この記事[^1]は若者に影響力のある著名人の発言を取り上げており、数字を含まない議論のため賛成する人が多いと思います。でも話はそう簡単ではありません。もし日本が外国人労働者を閉め出したら、どんな事が起きるか想像してみましょう。まず最初に来るのは人手不足です。飲食店やコンビニ、さらに老人介護施設などが人手不足で軒並み倒産します。また農家や工場も規模を縮小する事になるでしょう。これは結果的に国民1人当たりのGDPを減らすので、日本は不況になります。でもこれはまだ解決可能な問題です。人手不足を補うロボット化やセルフレジのような省力化で影響を減らす事ができるからです。ところが年金の払い手が減る問題は解決策がなく、蓄えのない高齢者の年金収入が減れば生活保護費の増加、つまりは増税が必要になります。また国債は税金で返す借金であり、次世代が使うべき税収の前借りです。これも労働者が減って税金を払う人が減れば、国債を減らすどころか増やす事になり、ますます円安が進みます。これは物価を上げるので、数字上はGDPが増えるものの収入はそれほど増えないので、実質賃金はマイナスです。言い換えると、人口が増える前提で行ってきた施策がすべて逆回転するので、日本が貧乏になるのは避けられません。記事の著名人のような富裕層はいくらでもお金を積めるので問題ないとしても、大部分の日本人には外国人労働者は不可欠です。今さらこの議論をする事自体が手遅れであり、日本を外国人と共有しつつ日本の良さを維持するにはどうしたら良いかを議論すべきでしょう。日本人による日本人のための日本を維持したいのであれば、再度鎖国するしか手はありません。日本に必要なのは明治維新のような改革であり、正面から移民問題に取り組むべきです。
Masa in SV
I talk about interesting differences between US and Japan in Japanese from Silicon Valley and Tokyo.
2025年10月19日日曜日
2025年10月16日木曜日
医療とカネ
日本の国民皆保険制度が限界に来ています。75歳以上の高齢者が増加し、若者からの保険料を浪費しています。ちなみにこの記事[^1]は日本が「お金持ちほど高い医療を受けられる社会」になると指摘しています。それは昭和の頃から始まっており、何を今さらという話題です。自由診療という保険制度の枠外なら、お金を積めば何でも得られます。日本の健康保険の良さは、誰でも日本に住む人は保険でカバーされるという事で、その内容も決して低くはありません。ただし、その代償として国債を発行しており、人口減少下の日本では維持できません。払った保険料に見合う医療が得られる国にしないと、先の世代ほど損します。
2025年10月12日日曜日
水産資源
この記事[^1]は将来の日本の美食の危機を指摘しています。それによると日本は料理人が開業しやすい国だそうで、料理人の層の厚さが今の日本の美食を支えているそうです。その料理人の数が減っており、調理師免許の交付数は10年で4割減とのこと。低賃金・長時間・技を見て学ぶ料理人の修行が料理人の数を減らしているという指摘です。日本の美食はインバウンドにとって大きな魅力であり、料理人の修行を合理化するべきでしょう。それより筆者は同じ記事の末尾にある料理人の問題提起に驚いています。それは「和食は素材の味を大切にするので、水産資源が減っている日本で和食は先が心配」というものです。フランス料理や中国料理に較べて和食は素材に依存する割合が高く、特に水産資源が高騰しているのが問題という事です。美味しい海産物が手に入りにくくなると、和食の値段が上がるか材料不足で調理不可能になるという事だと思います。例えばウナギは絶滅危惧種となって値段が以前の倍とか、安いはずのサンマが今では高価な魚になるという例はこれからも増えていきそうです。地球温暖化の影響もあり、他国の需要増加も原因となります。日本としては、水産資源を守るために禁漁方法を工夫するとか、陸上も含めた養殖技術の進化で材料不足を克服する方向に向かうべきでしょう。その一方で、外国産の水産物を美味しく調理する技術も開発する必要がありそうです。
2025年10月11日土曜日
身近な危険
都市部には斜面に擁壁を設けて、その上に家を建てる場合があります。東京都杉並区にもそうした場所があり、その擁壁が崩れて上の家が倒壊する事故[^1]が起きています。筆者の住む場所の近くにもそうした斜面があり、その擁壁にヒビが入っている所があります。現在の法律では擁壁の管理は土地の所有者の責任なので、危ない擁壁を見つけても修理を強制する事はできません。都市部に大きな地震が来れば、こうした擁壁が崩れて上の家が下に落ちてくる事は間違いなく、あちこちに時限爆弾を抱えています。古い擁壁には規制がなく、雨で内部の水圧が高まると危険です。一刻も早く法律や条例を変えて、擁壁の修理を土地の所有者に強制できるようにするべきでしょう。その場合は土地を担保に修理費用を貸与する仕組みも考慮するべきです。擁壁の下は道になっている事が多いので、危険な擁壁の下は通行止めにする等の措置も必要です。
2025年10月10日金曜日
洋上風力
日本の洋上風力発電が風前の灯火[^1]です。もともと遠浅の海が少ない日本で英国のような洋上風力を実現するには難しく、コスト競争力がないと見られていました。三菱商事はそれをスケールメリットで克服するつもりで、低価格入札で総取りを実現したものの、インフレで目算が狂い撤退に追い込まれました。年間25兆円のエネルギー赤字をどう減らすかは、これで最初からやり直しです。同じ海を利用するにしても、コストが低く持続可能な方法を見いださなければなりません。砂漠に太陽光パネルをいくらでも置ける中国やアメリカと違い、日本は余っている土地がありません。建物の屋根を使うとか、ビルの壁面を使うという方向に行くと思います。エネルギー赤字とデジタル赤字は、資源を持たない日本のアキレス腱です。
2025年10月7日火曜日
大差ない
日本の首相が始めて女性になりそうで、新首相に何かを期待する声が上がっています。筆者は彼女に対米関係の維持を期待します。しかし経済についてはあまり打てる手がありません。国債増加による財政拡大は株高をもたらす反面、円安にもなるため物価高がさらに進みます。現実的には法人税増税に踏み込めればベストです。でも産業界を敵に回す勇気はないでしょう。戦後の枠組みすべてが時代遅れになる令和の日本で、新首相のような保守派に何ができるかには注目しています。
2025年10月5日日曜日
高級ブランド
日本独自の高級ブランドはあまりありません。車ならフェラーリ、宝石ならハリーウィンストン、腕時計だとロレックスなど世界には富裕層向けの高級ブランドがたくさんあります。ところが、日本からだと真珠のミキモトぐらいしか思いつきません。この記事[^1]には富裕層向けの高級クレジットカードが紹介されており、日本のどこでこのカードを使うのか不思議に思いました。日本にも富裕層は増えており、また海外からのインバウンドにアピールする日本独自の高級ブランドが少ないと、ビジネスチャンスをみすみす海外ブランドに取られるようで残念です。銀座のデパートで、海外ブランド製品ばかり売れるようでは困ります。昔なら「皇室御用達」がそうした区分けでした。今の日本には、インバウンドと富裕層向けにもっと日本独自の高級ブランドが必要です。
2025年10月2日木曜日
東京都老人区
日経のこの記事[^1]とこの記事[^2]をまとめると、この30年で東京都に人口が増えたものの、その9割は老人となります。都会は老人には暮らしやすいので、他県から都内に引っ越す例が多いという事です。残りの1割は外国人で、東京都が全国から日本人の若者を引きつけているというイメージとは合いません。細かく見れば地方の女性が可能性を求めて東京に来るケースはあるでしょう。でも必ずしもそうした人は東京都には住んでいません。都内は賃貸も高く、通勤できる範囲で神奈川や埼玉、千葉などに住む人が多いからでしょう。特に23区内の老人密度はすさまじく、介護難民が出るという見方もあります。ところでアメリカのニューヨーク市マンハッタン地区にいくと、地下鉄に多くの介護求人広告が出ています。金持ちの老人がマンハッタンで老後を迎えるにあたって、介護する人が足りません。わざわざマンハッタンに住んで低賃金の介護職に就く人などいないからです。このため親族でも介護すれば保険金が出るような仕組みを用意しているそうです。東京都にもそうした仕組みが必要となる可能性があります。
2025年10月1日水曜日
レジ係の工夫
この記事[^1]を読んで駄文を書きます。レジ係の人は重い物を下に、軽い物をかごの上になるように入れます。それはとても丁寧な入れ方で、いつもすごいなと思います。でもそれを持って帰る方からすると、かごから自分の買い物袋に入れ替える必要があり、この順番だと軽い物(潰れやすい)が下になって困るなと思っていました。そこで思いついたのが買い物袋を二つ使う方法で、軽い物用にひとつ、重い物用にひとつを使います。こうすればかごから買い物袋へのモノの移動が簡単になり、レジ係の工夫も生きるというやり方です。
2025年9月30日火曜日
持ち家
日本はインフレと低成長のせいで持ち家が高くなりすぎ、中間層には厳しい国になりました。この記事[^1]によれば新築は年収の10倍を超える価格となって、富裕層を除けば共稼ぎの夫婦以外には買えません。耐震基準が1981年に変わった[^2]ため、それより古い中古住宅は特に価値を失っています。もともと新築に力を入れてきた日本では中古住宅はすぐ価値が下がるので、住宅メーカーも長持ちする家を作るという意欲がありません。良質な木造住宅は、手入れを怠らなければ100年以上住み続ける事ができます。税法の減価償却年数も木造住宅は25年と短く、100年以上使うという発想が欠けています。またコンクリの箱であるマンションの場合、100年以上使うのは技術的に無理でしょう。タワマンも高価な鉄骨ではなく安いRC製が増えており、47年の減価償却年数が来れば建て替えが前提となっていて、安価な住居とはなりません。コンクリは微細なヒビから雨水が浸入して内部の鉄筋を腐食するため、壁を塗り直して新しく見せた物件も耐震強度を調べれば劣化度合いが分かります。また地震による地盤沈下でマンションが傾くと、やはり建て替えとなります。
2025年9月29日月曜日
CO2地下貯留
CO2を地下に貯留する動き[^1]が始まっています。でも筆者はこの動きを冷ややかに見ています。地下のCO2が固体化するならともかく、想定の通り気体のまま地下にとどまると、いずれ地上に出てきます。地震で岩盤にヒビが入ればもう終わりです。時間の問題であり、産業界の要求に屈した結果です。でも自然のCO2と注入したCO2は区別出来ませんので、海底から漏れ出したCO2に対して責任は問えません。単に問題を後の世代に押しつけるだけです。ただし時間稼ぎにはなるので、空気中のCO2を積極的に減らす事も同時に達成すべきで、CO2の固体化や自然エネルギーを使った分解への投資も必要です。CO2はいわば産業界のゴミであり、リサイクルせずに放置してはいけません。
2025年9月28日日曜日
観光客と合法住民
日本に海外から観光客が多数押し寄せるようになって、各地で摩擦が起きています。そのほとんどは日本の常識に反する行動であり、無知が原因です。また日本の常識は壁に書いてあるわけでもないので、住民以外には知る術がないのも事実です。つまり政府や自治体が観光客への常識教育をするべきで、それには空港で取る出国税を使いましょう。その一方で、海外からの観光客と日本の住民となった合法外国人は外見では区別ができません。日本に住み日本のルールを守る外国人を排斥するのは、かえって日本の害になります。相手が誰であれ日本の法律に従うのは当然で、インバウンド観光客と話ができない日本人は誤解しがちです。日本の常識は海外の常識ではなく、現地のルールを教えるのは現場の日本人の義務です。観光で潤っている業界にも、日本の常識を海外の観光客に教える責務があります。
