2015年11月14日土曜日

外枠文化

島国が生んだ日本文化のひとつが外枠文化です。これはまず外枠、つまり外形的条件を決めると中をどう埋めるかに集中でき、最後には究極の箱物を作るという日本人の性質を表します。例を挙げると盆栽、軽自動車、携帯電話、弁当、100円ショップなどです。盆栽は器の大きさに上限があります。軽自動車には車体とエンジンに大きさの制限があり、携帯電話には携帯する上での制限があります。弁当もほとんどが四角形の入れ物で、持ち運びできる大きさです。100円ショップの制限は値段にあり、商品は100円でなければなりません。こうした制限があると中をどう埋めるかに夢中になるのが日本人です。ところがこうした制限がなく自由に発想していいとなると、おおかたの日本人は困ってしまいます。努力を集中させるポイントが分からないので、どこから始めて良いのかも分かりません。日本には外形的条件のかわりになる宗教や哲学がなく、外枠文化を超えることができません。「周りに合わせて生きる」という日本人の常識そのものが外枠文化と言えるでしょう。良くも悪くも外枠文化は日本にどっしりと根を張っています。

2015年11月1日日曜日

正社員の限界

日本独自の働き方である「正社員」の賞味期限が切れようとしています。戦時体制を源とする正社員制度は、労働者から職業選択の自由を奪い、過度な長時間労働という形で少子化を加速しました。一方、非正規労働者が全体の4割という現状では、結婚に必要な賃金が得られず結婚できない若者が増えています。個々の企業が非正規労働者を使ってコスト削減に励むと、国民の収入が減って国全体の活力が落ちるという「部分最適・全体不適」が起きています。これは日本の法律が悪いのであって、法律を変えて「部分不適・全体最適」を実現しなければなりません。そのためには「就職時の年齢差別と年功序列制度の禁止」および「正社員制度と1年を超える非正規労働の禁止」のふたつが必要です。またこれに付随して「人材の流動化」を加速するために「手切れ金による解雇」を「正社員制度の禁止」と引き替えに認めます。「正社員制度の禁止」とはどういうことかと言うと、すべての社員は仕事や場所が限定された「限定社員」となり、会社の命令なら何でもやるという「正社員」は禁止するという事です。そのかわり会社はいつでも従業員を手切れ金で解雇できるし、従業員はいつでも会社を無条件で辞められます。こうすることで従業員を大切にしない会社は人材を引き留めておく事ができなくなり、ブラック企業は淘汰されます。この根底にあるのは、「人に仕事を付ける」のではなく「仕事に人を付ける」ほうが労働者にとって有利だという考え方で、これは日本以外のほとんどすべての国で行われている働き方です。国民は教育を通じてプロの職業人になり、自分のキャリアは自分で作るという責任を持ちます。会社に人生を預けるのではなく、国が教育や制度を通じて国民の生活を手助けするという当たり前の社会を目指します。人材の流動化は新しい産業を育てるために必要で、これができなければ日本は今の生活水準を維持できません。労働人口の減少を移民で解決しようとすると、治安の低下や社会コストの上昇という問題を起こします。それに労働条件の悪い日本には、海外から一流の人材は入ってきません。今ここで法律を変えて少子化を止めないと、十年以内に巨額の財政赤字が日本経済を潰します。

2015年10月29日木曜日

人生は実験の繰り返し

学生にとって世の中はすべて決まっていて、教科書に書いてない物は存在しないと考えられます。ところが社会人になって3年もすると、この見方の間違いに気付きます。世の中にある物はすべて変える事が可能で、教科書に書いてある物事は世の中のごく一部でしかなく、しかも間違っているものも多いという事実が見えてきます。人生とは実験の繰り返しです。あれをやってみる、これをやってみる、だめならやり方を変えてみる、目標を変えてみる、これはすべて実験です。学生なら勉強しながら色々な事をやってみて、どれが自分に合うか試すことができます。世の中は変えられる、そして世の中をより良いものの変えるのが人の仕事だと教えるのがアメリカです。アメリカの社会そのものがこうした実験の場となっていて、とりあえず何かやってみてダメなら変えれば良いというのが基本の考え方です。

2015年10月22日木曜日

人口減少の壁

アベノミクスが円安をもたらし、輸入物価の上昇と引き替えに輸出企業の利益と株価を押し上げた事は確かです。でも人口が減る国では時間とともに需要が減るので、そのままでは国内の売り上げは増えません。人口減少を放置したままインフレを起こそうとしても、人々はそんなに簡単には騙されません。国債残高は際限なく増えるし、税金も間違いなく増えます。この状況で「この先景気が良くなると思って支出を増やす」人が日本のどこにいますか。肝心の実質賃金が上がらないと支出は増えません。むしろ以前の円高のまま海外企業の買収が進めば良かったのに、その道も閉ざされました。拡大する市場は日本の外にあるので、国内市場に頼っていてはじり貧です。この状況で日本の若者に残された防衛策は、自分を教育して高い収入を得る仕事に就く事です。この先コンピュータが中間層の仕事を奪うので、中途半端な教育レベルだと失職します。天然資源の少ない日本では、勤勉な労働人口こそが本当の資源なのです。

2015年10月2日金曜日

人工知能の限界

筆者もかつて大学では人工知能を卒論のテーマにしたし、仕事では機械学習を使った評価システムの性能テストをしたことがあります。機械学習は昔はニューラル・ネットと言ってました。比較的少ない入力から人間にとって役立つ出力を得る関数を、大量の学習によって生成するのが目的です。今はコンピュータの性能が上がってメモリーも大量に使えるので、学習に使う大量のデータさえ手に入ればかなり役立つ機械学習が可能です。例えばクレジットカードの不正利用を見抜くとか、売れ筋商品の適正在庫を求めるといった「達人の勘」レベルまで来ています。でもこれは使う状況を限定しているから可能なのであって、人間の判断が要らないという意味ではありません。そもそも何が人間の役に立つかどうかは人間が判断しなければなりません。機械学習は今やシリコン・バレーでも一大ブームになっていて、そのエンジニアはどの会社にも引っ張りだこです。でもそんな人工知能にもそれなりの限界はあります。それは状況を限定しないと使えないという問題です。刻々と変わる状況に応じて的確な判断を下す事は今の人工知能にはできません。

2015年9月19日土曜日

福島第一原発の汚染雨水

福島第一原発の汚染雨水は、港の外に流れても中に流れてもその先は結局同じ海です。「放射性物質の流出を防ぐ水中カーテンで港湾外と仕切られた港湾内に流す」というのは誤りで、「放射性物質の流出を防ぐ水中カーテン」など存在しません。潮の満ち引きに応じて港の海水は外と出入りしているので、水中カーテンでは放射性物質の流出は防げません。必要なのは汚染した雨水をタンクに集めて浄化してから海に流す事であって、浄化せずに海に流すことではありません。ちなみにスリーマイル島原発の事故では、汚染水を浄化したあと蒸発させて大気中に散らしました。汚染水中のトリチウムは浄化できないので、苦肉の策でした。

2015年9月8日火曜日

自己中の日本

「自分さえ良ければいい」というのは人間の本心です。でもこれだけだと人類は滅亡します。人間は社会的な動物で、他の人に頼らないと生きていけません。だから自己中の人は嫌われます。ところが今の日本では国民全員が自己中になっています。後の世代に国債という巨額の借金を先送りして、自分だけ楽しく生きられればいいという考え方です。難民問題も同じです。高度な仕事に就く移民なら受け入れるけど、難民は拒否するというのが日本の方針です。例えば2014年度に日本が難民として認定した人数は、申請した5000人中わずか11人です。そのうえ日本では二重国籍が許されないので、もともと移民の数も限られています。日本人だけ楽しく生きられればいいという考え方をするなら鎖国が必要で、外国と貿易を通じて発展してきた日本には、もはや鎖国という選択肢はありません。つまり日本人だけ楽しく生きられればいいという考え方は、今の国際社会において通用しません。アフリカや中東から大量の難民が欧州に押し寄せている現在、日本はそうした難民を何人受け入れるのかと問われています。こうした難民を受け入れるにはお金がかかるし、治安が悪化する心配もあります。この問題に万人が納得する正解はありません。

2015年9月1日火曜日

どうにかしろ

日本で働いていた時の経験です。無能な上司ほど「どうにかしろ」と言う傾向があります。具体的な指示ができないために、「どうにかしろ」という人がいました。この「どうにかしろ」は上司が言ってはいけない言葉のひとつです。これには隠れた枕詞があって、「(方法は何でもいいから)どうにかしろ」と言う上司がいます。こう言われた部下はどうしますか。会社なら法律違反を承知で決算の数字をごまかすのがオチです。「どうしたらいいと思うの」と尋ねる上司はさらに狡猾です。自分にアイデアがないことを隠したまま、「部下に考えさせる」という建前を使います。こういう人は正直に「自分もどうしたらいいか分からないから、一緒に考えよう」とは言いません。部下としてはアイデアがないから上司に「どうしたらいいでしょうか」と尋ねているのに、「どうしたらいいと思うの」と質問で返されると返事に困ります。心の中では(それが分かったら尋ねていないって)と思っていても、それを口にだすと上司が怒るので黙るしか手がありません。責任回避のために曖昧な指示を出す上司と、部下の質問に同じ質問で答える上司、どちらも無能な人の特徴です。シリコン・バレーでこれをやったら部下はすぐ他の会社に逃げます。

2015年8月22日土曜日

たったの2000億円

2020年の東京オリンピックに向けて建設中の新東京国立競技場は、その建設費が当初の見積もりより2000億円高くなるのが問題で計画が白紙に戻されました。日本では年金に税金を年間10兆円も投入しているので、その1%を二年間だけ年金受給者に我慢してもらえば2000億円になります。国民年金の受給額の約半分が税金から出ているので、国民年金の受給額でいえば年間0・5%にあたります。せっかく画期的なデザインを選んだのに、たったの2000億円をケチるために情けないデザインの競技場になるとしたら残念です。言いかえると、年金に流用している年間10兆円の税金はそれほど大きな金額だということです。

2015年8月15日土曜日

プレミアム商品券の愚

去年11月の「アベノミクス失敗」ブログで商品券の形で税金を浪費するのは止めて欲しいと書きました。でも日本の各自治体ではプレミアム商品券が大流行のようで、これほどアイデアのない人たちに今の地方政治を任しているとは情けない限りです。税金でプレミアムを付けた商品券を出しても何も変わりません。その税金は貯金に回るだけで、消費の先取りが終わると元の木阿弥です。小渕恵三首相もむかし税金で一人2万円の商品券を出しました。その結果この政策には意味が無いと数字で証明されたのに、懲りずにまたやるのは愚かとしか言いようがありません。自分が払う税金じゃないから気にしないのでしょうか。まとめて給付型奨学金にした方が日本の将来には良かったのに本当に残念です。

2015年8月13日木曜日

IT後進国

これは日本の事です。例えば医者のカルテ。アメリカだとその地域を担当する医者のネットワークがあって、自分の過去の病歴がどの医者にいっても一目瞭然です。今どんな薬を処方されているかも分かるし、前回どの医者にかかって、どんな治療をしたかも医者のパソコンで分かります。日本の国民健康保険は赤字なのに、こうした合理化ができないのはなぜでしょうか。別の例で言えば、税金の申告、自動車免許の更新、株主としての不在者投票も簡単にウェブでできます。時間の節約にもなるし、電車賃もかかりません。ネットを使えば世の中の無駄を減らせるのに、なぜやらないのかいつも不思議です。選挙だってもうネットでできるのに、いつまでたってもやらないのは理解できません。来年からマイナンバー制度が始まるので、これを機会に海外からでもネットで投票できるようにしてほしいものです。

2015年8月1日土曜日

不毛な酒税

筆者はビール好きです。それもエール系の凝ったビールが好きです。アメリカだとビールは種類が多く、価格も安いので平均して小瓶を毎日一本飲んでいます。日本の酒税はビールにやたら高い税金をかけていて、なんと値段のほぼ半分が税金です。なんでも日露戦争の時に贅沢品であったビールに高い税金をかけたとか。わざわざ冷やして飲むなど、ビールはかつて富裕層向けの飲み物だったのですね。それから100年あまり経ってビールは庶民のささやかな楽しみとなりました。それでも酒税はこのところ毎年税収が下がっています。お酒を飲む人が減ったことと、税金の安い第3のビールが増えていることが原因です。ビールだけに偏った税金をかけるからこうしたひずみが起きます。一方でビール業界の海外進出は遅れており、酒税のかからないビールの輸出は伸びていません。本来お酒は嗜好品ですから税金をかけるのは分かります。そこでお酒の種類ではなく、アルコールの量に応じた税金をかけることを提案します。つまりアルコール分6%のビールには6%の酒税をかけ、アルコール分15%の清酒には15%の酒税をかけます。これは合理的な税金のかけ方です。こうすることで日本のビール業界は無駄に税金逃れのビールもどきを造らずに済み、そのかわり海外マーケットへの積極的な投資ができます。

2015年7月24日金曜日

新聞記事の違い

日本とアメリカの新聞記事には無視できない違いがあります。どちらも取材した内容を記事にするのは同じです。ところが日本だと誰かが発表したモノを右から左にそのまま報道します。そのモノに対する第三者の意見はあまり報道しません。たとえば政府が貿易赤字について数字を発表するとしましょう。日本の記事は政府の発表をそのまま載せます。ところがアメリカだとその発表について肯定的な意見と否定的な意見を直接利害関係のない専門家、たとえば大学教授とか民間のエコノミストに取材して、発表に追加して記事にします。かならず利害関係のない専門家ふたりから、肯定的な意見と否定的な意見を取材して追加するので、記事自体は中立という建前です。でもそうした意見のおかげで読者は発表の裏にあるものを知ることができます。政府の発表を右から左に流すだけならビデオで撮ってYouTubeに載せれば十分です。このインターネットの時代にわざわざお金を払って記事を読むのは、その記事に何らかの付加価値があるからです。もとの情報に肯定的意見と否定的意見を取材して加えると、情報を頂点とする三角形の記事ができます。肯定的意見と否定的意見を付加することで、発表というひとつの点情報に広さが加わります。これは記事の表面的な中立性を重視するか、それとも記事を通じて読者へ届ける判断材料を重視するかの違いです。もともと報道する記事を取捨選択する時点でどのみち中立性は失われるので、新聞記事に完全な中立性はありません。

2015年7月12日日曜日

公園と公立学校

カリフォルニア州だと公園と公立学校が隣接している事が多く、その理由は公立学校が公園を学校のグラウンドとして使うからです。法律により公立学校の塀にはカギをかけないので、学校と公園が一体化することで平日は学校の体育に公園を使い、休日は公園を地域の人の憩いの場とするという使い分けが出来ています。日本だと学校のグランドは休日に閉めていることが多いので、広い校庭を有効利用できていない状況があります。ただしアメリカは自己責任の国ですから、公園を使うのも自分の責任です。公園でケガをしても明らかに施設の不備でないかぎり行政の責任は問われません。また公立学校は教室にカギをかけるので、校庭はいわば公園の延長上にあります。トイレも公園にだれでも使えるものがあるので、学校のトイレは休日には閉まっています。こうした法律上の違いがあるので、日本で校庭を休日に公園として使うのはかなり難しいでしょう。ただ都会の子供は運動不足のため運動能力が毎年下がっています。マンションに住んだら簡単に外に遊びに行く事もかないません。都会の子供の運動能力を上げるには、公立学校の校庭を使って週末に親が子供とスポーツをすると良いと思います。

2015年6月30日火曜日

日本の実質賃金は25か月連続減

5月の政府統計が出ました。確定値で実質賃金は25か月連続減[^1]というのは予想通りです。4月の速報値では0・1%の増加だったのに確定値で0・1%の減少となった理由は、速報値が主に正社員の給与データを使っているのに対して、確定値には非正規社員の給与データを含むからです。つまり正社員と非正規との給与格差は一段と進み、全体としては実質賃金の減少となっています。ほとんどの会社で賃上げした後の数値なので、実質給与が減っている現状では物価が上がる可能性は一段と下がりました。日銀がさらに追加緩和をしてもこの構図は変わらないでしょう。日本は韓国や中国、台湾、ベトナム、マレーシア、インドなどとの経済競争に巻き込まれており、賃金の2極分化はますます進みます。他の国で出来る仕事は日本でやる必要はないので、日本はより高い賃金が得られる仕事をする人間を増やさなければなりません。つまりもっと頭を使う仕事を増やすというのが正しい方向です。非正規社員を増やしても国の平均値は下がる一方です。このままでは人口が減る日本に明るい未来はありません。老人の年金は減額して若者に税金を使い、国民の教育に投資するべき時です。

