り上げは増えません。人口減少を放置したままインフレを起こそうとしても、人々はそんなに簡単には騙されません。国債残高は際限なく増えるし、税金も間違いなく増えます。この状況で「この先景気が良くなると思って支出を増やす」人が日本のどこにいますか。肝心の実質賃金が上がらないと支出は増えません。むしろ以前の円高のまま海外企業の買収が進めば良かったのに、その道も閉ざされました。拡大する市場は日本の外にあるので、国内市場に頼っていてはじり貧です。この状況で日本の若者に残された防衛策は、自分を教育して高い収入を得る仕事に就く事です。この先コンピュータが中間層の仕事を奪うので、中途半端な教育レベルだと失職します。天然資源の少ない日本では、勤勉な労働人口こそが本当の資源なのです。
2015年10月2日金曜日
人工知能の限界
筆者もかつて大学では人工知能を卒論のテーマにしたし、仕事では機械学習を使った評価システムの性能テストをしたことがあります。機械学習は昔はニューラル・ネットと言ってました。比較的少ない入力から人間にとって役立つ出力を得る関数を、大量の学習によって生成するのが目的です。今はコンピュータの性能が上がってメモリーも大量に使えるので、学習に使う大量のデータさえ手に入ればかなり役立つ機械学習が可能です。例えばクレジットカードの不正利用を見抜くとか、売れ筋商品の適正在庫を求めるといった「達人の勘」レベルまで来ています。でもこれは使う状況を限定しているから可能なのであって、人間の判断が要らないという意味ではありません。そもそも何が人間の役に立つかどうかは人間が判断しなければなりません。機械学習は今やシリコン・バレーでも一大ブームになっていて、そのエンジニアはどの会社にも引っ張りだこです。でもそんな人工知能にもそれなりの限界はあります。それは状況を限定しないと使えないという問題です。刻々と変わる状況に応じて的確な判断を下す事は今の人工知能にはできません。
2015年9月19日土曜日
福島第一原発の汚染雨水
福島第一原発の汚染雨水は、港の外に流れても中に流れてもその先は結局同じ海です。「放射性物質の流出を防ぐ水中カーテンで港湾外と仕切られた港湾内に流す」というのは誤りで、「放射性物質の流出を防ぐ水中カーテン」など存在しません。潮の満ち引きに応じて港の海水は外と出入りしているので、水中カーテンでは放射性物質の流出は防げません。必要なのは汚染した雨水をタンクに集めて浄化してから海に流す事であって、浄化せずに海に流すことではありません。ちなみにスリーマイル島原発の事故では、汚染水を浄化したあと蒸発させて大気中に散らしました。汚染水中のトリチウムは浄化できないので、苦肉の策でした。
2015年9月8日火曜日
自己中の日本
「自分さえ良ければいい」というのは人間の本心です。でもこれだけだと人類は滅亡します。人間は社会的な動物で、他の人に頼らないと生きていけません。だから自己中の人は嫌われます。ところが今の日本では国民全員が自己中になっています。後の世代に国債という巨額の借金を先送りして、自分だけ楽しく生きられればいいという考え方です。難民問題も同じです。高度な仕事に就く移民なら受け入れるけど、難民は拒否するというのが日本の方針です。例えば2014年度に日本が難民として認定した人数は、申請した5000人中わずか11人です。そのうえ日本では二重国籍が許されないので、もともと移民の数も限られています。日本人だけ楽しく生きられればいいという考え方をするなら鎖国が必要で、外国と貿易を通じて発展してきた日本には、もはや鎖国という選択肢はありません。つまり日本人だけ楽しく生きられればいいという考え方は、今の国際社会において通用しません。アフリカや中東から大量の難民が欧州に押し寄せている現在、日本はそうした難民を何人受け入れるのかと問われています。こうした難民を受け入れるにはお金がかかるし、治安が悪化する心配もあります。この問題に万人が納得する正解はありません。
2015年9月1日火曜日
どうにかしろ
日本で働いていた時の経験です。無能な上司ほど「どうにかしろ」と言う傾向があります。具体的な指示ができないために、「どうにかしろ」という人がいました。この「どうにかしろ」は上司が言ってはいけない言葉のひとつです。これには隠れた枕詞があって、「(方法は何でもいいから)どうにかしろ」と言う上司がいます。こう言われた部下はどうしますか。会社なら法律違反を承知で決算の数字をごまかすのがオチです。「どうしたらいいと思うの」と尋ねる上司はさらに狡猾です。自分にアイデアがないことを隠したまま、「部下に考えさせる」という建前を使います。こういう人は正直に「自分もどうしたらいいか分からないから、一緒に考えよう」とは言いません。部下としてはアイデアがないから上司に「どうしたらいいでしょうか」と尋ねているのに、「どうしたらいいと思うの」と質問で返されると返事に困ります。心の中では(それが分かったら尋ねていないって)と思っていても、それを口にだすと上司が怒るので黙るしか手がありません。責任回避のために曖昧な指示を出す上司と、部下の質問に同じ質問で答える上司、どちらも無能な人の特徴です。シリコン・バレーでこれをやったら部下はすぐ他の会社に逃げます。
2015年8月22日土曜日
たったの2000億円
2020年の東京オリンピックに向けて建設中の新東京国立競技場は、その建設費が当初の見積もりより2000億円高くなるのが問題で計画が白紙に戻されました。日本では年金に税金を年間10兆円も投入しているので、その1%を二年間だけ年金受給者に我慢してもらえば2000億円になります。国民年金の受給額の約半分が税金から出ているので、国民年金の受給額でいえば年間0・5%にあたります。せっかく画期的なデザインを選んだのに、たったの2000億円をケチるために情けないデザインの競技場になるとしたら残念です。言いかえると、年金に流用している年間10兆円の税金はそれほど大きな金額だということです。
2015年8月15日土曜日
プレミアム商品券の愚
去年11月の「アベノミクス失敗」ブログで商品券の形で税金を浪費するのは止めて欲しいと書きました。でも日本の各自治体ではプレミアム商品券が大流行のようで、これほどアイデアのない人たちに今の地方政治を任しているとは情けない限りです。税金でプレミアムを付けた商品券を出しても何も変わりません。その税金は貯金に回るだけで、消費の先取りが終わると元の木阿弥です。小渕恵三首相もむかし税金で一人2万円の商品券を出しました。その結果この政策には意味が無いと数字で証明されたのに、懲りずにまたやるのは愚かとしか言いようがありません。自分が払う税金じゃないから気にしないのでしょうか。まとめて給付型奨学金にした方が日本の将来には良かったのに本当に残念です。
2015年8月13日木曜日
IT後進国
これは日本の事です。例えば医者のカルテ。アメリカだとその地域を担当する医者のネットワークがあって、自分の過去の病歴がどの医者にいっても一目瞭然です。今どんな薬を処方されているかも分かるし、前回どの医者にかかって、どんな治療をしたかも医者のパソコンで分かります。日本の国民健康保険は赤字なのに、こうした合理化ができないのはなぜでしょうか。別の例で言えば、税金の申告、自動車免許の更新、株主としての不在者投票も簡単にウェブでできます。時間の節約にもなるし、電車賃もかかりません。ネットを使えば世の中の無駄を減らせるのに、なぜやらないのかいつも不思議です。選挙だってもうネットでできるのに、いつまでたってもやらないのは理解できません。来年からマイナンバー制度が始まるので、これを機会に海外からでもネットで投票できるようにしてほしいものです。
2015年8月1日土曜日
不毛な酒税
筆者はビール好きです。それもエール系の凝ったビールが好きです。アメリカだとビールは種類が多く、価格も安いので平均して小瓶を毎日一本飲んでいます。日本の酒税はビールにやたら高い税金をかけていて、なんと値段のほぼ半分が税金です。なんでも日露戦争の時に贅沢品であったビールに高い税金をかけたとか。わざわざ冷やして飲むなど、ビールはかつて富裕層向けの飲み物だったのですね。それから100年あまり経ってビールは庶民のささやかな楽しみとなりました。それでも酒税はこのところ毎年税収が下がっています。お酒を飲む人が減ったことと、税金の安い第3のビールが増えていることが原因です。ビールだけに偏った税金をかけるからこうしたひずみが起きます。一方でビール業界の海外進出は遅れており、酒税のかからないビールの輸出は伸びていません。本来お酒は嗜好品ですから税金をかけるのは分かります。そこでお酒の種類ではなく、アルコールの量に応じた税金をかけることを提案します。つまりアルコール分6%のビールには6%の酒税をかけ、アルコール分15%の清酒には15%の酒税をかけます。これは合理的な税金のかけ方です。こうすることで日本のビール業界は無駄に税金逃れのビールもどきを造らずに済み、そのかわり海外マーケットへの積極的な投資ができます。
2015年7月24日金曜日
新聞記事の違い