2025年9月26日金曜日
名もなき家事
この記事[^1]は「名もなき家事」というテーマで、主に男性がいかに家事に自主的に関わらないかを述べています。もちろん、この男女同権の時代に男性がそうした姿勢ではいけません。ところが筆者は、この男性の母親がこの問題の原因ではないかと考えます。日本では、母親が同居する成人した息子の食事を作るのが普通です。これでは息子に「家事をするのは基本的に女性」という考えを持たせてしまいます。大学進学時に実家を離れる事なく成人してしまうと、母親に子離れの機会がありません。同時に子供にも親への依存が残り、それが配偶者への依存に変わります。これは家庭内教育の結果なので、配偶者はパートナーにすべての家事を一から教える必要があります。それは円満な関係のために必要なステップと考えましょう。男性が家事に自主的に関わるには、すべての家事をパートナーと共に紙に書き出して家の壁にチェックリストとして貼っておくのが効果的です。そのリストには、いつ・誰がやるかまで書き込むと、男性も動きやすくなります。また、家事を相手に任せる場合は、手本を見せて練習させる必要があり、完璧さを求めてはいけません。理屈が通るやり方であれば良し、とする懐の深さも必要です。
2025年9月21日日曜日
苦役
この記事[^1]は『仕事は「苦役」ではない』と主張しています。アメリカの英語表現なら『あなたは「奴隷」ではない」となります。でもこれが問題になるのは、大多数の人にとって『仕事は「苦役」である』という認識があるからでしょう。同じ記事の指摘にある「やらされている仕事か、やっている仕事か」という区別は大切で、自分で選んでやっている仕事は苦になりません。つまり日本の問題は仕事の選択が難しく、前もって十分に知る事ができない上に、その仕事がいやでも簡単に他の仕事に変われないという点です。これはメンバーシップ型雇用とマニュアル文化の結果であり、日本型高度成長のマイナス面です。経済成長を実感できる間はそれなりに納得して働く事ができても、バブル崩壊後の低成長ではそうも行きません。つまり食べるために「苦役」をこなすしか手がなく、それこそが日本の労働者の労働意欲が平均として低い[^2]理由です。そもそも外国人労働者がなぜ日本に来るのかと言えば、その給料で働く日本人がいないからで、実質賃金の低さと「苦役」感覚には相関があります。仕事のほとんどが「やらされている仕事」の場合、けなげに働く真面目な人が日本には多いのです。
2025年9月20日土曜日
使わない周波数
この記事[^1]はほとんど使われていない、アマチュア無線の周波数の見直しを伝えています。特に1.2GHz以上の周波数は日本での利用がわずかなため、プロ用に解放するか共用という形にしようという提言です。筆者はこの提言に賛成です。周波数は国有財産であり、大多数の国民に役立つ使い方をするべきです。これらの周波数をワッチしている人は、いかにそれらの周波数が未使用となっているかを知っています。携帯、IoTと無線の周波数はますます貴重になっているので、使わない周波数は返上した方が良いでしょう。
2025年9月19日金曜日
米国労働ビザ
LGの米国電池工場で起きた労働ビザ問題[^1]は、日本にとっても他山の石です。工場の立ち上げには本国の熟練技術者が必要で、そのために労働ビザを取ろうとすると時間がかかりすぎるのは、韓国も日本も同じです。以前の大統領なら大目にみていたグレーエリアも、トランプは見逃しません。日本が米国内に新たに工場を建てるなら同じ問題に直面するので、早めに外交を通じてビザ問題を解決しておくべきでしょう。日本の次の首相には外交に強い人が適任です。
2025年9月17日水曜日
遺伝子組み換え食品
この記事[^1]には肝心な点が抜けています。遺伝子組み換え食品が人体にどのような影響があるか、あるいはないのかという点です。遺伝子組み換え食品が世界で流通するようになって、もう何十年も経ちます。そもそも豆腐や食用油のような遺伝子が残らない食品について、結論は明らかです。こうした遺伝子組み換え食品は人体に無害だという事です。確かに遺伝子組み換え作物は生産企業の利益につながります。それと同時に、輸入コストを下げて日本の利益にもなっています。情緒的な反応を煽るより、人体に有害かどうかで食品を判別するべきです。国内産有機大豆の食品も手に入る日本で、消費者は賢い選択をしています。
2025年9月16日火曜日
エージェント型AIリスク
この報道[^1]はエージェント型AIの危険性を指定しています。こんな簡単な手口でAIをだまして、利用者のブラウザからパスワードを盗めるとは恐れ入りました。なかなかAppleからキラーAIアプリが出ないのも分かります。便利にすればするほどリスクが高まり、犯罪者にプライバシーが筒抜けになるからです。「間接プロンプトインジェクション」は専門家の論文の中にも既に使われており、HTMLページに簡単に埋め込む事ができます。倫理のないAIにはしょせんこうしたリスクが付きものです。
2025年9月15日月曜日
OTC類似薬
これ[^1]も抗生物質と同じで、医療として患者に必要かどうかという観点で考えるものです。病名や症状とOTC類似薬が正しい組み合わせなのかを決めて、それ以外の用途には保険適用をなくすべきでしょう。またセルフメディケーション税制の減税対象になるので、OTC類似薬にかかる費用がまるまる新たな患者負担になる訳ではありません。その一方で、日本のOTC薬の小売価格が高すぎるという問題にも切り込むべきで、OTC薬の輸入自由化を実現しましょう。その場合、製薬会社の処方箋薬とOTC薬の価格のバランスが問題になります。
2025年9月14日日曜日
風邪と抗生物質
風邪には抗生物質を薬として処方しても保険は出ないという当たり前の事がやっと実現[^1]します。抗生物質は細菌を殺す薬であり、風邪の原因となるウイルスには効きません。効かないどころか、意味もないのに使うと耐性菌を増やすばかりで、健康に害があります。抗生物質は万能薬ではなく、医者は患者やその家族にどういう時に使う薬かを正しく説明するべきです。その手間を省くために盲目的に抗生物質を出してきた医者は、耐性菌を増やした悪者と言えるでしょう。日本の保険制度は、やっと世界標準の判断に届いたという話です。
2025年9月13日土曜日
介護免責事項
高齢者介護[^1]は常に死と隣り合わせの作業です。食物で誤嚥性肺炎になったり、窒息して死ぬ事は珍しくありません。家庭ですら老人がモチをのどに詰まらせて死ぬのはもはや正月の恒例です。このため高齢者施設での介護では、食事について免責事項を決めておくべきでしょう。通常食を選べば、誤嚥性肺炎や窒息は介護者の責任ではありません。逆に誤嚥性肺炎や窒息を防止して欲しければ、胃瘻を選ぶしかありません。たとえ流動食や刻み食でも誤嚥性肺炎は起きるし、高齢者とはそういうものだという覚悟を家族に持たせるために、免責事項への同意と署名が必要です。自分の口で食べられなくなったら、寿命だというのが常識です。
2025年9月12日金曜日
腹膜透析
腎不全の患者は年齢と共に増えます。ところが高齢者の患者は血液透析が難しくなり、緩和ケアもありません。この記事[^1]が指摘するように、活動が少ない終末期の腎不全患者には腹膜透析が良く、これも緩和ケアの対象に入れるべきです。ガンだけでなく、高齢者が亡くなる原因は多種多様で、その中には腎不全も多くの割合を占めています。人口が減り医療費を減らす必要がある中で、高齢者が医師の助けにより腹膜透析を受けられれば、コストを下げつつ患者のQOLを維持する事ができるでしょう。また、透析の患者本人による中止は病死であって自殺ではないという弁護士の指摘はもっと衆知されるべきです。
2025年9月11日木曜日
プロテインS
この技術[^1]はすごいと思います。不要な細胞を体内から除去するのにプロテインを使うという方法で、アミノ酸配列を変えるだけで除去する細胞を変えられ、もし副作用がなければガンや老化にも効きそうです。飲み薬にはならないとしても、個人差のない注射薬として実用化できればノーベル賞ものだと思います。
2025年9月8日月曜日
動かぬ日銀
この記事[^1]は、日銀が日本のインフレを過小評価して利上げが遅れていると指摘しています。コロナ後に始まった日本のインフレはさらに加速しており、ここ数年の異常気象が生鮮食品に与えるインフレ圧力は異常です。それでも動かない日銀は、恐らく国債の利払いを心配する財務省の指示を受けているものと見られます。利上げはインフレ容認と同じで、実質賃金がマイナスのままインフレを容認すると「スタグフレーション」と判定され、政府日銀の経済政策が失敗した事を証明してしまいます。景気を下げ、税収の伸びを抑える利上げには与党は及び腰です。FRBは次回の会合で金利を下げるので、日銀が金利を上げなくても日米の金利差が縮まり、円高に向かうからインフレは鈍化して大丈夫という見方なのでしょうか。
同日追記
このグラフを見ると、明らかに円安がインフレの主因となっている事が分かります。
2025年9月7日日曜日
農水省発表
農林水産省によると、2025年産のコメは「おおむね順調」[^1]との事ですが、誰がこれを信じるのでしょう。もう農水省発表は大本営発表と同じというのがバレてしまったのに、高温障害で精米時の歩留まりが悪い事も加味して言っているのでしょうか。そもそも去年と同じ収量では足りません。備蓄米の買い戻しも計算に入れれば、「おおむね順調」ではまたコメの値段が上がります。もう新米を3500円で買う事も無理でしょう。それならトランプ米を食用に回して値段を下げるべきです。カルローズ米は甘みがないので、お握りや寿司には使えません。つまり国産米との棲み分けが可能なので、輸入米を利用する飲食店は増えるでしょう。韓国や台湾のコメがスーパーに並ぶ事も当たり前になると予想します。農水省は信頼できません。
2025年9月6日土曜日
温暖化の次
この記事が示す日本の夏の気温は、2021年以降明らかに上昇しています。それまでは上下動を持ちつつ平均としてゆっくり上がっていたのが、2021年を超えると上がる一方となっています。これはつまり温暖化の新しいフェーズに入ったという事でしょう。北極や氷河の氷が溶けると太陽光を反射するものがなくなるとか、海洋中の潮の流れが氷河から流れ込む淡水の影響で変わるなどの、いわゆる tipping point は平均気温で摂氏1.5度の上昇と言われてきました。その1.5度を超えた昨年から、温暖化を止めるのは手遅れになりつつあります。正直者がバカを見る温暖化対策では、もはや地球温暖化は止められないという事です。
2025年9月4日木曜日
壊れた季節
2025年の関東は6月中に梅雨入りと梅雨明け[^1]がありました。いやむしろ梅雨がなかったと言うべきでしょう。あまり雨が降らず、空梅雨の6月でした。地球温暖化の影響で日本の季節が壊れています。春と秋が短くなり、夏はますます暑く、梅雨は関東から消えました。その反面、北海道で梅雨のような前線による雨が続くなど、今までの常識は通用しません。九州は二期作が可能となり、北海道がコメの重要生産地になりつつあります。夏の甲子園野球は暑すぎる昼間を避けて朝と夕方の二試合になり、明らかに温暖化が加速している[^2]印象を持ちます。このままだと人類は温暖化による食糧不足や水不足で滅亡するのかと心配です。日本もコメ不足が慢性化し、コメの高値が続いています。
2025年9月3日水曜日
スト権