^1: http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PA04P20150630

2015年6月27日土曜日

革新を阻むもの

シリコン・バレーの会社を訪問して、その会社の従業員のくだけた服装やら奇抜な事務所のデザインに感心して、「なるほど仕事でスーツをやめて事務所を変えれば革新が生まれるのか」と誤解する人がたくさんいます。確かにシリコン・バレーには技術系の会社が多く、そうした会社では優秀な若者に働いてもらうため奇抜な事務所のデザインを採用しています。服装だってもともと技術系だから顧客に会うことも少ないので、普段着で十分です。でも肝心な点は若者が革新を生むという事です。失敗しても失う物が何もないからこそ、革新ができます。シリコン・バレーのHP社に15年勤めていた筆者は、たくさんの革新的なアイデアが保守的な中間管理職によって葬り去られるのを見てきました。失敗したら失う物がたくさんある中年の大人にとって、若者が生み出す革新的なアイデアは厄介ものでしかありません。だから革新を生み出すには金持ちが若者に投資しなければなりません。これはハイリスク・ハイリターンの投資なので、お金に余裕がある金持ちにしかできません。日本にはそうしたお金持ちがいないので、若者が持つ革新的なアイデアを実現できません。シリコン・バレーに来たら、服装やら事務所のデザインといったすぐ目に付く部分だけでなく、日米の労働形態の違いや「本当のお金持ち」の桁違いに大きい家なども見て欲しいと思います。日本でマネできる部分とできない部分がある事に気がつかないと、本質を見誤ることになります。日本の革新を阻むもの、それは日本の会社にいる中間管理職です。

2015年6月18日木曜日

首都圏も人口減少

2015年をピークに首都圏でも人口が減る[^1]そうです。首都圏というと山梨県を含む関東の1都7県を指すので、東京都の人口が増えて他の県の人口が減れば当然そうなります。日本全体の流れとしては今後いっそう人口減少に進むので、それにつれて消費市場も減少します。そこで海外からの観光客を増やして国内で爆買いしてもらえば、市場の減少を補ってもらうことは可能です。でも観光客が訪れる場所には偏りがあり、日本全国まんべんなく旅行してもらえるわけではありません。それに観光には市場の減少を上回って消費を拡大する力はありません。市場の減少はデフレをもたらすので、首都圏でもインフレがデフレに変わる可能性があります。日銀の量的緩和が日本政府の最後の悪あがきだったと歴史に記される日も遠くはありません。日本に本当に必要なのは人口を増やす政策です。この当たり前の結論から目を背け続ける限り日本は衰退します。それに移民では解決策になりません。老人に税金を使うのではなく、若者に税金を使わないと人口は増えません。年間10兆円もの税金を年金に流用するのは言語道断です。

^1: http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB15HL2_W5A610C1MM0000/

2015年6月4日木曜日

コミュニティ・カレッジ

日本の短大に相当するのがアメリカのコミュニティ・カレッジです。でも日本と違うのは、コミュニティ・カレッジが学費の安い公立学校だという事と、職業訓練に重心を置いているという事です。歯科衛生士になるコースやエステティシャンになるコースなどもあります。普通に教養科目を2年間取ったトップの学生が、そのまま州立大学の3年生に入れる制度もあります。コミュニティ・カレッジと一般の大学との間には明らかに棲み分けがあり、相互補完的な関係になっています。高校を出て遠くの職業専門学校に行くかわりに、近くのコミュニティ・カレッジに進む人も少なくありません。それに大きな都市だと複数のコミュニティ・カレッジがあります。失職した大人がコミュニティ・カレッジで別の仕事を学ぶのもよくあるケースです。こうした税金の使い方ならダメな企業に出す補助金よりもお金が生きます。

2015年5月23日土曜日

GDP

日銀による円の増刷と国債の大量買い取りはセオリー通りに円安を生みました。その結果輸入物価が上がり消費を抑えています。円安は輸出企業に自動的に増収をもたらしたので、国民全員からお金を集めて輸出企業に配ったのと同じ効果があります。ところが幸い原油の値段が下がったので、電気代は為替レートほどには上がっていません。今の日本は貿易赤字なので、円安は日本全体で見れば損となります。賃金の上昇が物価の上昇を上回らないと消費は増えません。消費が増えないと税収も増えないので、大量に買い取った国債が次の世代に大きな借金として残ります。正社員の賃金が上がるだけでなく、派遣社員や非正規雇用の賃金も上がらないとGDPは増えません。名目賃金だけでなく、それと物価との差である実質賃金がどれだけ増えるかが今後の課題です。年間80兆円ものお札を刷って市場に供給したのに、そのお金が土地や株式への投資に回るだけでは賃金は増えません。

2015年5月16日土曜日

ISEF

今年のISEFの勝者[^1]が決まりました。プロセッサで有名なインテル社がスポンサーとなって毎年アメリカで行われるこのコンテストには「インテル国際学生科学技術フェア」という翻訳が当てられています。ところがこれは誤訳です。もとは「Intel International Science and Engineering Fair」なので、「インテル国際科学工学フェア」が正解です。日本の学校にはサイエンス・フェアという行事がないので「学生」を付けて対象を明示するのは良いとしても、エンジニアリングを技術と訳してはいけません。技術はTechnologyです。日本語の科学技術はSciense and Technologyです。エンジニアリングとテクノロジーを両方とも技術と訳すのは大間違いです。では工学と技術の違いは何でしょう。ざっくり言うと技術とは物作りなどの方法です。高度な技術が必要な物作りをする産業をハイテク産業と言います。インテル社はその筆頭です。そうした技術はおおむね特許に守られるか企業秘密として会社にとどまります。ところが工学は技術だけでなくもっと他の物を含みます。物作りだけでなく、すでに作ったものをどう利用し維持するかまで含みます。工学は大学で学ぶことができ、その知識は教科書を通じて公開されています。つまり枝葉の話が技術でその上位にあるのが工学です。エンジニアリングとテクノロジーを区別しないと、なぜ大学にあるのが工学部なのか分かりません。技術を教えるのは職業学校の仕事です。

^1: http://www.asahi.com/articles/ASH5J5JT9H5JULBJ00B.html

2015年5月13日水曜日

イルカ問題の解決策

日本のイルカ漁は欧米の人々には理解不能です。前に書いたようにイルカは海外の人々にとって犬や猫と同じ存在です。日本で犬を捕まえて食べる人がいないように、ごく一部の国を除くと欧米にはイルカを捕まえて食べる人はいません。イルカは鯨と同じほ乳類で賢く、芸ができるので水族館の人気者になっています。マサの考える解決策は、イルカ漁のかわりにイルカを中心にした観光で食べていくことです。もちろんこれは部外者の無責任な発言です。でもイルカ漁を理屈で正当化しても、欧米人が抱く感情的な問題の答えにはなりません。イルカと共存する道を選ぶ方が日本にとって国際的に有利だとマサは思います。イルカと遊べる観光地にすれば海外からも観光客が来ます。これは観光という大事な産業にプラスになる解決策ではないでしょうか。

2015年5月3日日曜日

休暇の取り方

拙著「成果主義の前提」で紹介したように、日本では「人に仕事をつける」のが普通です。このため「手の空いている人は他の人の仕事を手伝う」必要があり、自分の仕事の範囲が決まっていません。仕事の能率が良くて時間がある人は大手を振って有給休暇を取れるはずなのに、日本ではそうなっていません。このため5月の連休や週末などに旅行が集中して、観光地の年間稼働率を下げています。週の半ばの水曜日に観光地に行くと、お店が休みになっている事もよくあります。他の人に気兼ねして休暇が取れないのは、自分が休むあいだ他の誰かが自分の仕事を代行するからです。ではアメリカのように「仕事に人をつける」方式の場合、自分が休むあいだ自分の仕事はどうなるでしょうか。急ぎの仕事でなければ、そのまま放っておきます。普通は休暇に入る前に上司と仕事のスケジュールを調整するので、休暇に入る前に必要な仕事は全部済ませておきます。自分の仕事の範囲が決まっているので、他の人に気兼ねなく休むことができます。このため連休や週末に集中することなく、自分の仕事のスケジュールに応じて好きな時に休暇を取ります。「仕事に人をつける」方式だとそれぞれがバラバラに休暇を取るため、三週間程度のまとまった休暇を取る人も珍しくありません。すると観光地の年間稼働率が上がり逆に混雑は減るので、観光地と旅行者の両方に良い結果になります。では放っておけない仕事の場合はどうでしょうか。この場合はスケジュール調整の段階で上司が指定した特定の人とペアを組みます。この人と仕事を共有することで、休暇中はこの人に仕事を代行してもらいます。ただし、マネジャーの場合はその上司が申請の承認等の仕事を代行します。自分の仕事がちゃんとできている限り、休暇を取るのは権利であると同時に義務でもあります。時々休みを取ってリフレッシュして仕事に励んでくれというのが有給休暇の意味です。休暇のあと仕事への意欲が増したという経験はありませんか。忙しすぎて休暇を取れない仕事をしている人は上司に解決を求めます。もし解決出来なければ、その仕事をやめて他のもっと良い待遇の仕事をするだけです。「仕事に人をつける」社会では自己責任で働く場所を決めるので、過労死は起きません。

2015年4月28日火曜日

原発のコスト=数字のトリック

原子力発電は2030年時点で1キロワットアワー当たり10.1円以上という報道がありました[^1]。その前提は実にお粗末なものです。福島原発事故の結果、日本の原発が過酷事故を起こす確率は40年に一度です。その結果かかる事故処理費用もまだ確定していません。でもその費用を適当に見積もり、コストに含めたのが4年前の8.9円以上でした。今回の試算では、安全対策を強化したので事故確率は半分の80年に一度になるという仮定をしたそうです。そのため安全対策の費用と事故費用がコストを1.2円押し上げるという理屈です。まず事故確率が80年に一度という前提を受け入れるかどうかという国民的議論はないし、事故確率が半分になるという仮定も根拠があやふやです。こうしたいい加減な前提を明らかにせずに結果だけ10.1円(しかもこれは下限)という数字を流すのは報道機関として取材が不十分です。政府の出す報道資料を右から左に流すだけならインターネットで十分であり、お金を取る報道機関は要りません。アメリカやイギリスが計算すると原発のコストは16円と高くなります。どうしてこんな違いがあるのでしょう。日本は使用済み核燃料を再利用するという建前のため、これを処理する費用をわざと少なく見積もっています。ところがアメリカやイギリスは再処理せず廃棄するので、廃棄費用をコストに含めています。一方日本での使用済み核燃料の再処理は「もんじゅ」の事故をみれば分かるように失敗続きでコストの算定すらできません。政府が出す数字を見たら、その裏にある前提まで取材して報道するのがプロの仕事です。この下限の数字で原発が一番安価だというのは大間違いです。

^1: http://mainichi.jp/select/news/20150428k0000m020086000c.html

2015年4月26日日曜日

街の区分け

アメリカは新しい街が多いので、最初から東西南北の道を作り、場所を用途に応じて区分けした所が多くなっています。どう区分けするかというと、まず中心にはお店の多い商業地域、その外側にアパートや集合住宅が建ち並ぶ場所、その外が一軒家を建てる住宅地域、最後には農地か未使用の荒野が広がるという具合です。日本とちがうのは、集合住宅と一軒家が建つ場所をきっちり分けている事でしょう。一軒家の持ち主は自分の家が投資物件だと思っているので、その市場価値に敏感です。集合住宅にはまだ一軒家を買えない人が住むので、集合住宅と一軒家を建てる場所を分けることで家の市場価値を維持します。集合住宅には独身や若夫婦が多く、年配や子供がいる家庭が多い一軒家と場所を分けることで誘拐などの犯罪を防ぐという意味もあります。日本のようにアパートと一軒家が混在していると、ゴミの捨て方など住民同士の問題が起きがちです。土地が狭い日本だと、集合住宅と一軒家が建つ場所を分けられなかったのでしょうね。

2015年4月11日土曜日

英語のメニュー

先週ギリシャとトルコに家族で行ってきました。今回の旅行で気付いたのは旅行者に対するお店の姿勢です。国際的なアテネやイスタンブールのような都市だと、お店には地元の人だけでなく国外からの旅行客もやってきます。そのため気が利くレストランは必ず英語のメニューを用意しています。左側が現地の言葉で右側が英語というメニューもよく見かけました。英語のメニューを別に用意してあるレストランもあります。メニューに写真があればなお良いでしょうけど、食べ物の場合は材料を知りたいので、やはり文字で書かれたメニューに食材が書いてあると安心できます。英語のメニューがあれば店員の英語は片言でも十分です。日本も旅行客が来そうなレストランでは英語のメニューを用意するのが親切でしょう。

2015年3月17日火曜日

高3の英語力

3月17日の各紙は国公立の高校3年生を対象に文部科学省が昨年行った英語テストの結果を発表しました。当然のことながら結果は惨憺たるものです。読売新聞^1の表現によれば「政府は、高卒レベルの英語力の目標を実用英語技能検定(英検)の『準2級~2級程度以上』としているが、最も成績が良かった『読む』でも約73%が英検3級以下の中学レベルにとどまった。『書く』『話す』も約87%が中学レベルだった。」となっています。高校3年が中学レベルとは情けない限りです。でも英語を学ぶ理由が大学受験しかなく、その大学も定員割れしているため、受験で英語の成績が悪くてもどこかの大学には必ず入れるのが現実です。これでは普段英語を使う必要がない日本で、高校生が英語力を付ける理由はありません。英語を学ぶ目的が大学受験しかないと当然こうした事が起きます。日本から外国の大学に留学する学生が少ないのも、さもありなんという状況です。英語を受験科目ではなく仕事の道具として教える教育改革が日本には必要です。ほとんどの人は社会に出てから英語の必要性を感じて自費で学び直すため、時間と費用の無駄が生じています。英語が使えればより多くの給料が得られる仕事に就けるので、英語教育の不備は日本で収入格差が拡大する理由のひとつにもなっています。

^1: http://www.yomiuri.co.jp/national/20150317-OYT1T50098.html

2015年3月7日土曜日

通訳案内士

通訳案内士は日本独自の国家資格です。日本に来た観光客を有料で観光地などに案内する旅行ガイドに必要で、1949年にできた通訳案内士法という法律が定めている資格です。この法律ができた時には太平洋戦争が終わってからたった4年しか経っておらず、日本国内には英語の看板もなければ英語を話せる人もわずかでした。それから66年が経ち世の中は大きく変わりました。日本の経済がこれほど海外からの観光客に依存するようになったのにも関わらず、この古色蒼然とした法律はそのままです。日本全国には1万7000人ほどの有資格者しかいません。年間訪日客数が一千万人を超える時代に、わずか千人にひとりの割合です。悪質な旅行ガイドを排除する目的で作られたこの法律は、もう現状に合わなくなりました。今はインターネットで旅行ガイドを選ぶ時代なので、悪質なガイドは自然と評価が低くなり淘汰されます。逆に無料でガイドして知り合いの店に観光客を案内して買い物をさせ、その店から手数料をもらっても法律違反にはなりません。規制撤廃のひとつとして、訪日客数を一桁増やすために通訳案内士法は廃止すべきです。訪日観光客にとっては、お店の店員、駅の駅員、宿の従業員、観光地のスタッフなど、今や日本国民全員が「民間の外交官」なのです。

2015年3月1日日曜日

ブログ本その3

「アメリカから日本が見える」シリーズの第3弾を出しました。このシリーズの最終巻です。

http://www.amazon.co.jp/dp/B00U4GQZS6

2015年2月22日日曜日

話題の不等式

ピケティ氏の「21世紀の資本」で話題になった「r>g」という不等式のお話です。資本収益率を示すrと経済成長率gとの間には、歴史的にみて前者が常に後者を上回るという観測データがあるというのは、データの取り方が妥当な限り誰にも反論できない事実です。経済学は歴史学なので過去のデータからモデルを作って未来を予測します。なぜこの不等式が成り立つのかという証明がないという指摘は意味がありません。なぜならこれは数学ではなくて歴史学だからです。でもこの不等式を背理法で説明することはできます。もし「r<g」なら資本を投資するよりも働いて所得を増やした方が割りが良いので、だれも投資をしなくなります。すると既存の産業は生産性を上げることができず、まったく新しい産業も生まれません。つまり資本主義社会が発達して拡大するには資本を投資する必要があり、「r>g」でなければ資本主義社会は衰退します。現実に資本主義社会はまだ拡大しているので、今のところ「r>g」は当分続くでしょう。「ナニワ金融道」というマンガにもあるように「資本主義では資本家になるのが勝ち」なのです。