日本とアメリカの新聞記事には無視できない違いがあります。どちらも取材した内容を記事にするのは同じです。ところが日本だと誰かが発表したモノを右から左にそのまま報道します。そのモノに対する第三者の意見はあまり報道しません。たとえば政府が貿易赤字について数字を発表するとしましょう。日本の記事は政府の発表をそのまま載せます。ところがアメリカだとその発表について肯定的な意見と否定的な意見を直接利害関係のない専門家、たとえば大学教授とか民間のエコノミストに取材して、発表に追加して記事にします。かならず利害関係のない専門家ふたりから、肯定的な意見と否定的な意見を取材して追加するので、記事自体は中立という建前です。でもそうした意見のおかげで読者は発表の裏にあるものを知ることができます。政府の発表を右から左に流すだけならビデオで撮ってYouTubeに載せれば十分です。このインターネットの時代にわざわざお金を払って記事を読むのは、その記事に何らかの付加価値があるからです。もとの情報に肯定的意見と否定的意見を取材して加えると、情報を頂点とする三角形の記事ができます。肯定的意見と否定的意見を付加することで、発表というひとつの点情報に広さが加わります。これは記事の表面的な中立性を重視するか、それとも記事を通じて読者へ届ける判断材料を重視するかの違いです。もともと報道する記事を取捨選択する時点でどのみち中立性は失われるので、新聞記事に完全な中立性はありません。
2015年7月12日日曜日
公園と公立学校
カリフォルニア州だと公園と公立学校が隣接している事が多く、その理由は公立学校が公園を学校のグラウンドとして使うからです。法律により公立学校の塀にはカギをかけないので、学校と公園が一体化することで平日は学校の体育に公園を使い、休日は公園を地域の人の憩いの場とするという使い分けが出来ています。日本だと学校のグランドは休日に閉めていることが多いので、広い校庭を有効利用できていない状況があります。ただしアメリカは自己責任の国ですから、公園を使うのも自分の責任です。公園でケガをしても明らかに施設の不備でないかぎり行政の責任は問われません。また公立学校は教室にカギをかけるので、校庭はいわば公園の延長上にあります。トイレも公園にだれでも使えるものがあるので、学校のトイレは休日には閉まっています。こうした法律上の違いがあるので、日本で校庭を休日に公園として使うのはかなり難しいでしょう。ただ都会の子供は運動不足のため運動能力が毎年下がっています。マンションに住んだら簡単に外に遊びに行く事もかないません。都会の子供の運動能力を上げるには、公立学校の校庭を使って週末に親が子供とスポーツをすると良いと思います。
2015年6月30日火曜日
日本の実質賃金は25か月連続減
5月の政府統計が出ました。確定値で実質賃金は25か月連続減[^1]というのは予想通りです。4月の速報値では0・1%の増加だったのに確定値で0・1%の減少となった理由は、速報値が主に正社員の給与データを使っているのに対して、確定値には非正規社員の給与データを含むからです。つまり正社員と非正規との給与格差は一段と進み、全体としては実質賃金の減少となっています。ほとんどの会社で賃上げした後の数値なので、実質給与が減っている現状では物価が上がる可能性は一段と下がりました。日銀がさらに追加緩和をしてもこの構図は変わらないでしょう。日本は韓国や中国、台湾、ベトナム、マレーシア、インドなどとの経済競争に巻き込まれており、賃金の2極分化はますます進みます。他の国で出来る仕事は日本でやる必要はないので、日本はより高い賃金が得られる仕事をする人間を増やさなければなりません。つまりもっと頭を使う仕事を増やすというのが正しい方向です。非正規社員を増やしても国の平均値は下がる一方です。このままでは人口が減る日本に明るい未来はありません。老人の年金は減額して若者に税金を使い、国民の教育に投資するべき時です。
^1: http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PA04P20150630
^1: http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PA04P20150630
2015年6月27日土曜日
革新を阻むもの
シリコン・バレーの会社を訪問して、その会社の従業員のくだけた服装やら奇抜な事務所のデザインに感心して、「なるほど仕事でスーツをやめて事務所を変えれば革新が生まれるのか」と誤解する人がたくさんいます。確かにシリコン・バレーには技術系の会社が多く、そうした会社では優秀な若者に働いてもらうため奇抜な事務所のデザインを採用しています。服装だってもともと技術系だから顧客に会うことも少ないので、普段着で十分です。でも肝心な点は若者が革新を生むという事です。失敗しても失う物が何もないからこそ、革新ができます。シリコン・バレーのHP社に15年勤めていた筆者は、たくさんの革新的なアイデアが保守的な中間管理職によって葬り去られるのを見てきました。失敗したら失う物がたくさんある中年の大人にとって、若者が生み出す革新的なアイデアは厄介ものでしかありません。だから革新を生み出すには金持ちが若者に投資しなければなりません。これはハイリスク・ハイリターンの投資なので、お金に余裕がある金持ちにしかできません。日本にはそうしたお金持ちがいないので、若者が持つ革新的なアイデアを実現できません。シリコン・バレーに来たら、服装やら事務所のデザインといったすぐ目に付く部分だけでなく、日米の労働形態の違いや「本当のお金持ち」の桁違いに大きい家なども見て欲しいと思います。日本でマネできる部分とできない部分がある事に気がつかないと、本質を見誤ることになります。日本の革新を阻むもの、それは日本の会社にいる中間管理職です。
2015年6月18日木曜日
首都圏も人口減少
2015年をピークに首都圏でも人口が減る[^1]そうです。首都圏というと山梨県を含む関東の1都7県を指すので、東京都の人口が増えて他の県の人口が減れば当然そうなります。日本全体の流れとしては今後いっそう人口減少に進むので、それにつれて消費市場も減少します。そこで海外からの観光客を増やして国内で爆買いしてもらえば、市場の減少を補ってもらうことは可能です。でも観光客が訪れる場所には偏りがあり、日本全国まんべんなく旅行してもらえるわけではありません。それに観光には市場の減少を上回って消費を拡大する力はありません。市場の減少はデフレをもたらすので、首都圏でもインフレがデフレに変わる可能性があります。日銀の量的緩和が日本政府の最後の悪あがきだったと歴史に記される日も遠くはありません。日本に本当に必要なのは人口を増やす政策です。この当たり前の結論から目を背け続ける限り日本は衰退します。それに移民では解決策になりません。老人に税金を使うのではなく、若者に税金を使わないと人口は増えません。年間10兆円もの税金を年金に流用するのは言語道断です。
^1: http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB15HL2_W5A610C1MM0000/
^1: http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB15HL2_W5A610C1MM0000/
2015年6月4日木曜日
コミュニティ・カレッジ
日本の短大に相当するのがアメリカのコミュニティ・カレッジです。でも日本と違うのは、コミュニティ・カレッジが学費の安い公立学校だという事と、職業訓練に重心を置いているという事です。歯科衛生士になるコースやエステティシャンになるコースなどもあります。普通に教養科目を2年間取ったトップの学生が、そのまま州立大学の3年生に入れる制度もあります。コミュニティ・カレッジと一般の大学との間には明らかに棲み分けがあり、相互補完的な関係になっています。高校を出て遠くの職業専門学校に行くかわりに、近くのコミュニティ・カレッジに進む人も少なくありません。それに大きな都市だと複数のコミュニティ・カレッジがあります。失職した大人がコミュニティ・カレッジで別の仕事を学ぶのもよくあるケースです。こうした税金の使い方ならダメな企業に出す補助金よりもお金が生きます。
2015年5月23日土曜日
GDP
日銀による円の増刷と国債の大量買い取りはセオリー通りに円安を生みました。その結果輸入物価が上がり消費を抑えています。円安は輸出企業に自動的に増収をもたらしたので、国民全員からお金を集めて輸出企業に配ったのと同じ効果があります。ところが幸い原油の値段が下がったので、電気代は為替レートほどには上がっていません。今の日本は貿易赤字なので、円安は日本全体で見れば損となります。賃金の上昇が物価の上昇を上回らないと消費は増えません。消費が増えないと税収も増えないので、大量に買い取った国債が次の世代に大きな借金として残ります。正社員の賃金が上がるだけでなく、派遣社員や非正規雇用の賃金も上がらないとGDPは増えません。名目賃金だけでなく、それと物価との差である実質賃金がどれだけ増えるかが今後の課題です。年間80兆円ものお札を刷って市場に供給したのに、そのお金が土地や株式への投資に回るだけでは賃金は増えません。