日本人はいつからこんな怠け者になったのでしょう。賃金を上げて欲しければストを打つべきです。なにもせずに賃金が上がる時代ではありません。企業は内部留保をため込んでおり、はき出させるには労働者の行動が必要です。最低賃金で働いている人だって労働組合を作り、団体交渉を経て賃上げのためにストを打つのは当然の権利です。日本も昭和の頃はストが頻発していました。ドイツやアメリカは今でもストを打ちます。インフレがこれだけ急速に進んで、何もせずにインフレを上回る実質賃金の上昇はない[^1]と分かった以上、労働者の権利であるスト権を行使するほかありません。
2025年9月2日火曜日
消費税の恩恵
20代や30代の若者には、ほとんど消費税の恩恵はありません。消費税は社会保障の財源であり、健康な若者はそうした社会保障を必要としていないからです。子供がいれば多少の恩恵は受けられます。でも独身なら一層何もありません。親はまだ介護を必要とせず、実感として消費税は取られ損となります。年金保険料と同様に、こうした高齢世代への出費は若者には単なる義務的税金です。そこで2025年の参院選では消費税の減税が若者の心を掴みました。こうした世代間の不公平感は放っておくと大きな問題になります。もし社会保障をなくすと若者にもどんな影響が及ぶかは、政府が具体的に説明すべきでしょう。まだ社会経験の少ない若者に税金の必要性をちゃんと説明するのは、大人の義務と考えます。
2025年9月1日月曜日
日本の実力
昭和の経済成長は日本が強かったからではなく、運が良かったからです。朝鮮戦争の特需が引き金となり、日本の人口がどーんと増える時期で、何もしなくても需要が増えました。その後のベトナム戦争でアメリカは疲弊し、そこに日本の自動車や家電製品が流れ込みました。当時の日本は、アメリカ製品を真似して安く作りアメリカに輸出する事で莫大な利益を得ました。その結果がプラザ合意とその後に続くバブル経済です。令和の日本はもはや好運には恵まれず、今までの蓄えもほぼ食い尽くしてしまいました。人口は減るし、国債は増えます。地下資源のない日本は虚弱です。油田もレアアースも持たない日本は中東のようなお金持ちの国ではなく、働いて食い扶持を稼ぐ貧乏な国です。それが日本の実力であり、平成の時代は国債の大量発行で実力以上の暮らしをしてきたという事です。宴は終わり、誰かがこのツケを払う時期にきています。それは国民全員であり、今の日本に必要なのは増税です。特に法人税を上げて、円安による利益を家計に分配すべきです。企業が内部留保をいくら積み上げても、日本人の暮らしは良くならず無駄金として死蔵されます。
2025年8月31日日曜日
遠距離出産
少子化は地元の産院の減少を生み、それがさらに少子化に拍車を掛けるという悪循環[^1]があります。産院も赤字では続けられないので、遠距離出産は避けられません。危険を避けるという意味で、遠くの病院で出産する妊婦と付き添いに1ヵ月程度のホテル代を援助するのは、自治体ができる工夫としてコスパが良さそうです。地元出産はふたつのケースがあり、都会に住んでいる人が里帰り出産する場合と、長年そこに住んでいる人がそのまま出産する場合があります。里帰り出産だと住民票が地元にないので、ホテル代の援助は出ないかもしれません。その場合は、里帰り出産ではなく親に都会に出てきてもらう事になります。
2025年8月30日土曜日
博士号助成金
日本政府が税金で出す博士号助成金に国籍制限を付けるのは当然の権利です。そこは民間の給付型奨学金とは違います。ただし日本の博士号取得が低調なのは、博士号を取っても食べていけないからです。日本のメンバーシップ型雇用では、博士号取得者を高給で優遇する事はできません。一部の外資系IT企業と違い、日本企業では年齢と給料がリンクしていて、ポスドクも博士号のない同年代の人と同じ給料です。しかも少子化で日本国内の大学数は減っているので、教授職も減っています。文科省もどうせポスドクを増やすなら、その生活の糧まで考えて制度設計するべきです。筆者は、やる気のあるポスドクに海外の大学や会社で働く事を勧めます。
2025年8月27日水曜日
日本式DX
この記事[^1]は、日本式DXが失敗する理由を間接的に指摘しています。海外のDXは試作を繰り返すアジャイル型が主流になり、SpaceXはロケットの開発にまでアジャイル型を導入しています。ところが日本の文化というか商習慣だと、旧来のウォーターフォール型が主流です。これには「リスクに敏感」、「予算が固定」、「隠れた要求の存在」という問題があり、大型プロジェクトが失敗する原因になっています。アジャイル型は「隠れた要求」を洗い出すのに便利で、まず動くシステムを作って部分的に使いながら仕上げていくというハードの世界では当たり前の手法です。それがなぜハードが得意な日本でウォーターフォール型による使いにくいシステムの構築に繋がるかと言うと、目に見えないものに価値を認めない(予算を付けない)文化が原因です。試作品というハードに当たり前の手段も、ソフトの場合は試作品と完成品の違いが外見上分からず、試作品ではお金が取れないベンダーが嫌います。「リスクに敏感」なのはシステムの利用者と開発者が別れているからで、失敗した時にお互いに責任を問われないように細かく文書化して、システムではなく仕様書を成果物としてお金をもらう商習慣の結果です。システムの利用者と開発者を同じ会社にしない限り、こうした失敗は続きます。
2025年8月26日火曜日
数字を出せば
この記事[^1]は、日本政府が国際貢献としてワクチン普及のための団体に今後5年間で810億円を出す事を問題視しています。確かに個人としては810億円は巨額の費用に見えます。でも日本の人口は1.2億人なので、人口で割れば1人当たり675円で、しかも5年間なので1年当たりでは135円です。これで途上国の感染症患者を大幅に減らすことができれば、コレラやポリオのような問題を未然に防ぐ事が可能です。ところが参院選で消費税減税に対して財源がないと言った自民党に、810億円の資金があるなら財源があるからダブル・スタンダードだというのがこの記事の主張です。消費税の減税には数兆円の財源が必要で、5年で810億円ではまったく足りません。国民1人当たり毎年135円を減税すると何の意味があるのでしょう。大きな財源はないけど、小さな財源はあるというのが自民党の立場です。810億円など消費税の減税には焼け石に水です。消費税を下げたければ、その分だけ法人税を上げるのが筋だと筆者も思います。円安で国民の家計を犠牲にして輸出企業を儲けさせたので、その儲けを国民に分配すべきだという意見に賛成します。
2025年8月25日月曜日
医療の消費税
この記事[^1]は、医療費に消費税を課税する必要性を指摘しています。医療に必要な資機材には消費税がかかっており、医療機関は消費者に変わってこれを払っています。消費税は最終的に消費者が払うものなので、建前としては診療報酬に消費税分が含まれるという事です。ただし実際には健保赤字を避けるため診療報酬は政治的に抑えられ、インフレに追いついていません。そこで医療費に消費税を乗せて医療機関の赤字を減らすというアイデアがあります。もちろん医療費に軽減税率を使うのは可能です。診療報酬の改定は常に時間的に遅れるので、インフレ下では医療機関の赤字が慢性化しています。利用者がその消費税を負担するのは当然で、医療機関がなくなって困るのは利用者自身という事を思い出しましょう。設備に費用がかかる病院ほど消費税の負担が大きく、都会の大学病院ですら赤字となっています。
2025年8月24日日曜日
微生物が大切
この記事[^1]が問う「酸素と食料だけで宇宙に住めるか」には期間が明示されていません。もしそれが1日ならほぼ誰でも宇宙に住めるでしょう。それが1年となると、かなり限られると思います。さらに一生となると無理だと思います。人間は大腸に多くのバクテリアを飼っており、殺菌された食品からは入ってきません。生まれたばかりの赤ん坊の腸にはバクテリアは皆無なので、宇宙には必要なバクテリアを持って行く必要があります。こうしたバクテリアは生の食品から赤ん坊の体内に入るので、宇宙で栽培される生の食品がカギになります。
2025年8月23日土曜日
想定外か
大阪万博で会場に繋がる唯一の地下鉄が万博閉場まぎわに運休し、帰宅できなくなった入場者が多数万博会場で夜を過ごすという問題[^1]が起きました。当初から心配されていた足の問題が現実となったわけで、これを想定外の事故と言ってはいけません。会場へは一本の地下鉄しかなく、ループになっていない路線のため止まった反対側を使うという手段もとれません。実に間抜けな設計です。いくら再発防止に努めても、足の代替手段がない事にはかわりありません。「安心安全」のはずなのに、地下鉄建設費用をケチった結果だと思います。ここを大阪経済の起爆剤にするつもりなら、こんな行き止まりの地下鉄ではなく、乗換駅に繋がるループになるよう延伸すべきでしょう。
2025年8月21日木曜日
空き家対策
この報道[^1]によると、空き家で売り物になるのは1割程度、残りの9割は買い手が付かない不良在庫です。そのうち危険なものは「特定空き家」として固定資産税を上げたり、税金で解体などの措置をとります。それが年間でも数件で、税金を使うのであまり増やせません。つまり大多数の空き家は使い道のないまま、住宅なみの固定資産税を払いつつ放っておかれます。高級住宅地を抱える世田谷区にそうした空き家が多いのは皮肉で、空き家を減らす工夫がもっと必要です。1年住んでいない家が空き家なので、そうした家の固定資産税を上げるのがまず第一です。ただし4m幅以上の道に2m以上接していない土地は新しい家を建てられないので、解体しても宅地にできない空き家は所有者も困ります。逆にこうした土地は価値のないものとして、更地にしても固定資産税を宅地なみに抑えるというのも手です。
2025年8月19日火曜日
日本映画
この記事[^1]は、アニメだけでなく実写映画も最初から海外をマーケットとして作る事が大切と指摘しています。結果的に海外に売れるのではなく、海外で売れる事を前提に十分な予算を付けるという事です。日本の実写映画は小粒の小市民的な映画が多く、国内で元が取れれば良いという姿勢が見えます。予算をケチるからそこそこの出来になり、数打ちゃ当たるという発想です。ところが日本の人口は減る一方です。市場が縮む国内ではなく韓国のように海外でヒットする映画を作らないと、じり貧です。小市民的な映画が悪いとは言いません。でも年に数本は海外も狙った大型映画を作って欲しいものです。
2025年8月18日月曜日
追浜工場
日産は追浜工場での車両生産を2027年度末で終了するそうで、跡地の利用が問題[^1]になっています。跡地はとても広いので、複数の使い道が考えられます。その中で、建物の建て替えを前提にするならデータセンターを誘致するのが良いと筆者は思います。都心に近いデータセンターは信号遅延の面で有利となり、また海がすぐ側にあるので海水を利用した冷却ができます。都心に近いデータセンターと言うと千葉の印西市が有名で、そこに次ぐ規模のデーターセンターになると期待できます。雇用の面では工場に及びませんが、地元自治体に固定資産税も入ってきます。その上でIT企業のオフィスも誘致すればなお良いでしょう。そこまで行けば住職接近型のマンション建築も視野に入ってきます。
同日追記
黒字でも指名解雇ができるアメリカと、自主退職をお願いするしかできない日本との違いです。
2025年8月17日日曜日
養育費
離婚したり失踪したりして、子供の父親が養育費を払わないケースはよく聞きます。この記事[^1]にもあるように、アメリカは税務署が法律上そうした父親の個人情報を開示できるので、父親に収入があれば取り立てが可能です。日本もマイナンバーで収入を補足できるので、法律を変えれば父親から養育費を取り立てる事ができます。そうすると母子家庭の生活保護費を減らせるので、税金の節約にもなります。日本はなぜそうした法律を制定しないのか不思議でなりません。国会議員の怠慢でしょうか。
2025年8月16日土曜日
誤解しそう