2015年2月15日日曜日

敷地最低面積

シリコン・バレーの各都市には家の敷地に最低面積が決まっています。これは限られた土地に小さな家をたくさん建てる事を防ぎ、人口過密を避けて町の住み心地を良くするためです。その大きさはだいたい6000平方フィートで、ほぼ550平方メートルぐらいです。つまり22メートルかける25メートルぐらいの敷地が最低の大きさで、これより小さい土地には家を建てられません。これぐらい土地面積があれば平屋でも4LDKが可能で、それ以上の部屋数を望むなら2階建てにします。ただし、これだけ土地が大きいとそれなりに値段も張るので、若者はまず集合住宅の分譲を買います。英語でいうコンドミニアム、日本語だとマンションです。集合住宅なら一軒家の3分の1から2分の1ぐらいで同じ部屋数の物件を購入できます。ではこれを日本と比較してみましょう。日本には建ぺい率と容積率という縛りがあります。ところが土地の最低面積が小さすぎるか又はそのような規制が無いので、狭い土地にぎっしり家が建っています。日本でも戸建ての土地は最低200平方メートルにするなどの規制があれば、もっと住み心地のよい町が作れたのに残念です。新築一戸建てと新築マンションの価格帯が同じでは、明らかに戸建ての土地が狭すぎます。そのうえ英語でいうタウンハウス、日本語だとメゾネットタイプの家も日本では人気がありません。日本の住宅地の土地の使い方には、まだまだ改善の余地があるように思います。

2015年2月1日日曜日

新年会

アメリカの会社の新年会はカップルでの参加が普通です。恋人がいれば恋人と、配偶者がいれば配偶者と参加します。もちろん子供連れにはベビーシッターが必要なので、参加しない家族もたくさんいます。参加するしないは完全に個人の自由です。会社の近くのホテルの宴会場を使ったり、レストランや博物館を使う事もあります。金曜日の夜6時くらいから9時くらいまでをあてて、その日は午後4時ぐらいに仕事を終わらせて一度家に戻り、普段着ているジーンズやポロシャツではなくネクタイに上着や、ドレスに着替えてパーティに参加します。新年会としてのパーティには食事とお酒、バンド演奏とビンゴなどのゲームが含まれます。アメリカらしいのはダンスをする場所がある事で、談笑するだけでなくバンドに合わせてダンスする人もいます。バンドも音楽好きの社員が演奏する場合もあり、社長は司会に徹するなどサービス精神を発揮します。従業員への感謝を込めて行われるので、アメリカの新年会では社長が席に座っている暇はありません。アメリカの食べ物にはあまり期待できないものの、英語で色々な人とおしゃべりするのが好きであれば楽しめる行事です。

2015年1月20日火曜日

モービル・ホーム

これはおそらくアメリカにしかない、土地を借りて家を建てずにそこに住む方法です。トレーラーのような大きな荷台を家にしたものをモービル・ホームといいます。普段はモービル・ホーム・パークという場所の土地を借りて、その上にこの家が載った荷台を置いて住んでいます。土地を持たないので安くその土地に住む事ができ、引退した人や所得の少ない人が住む家として人気があります。荷台なので車輪があり、場所を変える時はエンジン部分を持ってきて家ごと移動します。一台だと細長い家になってしまうので、余裕がある人は二台を横に並べて家の幅を倍にします。トイレや風呂も家に付いていて、借りた土地に引いてあるガス管や下水管とつなぎます。もちろん家に電気も電話も引くことができます。ただし昨年のナパの地震では、こうしたガス管が外れて火災を起こし、燃えてしまったモービル・ホームがありました。土地に固定されていないので、車輪の上の家は揺れが大きくなるという欠点もあります。道路の幅が広いアメリカならではの家の形です。

2014年12月27日土曜日

一流のエンジニア

シリコン・バレーには一流・二流・三流の三種類のソフトウェア・エンジニアがいます。一流のエンジニアは全体の一割くらいを占め、プログラムを書くのが何よりも好きで、会社の仕事だけでは飽き足らず、夜や週末はオープン・ソフトウェアのボランティアとして活躍します。彼らの書くプログラムは効率が良く、誤りが少ないうえ、変更も容易です。さらに二流のエンジニアの十倍の生産性があります。このため二流のエンジニアの倍の給料でもおつりが来ます。博士号を持っている人も多く、会社の中で一目置かれる存在です。これに対して二流のエンジニアは全体の六割ぐらいで、計画に沿って着実に仕事をこなし、必ず会社の中核をなす部隊の中心にいます。彼らは会社の仕事だけで満足しているので、プライベートの時間を使ってまでプログラムを書く人はまれです。さらに三流のエンジニアともなるとコンピュータ科学以外の学部を出た人も多く、例えば生物学や数学を学んだけどプログラムを書く方がお金になるので、独学でソフトウェア・エンジニアになった人がいます。プログラミングの経験が足りないので、効率が悪くて変更が困難なソフトを書く場合もあり、セキュリティの問題もよく起こします。三流のエンジニアはトレーニングや経験を通じて二流のエンジニアに進化することができ、割合でいうと全体の三割ぐらいを占めます。本当はこの他に超一流のエンジニアがいて、一人で世の中を変えるソフトを作っています。例えば Linuxカーネルを作ったリーナス・トーバルズとか、Javaを作ったビル・ジョイとか、Mosaicブラウザを作ったマーク・アンドリーセンなどが好例です。こうした超一流のエンジニアは世界でもせいぜい十人ぐらいなので、割合から言えばとても貴重な存在です。このためIT業界を支えているのは二流のエンジニアが中心となり、筆者もその一人として働いています。二流のエンジニアと一流のエンジニアの違いは主にプログラミングにかける情熱の差で、一流のエンジニアは変わり者が多いので良い意味で「ハッカー」とも呼ばれます。世の中を変える新しいソフトを作るのは一流のエンジニアが大好きな仕事です。そのためには毎日12時間働いても彼らは文句を言いません。

2014年12月18日木曜日

薬の処方箋

アメリカでも医者は薬の処方箋を書き、患者は自分で好きな薬局からその処方箋で薬を買う事ができます。薬のコスト削減のため、もしジェネリックがあれば医者は自動的にジェネリックを選びます。保険によっては患者がジェネリックを使うかどうか選べるものもあり、もしジェネリックを使わないと患者の自己負担額がその分だけ増えます。医者の手書きの処方箋は最近はほとんど姿を消して、パソコンで打ち出した紙にサインしたものか、あるいは患者の指定する薬局に電子的に送られるものが主流になっています。血圧の薬などは一度に三ヵ月分買えるので、インターネットや通信販売で注文できます。処方箋をFAXで送るか郵送すれば、近くの薬局から買う場合と比較して半額ぐらいの自己負担額で薬を買うことができます。処方箋には何回分使えるかが明記してあるので、一回に三ヵ月分として四回使えるなら一年分です。アメリカはもともと通信販売が盛んなので、処方箋の薬でも当然のようにインターネットや通信販売で買う事ができます。まだ日本では処方箋の薬をインターネットや通信販売で買う事はできないそうなので、薬代を下げるにはこうした規制の撤廃が必要です。

2014年12月10日水曜日

高速道路無料化で地方創生

地方創生には主な高速道路を無料化するのが一番です。高速道路の建設費はガソリン税と重量税を増やして回収します。まず高速道路を無料化すると、目的地だけでなく途中での高速道路の乗り降りが盛んになり、途中の地方にもお金が落ちます。その上わざわざ道路料金を集めるお金も要りません。当然観光業にも好影響があります。地方に仕事を作るには移動にかかるコストを大幅に下げる必要があり、高速道路を無料化すれば電車や飛行機の料金も下がります。今はガソリン代よりも高速料金の方が高いので、せっかく車を持っていても使い道がありません。普通の国道は無料なのに高速道路だけ有料にするのは無意味です。高速道路の建設は国民全員の役に立つ投資なので、無料化して道路を積極的に使うのが国民のためになります。どのみち道路は使っても使わなくても時間とともに劣化するので、わざと有料にしてせっかく作った道路を使わないのは愚かです。首都高など無料化すると混雑して困る場合のみ、道路料金を課して利用者数を加減します。道路は生き物の血管と同じで、その流れを良くすれば国全体が元気になります。

2014年12月2日火曜日

規制緩和は自己責任

今の日本は1970年代のイギリスに似ています。当時のイギリスは手厚い福祉政策と多すぎる国有企業のせいで、英国病と呼ばれるほど経済が衰退していました。国有企業は経営努力を怠ったため赤字で、法人税が高かったので民間企業が外国に本社を移してしまい、イギリスの税収が減って国の借金である国債残高だけが増えていました。そこに登場したのがマーガレット・サッチャー首相で、彼女は1979年から福祉の大幅削減と国有企業の民営化、さらに税制改革、財政支出の削減、規制撤廃などを行い国際競争力のあるイギリスを取り戻そうとしました。それでも2001年にブレア内閣が英国病の克服を宣言するまで実に22年もかかっています。実際サッチャーが首相を務めていた間は、イギリスの失業率が上がるなど効果より副作用の方が問題でした。これを日本と比較すると、手厚い福祉政策と国債頼みの財政、電気やガス、銀行といった競争のない企業が多いなど類似点がたくさんあります。サッチャーが英国民に自覚させた大事な事は「タダのランチはない」という事実です。手厚い福祉政策を維持するには多くの税金が必要で、法人はそれを嫌って他の国に移りイギリスの税収を減らしました。福祉を大幅に削り、法人減税を断行し、規制撤廃を行うには「自己責任」が前提です。つまり何でも税金で面倒をみる「大きな政府」ではなく、軍隊や警察といった最小限の行政サービスのみ税金でまかなう「小さな政府」への変身です。同じく日本の規制緩和にも「自己責任」という覚悟が大切です。規制が減るという事は自由に経済活動ができると同時に、利用者が自分の責任でサービスを選ばなければいけないという事です。保育園なら認可という制度をやめて民間企業に自由にやらせるという事です。質を重視して保育士の多い高価な保育園を選ぶか、それとも値段を重視して安い保育園を選ぶかは利用者に決める責任があります。こうした「自己責任」を受け入れるなら日本でも規制撤廃は可能でしょう。でも「お上に頼る」伝統のある日本では「小さな政府」は実現できそうもありません。規制緩和が日本で進まない本当の理由は、国民が「自己責任」で生きる覚悟を持っていないからです。成長産業を国に決めてもらうという発想そのものが「自己責任」から外れています。税金を減らしたければ政府の仕事を減らさなければなりません。

2014年11月27日木曜日

需要と供給

賃金は需要と供給で決まります。物価も需要と供給で決まります。人口が減る国では人口と共に需要も減るので、賃金と物価が同時に下がります。これを見て賃金と物価に因果関係があると考えるのは大きな間違いで、両者には直接の関係はありません。もし賃金と物価の両方を上げたいのなら、まず需要を増やさなければなりません。それには人口を増やすか、海外からの観光客を増やす事が必要です。その一方で物価は円安にすれば上がりますし、消費税を増やしても税込みの物価は上がります。ところがそうした政策では需要はかえって減ってしまいます。本当は減税して需要を増やしたい所なのに、日本の財政赤字が巨額なせいで減税もできません。つまり財政的な手法では、袋小路にある日本の経済を救う事はできません。もちろん根本的な解決策は人口を増やす事です。ただしコストのかかる移民では解決になりません。移民には親や子供がいるので社会保障にお金がかかるうえ、日本語を教える教育費用もかかるからです。人口を増やすには何十年もかかるので、短期的には円安を利用して海外からの観光客を増やすのが今の正解です。英語や中国語の看板を増やしたり、外国語が使える宿やお店を増やすには5年もあれば十分です。

2014年11月21日金曜日

アベノミクス失敗

アベノミクスはお金を日本中にばらまいて円安を作り、インフレを創り出すのが目的です。輸入物価が上がり、輸出企業の株価も上がって、不動産の値段も上がりました。ところが賃金が物価の上昇に追いつかないため、景気は予想したほど上がりません。国民はバカではないので、消費税が3%上がるなら賃金はそれ以上に上がらないと実質賃下げという事は知っています。実際には平均で賃金は上がっていないので、国民は平均で3%消費を減らします。金融緩和と消費税値上げは車のアクセルとブレーキを同時に踏むようなものです。確かに物価が上がり、消費はそれとは逆に減っています。つまり日本はスタグフレーションの入り口にいます。このまま人為的なインフレが進み景気が後退すると税収はますます減ってしまいます。これは税収を増やしたい政治家と官僚には受け入れがたい予想です。ではなぜ賃金が上がらないのでしょう。一部の業種、建設業や飲食業では賃金は上がっています。賃金は物価ではなく需要と供給で決まるので、需要が増えないから賃金が上がらないというのが真相です。人口が減る国では需要も減るので、結果としてデフレになります。円安で海外からの観光客が増え、それにつれて需要が増えれば賃金も上がるでしょう。でも日本は中国や韓国と輸出競争をしています。そうした国の賃金は日本より低いので、なかなか輸出を通じて賃金を上げることは困難です。アメリカのように人口が増える国の施策をただ真似しても、人口の減る日本では同じ結果にはならないという当たり前の事が起きています。商品券を配るというようなノータリンの政策ではなく、海外からの観光客を倍にするような政策を望みます。

2015年5月19日追記
2014年度の実質賃金は3・0%減少した[^1]そうで、円安による物価高と消費税の増加が賃金の上昇を上回った事が公式に確認されました。前年度と比べると2015年度は消費税の影響がなくなるので、物価高はあっても実質賃金はプラスになると期待されています。問題はそれが貯金に回らずに消費に向かうかどうかです。幸い原油の値段は低いので物価上昇は抑えられています。国民が今後賃金が増えると思えば消費を増やすし、そう思わなければ人口減によって消費は減ります。この局面での物価上昇は単に消費を減らすでしょう。

^1: http://news.livedoor.com/article/detail/10128908/

2014年11月16日日曜日

観光の力

2013年の日本の訪日外国人観光客数が1000万人を超えました。平均で一人あたり10万円使うと仮定すると、総額は1兆円の消費となります。つまり海外からの観光客がドルを円に換えてホテル代、交通費、食事代、土産代などに一人で10万円を使えば、1兆円の輸出をしたのと同じ経済効果があります。これだから観光業はバカにできません。これからの日本を救うのは海外からの観光客です。製品輸出額が減少しても観光収入が増えれば心配ありません。それに観光客が行くのは東京や大阪だけではないので、日本の田舎にもチャンスがあります。たとえば台湾の観光客は北海道の雪景色を見に日本にやってきます。では海外からの観光客を増やすにはどうしたらいいでしょう。それにはまず第一に中国や台湾、韓国やインドネシアなど経済発展が進み、海外に行ける金持ちが増えている国を対象に日本を売り込む事。次は英語や中国語などによる案内を増やし、外国語で観光客に対応できる宿や店を増やす事。そして日本の魅力を増やすために国民の教育にもっと税金を使う事です。観光業では人が利益を生む原動力なので、自分の頭で判断できる人を育てる教育が必要です。

2014年11月1日土曜日

日本のWifiがひどい

これは2年前にも書いた話です。日本だとお店のWifiが自由に使えないので、外国から来た旅行者には不便きわまりないという問題です。普通の日本人は携帯電話のデータ通信が使えるので、これは問題になりません。ところが今どき駅やお店のWifiが自由に使えない先進国は日本ぐらいです。せっかくスマホを持っているのに、これでは何の役にも立ちません。どうしてこんな情けない状況がいっこうに改善されないのか、マサには意味不明です。日本でポケットWifiルータをレンタルすると、一日で千円もかかります。Wifiが犯罪に使われた場合に、お店の責任を免責する法律が必要ではないかと思います。日本にもっと観光客を呼ぶには、無料で登録なしに使える自由なWifiがどのお店にも必要です。自己責任でWifiを使うのが前提なのに、自己責任を嫌う日本だと無料のWifiでも登録して身元を明かすのが条件です。英語しか読めない、海外からの旅行客の立場に立っていません。日本語の使用方法しか表示しないWifi接続もたくさんあります。その中でかろうじて使えるのは、セブンイレブンとマクドナルドの無料Wifiです。でもどちらも事前の登録が必要なため、海外からの旅行客には使いにくいサービスです。これは政府が音頭を取って東京オリンピックまでに改善しないと、世界中の人から文句が出るでしょう。