2015年5月16日土曜日
ISEF
今年のISEFの勝者[^1]が決まりました。プロセッサで有名なインテル社がスポンサーとなって毎年アメリカで行われるこのコンテストには「インテル国際学生科学技術フェア」という翻訳が当てられています。ところがこれは誤訳です。もとは「Intel International Science and Engineering Fair」なので、「インテル国際科学工学フェア」が正解です。日本の学校にはサイエンス・フェアという行事がないので「学生」を付けて対象を明示するのは良いとしても、エンジニアリングを技術と訳してはいけません。技術はTechnologyです。日本語の科学技術はSciense and Technologyです。エンジニアリングとテクノロジーを両方とも技術と訳すのは大間違いです。では工学と技術の違いは何でしょう。ざっくり言うと技術とは物作りなどの方法です。高度な技術が必要な物作りをする産業をハイテク産業と言います。インテル社はその筆頭です。そうした技術はおおむね特許に守られるか企業秘密として会社にとどまります。ところが工学は技術だけでなくもっと他の物を含みます。物作りだけでなく、すでに作ったものをどう利用し維持するかまで含みます。工学は大学で学ぶことができ、その知識は教科書を通じて公開されています。つまり枝葉の話が技術でその上位にあるのが工学です。エンジニアリングとテクノロジーを区別しないと、なぜ大学にあるのが工学部なのか分かりません。技術を教えるのは職業学校の仕事です。
^1: http://www.asahi.com/articles/ASH5J5JT9H5JULBJ00B.html
^1: http://www.asahi.com/articles/ASH5J5JT9H5JULBJ00B.html
2015年5月13日水曜日
イルカ問題の解決策
日本のイルカ漁は欧米の人々には理解不能です。前に書いたようにイルカは海外の人々にとって犬や猫と同じ存在です。日本で犬を捕まえて食べる人がいないように、ごく一部の国を除くと欧米にはイルカを捕まえて食べる人はいません。イルカは鯨と同じほ乳類で賢く、芸ができるので水族館の人気者になっています。マサの考える解決策は、イルカ漁のかわりにイルカを中心にした観光で食べていくことです。もちろんこれは部外者の無責任な発言です。でもイルカ漁を理屈で正当化しても、欧米人が抱く感情的な問題の答えにはなりません。イルカと共存する道を選ぶ方が日本にとって国際的に有利だとマサは思います。イルカと遊べる観光地にすれば海外からも観光客が来ます。これは観光という大事な産業にプラスになる解決策ではないでしょうか。
2015年5月3日日曜日
休暇の取り方
拙著「成果主義の前提」で紹介したように、日本では「人に仕事をつける」のが普通です。このため「手の空いている人は他の人の仕事を手伝う」必要があり、自分の仕事の範囲が決まっていません。仕事の能率が良くて時間がある人は大手を振って有給休暇を取れるはずなのに、日本ではそうなっていません。このため5月の連休や週末などに旅行が集中して、観光地の年間稼働率を下げています。週の半ばの水曜日に観光地に行くと、お店が休みになっている事もよくあります。他の人に気兼ねして休暇が取れないのは、自分が休むあいだ他の誰かが自分の仕事を代行するからです。ではアメリカのように「仕事に人をつける」方式の場合、自分が休むあいだ自分の仕事はどうなるでしょうか。急ぎの仕事でなければ、そのまま放っておきます。普通は休暇に入る前に上司と仕事のスケジュールを調整するので、休暇に入る前に必要な仕事は全部済ませておきます。自分の仕事の範囲が決まっているので、他の人に気兼ねなく休むことができます。このため連休や週末に集中することなく、自分の仕事のスケジュールに応じて好きな時に休暇を取ります。「仕事に人をつける」方式だとそれぞれがバラバラに休暇を取るため、三週間程度のまとまった休暇を取る人も珍しくありません。すると観光地の年間稼働率が上がり逆に混雑は減るので、観光地と旅行者の両方に良い結果になります。では放っておけない仕事の場合はどうでしょうか。この場合はスケジュール調整の段階で上司が指定した特定の人とペアを組みます。この人と仕事を共有することで、休暇中はこの人に仕事を代行してもらいます。ただし、マネジャーの場合はその上司が申請の承認等の仕事を代行します。自分の仕事がちゃんとできている限り、休暇を取るのは権利であると同時に義務でもあります。時々休みを取ってリフレッシュして仕事に励んでくれというのが有給休暇の意味です。休暇のあと仕事への意欲が増したという経験はありませんか。忙しすぎて休暇を取れない仕事をしている人は上司に解決を求めます。もし解決出来なければ、その仕事をやめて他のもっと良い待遇の仕事をするだけです。「仕事に人をつける」社会では自己責任で働く場所を決めるので、過労死は起きません。
2015年4月28日火曜日
原発のコスト=数字のトリック
原子力発電は2030年時点で1キロワットアワー当たり10.1円以上という報道がありました[^1]。その前提は実にお粗末なものです。福島原発事故の結果、日本の原発が過酷事故を起こす確率は40年に一度です。その結果かかる事故処理費用もまだ確定していません。でもその費用を適当に見積もり、コストに含めたのが4年前の8.9円以上でした。今回の試算では、安全対策を強化したので事故確率は半分の80年に一度になるという仮定をしたそうです。そのため安全対策の費用と事故費用がコストを1.2円押し上げるという理屈です。まず事故確率が80年に一度という前提を受け入れるかどうかという国民的議論はないし、事故確率が半分になるという仮定も根拠があやふやです。こうしたいい加減な前提を明らかにせずに結果だけ10.1円(しかもこれは下限)という数字を流すのは報道機関として取材が不十分です。政府の出す報道資料を右から左に流すだけならインターネットで十分であり、お金を取る報道機関は要りません。アメリカやイギリスが計算すると原発のコストは16円と高くなります。どうしてこんな違いがあるのでしょう。日本は使用済み核燃料を再利用するという建前のため、これを処理する費用をわざと少なく見積もっています。ところがアメリカやイギリスは再処理せず廃棄するので、廃棄費用をコストに含めています。一方日本での使用済み核燃料の再処理は「もんじゅ」の事故をみれば分かるように失敗続きでコストの算定すらできません。政府が出す数字を見たら、その裏にある前提まで取材して報道するのがプロの仕事です。この下限の数字で原発が一番安価だというのは大間違いです。
^1: http://mainichi.jp/select/news/20150428k0000m020086000c.html
^1: http://mainichi.jp/select/news/20150428k0000m020086000c.html
2015年4月26日日曜日
街の区分け
アメリカは新しい街が多いので、最初から東西南北の道を作り、場所を用途に応じて区分けした所が多くなっています。どう区分けするかというと、まず中心にはお店の多い商業地域、その外側にアパートや集合住宅が建ち並ぶ場所、その外が一軒家を建てる住宅地域、最後には農地か未使用の荒野が広がるという具合です。日本とちがうのは、集合住宅と一軒家が建つ場所をきっちり分けている事でしょう。一軒家の持ち主は自分の家が投資物件だと思っているので、その市場価値に敏感です。集合住宅にはまだ一軒家を買えない人が住むので、集合住宅と一軒家を建てる場所を分けることで家の市場価値を維持します。集合住宅には独身や若夫婦が多く、年配や子供がいる家庭が多い一軒家と場所を分けることで誘拐などの犯罪を防ぐという意味もあります。日本のようにアパートと一軒家が混在していると、ゴミの捨て方など住民同士の問題が起きがちです。土地が狭い日本だと、集合住宅と一軒家が建つ場所を分けられなかったのでしょうね。
2015年4月11日土曜日
英語のメニュー
先週ギリシャとトルコに家族で行ってきました。今回の旅行で気付いたのは旅行者に対するお店の姿勢です。国際的なアテネやイスタンブールのような都市だと、お店には地元の人だけでなく国外からの旅行客もやってきます。そのため気が利くレストランは必ず英語のメニューを用意しています。左側が現地の言葉で右側が英語というメニューもよく見かけました。英語のメニューを別に用意してあるレストランもあります。メニューに写真があればなお良いでしょうけど、食べ物の場合は材料を知りたいので、やはり文字で書かれたメニューに食材が書いてあると安心できます。英語のメニューがあれば店員の英語は片言でも十分です。日本も旅行客が来そうなレストランでは英語のメニューを用意するのが親切でしょう。
2015年3月17日火曜日
高3の英語力