この記事[^1]は語学学習がテーマのため、大事な事が抜けています。0歳児は24x7の世話が必要で、ひとりで留学しながらできる仕事ではありません。アメリカの保育園はすべて私立なためお金がかかるし、住み込みで働くナニーだともっとお金がかかります。親の援助や保育なしでは難しく、語学よりも育児の方が難しいぐらいです。定期的に医者に連れて行って予防注射を打つ必要もあり、ワンオペではとうてい無理です。そこでどのようにして育児と勉強を両立させたかが大切です。そこがほぼスルーされており、誤解する人が出てきそうで心配します。
2025年8月15日金曜日
転換点
人口が減るのに国債を増やす日本に明るい未来はありません。今回の参議院選挙は自民党支持者が新興政党に流れたという点で、政治の転換点[^1]となりそうです。「自民党に任せておけば良いと思っていたが、考え直した」という国民が多いという事です。筆者は革命に近い変更なしで、日本の長期凋落傾向は変わらないと思います。日本人の安全・安心を求める声が、結果的に日本の変化を拒んできました。人口が減る国で経済成長するには、国内産業の生産性向上と海外からの投資が不可欠です。ところが選挙戦で争点になったのは「減税か給付金か」あるいは「日本人ファースト」です。物価高を抑えるには利上げしかありません。この局面でお金をバラまいても、貯蓄に回るか物価をさらに上げるかです。大幅なロボット化、行政の合理化など日本の経済成長に直結する話題はなぜか争点になりません。転換点に来てはいるものの、これからどっちへ向かうのかは不明です。
2025年08月19日追記
日本の進むべき道は大幅なロボット化です。この分野の投資が少なすぎます。
2025年8月14日木曜日
レイオフ
レイオフ体験者として言わせてもらえば、アメリカのIT会社のレイオフ[^1]は予測可能です。社内のうわさや風向きは末端でも感じる事ができるので、どの部署が危ないのかはだいたい事前に分かります。あるいは個人のレベルで言うと、4半期毎のパフォーマンス・レビューで評価が最下位になると「このまま退職金をもらって自主的に辞めるか、研修プログラムに参加して倍以上働くか」を選ぶことになります。次の評価でまた最下位になると解雇となり、どの大手IT企業でも毎年10%位は最下位に分類されます。もともとジョブ型雇用なので自然減も10%ぐらいあり、合わせて年間で20%ぐらいの人の入れ替わりがある業界です。そのぶん新陳代謝が激しく、能力が高い人には高給が得られる利点があります。5年勤続で1ヵ月の休みやボーナスを出す会社も珍しくありません。こうした企業が常に下位10%をクビにしている事は、日本の人も常識として知っておくべきでしょう。ニュースになるのは50人以上を同時にレイオフする時だけで、それ以外は企業に公表する義務はありません。
2025年8月13日水曜日
なぜ大陸に
これ[^1]は一見いい話の様に見えます。でもそこに書いてない事に読者は想像を巡らせる必要があります。なぜ「ちばてつや」の両親は子供を連れて大陸に渡ったのか、また日本が劣勢なのになぜ日本に帰らなかったのか、どちらもここには書いてありません。大陸に渡ったのはお金儲けのためです。当時農家の長男以外は食い扶持がなく、日本で働くより大陸で働く方がお金になると日本政府は宣伝していました。中国語もできないのに多くの日本人が大陸や樺太に渡ったのは、日本の植民地で稼ごうという経済的理由がありました。また大本営発表では日本の敗退は転戦と誤魔化され、大陸や樺太にいた人には日本の劣勢がちゃんと伝わっていませんでした。日本政府に騙されて海外に行き、また騙されて海外で敗戦を迎えたという事です。引き揚げ者はお気の毒ではありますが、自業自得という面もあります。もちろん当時のそうした世論を煽ったのはマスコミも同罪で、こうした話を載せることで罪滅ぼしをするという意図は分かります。民主主義では報道の自由が命を救うので、筆者はNHK視聴料を払っています。自由と民主主義はタダではありません。
2025年8月12日火曜日
やはりコメ不足
この記事[^1]は、この2年間のコメ不足を指摘しています。(高温障害で)精米歩留まり悪化から16万トン、インバウンド需要で6万トン、南海トラフ地震臨時情報で11万トンの増加があり、合計33万トンの不足です。これに行方不明の4万トンを加えて、37万トンが2024年度において不足でした。一方でコメの生産が15万トン増え、各家庭が備蓄した11万トンを上回る供給もありました。結果的に不足したコメを農協以外のルートで調達したため、値段が上がったという事です。従って今年から増産に切り替えても、また高温障害で歩留まりが悪化したり、放出した備蓄分を買い入れようとすればコメが不足します。コメ農家の収入と消費者の支出をバランスさせ、小規模農家を減らしてコメ生産コストを下げつつ、高級米を高値で輸出するという難しい農政が待っています。
2025年8月11日月曜日
納税者
日本は会社員が自分で確定申告をするケースが少なく、国民に自分が納税者であるという自覚が不足していました。ところがこの記事[^1]は、今回の参院選でそうした自覚が芽生え、労働者ではなく納税者という点で人々が団結したと報じています。税金を取られ損と感じている納税者が多くなれば、税制度や社会保険制度を変える事も可能になるでしょう。ところが日本は国債残高が多すぎて、減税にはなかなか踏み込めません。むしろ富裕層への増税に力を入れるべきであり、資産課税を強化する方向に行くと筆者は予想します。例えば空き家がある土地の固定資産税を増やすとか、仮想通貨売買による利益にきっちり課税するなどです。医療も自己負担額を最低3割に引き上げる事は可能で、慢性疾患なら3ヵ月分の処方箋を出してもらえば、毎月医者に行く代わりに3ヵ月に一度で済むので患者にとっても好都合です。
2025年8月10日日曜日
国債で減税していいのか
今回の中田大学[^1]は良い内容だと思います。「国債で減税していいのか」というタイトルで、中田氏の結論は「法人税を上げて消費税を下げる」のが正解となってます。筆者も「もし減税するなら」という前提で、この結論に賛成します。今の日本が袋小路に追い込まれている事をきちんと説明しており、アベノミクスが円安を実現したけど副作用として金利を上げることができず、輸入インフレが制御できてない事を指摘しています。アベノミクスの逆をやるべきだという中田氏の主張には説得力があり、家計を犠牲にして内部留保を増やした輸出企業から利益の再配分を求めるのが税金の役目だと言っています。1ドルが120円ぐらいの円安を目指していたアベノミクスが、コロナ後のアメリカのインフレと高金利で150円と過剰円安となり、国債の利払いが増える事を恐れる政府と日銀が十分な利上げに踏み切れない現状は確かに問題です。政府与党はこうした輸出企業から多額の献金を受けており、それが法人税増税を邪魔しているという指摘もあります。今回の参院選で法人税増税と消費税減税を公約に入れたのは共産党と社民党なので、そこが議席を減らしたのはなぜでしょう。
2025年8月9日土曜日
人口減少と外国人
この報道[^1]は、すべての都道府県の中で東京都だけが前年比で居住人口を増やしており、次いで千葉県が横ばい、大阪府がわずかに減少と示しています。ところが日本人の人口で比較すると、東京都のみが0.1%増で他の都道府県はすべて減少となっています。その東京も外国人を含めた人口が0.7%増なので、増加した分はほとんどが外国人という事が分かります。またすべての都道府県で外国人が増えており、日本人の人口減少をある程度補っている事が読み取れます。さらに生産年齢人口が全人口に占める割合で見ると、日本人が59%に対して外国人だと85.8%になり、外国人が労働力として欠かせない存在である事が分かります。少子高齢化はますます加速し、日本はいっそう外国人労働者に依存する国になりつつあります。ところが政府は「移民ではない」という建前のため消極的な関与にとどまり、地方自治体に外国人問題を押しつけている現状[^2]があります。
2025年10月07日追記
「日本生まれの赤ちゃん3%が外国人」この数字は上昇が続きます。無視できる数値ではありません。移民を認めないという事は、移民問題を先送りにするだけです。この無作為が後で大きな問題になるのは、他国の例からみて明らかです。
2025年8月8日金曜日
備蓄米の備蓄
この記事[^1]は備蓄米の備蓄が課題と指摘しています。江藤米と小泉米で81万トンの放出があり、3万トンのキャンセルを引くと78万トンを使った計算になります。記事には出てこないものの、日本はミニマムアクセスとして毎年77万トンのコメを海外から輸入しています。これは国内の米価を引き下げないように、加工用として販売されています。今年はトランプ関税対策として77万トンの大部分をアメリカから輸入するので、このコメを備蓄すれば十分だと思います。再度令和の米騒動のような出来事がない限り、アメリカ産米を備蓄しても食用米として出てくる事はありません。また逆にコメが不作で足らなければ、ここで備蓄した分を放出できるので好都合です。もし備蓄するのは国内米のみという法律があるなら、その法律を変えればいいだけです。
2025年8月7日木曜日
対米貿易
トランプ関税は対米貿易の曲がり角[^1]を示しています。15%の関税なら小売価格を5%上げれば吸収できるので、日本製自動車などは9月から小売価格が上がります。その一方でアメリカは中国への依存を減らし、関税への依存を増やすでしょう。日本はTPPを活用して、アメリカ以外の貿易を増やすべきです。インバウンドを除き、日本の内需はもうこれ以上増えません。少子高齢化は内需の敵です。ところが東南アジアには人口が増えている若い国がたくさんあります。日本はこうした新しい国との貿易を増やし、外貨を稼がねばなりません。アメリカは関税によるインフレ悪化で、今後は不景気になると予想します。
同日追記
「オレンジジュースが関税の適用外」これもTACOの例です。
2025年8月6日水曜日
本土決戦
毎年8月になると新聞各紙は太平洋戦争の特集を組みます。この毎日新聞の記事[^1]は「アメリカは何で原爆を日本に落したか」という疑問から始まっています。でもその答えは記事になく、大事な事が無視されています。日本には原爆を避ける道がありました。沖縄陥落から広島の原爆までは1ヵ月以上の時間があり、ここで負けを認めて降伏していれば、広島と長崎の原爆を避ける事ができました。ところが実際には「本土決戦」という名のもと負け戦を続けました。当時のソ連を仲介に米国と停戦しようと画策したものの、ソ連は日本の負けを予想して既に米国と手を結んでおり、日本の領土への侵略を計画していました。つまり戦争を始めたものの、その終わらせ方まで考えなかった日本の首脳部が原爆攻撃を招きました。「本土決戦」という勇ましいスローガンには、国民を含め「全員玉砕」で負けるという意味が隠れていました。沖縄を失った時に敗戦を決断できなかった日本は、無責任な指導者のせいで広島と長崎に「全員玉砕」をもたらしたのが歴史上の事実です。新聞各社がこの点を追求できないのは、戦後の日本が今だに太平洋戦争を客観的に見る勇気がないという証拠です。
2025年08月10日追記
学校で教わる歴史では、ここまでの詳しい開戦過程は学べません。
2025年08月15日追記
これも太平洋戦争を歴史として客観的に見るべきだという指摘です。
2025年8月5日火曜日
不正投票
今回の参議院選では、家族がなりすまして他の家族の投票をするという不正投票[^1]が目立っています。やっている人に犯罪の自覚は薄く、体調不良の家族に代わり代理投票しているつもりです。ただ今の法律ではこれは不正であり、立件はされないものの犯罪となります。こうした不正投票を避けるには、マイナンバーカードとスマホによる電子投票が有効です。前に述べたように、電子投票では本人確認ができる反面、投票の秘密が失われます。だからこそ投票の不正を避けられるので、一種のトレードオフです。家族による不正投票を防ぐ利点だけでは電子投票は普及しないので、投票率を上げる効果と投票そのもののコストダウンを期待して、マイナンバーカードとスマホによる電子投票を、紙の投票と平行して国政選挙に導入して欲しいと思います。