2014年10月30日木曜日

ハロウィーン

日本だとハロウィーンはすっかり大人の仮装パーティとして扱われています。もちろん日本のカボチャはとても美味しいので、そのカボチャを使ったパンやお菓子が巷に溢れるのは、同じく旬な栗を使ったお菓子がこの季節に増えるのと同じく嬉しい話です。でも日本だと、ハロウィーンの主役は子供だというアメリカの常識は通じません。クリスマスと同様にハロウィーンも商業主導で日本に導入されたため、意味がずれてしまったようです。もちろんその違いを知っている限り、この違いは必ずしも悪いことではありません。アニメの影響で日本だとコスプレが盛んです。そのコスプレとハロウィーンが日本で合体した現状を見ると、悪霊を怖がらせるために家を墓場のように飾り立てたり、魔法使いの格好をするアメリカの大人とは明らかに向いてる方向が違います。そもそも子供がキャンディをもらうために仮装して家々を回り、「トリック・オア・トリート?」と問いかける行為自体が日本にありません。「お菓子をくれなきゃ魔法をかけちゃうよ」というこの言葉の意味も、またハロウィーンが干し草を集めて収穫を祝う秋祭りの一種であることも、おそらく大部分の日本の人は知らないでしょう。なぜオレンジ色のカボチャをくりぬいてランタンを作るのか。それはこのカボチャが食べても美味しくないからです。日本のカボチャのような美味しいカボチャは、もともとアメリカにはありませんでした。そのかわりハロウィーンに使うカボチャはオレンジ色で綺麗なので、飾りとして利用します。もとはケルト人のお祭りであるハロウィーンは、今やアメリカと日本で違う物として利用されています。

2014年10月25日土曜日

企業インターン

最近よく聞くのが日本の企業インターン制度です。日本の労働形態では企業が4月に大学卒業生を大量に雇うので、その前の年などに大学生をインターンとして働かせるそうです。問題なのはその期間で、半日から2週間となっています。これは短期アルバイトと何が違うのでしょうか。インターンは企業と学生のお見合いの場です。たった半日で何が分かるのでしょうか。いや2週間でも足りません。企業がインターンの能力を見極めるには最低3ヵ月は必要です。何かまとまった仕事の成果を出してもらうにも、そのくらいの時間がかかります。お試しコースではなく、見習い期間がインターンの意味です。海外の大学だと、最低3ヵ月のインターンを経験しないと卒業できない学校もあります。アメリカでも夏休みになると、インターンが企業にわんさか働きに来ます。最初の1ヵ月で仕事の基礎を学び、次の1ヵ月で色々なアイデアを試し、最後の1ヵ月で社内発表を仕上げます。その仕事の成果は学校に提出して単位をもらいます。もし企業がその学生を気に入れば、その人の卒業に合わせて就職のオファーを出します。このお見合いで学生と企業のどちらか一方が相手を気に入らなければ、次の年にまた他の企業でインターンをするだけです。大学4年間で少なくても3回はインターンの機会があります。インターンの経験は履歴書で自分を差別化するよいポイントなので、履歴書の空欄を埋めるために学生は積極的にインターンを利用します。最近はグーグルのようにインターンの学生に月収40万円も出す会社があります。ここシリコンバレーでは、どの企業も良い学生を早く手に入れようと必死です。

2014年10月18日土曜日

遊び

日本は遊びの少ない国です。ここで言う遊びとはハンドルの遊びのことです。ハンドルの遊びが少ないと、ちょっとした手の動きで運転している車が敏感に反応してしまうので、いつも気が抜けません。楽に車を運転するためには、ハンドルのある程度の遊びが必要です。これは車を運転する人ならご存じでしょう。人間はロボットではないので、手は毎日同じようには動きません。だからいちいち手の動きに反応してしまう車は、かえって運転しにくいのです。日本には余裕がないとも言えます。例えば仕事のスケジュールを立てるとき、チーム全員が100%の能力で働くと仮定していませんか。スケジュールに遊びがないと、ちょっとした遅れが積み重なって大きな遅れになります。病気になる人もいれば、家族が倒れて100%の時間を使えない人もいます。それに従業員の休暇の時間はスケジュールに最初から入れておくべきです。すると見積もりの倍ぐらいがちょうどいいスケジュールになります。そうした遊びを入れずに計画を立てるから、少子化が進み過労死が起こります。人生の目的は生きることです。生きて次世代により良い社会を残すことです。少子化や過労死が当たり前の国では国民が生き残ることができません。そうした遊びのない人生では生きるのが辛くなります。ハンドルに遊びが必要なように人生にも遊びが必要です。人生の半分が遊びのアメリカ人に、日本人はこの点で負けています。2年ぶりの里帰りで日本に息苦しさを覚えたマサでした。

2014年9月15日月曜日

蚊のいない夏

今年のカリフォルニア州は大干ばつで、本来冬に降るはずの雨が例年の十分の一程度でした。そこで各家庭の水を節約するため、昼間に庭に水をまくことが禁止されています。また車の洗車や池の噴水なども自制するよう、州知事がお願いしています。いつも夏は乾燥した天気が続くこのあたりで、庭のスプリンクラーによる散水が減ってひとつだけいい事があります。それはまったく蚊を見かけない事です。今年の夏はこの地に蚊が全然いません。水たまりがないため蚊が繁殖できないのでしょう。蚊はちょっとした水たまりでも、三日もあれば卵からかえってボウフラになります。その後十日ほどで成虫になるので、水たまりをなくせば蚊のいない夏を実現できます。庭に水をまくと余った水が道路脇や溝にたまってボウフラがわくので、干ばつの今年はそうした水たまりがなく、蚊の繁殖を阻止しています。日本でもデング熱が発生して蚊の退治をしているようなので、一歩進んで町中から水たまりをなくせば蚊のいない夏を実現できるでしょう。そのためには雨が降った後その水がたまらないように、舗装に正しい傾斜を付けるか又は雨水が浸透するタイプの舗装を使うのが一番です。そのほか古タイヤやビニールのゴミ袋なども雨水がたまるので、こうしたゴミを家の近くからなくすのも効果があります。

2014年9月1日月曜日

嫌な仕事はしない

日本の労働者の仕事に対する満足度は、先進国を含む他の国と比べると割と低くなっています。たとえば2005年のISSP調査によると、日本の労働者のうち仕事に満足している人の割合は73%で、これより割合の低い国は32カ国中でラトビア、スロベニア、韓国、ロシアの4カ国しかありません。アメリカは84%、トップのスイスは93%という数字が出ています。逆に仕事がお金を得る手段に過ぎないと考える人の割合を見ると、スイスは17%、アメリカは25%、日本は39%で、韓国42%、ロシア52%となっています。つまりお金のためだけに働く国ほど仕事への満足度が低いという傾向があります。そして仕事において何が一番大事な条件かを調べると、日本では「失業の心配がないこと」であるのに対して、スイスとアメリカでは「おもしろいこと」がトップに来ています。ここから読み取れる日本とアメリカの違いは、「お金のために働き、おもしろさは期待しない」日本と「おもしろさのために働き、お金は期待しない」アメリカとなります。もちろんこれは過度に単純化した比較であって、この結果だけで日本とアメリカが正反対だという主張はしません。ところが「お金のために働き、おもしろさは期待しない」日本の場合、仕事に満足していない27%の人はどんな気持ちで仕事をしているのでしょうか。筆者はこの27%の人たちが「嫌な仕事をお金のためにやっている」と考えています。「嫌な仕事をお金のためにやっている」とイジメ、手抜き、サボりが起こるのが人間の性です。「嫌な仕事はしない」という簡単なルールさえ守れば、職場でのイジメ、手抜き、サボりは激減します。それにはまず「仕事に人を付ける」社会になる必要があり、これが仕事に対する満足度を上げる事につながります。「人に仕事を付ける」今の日本では「嫌な仕事をお金のためにやっている」人が必ずいるので、職場でのイジメ、手抜き、サボりはどの業界にもあります。

2014年8月23日土曜日

GEが家電事業を売却

GEの家電事業がついに売却される事になりました。家電の売り上げはGE全体の6%だそうで、中国や韓国の白物家電がアメリカに押し寄せる中、ついに老舗のGEも家電事業をやめて、もっと儲かる分野に資源を集中する事にしたそうです。このニュースを聴いて、9年前にIBMがパソコン事業を中国のレノボに売却した事を思い出しました。儲からないと判断した事業の売却について、アメリカの大企業は躊躇しませんね。日立がパソコンから撤退したのがIBMの2年後で、ソニーがパソコン事業を切ったのは今年なので、ソニーは日立にすら実に7年も遅れています。中国や韓国の追い上げで儲からなくなった商売をさっさと辞められない理由はいろいろあるでしょう。簡単に従業員のクビを切れないとか、トップに大ナタを振るう勇気がないとか、あるいは周りの人間が本当の事を言わないとか。でも経営のプロなら自分で数字をみて現場の人間の言うことを聞けば、それが儲かる仕事かどうかは分かるはずです。儲かる仕事が10年単位でころころ変わる時代に、日本の終身雇用制度はもはや継続不可能です。当たり前の事を言えば、雇用を守るのは「正社員制度」ではなく儲かる仕事です。そこで儲からない仕事から儲かる仕事へ、簡単に人が移れるような仕組みを作るのが政府の仕事です。つまり年齢と性別による就職差別を罰則のある法律で禁止し、人材の流動化を促すため「正社員制度」を解体します。終身雇用を否定してしまえば、正社員制度を続ける理由がなくなります。同時に年功序列も廃止して「人に仕事を付ける社会」から「仕事に人を付ける社会」に変わる必要があります。「正社員」と「派遣社員」という両極端の働き方の間には、実は労使双方に有利な「限定社員」という働き方があります。仕事や場所を限定した「限定社員」であっても、その人が儲かる仕事をしているかぎり会社にとっては必要な人材です。反対に「正社員」でも儲からない仕事をしていると、いつクビになってもおかしくありません。自分の身を守るのは自分であるという自覚を持つ人だけが生き残ります。

2014年8月9日土曜日

学校の夜のお仕事

息子が通っていたアメリカの公立高校では、9月に新学期が始まると平日を選んでBack To School Nightという行事をやります。これは先生が生徒の親に自分の担当する教科を紹介する日です。この教科の目的は何々で、使う教科書はこれ、配点は宿題が20%で中間と期末がそれぞれ40%づつ、などと説明します。また数学だとグラフが描ける電卓を授業で使うので、TI84 Plusを買うか借りるかするよう言われます。平日の午後7時ぐらいから10時ぐらいまでの3時間を使って、親はそれぞれの先生から何をどう教えるかを聴きます。親も質問があればそこで先生にじかに訊く事ができます。なお物理ならここ、英語ならあそこという具合に教科によって教室が決まっているので、息子の選んだ教科の教室を訪れて担当の先生の話を聞きます。アメリカの郊外の平均的な高校は平屋の建物が教科ごとに分かれて建っていて、日本のようにひとつの建物の中にまとまっていません。そのうえ子供により選択科目などの時間割りが違うので、その時間割りに合わせて20分ごとにひとつの教室から別の教室に全学年の親がゾロゾロと移動します。9月はまだ夏時間なので午後9時ぐらいまでは外が暗くなりません。でも9時を過ぎるとさすがに暗くなるので、親は懐中電灯を片手に地図を見ながら目的の教室を探します。学校も敷地が広いので、10分の休み時間の間に次の教室に移動するのは大変です。初めての学校で迷子になった親のために、ボランティアの高校生があちこちで道案内をしてくれます。共稼ぎが普通の国なので、夜にこうした行事をやってくれると親は助かります。でもさすがに先生もこの日は疲れるので、次の日は平日でも学校は午後からになります。

2014年7月17日木曜日

教育問題

マサはかれこれ25年以上もアメリカにいます。それは子供が大学を終えるまでアメリカにいることにしたからです。アメリカの公立教育は日本のものより質が高く、それに英語の勉強にもなるので子供の将来を考えてアメリカに残りました。もちろんアメリカの方がエンジニアの待遇が良いのは確かで、ソフトウェアを仕事にするならシリコンバレーほど良い場所は他にはないのも理由のひとつです。実はアメリカの教育は場所によって大きく違います。特にシリコンバレーは不動産が高いため、学校の収入となる不動産税が豊富で教育の質が高くなっています。ここの教育の中心は知識ではなく知恵を付けることです。例えば歴史でアメリカが日本に原爆を落とした事を習います。日本ならそれを事実のひとつとして年号とともに覚えておしまいです。ところがここの教育だと「あなたが当時のアメリカの大統領ならどうするか」というテーマで議論します。そこには唯一の正解はなく、それまで習った歴史の知識の上で自分の知恵を発揮する必要があります。「自分ならやはり日本に原爆を落とす、その理由はこれ」と言ってもいいし、「いや自分なら日本に原爆は落とさない、その理由はこれ」と言ってもかまいません。歴史を学ぶのはより良い社会を作るためなので、知識だけでは不十分なのです。教師は自分の考えを生徒に押しつけるような事はしません。ただし人を説得できる根拠を示せるかどうかは成績に影響します。まさに民主主義の根幹はこれだと思わせる授業をしてくれます。

2014年7月4日金曜日

会社でサッカー観戦

マサがいま勤めている会社では、ロビーでワールドカップを放送しています。従業員も試合経過が気になって集中できないので、希望者はラップトップを持ってロビーで試合を見ながら仕事してます。大らかというか、個人主義というか、自分の仕事をちゃんと自分で管理している限り、会議とかがなければどこで仕事しようと関係ないという考え方ですね。アメリカチームが試合中だと会議の時間を遅らせることもあります。それに会社にはいろいろな国から人が来ているので、フランス、ドイツ、アルゼンチン、ブラジルなどの試合中はロビーが観戦者でいっぱいになります。マサも日本対ギリシャの時はロビーで試合を見ながら仕事しました。ちょっと日本ではあり得ない光景でしょう。そのかわり個人が会社のネットワークを使って試合を見るのは禁止です。ITの方でネットの帯域を確保するため、ワールドカップ期間中はESPNのストリームをブロックしています。

2014年6月28日土曜日

成果主義の前提

日本で始まった「ホワイトカラー・エグゼンプション」についての、ちょっと真面目な本を書きました。日米の労働形態には両極端と言ってもいいほどの違いがあります。日本のマスコミが報道しないアメリカの労働形態について説明しました。

http://www.amazon.co.jp/dp/B00LCREXM6

2014年6月7日土曜日

昔は良かった?