3月17日の各紙は国公立の高校3年生を対象に文部科学省が昨年行った英語テストの結果を発表しました。当然のことながら結果は惨憺たるものです。読売新聞^1の表現によれば「政府は、高卒レベルの英語力の目標を実用英語技能検定(英検)の『準2級~2級程度以上』としているが、最も成績が良かった『読む』でも約73%が英検3級以下の中学レベルにとどまった。『書く』『話す』も約87%が中学レベルだった。」となっています。高校3年が中学レベルとは情けない限りです。でも英語を学ぶ理由が大学受験しかなく、その大学も定員割れしているため、受験で英語の成績が悪くてもどこかの大学には必ず入れるのが現実です。これでは普段英語を使う必要がない日本で、高校生が英語力を付ける理由はありません。英語を学ぶ目的が大学受験しかないと当然こうした事が起きます。日本から外国の大学に留学する学生が少ないのも、さもありなんという状況です。英語を受験科目ではなく仕事の道具として教える教育改革が日本には必要です。ほとんどの人は社会に出てから英語の必要性を感じて自費で学び直すため、時間と費用の無駄が生じています。英語が使えればより多くの給料が得られる仕事に就けるので、英語教育の不備は日本で収入格差が拡大する理由のひとつにもなっています。
^1: http://www.yomiuri.co.jp/national/20150317-OYT1T50098.html
^1: http://www.yomiuri.co.jp/national/20150317-OYT1T50098.html
2015年3月7日土曜日
通訳案内士
通訳案内士は日本独自の国家資格です。日本に来た観光客を有料で観光地などに案内する旅行ガイドに必要で、1949年にできた通訳案内士法という法律が定めている資格です。この法律ができた時には太平洋戦争が終わってからたった4年しか経っておらず、日本国内には英語の看板もなければ英語を話せる人もわずかでした。それから66年が経ち世の中は大きく変わりました。日本の経済がこれほど海外からの観光客に依存するようになったのにも関わらず、この古色蒼然とした法律はそのままです。日本全国には1万7000人ほどの有資格者しかいません。年間訪日客数が一千万人を超える時代に、わずか千人にひとりの割合です。悪質な旅行ガイドを排除する目的で作られたこの法律は、もう現状に合わなくなりました。今はインターネットで旅行ガイドを選ぶ時代なので、悪質なガイドは自然と評価が低くなり淘汰されます。逆に無料でガイドして知り合いの店に観光客を案内して買い物をさせ、その店から手数料をもらっても法律違反にはなりません。規制撤廃のひとつとして、訪日客数を一桁増やすために通訳案内士法は廃止すべきです。訪日観光客にとっては、お店の店員、駅の駅員、宿の従業員、観光地のスタッフなど、今や日本国民全員が「民間の外交官」なのです。
2015年3月1日日曜日
2015年2月22日日曜日
話題の不等式
ピケティ氏の「21世紀の資本」で話題になった「r>g」という不等式のお話です。資本収益率を示すrと経済成長率gとの間には、歴史的にみて前者が常に後者を上回るという観測データがあるというのは、データの取り方が妥当な限り誰にも反論できない事実です。経済学は歴史学なので過去のデータからモデルを作って未来を予測します。なぜこの不等式が成り立つのかという証明がないという指摘は意味がありません。なぜならこれは数学ではなくて歴史学だからです。でもこの不等式を背理法で説明することはできます。もし「r<g」なら資本を投資するよりも働いて所得を増やした方が割りが良いので、だれも投資をしなくなります。すると既存の産業は生産性を上げることができず、まったく新しい産業も生まれません。つまり資本主義社会が発達して拡大するには資本を投資する必要があり、「r>g」でなければ資本主義社会は衰退します。現実に資本主義社会はまだ拡大しているので、今のところ「r>g」は当分続くでしょう。「ナニワ金融道」というマンガにもあるように「資本主義では資本家になるのが勝ち」なのです。
2015年2月15日日曜日
敷地最低面積
シリコン・バレーの各都市には家の敷地に最低面積が決まっています。これは限られた土地に小さな家をたくさん建てる事を防ぎ、人口過密を避けて町の住み心地を良くするためです。その大きさはだいたい6000平方フィートで、ほぼ550平方メートルぐらいです。つまり22メートルかける25メートルぐらいの敷地が最低の大きさで、これより小さい土地には家を建てられません。これぐらい土地面積があれば平屋でも4LDKが可能で、それ以上の部屋数を望むなら2階建てにします。ただし、これだけ土地が大きいとそれなりに値段も張るので、若者はまず集合住宅の分譲を買います。英語でいうコンドミニアム、日本語だとマンションです。集合住宅なら一軒家の3分の1から2分の1ぐらいで同じ部屋数の物件を購入できます。ではこれを日本と比較してみましょう。日本には建ぺい率と容積率という縛りがあります。ところが土地の最低面積が小さすぎるか又はそのような規制が無いので、狭い土地にぎっしり家が建っています。日本でも戸建ての土地は最低200平方メートルにするなどの規制があれば、もっと住み心地のよい町が作れたのに残念です。新築一戸建てと新築マンションの価格帯が同じでは、明らかに戸建ての土地が狭すぎます。そのうえ英語でいうタウンハウス、日本語だとメゾネットタイプの家も日本では人気がありません。日本の住宅地の土地の使い方には、まだまだ改善の余地があるように思います。
2015年2月1日日曜日
新年会
アメリカの会社の新年会はカップルでの参加が普通です。恋人がいれば恋人と、配偶者がいれば配偶者と参加します。もちろん子供連れにはベビーシッターが必要なので、参加しない家族もたくさんいます。参加するしないは完全に個人の自由です。会社の近くのホテルの宴会場を使ったり、レストランや博物館を使う事もあります。金曜日の夜6時くらいから9時くらいまでをあてて、その日は午後4時ぐらいに仕事を終わらせて一度家に戻り、普段着ているジーンズやポロシャツではなくネクタイに上着や、ドレスに着替えてパーティに参加します。新年会としてのパーティには食事とお酒、バンド演奏とビンゴなどのゲームが含まれます。アメリカらしいのはダンスをする場所がある事で、談笑するだけでなくバンドに合わせてダンスする人もいます。バンドも音楽好きの社員が演奏する場合もあり、社長は司会に徹するなどサービス精神を発揮します。従業員への感謝を込めて行われるので、アメリカの新年会では社長が席に座っている暇はありません。アメリカの食べ物にはあまり期待できないものの、英語で色々な人とおしゃべりするのが好きであれば楽しめる行事です。
2015年1月20日火曜日
モービル・ホーム
これはおそらくアメリカにしかない、土地を借りて家を建てずにそこに住む方法です。トレーラーのような大きな荷台を家にしたものをモービル・ホームといいます。普段はモービル・ホーム・パークという場所の土地を借りて、その上にこの家が載った荷台を置いて住んでいます。土地を持たないので安くその土地に住む事ができ、引退した人や所得の少ない人が住む家として人気があります。荷台なので車輪があり、場所を変える時はエンジン部分を持ってきて家ごと移動します。一台だと細長い家になってしまうので、余裕がある人は二台を横に並べて家の幅を倍にします。トイレや風呂も家に付いていて、借りた土地に引いてあるガス管や下水管とつなぎます。もちろん家に電気も電話も引くことができます。ただし昨年のナパの地震では、こうしたガス管が外れて火災を起こし、燃えてしまったモービル・ホームがありました。土地に固定されていないので、車輪の上の家は揺れが大きくなるという欠点もあります。道路の幅が広いアメリカならではの家の形です。
2014年12月27日土曜日
一流のエンジニア
シリコン・バレーには一流・二流・三流の三種類のソフトウェア・エンジニアがいます。一流のエンジニアは全体の一割くらいを占め、プログラムを書くのが何よりも好きで、会社の仕事だけでは飽き足らず、夜や週末はオープン・ソフトウェアのボランティアとして活躍します。彼らの書くプログラムは効率が良く、誤りが少ないうえ、変更も容易です。さらに二流のエンジニアの十倍の生産性があります。このため二流のエンジニアの倍の給料でもおつりが来ます。博士号を持っている人も多く、会社の中で一目置かれる存在です。これに対して二流のエンジニアは全体の六割ぐらいで、計画に沿って着実に仕事をこなし、必ず会社の中核をなす部隊の中心にいます。彼らは会社の仕事だけで満足しているので、プライベートの時間を使ってまでプログラムを書く人はまれです。さらに三流のエンジニアともなるとコンピュータ科学以外の学部を出た人も多く、例えば生物学や数学を学んだけどプログラムを書く方がお金になるので、独学でソフトウェア・エンジニアになった人がいます。プログラミングの経験が足りないので、効率が悪くて変更が困難なソフトを書く場合もあり、セキュリティの問題もよく起こします。三流のエンジニアはトレーニングや経験を通じて二流のエンジニアに進化することができ、割合でいうと全体の三割ぐらいを占めます。本当はこの他に超一流のエンジニアがいて、一人で世の中を変えるソフトを作っています。例えば Linuxカーネルを作ったリーナス・トーバルズとか、Javaを作ったビル・ジョイとか、Mosaicブラウザを作ったマーク・アンドリーセンなどが好例です。こうした超一流のエンジニアは世界でもせいぜい十人ぐらいなので、割合から言えばとても貴重な存在です。このためIT業界を支えているのは二流のエンジニアが中心となり、筆者もその一人として働いています。二流のエンジニアと一流のエンジニアの違いは主にプログラミングにかける情熱の差で、一流のエンジニアは変わり者が多いので良い意味で「ハッカー」とも呼ばれます。世の中を変える新しいソフトを作るのは一流のエンジニアが大好きな仕事です。そのためには毎日12時間働いても彼らは文句を言いません。