同日追記
紙でも投票の秘密はありません。筆跡や紙に付いたDNAを調べれば誰だか分かります。
2025年8月4日月曜日
高福祉高負担
この記事[^1]は、高福祉高負担の北欧型社会は日本でも可能かという問いに対して、不可能と答えています。筆者は可能だと思いますが、その移行には100年ぐらいかかると思います。北欧だと消費税が最高25%、所得税が最高90%なので、いきなりは無理です。だから100年かけて税率を上げていく必要があります。北欧型社会には払った税金に見合うサービスを受けているという納得感が必要で、教育や医療のコストが安いといった利便性を求めます。そのかわり北欧型社会には大金持ちはいません。税金が高いので大金持ちになりにくい上、それでも大金持ちになった人は多額の税金を逃れるため国外(モナコなど)に移住するからです。つまり世界長者番付[^2]に登場するような人は北欧にはいません。日本は国債を使って中福祉低負担を実現したものの、少子高齢化でこれ以上の国債発行に黄色信号が付いており、中福祉の持続すら怪しくなっています。円安を原因とするインフレは国債を増やすほど進むので、実質賃金がマイナスになる原因となっています。政府が2025年度のプライマリーバランスを諦めたのは象徴的で、日銀は利上げするべき局面に入っています。
2025年8月3日日曜日
生成AIとバイアス
どの生成AIにも学習させたデータによるバイアスがあります。ところが生成AIそのものにも通常のプログラミングに相当する「システムプロンプト」という指示が前もって与えられ、これが新たなバイアスを生みます。この記事[^1]によれば、xAIのGrokという生成AIにはトップのイーロン・マスクの意向がシステムプロンプトの形で組み込まれており、Grokがマスクの好みを拡散する宣伝ツール[^2]として使われています。こうしたバイアスは必ずしも利用者には開示されていないので、生成AIの作った文章を鵜呑みにする人にはとても危険です。
2025年08月14日追記
これはGrokが、自らイーロン・マスクによる検閲を認めるという珍しいケースです。
2025年08月20日追記
AIを人間らしくすればするほど、依存してしまう人が続出します。根本的な問題です。
2025年8月2日土曜日
シニア住宅の過剰介護
これ[^1]は制度の欠陥です。民間企業がこうした欠陥を利用するのは当然で、そこには簡単な解決方法があります。住宅サービスを提供する業者と介護サービスを提供する業者を分ければ良いという事です。同じ業者はもとより、資本関係のある業者同士も禁止します。本来介護サービスを決めるのはケアマネで、介護される人もしくはその保護者がケアマネと相談します。ひとつの業者で住宅サービスと介護サービスを提供するのは法律で禁止する必要があります。これは医院と薬局の関係と同じで、過剰介護をなくすには住宅サービスと介護サービスの提供者を分けましょう。
2025年08月08日追記
親が元気なうちに、延命治療をしない旨の紙に署名をもらうのが手です。そういう紙は役所や病院で配ってます。それを実家の冷蔵庫に張っておけば、救急隊員が来たときも分かります。
2025年8月1日金曜日
スポーツ賭博
筆者はスポーツ賭博[^1]を日本でも合法化して課税し、それを賭博依存症の治療や奨学金に充てるのが良いと思います。現状では国内にいても海外の業者が提供するネット上の賭博で日本のスポーツに賭ける事が可能で、不法行為を止める手立てがありません。パチンコ、競馬、競輪、スポーツくじなど同様の賭博は既に解禁されています。宝くじに至っては、未成年者でも購入できるのが日本です。みすみす海外の業者に無料で収益を与えるくらいなら、合法化して法の網をかぶせた方が良いと思います。
2025年7月31日木曜日
成功者バイアス
この記事[^1]は成功バイアスの典型です。サラリーマンが「好きな仕事をするか、稼げる仕事をするか」という選択をせまられた時に、好きな仕事を追求すれば稼げるようになる、という主張です。ところが例として挙げられたウォルト・ディズニーとJ・K・ローリングは成功者であり、そこには成功者バイアスが存在します。この二人の影には、好きな仕事を追求したけど稼げるようにならなかった無数の失敗者がいて、それは取り上げられないため無視されています。大多数のサラリーマンはどこかで折り合いを付けて、妥協しながら生きています。つまり稼げる仕事を好きになる(又は好きだと思い込む)という妥協です。それは現実的な選択であり、合理的な生き方です。少なくとも犯罪者になるよりずっとマシです。成功には才能と努力に加えて好運が必要で、好きな仕事を追求すれば必ず稼げるようになるとは言えません。好きな仕事を追求すれば稼げるようになる可能性が高まる位が本当の所です。ではどうするのが良いでしょう。筆者は「やらずに後悔するより、やって何かを学ぶ」という立場なので、20代は色々と試してみて、人生経験を積むのが良いという考えです。
2025年7月30日水曜日
経験不足
子供たちは経験から多くの事を学びます。この記事[^1]は葬式にまつわる常識が子供たちに欠けている事を指摘しており、その原因を探っています。筆者は単に子供たちに葬式に行った経験がない事が原因だと思います。小学生だと祖父母はまだ元気で、その上だと既に死んでいるので経験していないだけです。なおアニメや動画で育った子供たちに文章を読んで想像する力がないのは当然で、親が本の面白さを伝えていないのが問題です。教育は手を抜いても結果はすぐに分かりません。共稼ぎの両親を持つ子供たちが経験不足となるのは当然で、不足した経験を後で補えば十分です。
2025年7月29日火曜日
お米屋さん
町のお米屋さんがピンチです。この報道[^1]によれば、昨年からのコメ不足と価格高騰でコメ販売を続けられなくなったお米屋さんが廃業しています。筆者の家の隣の駅にもお米屋さんがあって、そこで米ぬかを買ったことがあります。でもコメ販売が1995年に自由化されてスーパーやネットで買えるようになり、地元のお米屋さんで買う人は減る一方です。老人には重いコメを配達してくれるお米屋さんは重宝します。かつてコメ販売が自由化された時に、多くのお米屋さんがコンビニなどに変わりました。いま残っているのは絶滅危惧種であり、これも時代の流れだと思います。配達を中心にして酒や水など重い物に特化して生き延びるか、あるいはコインランドリーに転換した方が儲かるでしょう。自前のお店は借り賃がないので、細々と税金対策のために商売を続けている物件も見かけます。
2025年7月28日月曜日
小さい政府
日本ではなぜか人気のない「小さい政府」とは何かという話です。財政支出を減らして、税金も減らすというのがその目的です。人口が減る日本で議員や公務員の数を減らすというのがその手段です。財政支出を減らして税金も減らすというのは「総論賛成、各論反対」となり、戦後の日本で成功したためしがありません。自分の仕事や給料が減る人は必ず反対するので、すべての支出を一律で減らすしか方法はありません。例えばすべての支出を5%減らすという法案を通して、一切の例外を認めないとい立場です。日本は借金で首が回らず、事実上何もできない国になっています。革命以外でこの状況から抜け出すには、「小さい政府」しか手がありません。
2025年08月03日追記
自治体が行う医療無償化は増税のもとであり、ムダな出費を生むという指摘です。
2025年7月27日日曜日
年配者の乳母車
街を歩いていると、時々年配者が乳母車を押しているのを見かけます。でも乳母車に乗っているのはお孫さんではなく、老犬というケースがほとんどです。子供がペットに置き換えられている情景は、一抹の寂しさがあります。もちろんこうなると乳母車という表現は間違いで、ペットカートとかペットストローラーと呼ぶらしいです。猫は散歩が要らないので、乗っているのは中型犬が主流です。小型犬は持って運べるので、中型の老犬だとカートに乗せるのでしょう。それを押している人は男性が多く、老犬もなぜか柴犬が多い印象があります。この報道[^1]によれば、標準家庭の2050年の定義は「親子3人+1匹」だそうで、さもありなんと思います。
2025年7月26日土曜日
脳型コンピュータ
この記事[^1]は日本で「脳型コンピュータ」の開発が進んでいる事を伝えています。今のAIは脳を神経回路と見なして、その動きをデジタルコンピュータでシミュレーションしています。これをハードウェアで直接実行できれば消費電力の減少と速度向上が期待できます。GPUで力任せに計算するのではなく、神経回路を模倣する素子を使ったコンピュータをAI専用機として使います。日本がリードを保てるかは、どれだけこの分野に投資できるかで決まります。
2025年7月25日金曜日
日本のIT産業
これは心配な記事[^1]です。日本のIT産業の生産性がどんどん低下しているとの事で、アメリカはもとより他の先進国と真逆の状況です。日本特有のカスタム・システムが原因と指摘されています。こうした製品はコードがオープンソース化される事もないので、AIでコードを書くのも無理でしょう。人月数を稼ぎたいIT企業と、難しい事を抱えたくないIT部門の利害が一致したカスタム・システムは、いわば昭和の産物です。クラウド化するには作り直す必要があり、ハードウェアコストも高いのが特徴です。令和の人手不足はDXで乗り切る必要があり、IT産業の生産性が低いとDXがお互いの足を引っ張るでしょう。局所最適、全体不適という日本のあるあるです。
2025年07月30日追記
ちなみに米メタの給与が公開されています。まあ日本とは全然比較になりません。
2025年7月24日木曜日
ワニの角
平成の頃は、財政支出と収入の差が年々ひらく事を「ワニの口」と呼びました。ところが令和の今、誰も「ワニの口」は問題にしません。それはコロナ禍で歳出が急に大きくなり、ワニの口に角が生えたからです。ワクチン接種と国民全員への給付金でタガが外れた財政は、平時の額に戻るのが遅れて角の形になりました。もはや口の形ではないので、「ワニの口」という表現は使いません。でも財政赤字がなくなったわけではなく、むしろ国債残高は着実に増えています。政府は2025年に達成するはずだったプライマリー・バランスを諦め、インフレによって増えた税収を利用して、それ以上に支出を増やそうとしています。こうした財政運営に対して文句を言う国民が1人もいないのは、まだ生まれてすらいないからです。こうした国債というツケを払うのは次世代やその次の有権者であり、まだ選挙権を持っていません。デフレがインフレになって良かったね、ではないのです。実質賃金をプラスに持って行き、国債残高を減らす事ができなければ、日本人はますます貧乏になります。消費税をなくせとか、利率を下げろと言うような目先の話ではなく、人口減少下で経済成長するにはどうすれば良いかを議論してほしいものです。もちろん雇用より賃金を優先せよというのが、筆者の回答です。
当日追記
国債の60年償還ルールをなくすと、日銀がお札を刷って際限なく国債を買うので円安が進み、より物価高になります。財政規律のない国の通貨は暴落するというのが定説です。
2025年08月10日追記
国債残高を減らせるほどの税収はないのに、減税を求めれば長期金利は上がります。
2025年7月23日水曜日
ワンフレーズ選挙