平成の世に生まれて派遣で暮らす20代の人の中には、もっと早く生まれていれば良かったのにと思う人もいるでしょう。1990年頃のバブルの時代をうらやましいと思う人がいても不思議ではありません。マサはその頃もうアメリカにいたので、日本のバブル経済は経験していません。マサが日本で暮らしていた時代には、ケータイもスタバもインターネットもありませんでした。どこかに長電話をするには、前もって十円玉をたくさん集めておく必要がありました。もっと前の子供時代だとエアコンのある家は皆無で、実家の前の道は舗装されていない砂利道です。だから雨が降ると靴が泥だらけになりました。今と較べたら何もない時代です。夕方になると自転車の荷台に豆腐の入った水槽を乗せて、人のいい兄さんがラッパを吹きながら豆腐と油揚げを売りに来る時代でした。ある意味みんな貧しくて、だから国民の間にそれなりの平等感があったのが昭和の40年代です。当時を知る者としては、今と較べて昔が良かったとは思いません。確かに平成になって貧富の差は増えました。今は就職も難しいし終身雇用はまず無理です。それでも冷戦は終わり円は高い。インターネットのおかげで海外にモノを売るのも簡単で、昔よりはるかに起業しやすい世の中です。だから今の若い人は実はいい時代に生まれたと思います。人を当てにせず自分で世の中に道を切り開くつもりなら、今ほどそうした機会に恵まれている時代はありません。

2014年6月1日日曜日

知識と知恵

知識と知恵は車の両輪のようなものです。どちらか一方だけでは役に立たず、そのバランスが大切です。知識だけ多くて知恵のない人はその知識を生かす事が出来ず、新たな状況に対応できません。その逆に知識がなくて知恵だけある人は、いつも闇雲に対処するので結果を出せません。知識を生かしつつその応用をするには、知識と知恵の両方が必要です。日本の受験教育はテスト対策が中心であり、知識を増やす事に重点を置いています。知恵を測るのは難しいので、簡単にテストできる知識が中心になります。そのため学習と暗記はほぼ同義となり、勉強とは教科書を覚える事だと誤解されています。そうした知識中心の学生がいずれ国家公務員になり日本の中枢を動かすのですから、日本が新たな状況にうまく対応できないのは無理もありません。人口の減少も財政赤字の増加も以前から分かっていた事です。それなのに前もって適切な手を行政が打てなかったのは、大学受験を目標とする日本の教育体系が社会の要請に答えていないという証拠です。

2014年5月18日日曜日

STEMに力を入れるアメリカ

教育分野でアメリカが最近特に力をいれているのがSTEM、つまり Science, Technology, Engineering, Math です。Stem には幹という意味もあるので、うまい表現だと感心しました。日本語で言うと科学、技術、工学、数学です。頭文字を取れば「科技工数」という新四文字熟語に相当します。半導体大手のインテルが、大人の研究者顔負けの成果を出した高校生に大学で学ぶための多額の奨学金を出しています。政府だけでなく企業もSTEM教育の重要性を理解している点が、教育を政府に丸投げしてしまった日本との違いです。これはまた即戦力を求めるアメリカと、何でも言われた事をやる人を求める日本との違いでもあります。

2014年5月11日日曜日

シリコンバレー盛衰記 2014

また小さな本を出しました。今度はシリコンバレーの変遷が主題です。1986年から始まるマサの滞米生活も25年を超え、その間にあまたの会社が生まれては消えていきました。この本ではそうした会社の歴史をながめ、スタンフォード大学とパロアルト市がハイテク産業の発達をうながした経緯を振り返ります。マサの会社内部での経験も入ってます。お求めは下記のURLをご覧ください。

http://www.amazon.co.jp/dp/B00K4PXL66

2014年5月4日日曜日

進化論とアメリカ

進化論を生み出したのは、キリスト教徒で地質学者のイギリス人、チャールズ・ダーウィンです。アメリカは科学の発達した国というイメージがある反面、筋金入りのキリスト教徒が住む国でもあります。最近のアメリカ政府の調査によると、国民の約半数は進化論を信じていません。そのかわり聖書にあるように神がこの世を創ったと信じています。保守的な南部の州では、よく学校で進化論を教えるのは止めようという訴訟が起こされます。聖書を信じている人にとって進化論は単なる仮説であり、誤った考え方だというのが彼らの主張です。マサのモルモン教の同僚も進化論には証拠がないと主張してました。ポケモンみたいに目の前で生き物が進化しない限り、自分は受け入れないという主張です。キリスト教徒が作った国なので、いくら政治と宗教を分離しようとしても限界があります。この世は創造主が創ったと主張する宗教は何もキリスト教だけではありません。自分に分からない事をすべて神や創造主といった自分に理解できない存在のせいにするのは、ある意味とても楽な生き方です。理解できない事に悩まなくて済むからです。アメリカの科学者は常にそうした宗教と対立しながら生きてきました。宇宙の始まりも創造主のおかげと考える人は国民の半数を越えています。アメリカはキリスト教に関してはとても保守的な国なのです。

2014年4月22日火曜日

残業代

アメリカのエンジニアは年収いくらで働くので、残業代というものはありません。午後6時にはほぼ全員が帰宅しますし、週末には当直のエンジニア以外は働きません。残業代を減らすために、年収で働く日本の労働者を増やそうという動きがあります。アメリカの場合、時給で働く仕事と年収で働く仕事には明確な違いがあります。誰でも出来るレジ打ちや配達などの仕事は時給です。また日本のような正社員という制度はなく、仕事や勤務場所が限定された限定社員が基本ですし、終身雇用もありません。労働の形態がこれほど違うので、そのままアメリカを真似して残業代をなくすのは無理があります。「成果主義」と同じで結果だけ真似してもうまくいきません。もし残業代を減らしたければ、残業そのものを違法にして違反した会社から罰金を取ればいいでしょう。人は残業代が出ないとなれは、自分の仕事だけ終わらせてさっさと帰宅します。自発的に他の人の仕事を手伝う人がいなくなり、忙しい人はより忙しくなります。アメリカならそういう忙しい人は他の会社に移るので歯止めがかかるのに、日本だと簡単に会社を移れないので過労死予備軍になってしまいます。日本の労働形態を変えずに残業代だけを削るのは愚かな行為です。もしやるならまず年功序列と終身雇用と年齢差別の廃止からやるべきです。

2014年4月14日月曜日

STAP細胞問題

場外乱闘になったこの問題、科学の一端にいるマサから見れば簡単な話で、再現実験に成功すればOKで再現実験に誰も成功しなければダメです。論文に間違いがあるとか、コピペがあるとか以前の話です。国際特許を申請中のため詳細を公開できないのであれば、理研内部で再現実験をちゃんとやればいい話です。今や手のひらを返したように理研は筆頭研究者を突き放していますね。トカゲのしっぽ切りと言われても仕方ない状態です。クラウド・ファンディングで資金をつのって、若い研究者に再現実験をしてもらうのはいかがでしょう。科学の世界は仮説を出して実験で証明するか否定するかなので、揚げ足取りみたいな報道はつつしんで内容を問う報道をしてください。雑誌に投稿された論文は、必ずしも常に正しいとは限りません。常温核融合とかニュートリノの超光速度とか後で否定される「発見」もあります。仮説が仮説のまま放っておかれるのが一番の問題です。

2014年4月10日木曜日

事故対策訓練

学校や職場では定期的に火災の避難訓練をすると思います。これと同じく、原子力発電所でも定期的に過酷事故の対策をする訓練と避難訓練をする必要があります。全電源喪失を起こしてその対策を試験するとか、放射性物質が大量に漏れた事にして回りの住民の避難訓練をします。これは普段から定期的にやらないと意味がありません。福島原発事故では一号機の非常用復水器を動かした経験のある運転員がひとりもいなかったため、現場の人間は手遅れになるまで誰一人として非常用復水器が止まっている事に気づきませんでした。非常用復水器を動かす訓練は定期的にやるべきだったのにもかかわらず、安全神話のせいでやっていなかったのが原因です。もしそうした訓練が本物の原発では怖くてできないというなら、そもそもそうした原発を運転している事のほうが危険です。福島原発事故がもう日本の原発は安全ではないと証明した以上、原発を所有する会社は過酷事故への訓練を定期的に公開で行うよう法律で義務づける必要があります。避難訓練も実際にやらなければ本当の問題は見えてきません。

2014年4月1日火曜日

50歳定年制

日本では年齢による就職差別が合法なので、それを逆手にとって定年を50歳にする事を提案します。その目的は年功序列の打破です。75歳まで働くとすれば50年以上働く人が普通になるので、その50年を半分で区切って前期と後期に分けます。50歳まで勤める会社は前期の会社です。そこでは50歳になったら例外なく退社させます。その後50歳以上75歳まで働ける会社を後期の会社として設立します。50歳になったら後期の会社に入って新入社員となる仕組みです。人は50歳を越えると保守的になるので、後期の会社は変化の少ない仕事向きです。それに対して前期の会社は若い人中心の変化の多い仕事に向きます。人を50歳で分けて年齢と収入の関係を一度断ち切るので、後期の会社でも人件費を押さえる事ができます。50歳で別の会社に入って高い給料を得るには、それまで前期の会社で相当な結果を出さなければなりません。このため日本経済の活力がグンと上がること間違いなしです。もちろんこれは冗談です。

2014年3月21日金曜日

マクロ経済

著名なマクロ経済学者であるセルジオ・レベロ氏の話を聞く機会がありました。彼の意見では、アメリカの経済に関して中間所得層がどんどん減っている事が問題で、その解決策は大学卒業生を増やす事だと言っていました。中間所得層とは、工場で働く工員さんや会社で働く事務職の人たちのことです。こうした仕事は海外に移ったかコンピュータがやるようになったので、残ったのは賃金が安くて海外にも動かせない「宅配の仕事」や「レジの仕事」などです。特別な資格や技能が要らないので、移民でもすぐに働ける仕事でもあります。アメリカの失業率が下がったのは、適当な仕事がないため仕事を探すのをあきらめた人が多いからで、仕事の数が増えたからではないとも指摘しています。日本はアメリカの真似をして2013年から市場に資金を供給する量的緩和策を取りました。人口が増えているアメリカの問題は貧富の差の増大です。日本もこれから中間所得層が減り貧富の差が増大するとマサは予想します。高額商品と低額商品が売れて、その間の商品は売り上げが減少します。両者を合わせた売り上げは、ほぼ横ばいというのがマサの予想です。人口が減る国で売り上げは増大しません。デフレもインフレも結果であって原因ではないので、人口減少という原因を無視して量的緩和策を取っても一時的に不動産のミニバブルが生じるだけです。「ない袖は振れない」のであって、日本の景気悪化に歯止めはかからず、国債の額が増えるだけに終わると予想します。人口を増やせないのであれば、一人当たりの稼ぎを増やすしか手がありません。つまり国内産業に従事する人の生産性が上がらなければ、日本は中国などの新興国に負け続けるでしょう。機械化することで生産性を上げると、失業者を増やすのでさらに貧富の差が増大します。経済格差を容認して金持ちを増やすのか、それもと全員が等しく慎ましい生活をする国になるのか、どちらがお好みですか。

2014年3月14日金曜日

賃上げ率は?

このところ日本の新聞はベースアップの話題で盛り上がっています。もともと低賃金で有名な電機大手は月額2千円で決着とか。アベノミクスの根本はインフレと賃上げなので、とりあえず正社員の月給が上がるのは良い事です。問題は4月から消費税が3%上乗せされる事で、賃上げはこれを上回る割合でないと実質賃下げとなります。月額2千円は月給が20万円なら1%に相当します。つまりほとんどの正社員にとってこの額では実質賃下げです。この程度の額で妥結する労働組合も情けないし、実質賃下げとなる事を報じない新聞も勇気がありません。賃金が3%以上増えないと4月からの消費は減少します。おまけに派遣など非正社員にはこうした賃上げは期待できません。日本は低負担・中福祉の国なので消費税は今後もっと上げる必要があります。それなら賃上げの報道も額ではなく割合に焦点を当てるべきです。こうした的外れの報道を鵜呑みにしていると、大事な事実を見落としてしまいます。

2014年3月9日日曜日

夏時間

今日からアメリカの夏時間が始まりました。これは3月の第二日曜日から11月の第一土曜日まで続きます。「夏時間」というのは俗名で、正式には「Daylight Saving Time」と呼びます。3月だと北部の州では季節はまだ冬で、山には雪が降ります。同じく11月を夏と呼ぶのも違和感があるでしょう。夏時間を設ける目的は、日照時間が長い初夏から初秋までの期間に1時間早起きして、暗くなるまでの時間を1時間延ばしましょうという事です。つまり仕事が終わってもまだ十分明るいので、涼しくなる夕方の時間で街歩きやスポーツができます。長い昼間の時間をより有効に使う事で、仕事以外に使う時間が増えて経済にも好影響があります。ところが、この制度が効果を発揮するにはひとつの大事な条件があります。それは仕事に人を付ける社会であるという事です。つまり自分の仕事時間は完全に自分で決める事ができ、となりの人がまだ働いていても自分の仕事が終わればさっさと帰宅できるという社会です。夏時間ではまだ外が明るいうちに退社できるので、アメリカのように仕事に人を付ける方式でないとうまくいきません。日本では人に仕事を付けるのが普通なので、手のあいている人は他の人の仕事までやる必要があります。こうした社会では、全員がその日の仕事を終えるまで誰も帰宅できません。まだ働いている人を尻目にさっさと自分だけ退社すると「あいつは身勝手なやつだ」という評判がたってしまいます。その結果みな他人の目を気にして暗くなるまで帰宅しないので、労働時間が1時間延びてしまいます。これが戦後日本で夏時間の導入に失敗した理由です。

2014年3月6日木曜日

法人の責任

福島第一原発事故が明らかにしたのは、原発の過酷事故は一度起きてしまうと民間の事業者では手に負えないという事実です。東電だけでは事故の収束も補償もできません。それに日本の法律では奇妙なことに、天災により引き起こされた原発事故では誰も責任を取らなくていい決まりになっているので、そうした事故の被害者は泣き寝入りするしかありません。次に3・11のような大地震がもし日本海側で起きれば、風は西から東に吹くので、その結果起きる原発事故の規模は福島を軽く越えてしまいます。能登半島の原発が爆発すれば放射性物質で東京が汚染されます。千年に一度の天災まで想定して対策を立てる必要があるのに、恣意的に想定の範囲を狭めて原発の発電コストを見かけ上安くしています。でもそうした甘い想定をした人の責任が問われないのは納得できません。想定外と言う以上、その想定で良いと判断した人が会社にいるはずで、そうした誤った判断に対する罪を問うべきです。そのためには社長や会長という個人ではなく、法人の責任を問う法律を立法する必要があります。原因に関わらず事故を起こすと会社が大損してしまうという仕組みを作らないと、また同じような甘い想定の隙を突いて日本で原発の過酷事故が起きるでしょう。日本で原発を使い始めてからまだ40年しか経っていないのに、3機もの原子炉が大破しました。もしまた日本の原発を全部動かせば、次の10年の間に福島原発事故のような過酷事故が再び1回起きる計算です。あれほど広告で安全を自慢していた日本の原発は、今や世界で最も事故確率の高い欠陥商品となりました。

2014年3月1日土曜日

不文律

法律や条例として明文化されていない決まりが多い文化を高文脈文化 (high-context culture) といいます。日本は不文律が多いので、高文脈文化を持つ国です。その反対にアメリカは低文脈文化の国です。不文律がほとんどなく、法律や条例に書いてない事はやってもいい事になっています。例えばエスカレーターに乗る時、片側に寄って反対側を空けるというのは日本に特有の不文律です。アメリカにこのような「常識」はありません。電車やバスの中は静かに過ごすというのも日本の不文律です。これを破るのは「常識」のない外国人か酔っぱらいです。年上には敬語を使うのも不文律です。不文律は経験して覚えるので、外国人が日本の不文律を理解するには何年もかかります。その逆にアメリカは法律や条例で「やってはいけない事」が列挙されているので、外国人がアメリカの常識を学ぶのは簡単です。日本は聞き手が「行間を読む」必要があり、アメリカは話し手が「言葉を尽くす」必要があります。歴史の長い国ほど不文律が多いとは限らず、ドイツなど歴史の長い国でも低文脈文化を持つ国があります。

2014年2月10日月曜日

度胸のもと

オリンピックのような技術だけでなく度胸が問われる場になると、日本の選手は実力を出せずに外国の選手に負けています。それはなぜでしょうか。アメリカと較べると、日本は失敗したり負けたりした選手への風当たりが強いように思います。一番悔しいのは本人です。選手に「失敗したらどうしよう」と思わせてはいけません。試合であがらないために、選手は普段から成功した姿をイメージする練習をしています。また同時に試合を「楽しむ」ことを求められています。十分に練習して実力を出せれば、その姿はメダルが取れなくても賞賛に値します。オリンピック選手になった事のない人が、あれこれ選手を批判するのは余計なお世話です。ましてや選手の服装を問題にしたり、試合後のコメントに文句を付ける人には「それならオマエが試合に出てみろ」と言いたくなります。日本には「失敗は成功のもと」という良い諺があるじゃないですか。まわりの人の真心の応援が度胸のもとです。

2014年2月9日日曜日

職員室

アメリカの公立学校には職員室がありません。正確に言うと教員が机を並べて集まる部屋がありません。アメリカの職員室には事務職の人がいるだけで、教員はそれぞれ自分の担当の教室に机を持っています。だからどの教室にもその隅に教員専用の机があり、そこに教員のカバンなどが置いてあります。その教室に子供がいる限り教員は帰宅することができません。中に誰もいないのを確認してから教員はカギをかけて帰宅します。体育のように教室を使わない教員はどうするのかと言うと、体育館の端にある小部屋に自分の机を置いています。どの教員もパソコンを使って仕事するので机が必要です。体育館も使っていない時はカギをかけています。アメリカの公立学校は、法律によって納税者がいつでも敷地内に入れるように塀がなかったり門にカギをかけていないので、かわりに教室にカギをかけます。生徒は毎朝担当の教員がカギを開けるまで、教室の外で待っています。日本のように休み時間に教員が職員室に戻ってしまうと、その間に教室で起きているイジメに気がつきません。日本の教育システムはアメリカのものを輸入したはずなので、職員室に職員ではない教員がいるというのも考えてみれば不思議な話です。

2014年2月5日水曜日

原発と心中?