2014年12月18日木曜日
薬の処方箋
アメリカでも医者は薬の処方箋を書き、患者は自分で好きな薬局からその処方箋で薬を買う事ができます。薬のコスト削減のため、もしジェネリックがあれば医者は自動的にジェネリックを選びます。保険によっては患者がジェネリックを使うかどうか選べるものもあり、もしジェネリックを使わないと患者の自己負担額がその分だけ増えます。医者の手書きの処方箋は最近はほとんど姿を消して、パソコンで打ち出した紙にサインしたものか、あるいは患者の指定する薬局に電子的に送られるものが主流になっています。血圧の薬などは一度に三ヵ月分買えるので、インターネットや通信販売で注文できます。処方箋をFAXで送るか郵送すれば、近くの薬局から買う場合と比較して半額ぐらいの自己負担額で薬を買うことができます。処方箋には何回分使えるかが明記してあるので、一回に三ヵ月分として四回使えるなら一年分です。アメリカはもともと通信販売が盛んなので、処方箋の薬でも当然のようにインターネットや通信販売で買う事ができます。まだ日本では処方箋の薬をインターネットや通信販売で買う事はできないそうなので、薬代を下げるにはこうした規制の撤廃が必要です。
2014年12月10日水曜日
高速道路無料化で地方創生
地方創生には主な高速道路を無料化するのが一番です。高速道路の建設費はガソリン税と重量税を増やして回収します。まず高速道路を無料化すると、目的地だけでなく途中での高速道路の乗り降りが盛んになり、途中の地方にもお金が落ちます。その上わざわざ道路料金を集めるお金も要りません。当然観光業にも好影響があります。地方に仕事を作るには移動にかかるコストを大幅に下げる必要があり、高速道路を無料化すれば電車や飛行機の料金も下がります。今はガソリン代よりも高速料金の方が高いので、せっかく車を持っていても使い道がありません。普通の国道は無料なのに高速道路だけ有料にするのは無意味です。高速道路の建設は国民全員の役に立つ投資なので、無料化して道路を積極的に使うのが国民のためになります。どのみち道路は使っても使わなくても時間とともに劣化するので、わざと有料にしてせっかく作った道路を使わないのは愚かです。首都高など無料化すると混雑して困る場合のみ、道路料金を課して利用者数を加減します。道路は生き物の血管と同じで、その流れを良くすれば国全体が元気になります。
2014年12月2日火曜日
規制緩和は自己責任
今の日本は1970年代のイギリスに似ています。当時のイギリスは手厚い福祉政策と多すぎる国有企業のせいで、英国病と呼ばれるほど経済が衰退していました。国有企業は経営努力を怠ったため赤字で、法人税が高かったので民間企業が外国に本社を移してしまい、イギリスの税収が減って国の借金である国債残高だけが増えていました。そこに登場したのがマーガレット・サッチャー首相で、彼女は1979年から福祉の大幅削減と国有企業の民営化、さらに税制改革、財政支出の削減、規制撤廃などを行い国際競争力のあるイギリスを取り戻そうとしました。それでも2001年にブレア内閣が英国病の克服を宣言するまで実に22年もかかっています。実際サッチャーが首相を務めていた間は、イギリスの失業率が上がるなど効果より副作用の方が問題でした。これを日本と比較すると、手厚い福祉政策と国債頼みの財政、電気やガス、銀行といった競争のない企業が多いなど類似点がたくさんあります。サッチャーが英国民に自覚させた大事な事は「タダのランチはない」という事実です。手厚い福祉政策を維持するには多くの税金が必要で、法人はそれを嫌って他の国に移りイギリスの税収を減らしました。福祉を大幅に削り、法人減税を断行し、規制撤廃を行うには「自己責任」が前提です。つまり何でも税金で面倒をみる「大きな政府」ではなく、軍隊や警察といった最小限の行政サービスのみ税金でまかなう「小さな政府」への変身です。同じく日本の規制緩和にも「自己責任」という覚悟が大切です。規制が減るという事は自由に経済活動ができると同時に、利用者が自分の責任でサービスを選ばなければいけないという事です。保育園なら認可という制度をやめて民間企業に自由にやらせるという事です。質を重視して保育士の多い高価な保育園を選ぶか、それとも値段を重視して安い保育園を選ぶかは利用者に決める責任があります。こうした「自己責任」を受け入れるなら日本でも規制撤廃は可能でしょう。でも「お上に頼る」伝統のある日本では「小さな政府」は実現できそうもありません。規制緩和が日本で進まない本当の理由は、国民が「自己責任」で生きる覚悟を持っていないからです。成長産業を国に決めてもらうという発想そのものが「自己責任」から外れています。税金を減らしたければ政府の仕事を減らさなければなりません。
2014年11月27日木曜日
需要と供給
賃金は需要と供給で決まります。物価も需要と供給で決まります。人口が減る国では人口と共に需要も減るので、賃金と物価が同時に下がります。これを見て賃金と物価に因果関係があると考えるのは大きな間違いで、両者には直接の関係はありません。もし賃金と物価の両方を上げたいのなら、まず需要を増やさなければなりません。それには人口を増やすか、海外からの観光客を増やす事が必要です。その一方で物価は円安にすれば上がりますし、消費税を増やしても税込みの物価は上がります。ところがそうした政策では需要はかえって減ってしまいます。本当は減税して需要を増やしたい所なのに、日本の財政赤字が巨額なせいで減税もできません。つまり財政的な手法では、袋小路にある日本の経済を救う事はできません。もちろん根本的な解決策は人口を増やす事です。ただしコストのかかる移民では解決になりません。移民には親や子供がいるので社会保障にお金がかかるうえ、日本語を教える教育費用もかかるからです。人口を増やすには何十年もかかるので、短期的には円安を利用して海外からの観光客を増やすのが今の正解です。英語や中国語の看板を増やしたり、外国語が使える宿やお店を増やすには5年もあれば十分です。
2014年11月21日金曜日
アベノミクス失敗
アベノミクスはお金を日本中にばらまいて円安を作り、インフレを創り出すのが目的です。輸入物価が上がり、輸出企業の株価も上がって、不動産の値段も上がりました。ところが賃金が物価の上昇に追いつかないため、景気は予想したほど上がりません。国民はバカではないので、消費税が3%上がるなら賃金はそれ以上に上がらないと実質賃下げという事は知っています。実際には平均で賃金は上がっていないので、国民は平均で3%消費を減らします。金融緩和と消費税値上げは車のアクセルとブレーキを同時に踏むようなものです。確かに物価が上がり、消費はそれとは逆に減っています。つまり日本はスタグフレーションの入り口にいます。このまま人為的なインフレが進み景気が後退すると税収はますます減ってしまいます。これは税収を増やしたい政治家と官僚には受け入れがたい予想です。ではなぜ賃金が上がらないのでしょう。一部の業種、建設業や飲食業では賃金は上がっています。賃金は物価ではなく需要と供給で決まるので、需要が増えないから賃金が上がらないというのが真相です。人口が減る国では需要も減るので、結果としてデフレになります。円安で海外からの観光客が増え、それにつれて需要が増えれば賃金も上がるでしょう。でも日本は中国や韓国と輸出競争をしています。そうした国の賃金は日本より低いので、なかなか輸出を通じて賃金を上げることは困難です。アメリカのように人口が増える国の施策をただ真似しても、人口の減る日本では同じ結果にはならないという当たり前の事が起きています。商品券を配るというようなノータリンの政策ではなく、海外からの観光客を倍にするような政策を望みます。
2015年5月19日追記
2014年度の実質賃金は3・0%減少した[^1]そうで、円安による物価高と消費税の増加が賃金の上昇を上回った事が公式に確認されました。前年度と比べると2015年度は消費税の影響がなくなるので、物価高はあっても実質賃金はプラスになると期待されています。問題はそれが貯金に回らずに消費に向かうかどうかです。幸い原油の値段は低いので物価上昇は抑えられています。国民が今後賃金が増えると思えば消費を増やすし、そう思わなければ人口減によって消費は減ります。この局面での物価上昇は単に消費を減らすでしょう。
^1: http://news.livedoor.com/article/detail/10128908/
2015年5月19日追記