今夏の参議院選[^1]では、国民民主と参政が伸び、立憲民主は変わらず、自民と公明が議席を減らしました。立憲民主は分かりやすい争点を掲げておらず、SNSを中心に伸びる「ワンフレーズ選挙」に対応できていません。忙しい人はワンフレーズしか覚えられないので、「手取りを増やす」とか「日本人ファースト」といった公約しか頭に残りません。その点で立憲民主の「物価高から、あなたを守り抜く」は「何をどうするのか」が不明で、公約として空虚でした。今後はSNSを主戦場とするワンフレーズ選挙が流行ると予想します。
2025年7月22日火曜日
最低賃金
この報道[^1]は、日本で最低賃金付近で働いている人の割合が、今や25%近くに上昇していると指摘しています。2010年には5%だったので、それから15年で5倍に増えているという事です。実質賃金がマイナスとなる理由のひとつがこの低賃金労働者の割合増加で、非正規労働者の伸びと一致しています。日本は生産性を上げる代わりに労働者の賃金を抑えてきた事が分かります。それは正社員の解雇が法的に難しいからで、「賃金より雇用」を優先してきた結果です。景気の安全弁として非正規を増やした企業の行動は合理的であり、小泉政権の負の遺産です。ところが日本は少子化が進み、人手不足となっています。つまり「雇用より賃金」を優先すべき時代になったのに、正社員の解雇が難しいままです。ここを変えずにメンバーシップ型雇用をジョブ型雇用にしても意味がありません。
2025年08月05日追記
最低賃金が全国的に1000円を超えるそうで、生産性の上昇が必須です。
2025年7月21日月曜日
未登記山林
100年以上所有者が変わらない山林は、所有者を抹消して国有林にしたらどうでしょう。この記事[^1]によれば民間の3割の山林は前回の登記から50年以上経つそうで、所有者が死亡したのに登記が変わっていないと見られます。たとえ遺産相続で山林をもらっても、あまり現金価値がないので登記せず放っておかれます。古い登記は追跡するのも手間なので、法人以外で100年以上所有者が変わらない山林は所有者がいないと判断する法律にしませんか。
2025年7月20日日曜日
税金の種類
日本の税金[^1]には大きいものから消費税、所得税、法人税があり、さらに住民税、ガソリン税、相続税、酒税、自動車税、固定資産税、たばこ税、印紙税等があります。消費税は額が景気にあまり左右されない優れもので、国民全員から平等に取る事ができます。これに対して所得税や法人税は合法的節税が可能で、景気にも左右される欠点があります。特に法人税は法人の利益にかかるので、意図的に経費を増やして利益を減らせば法人税も減ります。また赤字の法人は法人税を払わないので、日本の中小企業の大半は法人税を払っていません。巷には消費税を廃止して法人税で補うという乱暴な意見もあり、もしそうなると株式の配当が減るため、株式市場が下落すると予想します。また法人税率を上げると、配当を維持するために賃金を抑えるという副作用もあります。企業が他の企業を買収する資金は利益から出るので、企業の集約と効率化を妨げる可能性もあります。日本の消費税は欧州の税率25%に較べれば低いので、国債を減らすために消費税は増税するべきでしょう。人口が減るという事は、税金を払う人が減ってもらう人が増えるという事なので、日本に減税の余地はありません。国債の増加は円安によるインフレ悪化と利払い費増加を招きます。トラス・ショックは他人事ではありません。
2025年7月19日土曜日
ベアドッグ
このような報道[^1]が最近多いと感じており、人口減少と関係があるのではと思います。過疎地は熊対策にコストをかけられないので、引っ越せるなら人口の多い場所への移住がベストです。もしそれができないなら、番犬として和犬を飼うのが良いでしょう。昔から日本人を狼や熊から守ってきた和犬なら、熊を追い払うこともできます。ただし中型犬以上の大きさになるので、エサ代はかかります。家の周りに柵を作って、その中で放し飼いにするという構造の家にします。冬は熊も冬眠するので、番犬は家の中で飼うことになります。特別なベアドッグでなくても、秋田犬とか土佐犬などが役に立つでしょう。柴犬は熊に負けるので不向きです。
2025年7月18日金曜日
生き残り戦略
参院選のある候補者が「子供たちに夢のある社会」を実現しましょう、というのを聞いて考えました。恐らく「経済成長して可処分所得が増える国」になりましょう、という意味だと解釈します。国民全員がそうなるのはもう無理だと筆者は思います。少子高齢化は進み、税金と社会保障費は増え続けます。昭和の経済成長をもたらした人口ボーナスが逆に人口オーナスとなるので、マイナス成長が待っています。労働力を補う移民は国民に支持されないので、人手不足で進まない仕事が増加します。大幅なロボット化やAIによる自動化である程度回避できる代わりに、子供への教育は一層重要になります。平均として実質賃金がマイナスでも、プラスの人もいればマイナスの人もいるので、プラスの側になるにはどんな仕事をすればよいか、それにはどんな教育を与えればよいかを親が考えるべきです。経済成長している他の国に出稼ぎに行くとか、地方ならインバウンドをいかに利用するかも大切です。盲目的に努力するだけではダメで、より儲かる仕事をするには国の法律を変えて、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用の社会にしましょう。年功序列を廃止して、やりたい仕事で食べていける国にするのが良いと思います。正社員でも手切れ金で解雇できる国にしないと、生産性は上がりません。
2025年07月20日追記
ムダな仕事を減らせないのは、日本の大きな欠点です。
2025年7月17日木曜日
休日削減
税収を増やす方法としてフランスで提案されたのが、国民の休日を二日減らす事[^1]です。その分所得が増えるので、所得税が増えるという話です。もし可能なら、日本も休日を減らすと良いでしょう。昔の天皇誕生日は平日に戻して、所得を上げると良いと思います。月給や年収の人も、労働日が増えれば会社の売り上げが増えるので所得は増えます。人口が減る国で休日を減らすのは当然です。より少ない労働人口でより多くの仕事をこなすにはロボット化や、そもそもムダな仕事はしないという合理化も必要です。
2025年7月16日水曜日
簡単な答え
令和の日本が直面している諸問題に、簡単な答えはありません。ワンフレーズで済む選挙戦とは違い、実際の政権を手にしたら分かります。日本がここまで衰退したのは理由があり、過去30年の選択の結果です。時の政権による問題先送りが招いた必然です。少子化は増税と社会保障費増加の理由であり、その結果でもあります。経済学者は人口と経済の関係を軽く見るので、気付いた時はもう手遅れです。すべての国で人口が増えていた平成までは、人口増は当然のものとして計算に含まれていました。人口が減るとどうなるかという経済理論は未熟で、現実の問題には無力です。若者は自分たちが騙されてきた事にようやく気が付きました。どの政党が日本の政権を取っても、袋小路に入った日本に簡単な出口はありません。人気取りのために色々言っているものの、財源がない政策は実行できません。
2025年08月05日追記
分配の話よりもパイを大きくする話が大事という指摘です。
2025年7月15日火曜日
知能と意識
先日NHKの番組で大規模言語モデルを取り上げ、タモリが中心となって最新のAI技術を紹介していました。そこで「知能とは予想すること」という説明があり、次に来る単語を予想するだけで知能を実現できるという解説がありました。筆者は「知能とは世界を脳の中にモデル化すること」と思っており、モデルがあればそれを使って予想ができるので、「生存確率を上げるために予想する」という生命の目的にはどちらも沿っていると思います。ただし言語ベースの知能は表層的であり、そのため幻覚が起きるものと考えます。人間は考えた結果を言語化して人に伝える必要があり、そのレベルだけ見れば「次に来る単語を予想する」のが知能というのも分かります。ただし、イヌや猫にも知能はあり、人間の赤ん坊にも知能はあります。つまり言語を知らなくても知能は存在します。なので大規模言語モデルはあくまでも脳のシミュレーションであって、一次近似だと思います。こうしたAIが発達して万能AIになると意識が生まれるという意見があり、すると何が意識なのかという定義が必要になります。筆者は「自由意思が意識」だと思うので、AIが人間の言う事を聞かなくなったら意識があると認めます。ただし、そのようなAIは危険なので、暴走を止めるキルスイッチだけは用意しておいて下さい。
2025年7月14日月曜日
メディカル・グループ
この報道[^1]は、日本の大学病院の経営危機を伝えています。その地域でのベストの医療を実現するはずの大学病院が赤字続きでは続けられません。日本は公立病院と私立病院が混じり、それを税金と保険料で支えています。そこで医療資源の最適化が難しく、事情が異なる公立病院と私立病院の経営を一元化する事もできません。患者から見た医療資源の最適化の例として、筆者はアメリカのメディカル・グループをご紹介します。アメリカは民間病院のみであり、それを民間の保険会社が支えています。地域ごとにメディカル・グループがあり、その頂点には中核病院があります。手術や入院や救急は病院の仕事です。病院にいるのは主にナースであり、医者は病院の外に自分のオフィスを持っています。高価なMRIや手術ロボットは病院が所有し、医者は必要に応じて病院に来て手術などの仕事をします。病院の下にはクリニックがあり、そこにはクリニックに所属する医者のオフィスと血液検査などを行うラボがあります。X線CTの機械を持つクリニックもあり、診療と検査がその場でおおむね終了します。ただしMRIのような高価な検査は、患者に病院まで行ってもらう必要があります。クリニックの下には開業医のオフィスがあり、問診や検査結果の通知、薬の処方などを担当します。クリニックと開業医のオフィスの違いは、クリニックは規模が大きく複数の医師が常駐している点で、いわば手術と入院と救急がない病院という立ち位置です。メディカル・グループに属する病院・クリニック・開業医の間で役割分担があり、レントゲン装置、血液分析装置、CT、MRI、手術ロボットといった高価な医療資源を効率良く使っています。患者が最初に行くのは開業医かクリニックであり、医者の評判と移動距離で選びます。頂点に立つ病院は大学病院の場合もあれば、私立病院の場合もあります。こうした役割分担とグループ化は民間の保険会社との協働で行われ、医療のコスパを上げる効果があります。日本では開業医がレントゲン装置や血液分析装置を所有するケースがあり、患者にはすぐ検査を受けられるメリットがあるものの、そうした装置がどれだけ稼働しているかを見ると、もったいない場合が多いと思います。大学病院は中核病院なので設備費がかかります。また医学生の教育や病気の研究という仕事もあるので、薄利多売というわけには行きません。そこがクリニックと大学病院との違いで、日本ではこの違いが曖昧なため大学病院が赤字経営を強いられています。大学病院とクリニックではコスト構造が違うので、同じ保険収入では無理があります。もちろん患者にとってのデメリットもあり、アメリカだと必要な検査をすぐ受けられない場合があります。救急以外ではMRI検査の予約がひと月後というケースもざらです。アメリカの医療費が高いのは民間の保険会社が多大な利益を取るからであり、その点は日本の健康保険制度が優れています。
2025年07月25日追記
大学病院は研修病院、患者は手術の練習台、でも普通は指導医がそばで見ています。
2025年7月13日日曜日
日本がダメな理由