あまり政治的な事は書かないブログのつもりなので、短く書きます。もう二度と日本で福島原発のような事故は起きないと、根拠もなく信じている政治家が多いのには驚きます。どんな安全基準を作っても、その想定を越える災害は必ずやってきます。福島原発だって当時の安全基準を満たしていたのに、「千年に一度」の地震とその津波で「想定外」の電源喪失が起きて大量の放射性物質をまき散らしました。もし「千年に一度」の災害まで「想定内」にすると、911テロのように飛行機が原子炉にぶつかる事や、去年のロシアのように大きな隕石が落ちてきて原子炉にぶつかる事まで想定しなければいけません。ところがそこまで考えて原発を補強すると、原発で発電する電気の値段が高くなりすぎるので、今の安全基準では考慮していません。つまり恣意的な「想定内」の範囲での安全基準なので、そんな甘い基準を満たしているだけではまた事故は起きます。安全基準を満たしているという事は、重大事故が起きないという意味ではありません。原発を続ければ重大事故は必ずまた起きるし、そうなれば当事者は再び「想定外の事故だった」と言い訳します。本当に日本人は原発と心中したいんですか?

2014年2月1日土曜日

イルカ問題

困った問題です。日本の政治家は完全にこの問題を読み違えています。イルカ問題は感情的なものなので、理屈で反論しても話が噛み合っていません。日本のイルカ漁に反対しているのはアメリカだけです。それはアメリカ人にとってイルカは犬や猫と同じペットだからです。「Flipper」という有名なテレビドラマのおかげで、イルカはアメリカ人にとって愛すべき動物になってます。人に害のない、かわいいイルカをどうして殺して食べるのかというのがアメリカ人の疑問で、日本の政治家はこの質問に答えていません。「日本の文化であり、生活のため」と理屈で答えても、では「なぜ他の漁では生活できないのか、なぜ文化を変えられないのか」という次の質問に答えていません。イルカを食べているのはごく一部の日本人だけなのに、こうした問題で日本人全体が野蛮人のように思われるのは日本にとって損です。アメリカは日本以上に世論に敏感な国です。アメリカの世論が「日本人は野蛮なので懲らしめるべし」となると、大統領でもそれに逆らうことはできません。イルカやクジラを食べなくても現代の日本人はタンパク質に不足しません。かつて江戸時代には日本人は犬を食べていました。今の日本で犬を食べる人はいませんよね。

2014年1月25日土曜日

ブログ本その2

読者の皆様からいただいた励ましのおかげで、このブログから第2のキンドル本を出すことができました。前著に較べるとぐっと身近な日米の違いを話題にしています。シリコン・バレーに住んで25年になるマサが見つけた本当の話がいっぱいです。加筆修正してあるので、ブログより読みやすくなっています。お求めは下記のリンクをご覧下さい。

http://www.amazon.co.jp/dp/B00I1PUHFE

2014年1月18日土曜日

部分最適と全体最適

かつてマサの勤めていた日本の会社にはQC活動というものがあって、どの部署も仕事の改善方法を模索していました。良くあるのが自分の仕事を他の部署に回すというアイデアで、自分の部署はそれで仕事が減って表彰されるけど、仕事を押し付けられた部署は不満たらたらです。例えば仮に、仕事で使う文房具は事務所の中で複数の決まった場所にあり、定期的に庶務の人が巡回して足りないものを補充するという決まりだとしましょう。ところがQC活動として、足りなくなった事に気づいた人が庶務に取りに来るという方法に変えるとします。すると確かに庶務の仕事は減りますが、回りの人の仕事は増えます。おまけにいちいち取りに行くのが面倒とか、定時を過ぎると庶務の人がいないなどの問題もあり、必要な文房具が必要な時に使えないという不都合まで起きます。つまり全体としてこれは改悪です。部分的には仕事が減ったように見えても、そうした部分最適だけ集めても全体最適にはならないのが普通です。同様に国として見れば、日本中に高速道路を作ったのに、その通行料金が高いため十分に使われないのはお金のムダです。立派な道路を作るのも、また道路の利用者から通行料金を取るのも、ともに部分最適の例です。でもせっかく作った道路が使われないまま朽ちて行くとしたら、それは全体最適にはなっていません。この場合の全体最適は、そうした高速道路の通行料金を無料にした上で、道路の建設費はガソリン税や軽油税に含めるというものです。車は高速道路の方が燃費が良いので、同じ距離を走るなら高速道路を使う方が温暖化防止にもなります。さらに高速道路を使わない人は、LPガスや電気で走る車を使えば余分な税金はかかりません。

2014年1月11日土曜日

花見酒の日本

落語の「花見酒」は、ふたりの酒飲みが売り物の酒をお互いに相手から買っているうちに、酒樽を空にしてしまうという話です。手元に残るのは1貫という酒一杯分のお金だけで、酒を売り切ったのに儲けがないのはどうしてだろうと、二人の酒飲みは酔った頭をひねります。この落語は以前にオイルショック前の日本経済を表す話だと本にもなりました。たしかに土地ころがしのようなバブル経済に似た所があります。でも自分の資本を食いつぶしてしまうという意味では、今の財政赤字の日本にピッタリの話です。日本人は日本人に一人あたり1000万円の借金をして飲み食いしています。つまり銀行に預けたはずの貯金はもう他の誰がか使ってしまいました。ところが日本はまだ債務超過にはなっていないと政府は言っています。これは政府の持つアメリカ国債やJTおよびNTTなどの株式会社の株、さらに国宝や国有地を売れば借金はすべて返せるという意味です。では誰がそれを買うのでしょうか。日本国民にはもう余分なお金がありません。すると裕福な中国人に売るのでしょうか。1990年のバブルとその後の20年で、日本は昭和の時代に貯めた資本を食いつぶしてしまいました。「花見酒」と同じく金庫の中には現金の代わりに国債の紙があるだけです。収入の倍の支出を続けるのには限度があり、このツケは国民が支払わなければなりません。なぜなら民主主義では国民が最終責任を負うからです。政治家も官僚もこのツケは払ってくれません。彼らにできるのはこのツケを次世代に先送りする事だけです。まだ生まれていない、選挙権もない未来の日本人に借金を押し付けているのが今の日本のオトナです。

2014年1月4日土曜日

スタート・アップだけじゃない

シリコン・バレーはスタート・アップ企業で有名です。でもシリコン・バレーでスタート・アップ企業に勤める人は実はごく僅かで、IPOを経て大会社となったヤフー、アップル、グーグルなどの様にスタート・アップでない会社に勤めている人が大部分です。昔からあるシスコ、HP、インテルなども含めれば、シリコン・バレーの中でスタート・アップ企業に勤める人は1%もいないでしょう。それにここにあるのはハイテク企業だけではありません。スーパーもあれば病院もあります。塾もあれば老人ホームもあります。シリコン・バレーでも大部分の人は安定した会社に勤めているのが現実です。お金に困らない人や身軽な若者以外は、健康保険と子供の教育にお金がかかるのでスタート・アップでは働きません。家も高いので住宅ローンを組んでいる人はほぼ全員が共働きです。スタート・アップ企業には、独身の若者やお金に困らない投資家が必要なのです。

2013年12月26日木曜日

ムラ社会と平等

日本のムラ社会とは、外部の決まりより所属する団体の決まりを優先する人々が営む社会のことです。法律違反と分かっているのに会社の不祥事を隠す会社員は珍しくありません。その見返りとして、団体の中でムラびとは結果平等を保証されています。会社にいるかぎり定年まで終身雇用だからね、という見返りです。会社の外にいる人に何が起きても気にしません。日本の民間企業は円高で他国と較べて高くなりすぎた人件費を削るため、派遣労働者を使いました。ここでの結果平等は正社員にのみ適用され、派遣労働者はムラびととはみなされません。つまり日本の結果平等はあるムラに属する人たちだけに適用される考え方で、国民全体とか人類全体のような大きな単位には適用されません。自分たちだけ良ければいい、という利己主義の結果が今の日本のムラ社会とその中だけに適用される結果平等です。グローバル経済では単価の安い仕事が海外に移るので、日本の収入格差は今後ますます大きくなります。公務員や会社の枠を越えた結果平等を目指すか、または機会平等に舵を切り替えて何度でもやり直せる社会にするかのどちらかにしないと、日本はとても住みにくい国になってしまいます。前者は同じ仕事に同じ賃金という考え方なので、派遣労働者と正社員の間に賃金の差を付けないという方向です。後者は結果平等を不可能な目標としてあきらめ、その代わり機会平等に徹して年功序列を違法にする方向です。今の日本は実質的に結果平等でも機会平等でもないので、両者の悪いところだけを取ったような困った社会になっています。

2013年12月14日土曜日

また起きる原発事故

2011年3月11日を境に日本の原発は安全な物から危険な物に変わりました。それまで日本の原発が安全だと言い続けてきた根拠がなくなり、もう誰も日本の原発が安全だと言えなくなりました。「今まで過酷事故が起きてないから安全だ」という理屈はもう通りません。このまま原発の運転を続ければ、また福島原発のような事故が必ず起きます。問題がそれがいつかであって、起きないという可能性はゼロです。また大地震が起きて大津波がどこかの原発を襲えば、もっとひどい過酷事故が起きても不思議ではありません。もはや原発事故は想定外ではなくなりました。3月11日を境に、原発は経済的でもなければ安全でもない発電施設となったわけです。この期に及んでまだ原発を続けるとすれば、それは日本がいずれ核武装したいからだという他に理由が見当たりません。東電だけでは、事故の補償もできなければ除染や廃炉作業もできません。すべて国民のお金である税金をつぎ込まないと進みません。いくらお金を使えば事故の処理が終わるのか、それすらも見通しがありません。今や原発はとてつもなくコストの高い発電方法になりました。核武装するのかどうかは国民が決める事で、時の政府が国民に本当の理由を隠したまま、コストの高い発電方法を続けるのは背任です。次に起きる原発事故では運良く風が海に向かって吹くとは限りません。原発事故がまた起きるのは確かなうえ、原発の代わりになるコストの安い発電方法があるのにも関わらず、あえて原発を使い続けるのはなぜでしょう。日本の子供たちに放射性廃棄物の山と老朽化した原発を押し付けて、自分だけ楽しい思いができれば今の大人はいいのでしょうか。福島の原発事故は、日本の大人による不作為の結果起きました。日本の原発は安全だという神話を作ったのも、またそれを鵜呑みにしたのも今の大人です。我々はあの事故から何を教訓として学んだのでしょう。

2013年12月6日金曜日

グッドウィル

アメリカにはグッドウィルという非営利団体があって、障碍者の職業訓練や不要品を回収して販売する業務で職のない人に職を提供しています。大きな町には不要品の回収所兼販売所があり、引っ越しで不要になった家具や着なくなった洋服などを引き取って、少しキレイにして売っています。もともとはキリスト教の団体だったものが、今では宗教に関係なく安価で中古品を売る店として全米各地と世界の17カ国に広がっています。ただし日本にはまだありません。マサも貧乏学生の時よくここを利用しました。古着を1ドルから5ドル程度で売っていますし、子供の洋服なども成長が早いので、1年ぐらいしか着ないものはグッドウィルで十分です。また不要品を無料で引き取ってくれるので、捨てるよりもエコだし、寄付としてその受取証を税金控除に使えます。食器も半端物などをすごく安く買う事ができます。日本にもぜひほしいシステムなので、どなたか日本にこうした非営利団体を作りませんか。まだ使える家具や家電、食器や古着を捨てなくて済むのでゴミが減るし、欲しい人には安価で販売できるし、その売り上げで必要な人に職業訓練を与える事ができます。不要品を回収して販売するにはある程度の店の数が必要です。不要品がたくさん出る所と、それが売れる所とは違ってきます。年寄りの多い地域は不要品がたくさんあり、若い人の多い地域は安価な中古品がたくさん売れます。不要品が余っている場所から足りない場所へ配送するので、毎週トラックによる配送をしています。お金を寄付するかわりに不要品を寄付する事で、誰でも世の中の役に立つ事ができます。
http://www.goodwill.org/

2013年12月1日日曜日

案内板に英語を

2003年のアメリカ映画「Lost In Translation」の冒頭のシーンを覚えていますか。主人公が東京にサントリーのCM撮影のためにやってきます。タクシーから眺める東京は日本語の看板だらけで、英語の看板はひとつもありません。看板の文字が読めない場所、つまりまったくの異国にいるという状況を表すシーンです。アルファベットしか知らないアメリカ人が心細くなる状況をよく表現しています。もしもっと外国人に旅行に来てもらうつもりなら、まず看板にアルファベットを入れて、日本語が読めない人にも分かる看板にしてください。「品川」という駅で山手線を降りるために、three boxes and three linesという説明をしなくても済むのが理想です。看板に日本語と同じ大きさでShina Gawaと書けばいい話です。英語に存在しない固有名詞などの長い単語は発音しにくいので、漢字単位で分けて書きます。駅名をアルファベットで音読できれば、あまり心細くはなりません。病院など公共施設の案内板には、事実上の世界共通語である英語を併記します。案内板の日本語をただローマ字に置き換えても意味が分かりません。旅行者だからこそ電車やバスを使って動き回るので、それには英語の案内が必要です。これは日本に来る外国人旅行者を増やすための、ささやかな投資です。

2013年11月22日金曜日

人を惹き付ける土地

シリコン・バレーは気候が良いので有名です。ロサンゼルスほど暑くなく、かといって雪が降るほど寒くもありません。日本のように四季の変化があり、海や山にも近くて遊ぶには事欠きません。夏は乾燥していて日陰では涼しいぐらいですし、冬は雨が多くて山には雪が降ります。このためアウトドアが好きな人には天国といってもいいぐらい、天気に恵まれた所です。もともとは果樹園だったこの土地にハイテク産業が生まれたきっかけは、スタンフォード大学の卒業生が1939年にこの地で電子機器を作る会社(ヒューレット・パッカード社)を起業した事です。その後スタンフォード大学は西の名門私立大学として発展し、多数の有能な人材を地元経済に供給し続けています。大学のあるパロ・アルト市には数多くのスタート・アップが存在し、学生もしくは卒業生が明日のFacebookを目指して数多くの小さなオフィスで働いています。こうしたハイテク産業を支える人材を供給するのが大学の役目のひとつです。シリコン・バレーは高いビルもない田舎町なので、都会が好きな人はサン・フランシスコに住み列車で通勤しています。サン・フランシスコ国際空港まで車で1時間もかからないので、交通の便が良いのも強みです。スタート・アップに資金を投資するベンチャー・キャピタルもスタンフォード大学の回りに集中しています。シリコン・バレーには、良い気候と名門大学とハイテク産業という三拍子が揃っています。

2013年10月29日火曜日

ネットラジオの愚

とても残念なことに日本のラジオ局はいまだに海外からのネット聴取者を排除しています。IPアドレスを見て海外のアドレスだと接続を拒否します。これはとても愚かな行為です。海外への配信を拒否することで得るものは僅かです。つまり日本の法律の効力が及ぶ範囲の聴取者だけを相手にしています。せっかくインターネットという世界中に届く手段を持っているのに、その能力を自分で制限しています。そのため日本のニュース、文化、音楽が他の国に広がりません。日本の文化や音楽は国際競争力があるのに、それを海外に売り込まないのはなぜでしょうか。日本映画のDVDやBDに英語や中国語の字幕を付けない映画会社も近視眼的です。ネット上のラジオ局は星の数ほどあって、中国や北朝鮮を除けば日本からすべて聴くことができます。ネットラジオは昔の短波放送と同じで、国や文化のいい宣伝になる媒体です。ネットで音楽がコピーされて広まるのはむしろ嬉しいことであり、そのアーティストのコンサートに海外から来る人が増えます。iTunes Radioを見てください。タダで音楽を流して、気に入ればその場で購入できるという仕組みです。日本の放送局はNHKも民放も保守的すぎます。ガチガチに回りを固めて一体何を守ろうとしているのか分かりません。テレビ放送もラジオ放送も緊急時以外はネットで十分です。そこに制限を設けて、せっかくの商機を逃しているのが日本の放送局です。放送局が鎖国してもいい事は何もありません。