2014年度の実質賃金は3・0%減少した[^1]そうで、円安による物価高と消費税の増加が賃金の上昇を上回った事が公式に確認されました。前年度と比べると2015年度は消費税の影響がなくなるので、物価高はあっても実質賃金はプラスになると期待されています。問題はそれが貯金に回らずに消費に向かうかどうかです。幸い原油の値段は低いので物価上昇は抑えられています。国民が今後賃金が増えると思えば消費を増やすし、そう思わなければ人口減によって消費は減ります。この局面での物価上昇は単に消費を減らすでしょう。
^1: http://news.livedoor.com/article/detail/10128908/
2014年11月16日日曜日
観光の力
2013年の日本の訪日外国人観光客数が1000万人を超えました。平均で一人あたり10万円使うと仮定すると、総額は1兆円の消費となります。つまり海外からの観光客がドルを円に換えてホテル代、交通費、食事代、土産代などに一人で10万円を使えば、1兆円の輸出をしたのと同じ経済効果があります。これだから観光業はバカにできません。これからの日本を救うのは海外からの観光客です。製品輸出額が減少しても観光収入が増えれば心配ありません。それに観光客が行くのは東京や大阪だけではないので、日本の田舎にもチャンスがあります。たとえば台湾の観光客は北海道の雪景色を見に日本にやってきます。では海外からの観光客を増やすにはどうしたらいいでしょう。それにはまず第一に中国や台湾、韓国やインドネシアなど経済発展が進み、海外に行ける金持ちが増えている国を対象に日本を売り込む事。次は英語や中国語などによる案内を増やし、外国語で観光客に対応できる宿や店を増やす事。そして日本の魅力を増やすために国民の教育にもっと税金を使う事です。観光業では人が利益を生む原動力なので、自分の頭で判断できる人を育てる教育が必要です。
2014年11月1日土曜日
日本のWifiがひどい
これは2年前にも書いた話です。日本だとお店のWifiが自由に使えないので、外国から来た旅行者には不便きわまりないという問題です。普通の日本人は携帯電話のデータ通信が使えるので、これは問題になりません。ところが今どき駅やお店のWifiが自由に使えない先進国は日本ぐらいです。せっかくスマホを持っているのに、これでは何の役にも立ちません。どうしてこんな情けない状況がいっこうに改善されないのか、マサには意味不明です。日本でポケットWifiルータをレンタルすると、一日で千円もかかります。Wifiが犯罪に使われた場合に、お店の責任を免責する法律が必要ではないかと思います。日本にもっと観光客を呼ぶには、無料で登録なしに使える自由なWifiがどのお店にも必要です。自己責任でWifiを使うのが前提なのに、自己責任を嫌う日本だと無料のWifiでも登録して身元を明かすのが条件です。英語しか読めない、海外からの旅行客の立場に立っていません。日本語の使用方法しか表示しないWifi接続もたくさんあります。その中でかろうじて使えるのは、セブンイレブンとマクドナルドの無料Wifiです。でもどちらも事前の登録が必要なため、海外からの旅行客には使いにくいサービスです。これは政府が音頭を取って東京オリンピックまでに改善しないと、世界中の人から文句が出るでしょう。
2014年10月30日木曜日
ハロウィーン
日本だとハロウィーンはすっかり大人の仮装パーティとして扱われています。もちろん日本のカボチャはとても美味しいので、そのカボチャを使ったパンやお菓子が巷に溢れるのは、同じく旬な栗を使ったお菓子がこの季節に増えるのと同じく嬉しい話です。でも日本だと、ハロウィーンの主役は子供だというアメリカの常識は通じません。クリスマスと同様にハロウィーンも商業主導で日本に導入されたため、意味がずれてしまったようです。もちろんその違いを知っている限り、この違いは必ずしも悪いことではありません。アニメの影響で日本だとコスプレが盛んです。そのコスプレとハロウィーンが日本で合体した現状を見ると、悪霊を怖がらせるために家を墓場のように飾り立てたり、魔法使いの格好をするアメリカの大人とは明らかに向いてる方向が違います。そもそも子供がキャンディをもらうために仮装して家々を回り、「トリック・オア・トリート?」と問いかける行為自体が日本にありません。「お菓子をくれなきゃ魔法をかけちゃうよ」というこの言葉の意味も、またハロウィーンが干し草を集めて収穫を祝う秋祭りの一種であることも、おそらく大部分の日本の人は知らないでしょう。なぜオレンジ色のカボチャをくりぬいてランタンを作るのか。それはこのカボチャが食べても美味しくないからです。日本のカボチャのような美味しいカボチャは、もともとアメリカにはありませんでした。そのかわりハロウィーンに使うカボチャはオレンジ色で綺麗なので、飾りとして利用します。もとはケルト人のお祭りであるハロウィーンは、今やアメリカと日本で違う物として利用されています。
2014年10月25日土曜日
企業インターン
最近よく聞くのが日本の企業インターン制度です。日本の労働形態では企業が4月に大学卒業生を大量に雇うので、その前の年などに大学生をインターンとして働かせるそうです。問題なのはその期間で、半日から2週間となっています。これは短期アルバイトと何が違うのでしょうか。インターンは企業と学生のお見合いの場です。たった半日で何が分かるのでしょうか。いや2週間でも足りません。企業がインターンの能力を見極めるには最低3ヵ月は必要です。何かまとまった仕事の成果を出してもらうにも、そのくらいの時間がかかります。お試しコースではなく、見習い期間がインターンの意味です。海外の大学だと、最低3ヵ月のインターンを経験しないと卒業できない学校もあります。アメリカでも夏休みになると、インターンが企業にわんさか働きに来ます。最初の1ヵ月で仕事の基礎を学び、次の1ヵ月で色々なアイデアを試し、最後の1ヵ月で社内発表を仕上げます。その仕事の成果は学校に提出して単位をもらいます。もし企業がその学生を気に入れば、その人の卒業に合わせて就職のオファーを出します。このお見合いで学生と企業のどちらか一方が相手を気に入らなければ、次の年にまた他の企業でインターンをするだけです。大学4年間で少なくても3回はインターンの機会があります。インターンの経験は履歴書で自分を差別化するよいポイントなので、履歴書の空欄を埋めるために学生は積極的にインターンを利用します。最近はグーグルのようにインターンの学生に月収40万円も出す会社があります。ここシリコンバレーでは、どの企業も良い学生を早く手に入れようと必死です。
2014年10月18日土曜日
遊び
日本は遊びの少ない国です。ここで言う遊びとはハンドルの遊びのことです。ハンドルの遊びが少ないと、ちょっとした手の動きで運転している車が敏感に反応してしまうので、いつも気が抜けません。楽に車を運転するためには、ハンドルのある程度の遊びが必要です。これは車を運転する人ならご存じでしょう。人間はロボットではないので、手は毎日同じようには動きません。だからいちいち手の動きに反応してしまう車は、かえって運転しにくいのです。日本には余裕がないとも言えます。例えば仕事のスケジュールを立てるとき、チーム全員が100%の能力で働くと仮定していませんか。スケジュールに遊びがないと、ちょっとした遅れが積み重なって大きな遅れになります。病気になる人もいれば、家族が倒れて100%の時間を使えない人もいます。それに従業員の休暇の時間はスケジュールに最初から入れておくべきです。すると見積もりの倍ぐらいがちょうどいいスケジュールになります。そうした遊びを入れずに計画を立てるから、少子化が進み過労死が起こります。人生の目的は生きることです。生きて次世代により良い社会を残すことです。少子化や過労死が当たり前の国では国民が生き残ることができません。そうした遊びのない人生では生きるのが辛くなります。ハンドルに遊びが必要なように人生にも遊びが必要です。人生の半分が遊びのアメリカ人に、日本人はこの点で負けています。2年ぶりの里帰りで日本に息苦しさを覚えたマサでした。
2014年9月15日月曜日
蚊のいない夏
今年のカリフォルニア州は大干ばつで、本来冬に降るはずの雨が例年の十分の一程度でした。そこで各家庭の水を節約するため、昼間に庭に水をまくことが禁止されています。また車の洗車や池の噴水なども自制するよう、州知事がお願いしています。いつも夏は乾燥した天気が続くこのあたりで、庭のスプリンクラーによる散水が減ってひとつだけいい事があります。それはまったく蚊を見かけない事です。今年の夏はこの地に蚊が全然いません。水たまりがないため蚊が繁殖できないのでしょう。蚊はちょっとした水たまりでも、三日もあれば卵からかえってボウフラになります。その後十日ほどで成虫になるので、水たまりをなくせば蚊のいない夏を実現できます。庭に水をまくと余った水が道路脇や溝にたまってボウフラがわくので、干ばつの今年はそうした水たまりがなく、蚊の繁殖を阻止しています。日本でもデング熱が発生して蚊の退治をしているようなので、一歩進んで町中から水たまりをなくせば蚊のいない夏を実現できるでしょう。そのためには雨が降った後その水がたまらないように、舗装に正しい傾斜を付けるか又は雨水が浸透するタイプの舗装を使うのが一番です。そのほか古タイヤやビニールのゴミ袋なども雨水がたまるので、こうしたゴミを家の近くからなくすのも効果があります。