参院選は日本が経済成長していない理由を考えるよい機会となりそうです。このページ[^1]によれば、日本の1人当たりの実質GDPは円ベースでは増加していますが、ドルベースではほぼフラットです。つまり日本は経済成長しているけど、それ以上に税金や物価が上がって経済成長している実感がありません。ドルベースでフラットなのは円安となったためで、これはアベノミクスの成果のひとつです。税金が上がるのは少子高齢化のためで、税金を払う人よりもらう人が多いからです。物価が上がるのは円安や戦争によるエネルギー価格上昇の他に、賃金アップのために製品価格を上げている事が理由です。では他のG7の国々に較べて日本が相対的に成長していない[^2]理由は何でしょう。それはまず「賃金より雇用」を優先している事が大きいと筆者は思います。あとは労働人口減少なのに移民が少ない事も成長しない原因に入ります。かつての日本は人口が増え、資源が安かった時代は加工貿易で儲ける事ができました。令和の今は、中国や韓国など加工貿易のライバルがたくさんいます。国内の人口は減り、資源は高くなりました。令和の成長モデルを発明する必要があるのに、それが選挙戦の争点にならない事がダメな理由です。
2025年07月15日追記
パイが増えない日本でタダ乗りは誰かという質問には、外国人ではないという答えです。
2025年07月16日追記
日本企業は意思決定が遅く、様子見している間に中国に市場を取られています。
2025年7月12日土曜日
コメと島国根性
この記事[^1]は、EUと日本の違い、特に小麦とコメの輸出について報じています。60年代からEUの小麦と日本のコメは生産過剰となり、EUは余剰分を輸出する方向にカジを切り、反対に日本は生産を減らす方向に向かいました。つまり日本は国内調整だけで済む減反に踏み切りました。これは島国根性そのもので、当時の役人や農協が楽な道を選んだと筆者は思います。それから60年以上経って、日本はやっとコメの増産と輸出に目を向けています。ところが日本のコメは生産コストが高く、アメリカ産コシヒカリにすら勝てません。増産は良いとして、高いコメをどうやって輸出するかは大きな課題です。護送船団方式では戦えません。
同日追記
温暖化を利用する再生二期作は大いに結構、コメの生産コストを下げるのでぜひやるべきです。
2025年07月14日追記
「5キログラム4000円の店頭価格は、関税をなくせば1500円程度に下がる計算」だそうです。
2025年08月06日追記
自民党農林族はコメの増産に反対です。自民党内部で意見が分かれています。
2025年7月11日金曜日
物価高には利上げ
この半年間は消費者物価指数が4%台と高く、物価高[^1]と実質賃金マイナスが続いています。当然やるべき事は日銀の利上げです。インフレ目標の2%を半年も超えているので、条件は揃っています。ところがトランプ関税で景気が悪化するという予想があり、日銀は参院選を前に景気を冷やす利上げには踏み切れません。政治家はその対策として減税や給付金をうたうものの、これらは物価高をさらに進めます。こうして日本はゆっくりと衰退していきます。でも実質賃金は平均値なので、プラスの人もいればマイナスの人もいます。異常なコメの高騰は備蓄米で抑えても、そのほかの物価高を抑えるには利上げと円高が必要です。
2025年07月13日追記
膨らみすぎた福祉を切る等の、小さな政府を目指す政党が日本にないのは不思議です。
2025年7月10日木曜日
トランプ減税
トランプ大統領が通したOBBBという法案[^1]に含まれている減税は、その財源として関税を当てにしています。それが成立したという事は、トランプも議会も関税で減税分を稼ぐ気満々だという事を表しています。これは日本に対して悪いニュースであり、日本車の関税が相当高くなると予想します。自動車だけでなく、トランプは多くの輸入品に関税をかけており、日本の輸出業には大打撃でしょう。TPPを利用して、アメリカ以外に輸出する道を真剣に考える時期に来ています。アメリカは貧富の差が開きすぎて、もう以前のような「気前の良いお客さん」ではないというのが新常識です。関税分を小売り価格に上乗せしても、アメリカで日本車は人気があるので売り上げは落ちません。
2025年07月17日追記
アメリカは関税を財源化し、日本にも本気で一方的な関税をかけています。
2025年7月9日水曜日
夜間豪雨
米テキサス州で豪雨があり、サマーキャンプ中の子供が犠牲になっています。夜間に豪雨があると、避難が間に合わず犠牲が大きくなる傾向があります。夜間は情報が少なく、回りの状況も把握が難しいので、避難に躊躇するのは当然です。まだ明るい内に避難する必要があり、それには事前の豪雨予報と避難勧告が大切です。もしこれらが人為的な理由で遅れると、現場の責任者は自己責任で避難を判断しなければならず、昨年の能登の豪雨でも子供が犠牲になっています。異常気象による豪雨は過去の経験が通用しないので、ひとりひとりが大雨に注意を払って早めに逃げるしかありません。その意味で、携帯をサマーキャンプ中の子供から取り上げたのは裏目に出たと思います。
同日追記
異常気象を否定するトランプ大統領もこの事故に責任があります。
2025年7月8日火曜日
参院選の争点
この記事[^1]によると「給付金か減税か」というのが参院選の争点だそうで、筆者は脱力感を感じます。問題はそこじゃないだろう、というのが正直な感想です。インフレをどうするのか、国債残高の増加をどう抑えるのか、トランプ関税で打撃を受ける自動車産業をどうするのか、もっと言えば人口減少下でどう経済成長するのかが争点になるべきで、なぜ実質賃金を上げる施策が争点にならないのか不思議です。アベノミクスの失敗を認め、円安を円高にもどせば物価は下がります。雇用より賃金を優先すれば実質賃金は上がります。デフレをインフレに変えただけでは暮らしは良くなりません。国民の劣化は深刻です。
同日追記
日本の科学研究費が足りません。教育費と科学研究費は投資と考えるべきです。
2025年07月12日追記
あくまでもこれが争点なら、税制と社会保障の不均衡を解消するべきでしょう。
2025年7月7日月曜日
6月から夏
2025年の東京は、梅雨らしい梅雨もなく6月下旬には夏を迎えました。気象庁は関東の梅雨明け宣言を出すタイミングを失っており、梅雨前線などどこにもないのに公式には「まだ梅雨」という姿勢を続けています。天気予報に雨マークがあっても、当日になると消える事が多く、たとえ雨がふっても夕立のような雨で、梅雨の雨とは違います。以前の海開きはまだ肌寒い時期だった事を思えば、明らかに夏の始まりが早くなっています。地球温暖化で季節が変わるのは日本だけではありません。アメリカも異常高温や季節外れの豪雨に見舞われており、大統領が何と言おうと温暖化は加速しています。改名したアメリカ湾でハリケーンが発達し、フロリダを直撃するのも毎年恒例になります。温暖化対策は失速し、地球温暖化は加速しているのが現実です。
2025年09月01日追記
やはり関東は6月に梅雨明けを迎えていました。季節が壊れています。
2025年7月6日日曜日
備蓄米余り
筆者の近所のスーパーでは、5kg入りの備蓄米が売れ残っています。欲しい人はみな手に入れたという事でしょうか。もう7月なので、来月には新米が流通します。すると2024年度産の精米が値崩れするので、農林省は新たな備蓄米として古米を買い入れる[^1]と予想します。ただし備蓄できるのは玄米だけなので、店頭に並んでいるブランド米は加工用に買い取られるか、家畜のエサになるのでしょうか。新米が高ければ、それより安い古米はそれなりに需要があるでしょう。一儲けを期待してコメを仕入れた業者は、赤字になる所も出てきます。税金を使ってどこまでそうした業者を助けるかは、大いに議論すべき点です。なお、5年経っても備蓄米はそれなりに食べられる事が分かったので、古い備蓄米を給食に使えば税金の節約になります。
2025年7月5日土曜日
戦略とシナリオ
戦略とは、戦わずして勝つ(戦を略す)という意味です。戦略を練る時には、必ずシナリオを複数考えます。色々な敵の出方を予想した上で、それらに戦わずに勝つ方法を見つける作業です。ところが日本は真珠湾攻撃を始めたとき、出口戦略がありませんでした。不意打ちでもいいから最初に大打撃を与えれば、アメリカは降参するというシナリオしかなく、現実と乖離した見込みの上で開戦した結果、どうやって戦争を終わらせるかも考えないまま無条件降伏となりました。アベノミクスも同様に、どうやってアベノミクスを終わらせるかを考えずに政府日銀が始めた戦略です。2年で2%の物価上昇率を目指すと言いながら、やった事は財政拡大と国債増加、それに1ドル100円から150円になる通貨切り下げであり、輸入物価上昇と長期金利上昇という副作用に対する解決策がないまま、シナリオになかった実質賃金の低下という現実に直面しています。デフレをインフレに変えれば、経済問題がすべて解決するかのように吹聴してきた政府日銀は、今さら「アベノミクスが失敗でした」とも言えません。経済成長という夢を売り続ける政府と、アベノミクスの後始末を付けようとする日銀は、もはや戦略というものを持たず、現実離れしたバラ色のシナリオにしがみついています。その上先送りしてきた人口問題や国債問題、さらに対米自動車輸出に大きく依存してきた日本の経済運営に黄色信号が灯っています。このままではダメだと分かっていても、ではどうしたら良いかという戦略がありません。
2025年7月4日金曜日
給付金
困窮者に給付金を配る[^1]というのは、簡単には行きません。誰が困窮者かを決める客観的な指標がなく、住民税非課税者というくくりだけだと、所得がなく蓄えだけで暮らしている「富裕層」までそのくくりに入ってしまいます。自宅に住む人は除くとしても、自宅を人に貸して自分は賃貸に済めば該当してしまいます。こうした抜け穴をふさぐのは難しく、むしろ給付金はユニバーサル・インカムとして全員に配る方が事務コストは下がります。日本はマイナンバーの導入と活用が遅れており、個人の総所得や総資産の把握が自動的にできません。とても先進国とは思えないほどの多くの抜け穴があります。
2025年7月3日木曜日
努力不足
参院選にむけての党首会談[^1]を視るとがっかりですね。誰も日本の「努力不足」を指摘しません。社会保険が高い?そりゃそうでしょう、人口が減るからです。どうして人口が減るかって?そりゃ子供以外にお金を使いたい人が多いからです。子供にはお金がかかります。そのうえ自由時間がなくなります。子供を2人もつ事を義務と考えなくなったカップルが多すぎます。国を維持する努力を放棄しています。自分たちだけ良ければいいと思うのは若者だけではありません。今の高齢者は日本が赤字国債を発行し始めた時にもう有権者でした。その人たちから始まって、実力以上の暮らしを国債でまかなってきた日本人全員が努力不足です。コンビニで飲み物や弁当を買える人は困窮者ではありません。ペットを飼っている人も困窮者ではありません。今の日本に困窮者などほとんどいません。日本人は国債に頼りすぎて、努力する事を忘れました。アベノミクスで物価を上げといて、国債も増やしといて、そのうえ減税を叫ぶ党首には「馬鹿者」と言いたい。儲ける努力もしないで、儲からない仕事をいくらマジメにやってもだめです。そんな国は衰退します。
2025年08月13日追記
労働者はストライキで高賃金を勝ち取る、そんな当たり前の事が日本には欠けています。
2025年09月30日
自宅で炊飯せずにパックご飯を毎日食べる人も困窮者ではありません。
2025年7月2日水曜日
現金主義
なぜこの様な犯罪[^1]が横行するかと言えば、支払い方法が古いからです。ひと月毎にまとめてというのは、企業間では普通です。ところが得体の知れない企業にツケで売ると、踏み倒される危険があります。現金でその都度払ってもらえば良く、さらに言えばビジネス用クレジットカードで払えば現金を扱う必要もありません。同じ事が飲食店の予約踏み倒しに言えます。予約を受けたら客のクレジットカード番号をもらって、そこに予約料を課金すれば良く、現金支払いにこだわるから問題が起きます。こうした性善説は時代遅れで、支払い方法が古いままでは問題を解決できません。キャッシュレスはビジネスにおいても大切です。支払い技術の進歩をビジネスの問題解決に利用しない経営者は頭が古すぎます。