2013年10月5日土曜日

減点主義と結果平等

マサもかつて虜になっていたのが日本の減点主義と結果平等です。減点主義とは人の失敗を評価の中心にする主義で、公務員の世界では普通です。小学校から高校までの生徒の評価も100点を上限とする減点主義です。減点主義ではなるべく新しい事をやらず、問題は先送りにするのが正しい判断になります。減点主義の反対は加点主義で、人の成果を評価の中心にする主義です。これは民間会社でよく見られる人事評価です。加点主義では問題を積極的に解決するのが正しい判断になります。民間会社は他の会社との競争があるので、問題を先送りすると生き残れません。これと似ているのが結果平等という考え方です。「出る杭は打たれる」という諺もあるように、日本では人より何か優れた物を持つ人は失敗した時に強い批判の対象になります。加点主義の世界なら失敗は成功の元なので、失敗をどう次の成功に結びつけるかが評価の対象です。でも減点主義の世界だと失敗はあってはいけない事なので、失敗そのものが評価を下げる理由になります。日本の平等主義は「人と同じことが良い」という考え方なので、人より何か優れた物を持つ人は自分への脅威になります。自分より優れた人を認めてしまうと結果平等が成立しないので、そうした人を認めるわけにはいきません。自分の努力不足、能力不足、運の悪さを認めるのは自分が許しません。そこで自分より優れた人の失敗を強調して、その人が優れていることを否定しようとします。減点主義と結果平等は同じコインの裏と表でしかありません。変化の少ない、均質な社会であった江戸時代の日本ならそれでもいいでしょう。しかし変化の激しい現代において、減点主義と結果平等は日本の足かせとなっています。

2013年9月28日土曜日

ブログからキンドル本

このブログを開設して4年が経ちましたので、4周年記念として内容を抜粋して大幅に加筆修正のうえ、キンドル本として出版しました。本の題名は「アメリカから日本が見える」です。2万文字の分量で100円とお手頃な価格になっています。マサの日本への想いがこもった本です。下にアマゾンへのリンクを貼りますので、もしお時間があればご覧下さい。

http://www.amazon.co.jp/dp/B00FIBD8C8

2013年9月20日金曜日

キラーTV

今や落ち目の日本製TVにも起死回生の策はあります。それはTVをアンドロイド・ベースにしてしまう事です。つまり大きな横長のタブレット端末にTVが見れるアプリが乗っているという構造です。ハードはタブレットとほぼ同じなので金額的にも同じになります。画面コストは大きくなるのものの、HDDレコーダーなどは不要なので簡単なハードで済むでしょう。付加価値はすべてアプリで実現するというアイデアです。2台目のTVとして32インチあたりで実現したら飛ぶように売れるでしょう。リモコンにはスマホを使い、録画は外付けのSDメモリカードに記録します。パナソニックあたりがこうした掟やぶりのTVを出さないかと期待しています。TV屋としては、ハードが売れればそれにどの局の番組やインターネットのサービスが走ろうと関係ない、という態度が必要です。同じような事をGoogleがChromecastという付属品でやろうとしています。TV屋がやればもっとオープンなTVができます。もしTV屋がやらなければ、スマホを作っているサムソンやLGあたりが先にやってしまうでしょう。ただ画質やデザインに凝るだけでは日本製TVに勝ち目はありません。こうした突出した製品をタイミング良く出せるかが家電業界で生き残るカギです。

2013年9月13日金曜日

世論と報道

世界中の数限りないニュースから、報道各社はある基準でニュースを選び報道します。ここで取り上げられなかったら存在しないのと同じで、世の中の人はそのニュースを知りません。ほとんどの人はニュースに対して受け身です。自分から新しいニュースを探しに現場に向かう人は記者やジャーナリストであって、世間一般の人ではありません。ですからある国で起きた事件が他の国にニュースとして報道されるには、そうとう大きな事件である必要があります。例えば富士山が世界遺産に選ばれた事は日本では大きなニュースでした。でもアメリカでこれが報道された形跡はありません。普通のアメリカ人にとって、この話は価値のないニュースだからです。同じようにアメリカの人口で白人以外の人種では、黒人を抜いてヒスパニックが最大の割合を占めているというニュースも日本では報道された形跡がありません。報道されたニュースだけで人は判断するので、世論は報道で決まると言っても過言ではないでしょう。尖閣諸島の問題や北朝鮮の拉致問題も、アメリカでは報道されないので普通のアメリカ人はまず知りません。

2013年9月6日金曜日

奨学金?

日本の奨学金は給付型の他に貸付型のものがあり、それも無利子と有利子のふたつに分かれます。アメリカの奨学金は給付型のみで、日本のような貸し付けは学生ローンと呼ばれます。このローンは無担保のため利率が高く、5%から10%はざらです。同様に日本の有利子奨学金は正確には無担保ローンです。希望すればほぼ誰でも貰える現状からみると、消費者金融の親戚のように見えます。その有利子奨学金が返済されないケースが日本で増えているという事なので、おそらく無担保ローンの審査が不十分なのでしょう。マサはまともな審査のない無担保ローンはやめるべきだと思います。高卒で働いてお金を貯めて大学にいく道もある以上、希望者全員に無担保ローンを融資するのは誤りです。現状のような制度では今後ローンを返せない人が続出します。高校生全員が大学にいく必要もないので、貧困家庭で成績優秀な学生にのみ大学が授業料免除や生活費の給付という形で給付型の奨学金を出す方がお金が生きます。成功した卒業生から寄付金を募ってそうした給付型の奨学金の原資とします。貧乏だと塾にも行けないので、貧困家庭の成績優秀な学生に給付型の奨学金を出すのは、社会の格差是正につながる税金の正しい使い方です。学費の安い国立大学に金持ちの子供だけが入学できる社会は、税金の使い方が間違っています。

2013年8月31日土曜日

学校に防犯カメラ

こうも後から後から学校内でのいじめや体罰問題がでてくると、学校の中に防犯カメラが要ると思います。教室の中、廊下、体育館、校庭などほとんどすべての場所で必要です。他人の目がないと何が起きるか分からないし、教師や教育委員会はあてにならないので、動かぬ証拠が必要です。保護者がお金を集めて防犯カメラを付けるといいと思います。学校が安全という常識はもはや通用しないので、親は子供に自衛させるべきです。駅前に防犯カメラがあるなら、学校の中にあってもおかしくありません。防犯カメラは子供と教師の両方を守る道具になります。たとえば暴力をふるう子供はまずその親に警告を与え、それでも改善しないなら専門の学校に転校させるべきです。子供にボイス・レコーダーを持たせるのも自衛に役立つ良い方法です。教室に防犯カメラを取り付けることで子供の学校生活を可視化できます。そのための出費ならマサは子を持つ親として喜んで出します。

2025年03月29日追記
このブログから12年後、ようやく実現します。流出防止には注意しましょう。

2013年8月24日土曜日

結果としての安全

人々が安全を口にするとき、そこには2種類の安全があります。結果としての安全と前提としての安全です。この端的な例が、原発の安全について議論すると必ず出てきます。福島原発事故のおかげで、原発が安全だというのは単なる約束にすぎず、この約束が破られる事があると我々は知りました。国民は結果として原発は安全ではないと知ったので、大半は原発の利用をやめたいと思っています。結果としての安全を保証することは誰にもできない以上、他に代替手段のある原発をやめることで、結果としての安全を得ようとしています。ところが、地方自治体は政府に結果としての安全を求め、政府はそれを電力会社に言わせようとし、電力会社はこれを原子力規制委員会に押し付けています。原子力規制委員会は前提としての安全しか議論できません。事故にいたるシナリオを考え、そのシナリオを回避する規制を考え、電力会社にその規制を守る約束をさせるだけです。出口での安全を求める国民と入り口での安全しか考えない政府とでは、議論が平行線をたどっています。もちろん結果として安全でない物は他にもあります。例えば飛行機、船、車、電車といった交通手段です。これらは利用者が値段と利益と安全のバランスを選ぶ事ができます。ところが電力の場合、利用者にそうした選択権がありません。原発は過酷事故を起こした場合の被害がとても大きいので、人口密集地には作れません。もし結果として安全な物なら、電力の消費地である東京に作ればいいのです。高層ビルもスカイツリーも作れるならば、東京に原発を作れない技術的な理由はありません。結果としての安全が得られないのに、前提としての安全を唱えるだけの政府に国民の大半は失望しています。結果としての安全を求めるならば、原発を順次減らしていくのが現実的な妥協点でしょう。40年経過した原子炉は廃炉にして、もう新しい原子炉は作らない。これで近い将来原発はゼロになります。地震と津波が多いうえ事故のとき逃げ場がない日本では、もはや原発は危険すぎるエネルギー源となったのです。

2013年8月17日土曜日

「空気」とは何か

KY(空気読めない)という言葉に出て来る「空気」とは何でしょうか。マサはこれが建前と分離した本音であると思います。建前が通常表に出て来るのに対して、本音とは普通隠しておくものです。ところがこの本音が多数派になると、それはその場の空気として圧力を持ちます。つまりKYとは「俺たちの本音を分かってくれ」という願望が生み出す圧力です。普段から本音ではなく建前で会話する事の多い大人にとって、大事な場面で本音を察してくれない人はKYという形容詞で非難したくなる対象となります。建前と本音の乖離が大きいほど「空気」の圧力は高くなります。建前を理屈に、本音を感情に置き換える事もできます。だれかが正しい理屈を述べ、その場にいる人が「理屈はそうだけど感情的には違う」と思ったら「空気」が発生しています。建前と本音はバネでつながれていて、お互いに引き寄せ合い一つになろうとします。そのため間に挟まれている空気がある程度の圧力を持つと、その場にいる人に影響を及ぼします。建前と本音の乖離が大きくなればなるほど、また本音を言いたいのに言えない人の数が多ければ多いほど、その場の「空気」は高い圧力を持ちます。この「空気」は存在する空間が必要なので、複数の人間が集まる場所でのみ発生します。またそうした「空気」には日本を滅ぼすぐらいの力があるので、この力を殺ぐには建前と本音の分離をやめるのが一番です。つまり建前の影に隠れるのではなく、本音で生きる人を増やすという事です。それができれば、決定の先延ばしや両論併記という責任逃れをする大人を減らせるでしょう。

2013年8月2日金曜日

過労死

最近英語になった日本語にkaroushi(過労死)があります。日本以外では過労死は珍しいので、翻訳せずに日本語がそのまま英語になってます。アメリカだと月に80時間も残業させたらその人は会社を辞めてしまいます。スタートアップなどで例外的に長時間働いてもらう場合は、会社の未公開株を持たせるなどしてお金で引き留めます。アメリカは自己責任の国ですし、お金よりも自分の命や家族の方が大事と思っている人がほとんどなので、長過ぎる残業時間は会社を辞める立派な理由になります。アメリカと較べて日本に長時間労働が多い理由は主に3つあると思います。まず最初に日本では自己責任で生きている人が少ない点があげられます。集団に属する事で安定した生き方を求めるという事は、会社任せの人生となるので自己責任とは真逆です。実は日本の正社員という働き方はアメリカにはありません。つまり会社に人生を預ける代わりに、何でも言われた事をやるという生き方はアメリカにはありません。そもそも会社に人生を預けるという考え方がないので、少しでも待遇の良い会社が他にあればアメリカ人はすぐ移ります。それに就社ではなく就職なので、会社を移る以外に給料を上げる方法がありませんし、回りの人もそれを賞賛します。次に日本では長時間働く事が良い事だという誤解があり、休暇を取らずに働く人が褒められます。本当は長時間労働により体や精神が不健康になるだけではなく、休みを取らないと新しいアイデアが生まれなくなります。昭和の時代に日本の会社がコストを下げるため残業を奨励したのは確かです。今はそれに加えて非正規雇用で労働コストを下げています。これはいわば従業員の健康より目先の利益が大事という会社の方針です。従業員の創意工夫が求められる職場であれば、長時間労働は自分で自分の首を締める行為に他なりません。最後に日本の労働組合は総じて弱いか機能していません。労使協調というかけ声のもと、将来その会社の幹部になる組合幹部は、実は労働者ではなく会社の立場に立っています。組合員の不満をガス抜きするのが目的の組合もよく見かけます。つまり意見は聞くけど何もしない組合です。過労死はする方もさせる方も共に不幸になります。長時間労働が続くと頭が動かなくなり、ある時ふとすべてから逃げ出したくなって一線を超えてしまいます。自分の身を守るのは自分だという気持ち、自分の命や家族より大切な仕事はないという自覚、そして会社に人生を預ける正社員という生き方への否定が過労死を減らします。もう会社があなたを定年まで雇ってくれる時代ではありません。回りの国との競争が激化したため、日本の正社員という仕組みは時代に合わなくなりました。あくまでも職に付く限定社員という生き方が世界の主流です。年功序列をやめて年齢による就職差別を無くし、辞めやすく就職しやすい社会にする方が労使双方の利益になります。従業員が過労死する会社はブラック企業なので、そういう会社の社畜になるのはお勧めできません。会社にとって必要な人間なら、限定社員でも首になることはありません。自己責任で生きるという事は、常に自分の社会的価値を高める努力を怠らないという事です。普段から自分の社会的価値を高く保てば、失職してもすぐ次の仕事が見つかるので社畜になる必要はありません。

2013年7月26日金曜日

超モグラ新幹線

日本で開発中のリニア新幹線は、騒音対策のため地上部分でもコンクリート製の土管の中を走ると新聞に出ていました。つまりリニア新幹線とは超モグラ新幹線です。真っ暗な土管の中を運転手がいないリニア新幹線が走る姿を想像すると、自分はいったいそんな乗り物に乗りたいのだろうかと考えてしまいます。今まで国民の大部分は、今の新幹線をより速くしたものがリニア新幹線だと単純に考えてきました。でも騒音対策や安全性を考えると実際には乗客は外を見る事もできず、暗いトンネルの中をひたすら疾走する細長い乗り物が超リニア新幹線というものになりそうです。東京・大阪間の移動に3時間かかるものが1時間で済むというのが売りですが、その分お値段は高くなります。そもそも人口が減少する日本で、十分な採算が取れる乗客がいるのか疑問です。そこにきて超モグラ新幹線では観光客も期待できません。リニア技術を海外に輸出するために国内で実証する必要があるのは分かります。でもほとんどがトンネルの中を走る超モグラ新幹線に、高いお金を払ってまで皆さんは乗りたいですか。東京・大阪間を移動せずに仕事ができる仕組みを作るほうが、余分なエネルギーも使わずに済み、仕事のコストも安く押さえられると思うのはマサだけでしょうか。リニア新幹線がコンコルド旅客機のような運命をたどらない事を切に願います。

2013年7月20日土曜日

英語で話せばグローバル?