2014年9月1日月曜日
嫌な仕事はしない
日本の労働者の仕事に対する満足度は、先進国を含む他の国と比べると割と低くなっています。たとえば2005年のISSP調査によると、日本の労働者のうち仕事に満足している人の割合は73%で、これより割合の低い国は32カ国中でラトビア、スロベニア、韓国、ロシアの4カ国しかありません。アメリカは84%、トップのスイスは93%という数字が出ています。逆に仕事がお金を得る手段に過ぎないと考える人の割合を見ると、スイスは17%、アメリカは25%、日本は39%で、韓国42%、ロシア52%となっています。つまりお金のためだけに働く国ほど仕事への満足度が低いという傾向があります。そして仕事において何が一番大事な条件かを調べると、日本では「失業の心配がないこと」であるのに対して、スイスとアメリカでは「おもしろいこと」がトップに来ています。ここから読み取れる日本とアメリカの違いは、「お金のために働き、おもしろさは期待しない」日本と「おもしろさのために働き、お金は期待しない」アメリカとなります。もちろんこれは過度に単純化した比較であって、この結果だけで日本とアメリカが正反対だという主張はしません。ところが「お金のために働き、おもしろさは期待しない」日本の場合、仕事に満足していない27%の人はどんな気持ちで仕事をしているのでしょうか。筆者はこの27%の人たちが「嫌な仕事をお金のためにやっている」と考えています。「嫌な仕事をお金のためにやっている」とイジメ、手抜き、サボりが起こるのが人間の性です。「嫌な仕事はしない」という簡単なルールさえ守れば、職場でのイジメ、手抜き、サボりは激減します。それにはまず「仕事に人を付ける」社会になる必要があり、これが仕事に対する満足度を上げる事につながります。「人に仕事を付ける」今の日本では「嫌な仕事をお金のためにやっている」人が必ずいるので、職場でのイジメ、手抜き、サボりはどの業界にもあります。
2014年8月23日土曜日
GEが家電事業を売却
GEの家電事業がついに売却される事になりました。家電の売り上げはGE全体の6%だそうで、中国や韓国の白物家電がアメリカに押し寄せる中、ついに老舗のGEも家電事業をやめて、もっと儲かる分野に資源を集中する事にしたそうです。このニュースを聴いて、9年前にIBMがパソコン事業を中国のレノボに売却した事を思い出しました。儲からないと判断した事業の売却について、アメリカの大企業は躊躇しませんね。日立がパソコンから撤退したのがIBMの2年後で、ソニーがパソコン事業を切ったのは今年なので、ソニーは日立にすら実に7年も遅れています。中国や韓国の追い上げで儲からなくなった商売をさっさと辞められない理由はいろいろあるでしょう。簡単に従業員のクビを切れないとか、トップに大ナタを振るう勇気がないとか、あるいは周りの人間が本当の事を言わないとか。でも経営のプロなら自分で数字をみて現場の人間の言うことを聞けば、それが儲かる仕事かどうかは分かるはずです。儲かる仕事が10年単位でころころ変わる時代に、日本の終身雇用制度はもはや継続不可能です。当たり前の事を言えば、雇用を守るのは「正社員制度」ではなく儲かる仕事です。そこで儲からない仕事から儲かる仕事へ、簡単に人が移れるような仕組みを作るのが政府の仕事です。つまり年齢と性別による就職差別を罰則のある法律で禁止し、人材の流動化を促すため「正社員制度」を解体します。終身雇用を否定してしまえば、正社員制度を続ける理由がなくなります。同時に年功序列も廃止して「人に仕事を付ける社会」から「仕事に人を付ける社会」に変わる必要があります。「正社員」と「派遣社員」という両極端の働き方の間には、実は労使双方に有利な「限定社員」という働き方があります。仕事や場所を限定した「限定社員」であっても、その人が儲かる仕事をしているかぎり会社にとっては必要な人材です。反対に「正社員」でも儲からない仕事をしていると、いつクビになってもおかしくありません。自分の身を守るのは自分であるという自覚を持つ人だけが生き残ります。
2014年8月9日土曜日
学校の夜のお仕事
息子が通っていたアメリカの公立高校では、9月に新学期が始まると平日を選んでBack To School Nightという行事をやります。これは先生が生徒の親に自分の担当する教科を紹介する日です。この教科の目的は何々で、使う教科書はこれ、配点は宿題が20%で中間と期末がそれぞれ40%づつ、などと説明します。また数学だとグラフが描ける電卓を授業で使うので、TI84 Plusを買うか借りるかするよう言われます。平日の午後7時ぐらいから10時ぐらいまでの3時間を使って、親はそれぞれの先生から何をどう教えるかを聴きます。親も質問があればそこで先生にじかに訊く事ができます。なお物理ならここ、英語ならあそこという具合に教科によって教室が決まっているので、息子の選んだ教科の教室を訪れて担当の先生の話を聞きます。アメリカの郊外の平均的な高校は平屋の建物が教科ごとに分かれて建っていて、日本のようにひとつの建物の中にまとまっていません。そのうえ子供により選択科目などの時間割りが違うので、その時間割りに合わせて20分ごとにひとつの教室から別の教室に全学年の親がゾロゾロと移動します。9月はまだ夏時間なので午後9時ぐらいまでは外が暗くなりません。でも9時を過ぎるとさすがに暗くなるので、親は懐中電灯を片手に地図を見ながら目的の教室を探します。学校も敷地が広いので、10分の休み時間の間に次の教室に移動するのは大変です。初めての学校で迷子になった親のために、ボランティアの高校生があちこちで道案内をしてくれます。共稼ぎが普通の国なので、夜にこうした行事をやってくれると親は助かります。でもさすがに先生もこの日は疲れるので、次の日は平日でも学校は午後からになります。
2014年7月17日木曜日
教育問題
マサはかれこれ25年以上もアメリカにいます。それは子供が大学を終えるまでアメリカにいることにしたからです。アメリカの公立教育は日本のものより質が高く、それに英語の勉強にもなるので子供の将来を考えてアメリカに残りました。もちろんアメリカの方がエンジニアの待遇が良いのは確かで、ソフトウェアを仕事にするならシリコンバレーほど良い場所は他にはないのも理由のひとつです。実はアメリカの教育は場所によって大きく違います。特にシリコンバレーは不動産が高いため、学校の収入となる不動産税が豊富で教育の質が高くなっています。ここの教育の中心は知識ではなく知恵を付けることです。例えば歴史でアメリカが日本に原爆を落とした事を習います。日本ならそれを事実のひとつとして年号とともに覚えておしまいです。ところがここの教育だと「あなたが当時のアメリカの大統領ならどうするか」というテーマで議論します。そこには唯一の正解はなく、それまで習った歴史の知識の上で自分の知恵を発揮する必要があります。「自分ならやはり日本に原爆を落とす、その理由はこれ」と言ってもいいし、「いや自分なら日本に原爆は落とさない、その理由はこれ」と言ってもかまいません。歴史を学ぶのはより良い社会を作るためなので、知識だけでは不十分なのです。教師は自分の考えを生徒に押しつけるような事はしません。ただし人を説得できる根拠を示せるかどうかは成績に影響します。まさに民主主義の根幹はこれだと思わせる授業をしてくれます。
2014年7月4日金曜日
会社でサッカー観戦
マサがいま勤めている会社では、ロビーでワールドカップを放送しています。従業員も試合経過が気になって集中できないので、希望者はラップトップを持ってロビーで試合を見ながら仕事してます。大らかというか、個人主義というか、自分の仕事をちゃんと自分で管理している限り、会議とかがなければどこで仕事しようと関係ないという考え方ですね。アメリカチームが試合中だと会議の時間を遅らせることもあります。それに会社にはいろいろな国から人が来ているので、フランス、ドイツ、アルゼンチン、ブラジルなどの試合中はロビーが観戦者でいっぱいになります。マサも日本対ギリシャの時はロビーで試合を見ながら仕事しました。ちょっと日本ではあり得ない光景でしょう。そのかわり個人が会社のネットワークを使って試合を見るのは禁止です。ITの方でネットの帯域を確保するため、ワールドカップ期間中はESPNのストリームをブロックしています。
2014年6月28日土曜日
成果主義の前提
日本で始まった「ホワイトカラー・エグゼンプション」についての、ちょっと真面目な本を書きました。日米の労働形態には両極端と言ってもいいほどの違いがあります。日本のマスコミが報道しないアメリカの労働形態について説明しました。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00LCREXM6
http://www.amazon.co.jp/dp/B00LCREXM6
2014年6月7日土曜日
昔は良かった?