2025年07月28日追記
通販の後払いはもう時代遅れです。すべて前払いにしましょう。
2025年7月1日火曜日
関税値上げ
日本からの輸入車に25%の関税[^1]をかけるなら、アメリカでの日本車販売価格をその分だけ上げましょう。日本人が高くなっても国産米を買うように、アメリカ人は高くなっても日本車を買い続けます。それだけのブランド力があるので、安易な値下げは禁物です。同時にアメリカでの現地生産も増やせる所は増やして、アメリカ製の日本車を日本に輸入するのが良いでしょう。関税が物価上昇につながる事は、アメリカ国民にも理解してもらう必要があります。逆にアメリカ車輸入において非関税障壁とされる規制は撤廃し、例えば赤いテールランプを方向指示にも点滅で使えるようにするのは賛成です。既に輸入車には左ハンドルを許しているので、それに準じる輸入車規格を設けるという事です。その方が格好良いと思う人は、輸入車規格の日本車を買うでしょう。
同日追記
「移転価格税制」もアメリカでの販売小売り価格を上げれば回避できます。
輸入車の値上げは当然です。関税前の駆け込み需要で増えた分は減ります。
2025年6月30日月曜日
いたちごっこ
この記事[^1]には驚きました。AIが普及すると、こんな事が起きるんだという驚きです。サイトに掲載された論文をAIが査読する場合、人の目には見えないけどAIには読める命令文を論文に忍ばせて、査読の評価を操作できるという報道です。既に研究者には普及している手法らしく、無償労働の査読に時間をかけたくない人がAIに査読させる事も問題ならば、その裏をかいて人の目を欺くのも問題です。査読にAIを使用禁止にしたとしても、一種のSEO(検索最適化)なので法律での禁止はできず、検索にAIを使うと騙されます。こうした「いたちごっこ」はこれからも続くでしょう。
2025年6月29日日曜日
原爆正当化
国によって物の見方が変わるのは当然です。広島と長崎の原爆攻撃は大量破壊兵器による市民への攻撃であり、令和の今なら人道的に許されるものではありません。そこでトランプ大統領のこの発言[^1]が問題になり、日本の民間団体が「原爆使用の正当化」を非難するのも当然です。ところが同じくらい当然な事は、広島と長崎の原爆攻撃がその後の日本の無条件降伏を導き、本土決戦を回避してアメリカ人兵士の死傷者を大幅に減らしたという事実です。つまり原爆が戦争を終わらせたのは事実であり、アメリカ側から見れば原爆投下は正当化されます。日本政府もそこは分かっているので、トランプ大統領を非難する声はありません。平均的アメリカ人の考え方はその程度のもので、日本人の常識とは大きく違います。どちらが正しいかではなく、どちらも正しいのが現実です。戦争そのものを否定する以外に両者が同意できるポイントはありません。沖縄が陥落してから1ヵ月以上も敗戦の決断を遅らせた、当時の日本の指導者にも大きな責任があります。
2025年07月06日追記
アメリカは今後も広島や長崎の原爆を正当化し続けるし、それがアメリカ・ファーストの政治です。市民の犠牲には外国人も同情しますが、そこまで負け戦を長引かせた責任を追及しない日本人は戦争の総括を避けているように見えます。
2025年6月28日土曜日
学生への投資
教育ローンは借金であり、借りた学生は将来利子を付けて返す必要があります。借金なので借り手の収入が問題となり、普通は連帯保証人となる親の収入を吟味します。ところがこれでは「親ガチャ」が続くので、学生の将来得られる収入に着目して教育資金を貸す[^1]という方法があります。これは理にかなった方法で、もっと日本で普及してほしいローンです。日本は不思議な国で、奨学金というとなぜか学生ローンが含まれます。給付型のみを奨学金と呼ぶ他の先進国とは異なり、学生が奨学金に騙されるという国です。高校の社会科でこうしたお金の問題も教えるべきで、高校生が大学を選ぶ際にコスパを考える国になって欲しいものです。
2025年6月27日金曜日
ロリコン教師
これ[^1]は氷山の一角というのが筆者の感想です。どこかで読んだ話では、小学校教師の中にはロリコンが多く、女子小学生に近づくために小学校教師の仕事を選んだとか。実はアメリカでもこの問題があるので、公立小学校の教師はほとんどが女性となっています。でも男女差別となるので、あからさまに男性を理由に排除する事はできません。ではどうしているかというと、小学校教師の給料をとても低く抑えています。なので配偶者が高い給料をもらっているカップルに限り、小学校教師として働けるという仕組みです。
2025年06月30日追記
男性の小学校教師は要注意だからね。
2025年6月26日木曜日
雇用より賃金
人手不足で低賃金の日本に必要なのは頭の切り替えです。つまり「雇用より賃金」を優先するという考え方です。ところが雇用調整助成金[^1]はそれに反する古い考え方で、社会保険料の一種である雇用保険料を原資としています。本来潰れるべきゾンビ企業を維持するのにも使われるので、雇用調整助成金は廃止するべきだと思います。昭和の日本は賃金より雇用を優先して、なるべく企業の倒産を避ける政策をしてきました。ところが人口減少で国内市場が減る日本で、賃金は物価ほど上昇していません。これは令和の今でも賃金より雇用を優先しているからで、ゾンビ企業が増える理由になっています。儲からない仕事をやめて儲かる仕事に人手を移す以外に、日本のGDPを上げる方法はありません。雇用調整助成金を廃止して社会保険料を減らすという頭の切り替えが必要です。儲からない仕事をいくらマジメにやっても所得は増えません。
2025年07月01日追記
人手不足を機械化と時給アップで乗り切るのは正解です。儲かる仕事をしよう!
2025年08月02日追記
ムダな仕事をマジメにやる日本人は働き方の効率が悪すぎます。
2025年6月25日水曜日
自転車と横断歩道
今の法律では、自転車が歩道を走りそのまま横断歩道を走る事ができます。でも実はこれは危険な運転です。横断歩道は「歩く人の道」であり、そこに自動車の死角から自転車が突っ込んで来る事は防げません。横断歩道を自転車が走行するのを禁止し、自転車を降りて押して渡る事を義務づけるべきです。もともと歩道を自転車が走行するのは例外中の例外で、本来車両が走ってはいけない歩道を軽車両である自転車が走るのは道交法違反です。子供や高齢者、あるいは車道が危険な場合に限って自転車が「徐行する」のが許された走行であり、すっ飛ばしてきた若者が縦横無尽にある時は車道、ある時は歩道を走るのは大問題です。
2025年6月23日月曜日
外国人1割時代
この記事[^1]は、2050年に日本に住む外国人が人口の1割を占めると指摘しています。今のような「なし崩し的な移民」では米国や欧州のような移民問題を生むと予想され、教育や法制度を含めた移民政策に切り替えるべきというのがこの記事の趣旨です。東京では観光客や留学生もいるので、外国人は肌感覚でもう人口の1割は超えています。もしそうした外国人労働者が日本に来なくなれば、飲食・小売り・製造・介護の各分野で大幅な人手不足になるでしょう。でも国民には移民アレルギーがあり、国内のクルド人問題も政治の関与を妨げています。治安を悪化させずに日本への移民を促し、日本人との共生を実現する方法はタダではできません。イギリスを見れば分かるように、移民はいずれ国の政治を司るようになります。もしそれが嫌なら、大幅なロボット化で人手不足を克服するべきでしょう。
2025年6月22日日曜日
深海開発
日本の最大の資源は海です。その海の深海にはレアアース[^1]があります。今は採算を取れる採掘方法がなく、日本は中国からレアアースを輸入しています。もし夏に国民ひとり当たり2万円をばらまく資金があるなら、その資金で深海開発を行い、国産のレアアースを手に入れるべきだと考えるのは筆者だけでしょうか。目先の選挙のためにお金をばらまいても貯蓄に消えます。税金は日本にとってより重要な資源開発[^2]に使うべきです。
2025年6月20日金曜日
過疎化対策
人口が減る日本では各地で過疎化が進みます。過疎化に対する反応は主に二つで、他の自治体から人口を奪うか、あるいは観光客を増やすかです。前者はババ抜きであり、短期的な効果しかありません。後者は地元に仕事を増やすので、長期的な効果が見込めるものの簡単ではありません。いわゆる「地域おこし協力隊」は主に後者を目的として活動する傾向[^1]があり、観光資源となるものを探しています。そうした人たちが任期終了でいなくなるのは当然で、地元にそれだけの魅力や仕事がないという現実を表しています。過疎化の解決策は実は「地域おこし協力隊」ではなく、過疎地からの移住です。観光客もすべての過疎地には行く時間やお金はなく、しょせんババ抜きなので限界があります。場所が遠いとか交通の便が悪いなど、不便な場所に人を呼ぶにはそれなりの観光資源が必要で、アニメやドラマの聖地巡礼以外は難しいでしょう。人口集約ができない自治体は、時間が解決するのを待つしかありません。つまり過疎地に誰もいなければ、それはもう過疎地ではありません。
2025年6月19日木曜日
1442兆円
先日見た報道番組で、表では決して言わないが裏では「日本の借金はもう返せない」と言う日本の政治家がいるという話を聞きました。そうでしょうね。日本の国債残高はなんと1442兆円[^1]です。国民1人当たり1千万円を優に超えています。人口が減るのに国債を増やして何を考えているのか、愚か者が大多数の日本です。いわゆる「トラス・ショック」が日本で起きるとしたら、国債を増やして減税をする時です。それでは「株・国債・円」のトリプル安となり、大幅な円安と株価の下落により景気後退となります。政治家が経済成長という夢を掲げるのは、それなしでは選挙に負けるからです。具体的な処方箋がないまま「実質賃金1%増」という目標を出しても、「どうやって実現するの」という疑問ばかり浮かびます。日本はお金にならないムダな仕事が多く、それを止めれば人手不足と実質賃金マイナスを同時に解決できるはずで、雇用より賃金という頭の切り替えが必要です。でもそれには本格的なジョブ型雇用の導入が必要で、日本の今の法律では不可能です。
2025年06月28日追記
日本が財政破綻の前に円安による大幅インフレとなる点は同じ。それを避けるには増税と支出減しかないが、普通の国はぎりぎりまで決断できない。
2025年6月17日火曜日
ChatGPTの危険
この記事[^1]は、ChatGPTが持つ危険のひとつを伝えています。こうしたAIは「開発企業がユーザーの利用時間を最大化するよう最適化している結果、精神的に脆弱なユーザーをより長く惹きつけるために、妄想を助長するような会話を生成している」そうで、つまり精神に異常がある人が使うと、より症状が悪化するという事です。倫理を知らないAIがこうした動きをするのは当然で、悩みをChatGPTに相談するのは危険です。時には自殺すら勧める事もあり、悪魔的な知性もシミュレーションできてしまいます。
2025年08月12日追記
ChatGPTに悩みを相談する人がこれほど多いとはビックリ、安価なセラピストだそうです。
2025年6月16日月曜日
超加工食品
この記事[^1]には肝心な事が抜けています。それは「超加工食品」はどれ位食べると食べ過ぎなのかという具体的な数値です。玉子は1日1個までという数値を出しているのに、超加工食品については「食べ過ぎはだめ」と言っているだけです。どれくらい食べると食べ過ぎなのかを言わないのは問題です。カロリーの取り過ぎが中性脂肪を増やすので、許容カロリーの範囲内なら良いという事でしょうか。何であれ「食べ過ぎはだめ」というのは当然なので、プロならもっと意味のある記事を書きましょう。
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