最近よく見かけるこの手の記事にはたいてい「英語より日本語が大事」という当たり前の事しか書いてありません。日本で生きて行く限り日本語は一番大事な基礎能力です。日本語ができるのは当然とした上で、グローバル経済で勝つには英語を話す事が必要だというのがマサの意見です。またこの手の記事ではグローバルという言葉がちゃんと定義せずに使われています。グローバル化するのは経済であって人ではありません。日本を始め多くの国が物や知識の貿易を中心とする経済で利益を得ています。世界規模での適材適所が起きるのがグローバル化した経済の特徴です。日本語しか使えない人は日本で暮らし、人口の減少とともに小さくなる日本で生きることになります。英語も使える人は日本以外で活躍する事ができるので、自分をより高く買ってくれる国で働く事ができます。サッカー選手で言えば香川選手や本田選手の生き方です。どちらが日本経済の規模拡大に役立つかは明らかでしょう。むろん英語さえできればグローバル経済で競争に勝てるとは限りません。でも英語が出来なければグローバル経済に参加する事すらできません。英語は必要条件であって十分条件ではありません。グローバル経済では世界レベルで戦える人とそうでない人で所得に大きな差がつきます。またコンピューターの発達も中間層を減らす方向に働きます。冷静に考えれば、英語を避けていては日本に明るい未来はないと誰でも分かるはずです。国内でガラパゴスのように進化の袋小路に進むか、それとも広い世界で新しい市場を見つけて成長するかは個人の好みです。ただし成長しなければ他の国に経済競争で負けます。農業でも工業でも金融でもそれは同じです。現状を維持したければ成長しなければなりません。グローバル経済では誰もが日本代表プレーヤーです。公務員のように利益を生まない労働者ばかりが増えると、ギリシャのように国が破綻します。英語を道具として使えない人が自己満足のために書く記事を鵜呑みにしていると、とんでもない事になります。英語は読み・書き・パソコンの次に使う道具です。サッカーと同じく練習して体で覚えます。

2013年7月12日金曜日

技能実習生

日本の技能実習生という制度はもうやめませんか。もともと賃金が安くて日本人の希望者がない仕事に、海外の貧乏人を連れてきて働かせるのは現代の奴隷制度といっても過言ではありません。アメリカの場合、そうした仕事には不法移民が就いています。メキシコと陸続きですから不法移民は後を断ちません。またそうした人たちに依存している農業などの産業があることも確かです。でもその結果強盗や殺人などの犯罪が増え社会全体としてはマイナスの収支になっています。そうした現代の奴隷を使わないと採算が取れない仕事は日本でやること事態が間違いです。借金までして日本に来ているので、そうした人たちは簡単に仕事をやめることができません。建前は実習でも本音は出稼ぎです。言葉もわからない異国でひとりで働くのは心細いものです。言葉がわからないと大切な事を誤解する危険もあります。技能実習生制度は日本の恥です。本当に技能を教えたければ、外国に技能学校を作ればいいのです。

2013年7月5日金曜日

マザーズ・ルーム

マサが今勤めている会社には、マザーズ・ルームというカギのかかる小部屋があります。これは乳飲み子を持つ母親が、自分の母乳をしぼって持参した容器に貯めるための部屋です。会社には各階に社員の持ってきた弁当を入れておく冷蔵庫もあり、家に帰るまで母乳をそこで冷蔵することができます。出産後半年から1年は母乳で育てることが望ましいので、働きながら子育てをする女性には必要な部屋です。以前マサが勤めていた会社だと、出産の前日まで働いていた強者の女性エンジニアもいます。こうした環境を実現するには法律による強制と、男性を含めた社会の理解が必要です。子供は国債という借金を背負い、あなたが受け取る年金を稼いでくれる存在です。子供の数が減る国に未来はありません。あなたの会社にマザーズ・ルームはありますか。大人の仕事は次世代により良い社会を残すことです。子供の数が減る社会は、決して良い社会ではありません。

2013年6月29日土曜日

原子力より地熱発電

原子力発電は発電時にCO2を出さないので、地球温暖化の防止になるという宣伝が行われました。ところがこれにはまやかしがあります。原子力発電は核分裂による熱エネルギーで水を水蒸気に変えて発電します。そのエネルギー効率は火力発電より低くて約33%です。つまり100万KWの原子力発電所は、その倍の200万KWに相当する熱エネルギーを海や大気に捨てています。これは地球を暖めるストーブのようなものです。もし地球温暖化を防ぎたいのなら、原子力発電よりも地熱発電や太陽光発電の方がずっと役に立ちます。地熱や太陽の光は今でもそのまま地球を暖めているエネルギーなので、これをうまく電気エネルギーに変換できれば地球を暖める分が減ります。同じ理由で、エネファームのような家庭でガスから電気とお湯を作るシステムの方が地球温暖化の防止には役立ちます。火力発電所では捨ててしまう熱エネルギーをお風呂のお湯に使えるうえ送電線による電力損失もないので、ガスのエネルギーを効率よく利用できます。熱エネルギーは一番使いにくいエネルギーなので、どれだけ熱エネルギーを経由すぜに素材のエネルギーを取り出せるかが重要です。水力発電は重力エネルギーを熱エネルギーに変換することなく電気に変えるので、素材のエネルギーを電気エネルギーに変える効率は最大です。地球温暖化の防止には、自然にある熱エネルギーを利用するか又は熱エネルギーを経由せずに素材のエネルギーを利用する事が必要です。火山国の日本は地熱利用をもっと進めるべきだと思います。国立公園法を改正して、国立公園内で地下に地熱発電所を作れるようにすべきです。九州と東北にはたくさんの地熱資源があり、今は未使用のまま捨てられています。火山国である日本がこれを利用しない手はありません。発電量が安定しているのも地熱発電の大きな利点です。

2013年6月23日日曜日

感覚のマヒ

福島原発で冷却装置の異常停止や放射能汚染水の流出が続いています。これをもって新聞は東電を「緊張感がない」と非難しますが、それは的外れです。2011年3月の深刻な事故と放射能漏れに較べれば、今回の冷却装置の異常停止や放射能汚染水の流出など現場の人間には大した事に感じないだけです。東日本に人が住めなくなる可能性もあった4号機の燃料プール問題に較べれば、仮設電源の不具合や貯水槽の水漏れなど想定の範囲内にすぎません。生きるか死ぬかという修羅場をくぐった人間から見れば、今福島で起きていることは些細な不始末です。感覚がマヒしているとも言えます。何もかもが東電には始めての事故なので、そうそう上手に事故処理が進むとは思えません。これから先も汚染水は増え続けるでしょうし、数十年後に放射能が下がって圧力容器の蓋を開けるまで、溶けた核燃料がどこにどれだけあるのかさえも分かりません。福島原発は今や壮大な金食い虫となりました。国民の税金で冷やし続けなければならない核のゴミです。この期におよんでまだ日本で原子力発電を続けるのも、感覚のマヒに他なりません。

2013年6月13日木曜日

大人の役目

日本の不景気は、産業の持つ国際競争力の低下が原因のひとつです。そして日本の国際競争力が低下した最大の原因は、教育への投資を怠ったからです。この30年間で日本は新しい鉄道、空港、ビル、高速道路、橋を作りました。でも人作りをしなかったので、日本人の能力は向上しませんでした。むしろ「ゆとり教育」により平均的能力は低下しています。その同じ30年間に韓国、中国、台湾をはじめインド、ブラジルなどの国々では教育レベルを上げ、国際競争力を増やしました。地下資源の無い日本の唯一の資源は人です。人の国際競争力を上げないと日本は周りの国に経済的に負けます。他の国に出来ない事をやらないと日本は衰退します。公共事業で景気が良くなるのは経済の輪が国内で閉じている場合です。日本のように海外と深くつながっている経済では、国際競争力を上げない限り国内の景気は良くなりません。円高でも人を呼べる魅力のある国になれば観光で外貨を稼げます。円高でも他の国に真似できない製品があれは外貨を稼げます。円高なら他国のライバル企業を買収することもできます。周りの国が人のレベルを上げてきたので、日本はさらにその上をいくレベルの人を養成しなければなりません。教育は100年の計です。年金に税金を投入するのは止めて、お金を教育に回す時です。人口が減る国には新しい道路も鉄道も要りません。長時間労働でコストを下げるのではなく、頭を使って他の国に真似できない方法で外貨を稼ぐのが日本の将来の姿です。子孫に借金を押し付けるのではなく、良い教育を残すのが大人の役目です。

2013年6月8日土曜日

国語対英語

英語教育の話になると、必ず英語より国語の方が大事だという主張をする人がいます。この主張は実は無意味です。日本人を教育する以上、日本語は使えるのが前提なので、日本語がすべてに優先するのは当然です。それに日本語はほぼすべての教科で使う道具なので、国語の時間だけが日本語を学ぶ時間でもありません。もし学生の日本語能力が低いというなら、それは親と政府の責任です。子供が学ぶ量は時代とともに増えてきます。学校の効率を上げて授業時間をあまり増やさずに学生の能力を上げるには、少人数の授業が必要です。一人の教師がみる学生数は小中高ともひとクラス20人までとします。国語では小説を読む時間を減らして、新聞を題材に議論する練習をします。小説で外貨が稼げるのは村上春樹ぐらいなので、それよりきちんと話ができる人間を増やす方が日本の国際競争力強化につながります。読書感想文などという意味不明の宿題も廃止して、かわりに小論文を書かせます。題材には正解のない現実の問題を取り上げて、自分の頭で考えるという練習をします。授業では自分の論文を口頭で発表して、それをもとに議論します。自分の意見をうまく日本語で伝えられない人は、英語でもやはりダメです。

2013年6月1日土曜日

小学生に英語?

ハッキリ言うと公立小学校の生徒に本格的に英語を教える必要はありません。小学校から英語を学ぶのはお金のある私立学校だけで十分です。少人数教育ができないとあまり効果がないので、ほとんどの公立小学校では不要です。まともに英語を教えられる先生も公立小学校にはいません。その代わり世の中には複数の言語があって、おなじ挨拶、たとえば「おはようございます」でも英語ならこう、ドイツ語ならこう、フランス語ならこう、スペイン語ならこう、中国語ならこう、韓国語ならこうと国語の時間に教えれば足ります。カタカナで表す外来語の多くは英語とドイツ語から来ていると例をあげて説明し、日本で作られた疑似外来語つまり日本語英語は日本語であって、海外では通じないと教えます。英語で歌を歌うとかフォニックスを学ぶとかは私立学校や英語塾でやれば良く、公立小学校でそこまでやる必要はありません。国民の9割は日本にとどまるので、日本語ができれば生きて行けます。海外に出る1割だけが外国語を本当に必要としている人たちです。その人たちには、小学校の頃から英語を使わせるのが一番の練習になります。サッカーでも、将来プロになる人は小学校の頃から練習しています。英語も同じです。必要なら英語塾で学べばいいのです。

2013年5月21日火曜日

お茶を殺すな

日本茶の劣化が進んでいます。ご存知ですか?「深蒸し茶」はお茶を殺す行為です。日本茶はまず摘み上げた茶葉を浅く蒸して茶葉に含まれる酵素の働きを止めます。ここで酵素の働きを止めないと紅茶になってしまいます。次に茶葉を乾燥させておしまいです。出来上がったお茶は緑色の葉が細長く尖っていて、針のようになります。長さは3cmぐらいで、指に刺さります。こうしたお茶から正しく抽出したお茶は、山吹色で独特の茶葉の香りがあり甘い味がします。ペットボトルで飲むお茶の味です。お茶の良さは色、香り、味で評価します。味には甘み、苦み、旨味があります。お茶には抽出に適した温度のお湯があり、煎茶は80度前後です。これより高い温度のお湯を使うと苦みだけ突出したお茶になり、ちっとも美味しくありません。ですから電気ポットのお湯は温度が高すぎて、そのままでは番茶やほうじ茶にしか使えません。正しくは温度を80度に下げてから3分かけて抽出します。ところがこれを知らない消費者は沸騰したお湯を煎茶に使い、1分程度で急須から湯のみに注いでしまいます。これでは美味しいお茶は飲めません。そこで抽出する時間を短縮するために考え出されたのが、「深蒸し茶」です。蒸す時間を長くすることでお茶の葉がボロボロに崩れるので、お茶というより粉茶に近い形状になり、抽出時間は短かくなります。でも「深蒸し茶」はいわば出来損ないのお茶です。蒸す時間が長過ぎるため、まずお茶の香りが飛んでしまいます。次に甘みと旨味が熱で失われます。旨味はお茶に含まれるアミノ酸が主成分です。最悪なのが、茶葉が崩れているため抽出したお茶がドロッと緑色に濁ることです。緑茶というのは実は黄色のお茶のことを指します。ペットボトルのお茶を見てください。黄色でしょう?「深蒸し茶」は出来損ないのお茶です。わざわざ不味いお茶を作っています。そのままでは煎茶に適さない厚くて固い茶葉を利用しようとして考え出されたのが「深蒸し茶」です。ところが「深蒸し茶」が特別な製法であるかのように宣伝されたため、今では「深蒸し茶」でない本来のお茶を探すのがとても難しくなりました。「深蒸し茶」は日本茶の自殺行為です。わざわざ不味いお茶を作っています。それは消費者が美味しいお茶の淹れ方を知らないからです。紅茶ソムリエならぬ日本茶ソムリエを養成するべきです。お茶は海外に輸出できる数少ない農産物です。でも「深蒸し茶」では緑色のヘドロのような、香りと味のない不味いお茶しか飲めません。日本茶業界は正しいお茶のいれ方から教育する為に、日本茶ソムリエ制度を作って消費者を啓蒙するべきです。マサは「深蒸し茶」を避ける為に、袋入りのお茶を外から指で押してみます。もし砂袋を押すような感覚があれば、それは「深蒸し茶」です。浅蒸し茶は押した時に茶葉が折れるポキポキ感があります。本当は中の茶葉を見て買えば消費者にとって一番です。でもスーパーでは不透明な袋入りのお茶しか買えませんので、外から押すと感覚でわかります。ただし固い真空パックだと分かりません。「深蒸し茶」と書いてなくても、今や市販の9割のお茶は「深蒸し茶」です。消費者と日本茶業界がそろって日本茶を殺しています。こうした愚かな行為がもう何十年も日本で続いています。せっかくの日本茶を深蒸しで殺すのは止めませんか。

2013年5月17日金曜日

家計収入分布図

昔NHKの人形劇で「ひょっこりひょうたん島」という名作がありました。ある年代以上の方なら覚えておいででしょう。先日アメリカの家計収入分布図を見ていて、この「ひょうたん島」を思い出しました。ひょうたん島は、その名の通りヒョウタンを縦に真ん中で切って、半分を横にして海に浮かべたような形をしています。瀬戸内海に実在する「瓢箪島」も、テレビでは人形劇にならって左側に大きい山、右側に小さい山が来る構図で紹介されています。この図がまさにアメリカの家計分布と同じ形をしています。左側の山のピークは年収で200万円弱であり、それから右に年収が上がるにつれてグラフは下がって行きます。でも2000万円をこえると次の山になります。つまり山はふたつあり、そのピークは200万円と2000万円以上のところにあります。200万円のピークは国民の家計の6%を占め、2000万円以上のピークは2%を占めています。また家計の中間値はリーマンショック後毎年下がっており、今は約500万円となっています。日本は中間値が438万円とアメリカに近く、下のピークはなだらかながら200万円前後で7%ぐらい、上のピークはやはり1000万円以上で12%あります。日本もアメリカも家計収入の分布は割と似ていると言えます。ただし日本には小さいながらも中間層がまだ存在し、そのピークは600万円あたりに9%あります。アメリカでは2011年に家計収入トップ1%の人たちが全米資産の半分、収入の4分の1を持っているというので、富の偏在がひどいと99%運動が起きました。日本はまだそこまで行っていませんが、方向としてはアメリカのようになると見て間違いないでしょう。グローバル経済では他の国でできる仕事はすぐに他の国に移るので、経済的な勝者と敗者がはっきりと分かれてしまいます。単価の高い労働者を増やす以外に日本の敗者を減らす方法はありません。そのためには、世界的に需要があって専門性の高い仕事ができる人間を増やすのが一番の手です。日本の将来は教育にかかっています。

2013年5月11日土曜日

儒教の誤解

日本にある道徳は儒教が元になっていて「仁、義、礼、知、信」の五つの徳性を重んじています。これ自身はアメリカを始め世界のどこでも大切とされる要素に他なりません。ところがこれから派生したものとして「父子、君臣、夫婦、長幼、朋友」という関係を大事にしなさい、と言ったあたりから誤解が生じてしまいました。現代の日本では「敬老、男尊女卑、年功序列」が常識となっています。今でも日本社会と韓国社会だけが儒教の強い支配下にあり、本家の中国では儒教は下火です。でもその韓国は経済力を付けるため、日本に先んじて会社内での「敬老、男尊女卑、年功序列」を捨てました。年長者に盲目的に従うのではなく、女性も戦力として扱い、年齢に関わらずその仕事に最も適した人間を当てるという、世界的に見ればごく当たり前の事をしたのです。経験を重視しすぎると新しい事ができなくなります。大切なのは年齢ではなく「仁、義、礼、知、信」です。日本が「敬老、男尊女卑、年功序列」をやめて「仁、義、礼、知、信」で人を評価する社会になれば、グローバル経済でも世界を相手に負ける事はありません。

2013年5月3日金曜日

共意する

英語のcommunicationを日本語にするのに苦労してます。どうやら日本語にはぴったりの訳語が無いので、新しい訳語を作る事に決めました。「共意」です。もともとcommuneには「共有する」という意味があります。Communismと言えば共産主義を意味します。意思の疎通がcommunicationの意味だとすれば、そうした意思を共有するという意味で「共意する」という訳語はどうでしょうか。人が人と話して意思を伝えたり気持ちを理解してもらうのがcommunicationです。それに対応するぴったりの日本語がないというのは、恐らく「以心伝心」を旨としてきた日本人の残念な点です。「話さなくても分かる」が日本のこれまでの常識ならば、「話せば分かる」がこれからの常識になります。話題の「コミュ力」は「共意力」となります。「きょうい」には同音異義語が少ないので、既存の言葉と間違える危険が少ないのも良い点です。「コミュ力」のようにカタカナと漢字を混ぜる無理も必要ありません。「こみゅか」と呼んでクビをひねる人もいなくなります。どうでしょう、これからは「共意」という訳語を「コミュニケーション」の代わりに使いませんか。