平成の世に生まれて派遣で暮らす20代の人の中には、もっと早く生まれていれば良かったのにと思う人もいるでしょう。1990年頃のバブルの時代をうらやましいと思う人がいても不思議ではありません。マサはその頃もうアメリカにいたので、日本のバブル経済は経験していません。マサが日本で暮らしていた時代には、ケータイもスタバもインターネットもありませんでした。どこかに長電話をするには、前もって十円玉をたくさん集めておく必要がありました。もっと前の子供時代だとエアコンのある家は皆無で、実家の前の道は舗装されていない砂利道です。だから雨が降ると靴が泥だらけになりました。今と較べたら何もない時代です。夕方になると自転車の荷台に豆腐の入った水槽を乗せて、人のいい兄さんがラッパを吹きながら豆腐と油揚げを売りに来る時代でした。ある意味みんな貧しくて、だから国民の間にそれなりの平等感があったのが昭和の40年代です。当時を知る者としては、今と較べて昔が良かったとは思いません。確かに平成になって貧富の差は増えました。今は就職も難しいし終身雇用はまず無理です。それでも冷戦は終わり円は高い。インターネットのおかげで海外にモノを売るのも簡単で、昔よりはるかに起業しやすい世の中です。だから今の若い人は実はいい時代に生まれたと思います。人を当てにせず自分で世の中に道を切り開くつもりなら、今ほどそうした機会に恵まれている時代はありません。
2014年6月1日日曜日
知識と知恵
知識と知恵は車の両輪のようなものです。どちらか一方だけでは役に立たず、そのバランスが大切です。知識だけ多くて知恵のない人はその知識を生かす事が出来ず、新たな状況に対応できません。その逆に知識がなくて知恵だけある人は、いつも闇雲に対処するので結果を出せません。知識を生かしつつその応用をするには、知識と知恵の両方が必要です。日本の受験教育はテスト対策が中心であり、知識を増やす事に重点を置いています。知恵を測るのは難しいので、簡単にテストできる知識が中心になります。そのため学習と暗記はほぼ同義となり、勉強とは教科書を覚える事だと誤解されています。そうした知識中心の学生がいずれ国家公務員になり日本の中枢を動かすのですから、日本が新たな状況にうまく対応できないのは無理もありません。人口の減少も財政赤字の増加も以前から分かっていた事です。それなのに前もって適切な手を行政が打てなかったのは、大学受験を目標とする日本の教育体系が社会の要請に答えていないという証拠です。
2014年5月18日日曜日
STEMに力を入れるアメリカ
教育分野でアメリカが最近特に力をいれているのがSTEM、つまり Science, Technology, Engineering, Math です。Stem には幹という意味もあるので、うまい表現だと感心しました。日本語で言うと科学、技術、工学、数学です。頭文字を取れば「科技工数」という新四文字熟語に相当します。半導体大手のインテルが、大人の研究者顔負けの成果を出した高校生に大学で学ぶための多額の奨学金を出しています。政府だけでなく企業もSTEM教育の重要性を理解している点が、教育を政府に丸投げしてしまった日本との違いです。これはまた即戦力を求めるアメリカと、何でも言われた事をやる人を求める日本との違いでもあります。
2014年5月11日日曜日
シリコンバレー盛衰記 2014
また小さな本を出しました。今度はシリコンバレーの変遷が主題です。1986年から始まるマサの滞米生活も25年を超え、その間にあまたの会社が生まれては消えていきました。この本ではそうした会社の歴史をながめ、スタンフォード大学とパロアルト市がハイテク産業の発達をうながした経緯を振り返ります。マサの会社内部での経験も入ってます。お求めは下記のURLをご覧ください。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00K4PXL66
http://www.amazon.co.jp/dp/B00K4PXL66
2014年5月4日日曜日
進化論とアメリカ
進化論を生み出したのは、キリスト教徒で地質学者のイギリス人、チャールズ・ダーウィンです。アメリカは科学の発達した国というイメージがある反面、筋金入りのキリスト教徒が住む国でもあります。最近のアメリカ政府の調査によると、国民の約半数は進化論を信じていません。そのかわり聖書にあるように神がこの世を創ったと信じています。保守的な南部の州では、よく学校で進化論を教えるのは止めようという訴訟が起こされます。聖書を信じている人にとって進化論は単なる仮説であり、誤った考え方だというのが彼らの主張です。マサのモルモン教の同僚も進化論には証拠がないと主張してました。ポケモンみたいに目の前で生き物が進化しない限り、自分は受け入れないという主張です。キリスト教徒が作った国なので、いくら政治と宗教を分離しようとしても限界があります。この世は創造主が創ったと主張する宗教は何もキリスト教だけではありません。自分に分からない事をすべて神や創造主といった自分に理解できない存在のせいにするのは、ある意味とても楽な生き方です。理解できない事に悩まなくて済むからです。アメリカの科学者は常にそうした宗教と対立しながら生きてきました。宇宙の始まりも創造主のおかげと考える人は国民の半数を越えています。アメリカはキリスト教に関してはとても保守的な国なのです。
2014年4月22日火曜日
残業代
アメリカのエンジニアは年収いくらで働くので、残業代というものはありません。午後6時にはほぼ全員が帰宅しますし、週末には当直のエンジニア以外は働きません。残業代を減らすために、年収で働く日本の労働者を増やそうという動きがあります。アメリカの場合、時給で働く仕事と年収で働く仕事には明確な違いがあります。誰でも出来るレジ打ちや配達などの仕事は時給です。また日本のような正社員という制度はなく、仕事や勤務場所が限定された限定社員が基本ですし、終身雇用もありません。労働の形態がこれほど違うので、そのままアメリカを真似して残業代をなくすのは無理があります。「成果主義」と同じで結果だけ真似してもうまくいきません。もし残業代を減らしたければ、残業そのものを違法にして違反した会社から罰金を取ればいいでしょう。人は残業代が出ないとなれは、自分の仕事だけ終わらせてさっさと帰宅します。自発的に他の人の仕事を手伝う人がいなくなり、忙しい人はより忙しくなります。アメリカならそういう忙しい人は他の会社に移るので歯止めがかかるのに、日本だと簡単に会社を移れないので過労死予備軍になってしまいます。日本の労働形態を変えずに残業代だけを削るのは愚かな行為です。もしやるならまず年功序列と終身雇用と年齢差別の廃止からやるべきです。
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